個々具体的な職員の人事異動は、勤務条件にあたらない。

職員の給与や勤務時間に関する事項は、勤務条件にあたる。

昇任や転任に関する事項は、勤務条件にあたる。

職員の災害補償に関する事項は、勤務条件にあたらない。

職員の福利厚生事業は、勤務条件にあたる。

職員の給与、勤務時間その他の勤務条件は、条例で定めるものとする。

職員の給与は、法律または条例により特に認められた場合を除き、通貨で、直接職員に、その全額を支払わなければならない。

職員の勤務時間は、労働基準法に定める基準を逸脱することがなければ、条例で定めることなく、地方公共団体の当局と職員団体との間で書面協定により定めることができる。

職員本人の願い出による休職中においては、いかなる給与も支給されない。

職員が、任命権者から修学部分休業または高齢者部分休業の承認を受けて勤務しない場合には、勤務をしない時間の給与について減額されることはない。

職員は、いかなる場合においても条例の定めのない金銭を受け取ってはならず、たとえ表彰の副賞であっても金品を受け取ることはできない。

職員は、懲戒処分によって停職にされた場合には、条例で定める場合以外は、いかなる給与も支給することができない。

給与に関する条例に規定するものとされている等級別基準職務表には、職員の職務の複雑、困難及び責任の度に基づく等級ごとに、職員の職務を分類する際に基準となるべき職務の内容を定めていなければならない。

職員の給与、勤務時間その他の勤務条件に関する事項を全面的に規則で定めるよう条例で委任することはできない。

給料の特別調整額の支給を受けるものと指定された職に本務として在職する職員が、兼務を命ぜられた特別調整額の支給を受けない職の職務に従事した場合は、超過勤務手当を支給することができる。

一般行政事務に従事する職員の給与と単純な労務に雇用される職員との給料を同一の給料表で定めることはできない。

給料の特別調整額は、労基法第三十七条に規定する深夜の割増賃金に相当する額を含むよう定めることが適当である。

結核性疾患のため校長としての身分を保有したまま休職にされた校長に対しては、管理職手当を支給することはできない。

職員は、他の職員の職を兼ねる場合に、これに対して給与を受けてはならないとされているが、国家公務員の職または特別職を兼ねる場合にも、このような制限がある。

職員の給与は、直接職員に支払うことが原則であるが、職員が指定する金融機関の預金又は貯金口座への給与振込は、条例で定めれば、例外として認められる。

職員の給与は、労働基準法に基づき、毎月1回以上、一定の期日を定めて支払うことが原則であるが、時間外勤務手当、特殊勤務手当等の諸手当についても同様である。

職員の給与は、その全額を職員に支払うことが原則であるが、所得税の源泉徴収、共済組合の掛け金、職員団体の組合費等は、法律で認められた例外である。

職務給の原則は、各給料表の等級内の号給の区分と定期昇給によって実現される。

職務の困難などに対応する特殊勤務手当、管理職手当及び扶養手当は、職務給の原則に基づくものである。

職務給の原則は、条例主義の原則、情勢適応の原則及び均衡の原則とともに給与の決定に関する原則である。

職員が他の地方公共団体の一般職の職を兼ねた時は、任命権者の許可が有れば、これに対して重ねて給与を受けることができる。

給与は原則としてその全額を直接職員に支払わなければならないが、国税徴収法による職員の給与の差し押さえは、この原則の例外をなすものである。

職員の給与を当該職員の委任を受けた者に対して支払うことは、必ずしも直接払いの原則に反するとはいえない。

職員の給与については、給料表や各種手当の額などの具体的な事項について条例で定めなければならないが、単純労務職員の給与については、条例で定めるのは、給与の種類と基準のみとされる。

給料の額は、条例で定めなければならないが、昇給の基準に関する事項については、人事委員会規則で規定される。

教職員のうち県費負担職員の給与については、都道県が負担するが職員の身分は市町村に属するので、具体的な支給額は各職員が属する市町村の条例で定められる。

職員の給与請求権は、消滅時効の完成猶予や更新の規定がないので、時効期間の経過により絶対的に消滅する。

職員の給与請求権の消滅時効は、5年である。

職員の給与請求権が時効によって消滅するためには、地方公共団体の援用を必要としない。

地方公共団体は、給与請求権の消滅時効の利益をあらかじめ放棄することはできないが、時効完成後は放棄することができる。

地方公共団体の長や議会の議員は、給与請求権を放棄することができる。

勤務時間は、民間事業者の勤務時間を考慮して定めなければならず、人事委員会を置く地方公共団体においては、給料と同様に人事委員会による勧告制度が設けられている。

勤務時間は、その決定に当たっては、労働基準法に定める基準を下回るものであってはならず、国及び他の地方公共団体の職員との間に権衡を失しないように適当な考慮が払われなければならない。

時間外勤務とは、正規の勤務時間外の勤務及び週休日の勤務で休日勤務又は宿日直勤務に該当しないものをいう。

正規の勤務時間外の勤務とは、正規の勤務時間の開始前及び終了後を意味し、休憩時間中の勤務は当たらない。

企業職員等について、労働基準法第36条に規定する労使の協定、いわゆる三六協定を締結すれば、時間外勤務を命ずることができるが、この場合、労働基準監督署の許可を得る必要がある。

労働基準法は、労働基準監機関の許可を得れば、公務上の臨時の必要に基づく場合に、地方公務員に時間外勤務を命ずることができるとしている。

労働基準法に規定のない休日として、国民の祝日に関する法律で指定された休日があり、当然に勤務義務が免除されるが、給与は支給されない。

労働基準法に規定のない休日として、条例で休日とされた日は、本来勤務義務を課されていない日であり、これらの日に勤務し場合は、時間外金手当が支給される。

労働基準法上の休日は、毎週少なくとも1回、又は4週間を通じ4日以上与えなければならない。この休日は有給である。

多くの地方公共団体は、原則として土曜日と日曜日を休日とし、これらの休日を週休日と呼んでいる。この休日は、給与が支給されない。

宿日直勤務は、労働基準法41条に定める断続的労働には当たらない。

宿日直勤務をさせる場合は、労働基準監督機関の許可を必要としない。

宿日直勤務は、通常の勤務の延長として命ずることができる。

宿日直勤務をした職員に対しては、時間外勤務手当を支給しなければならない。

通常の勤務を行った者に引き続き宿日直勤務を命ずることができる。

使用者は休憩時間は一斉に与えなければならないが、労働者の過半数で組織する労働組合との書面協定に基づき、休憩時間を一斉に与えないこともできる。

監督又は管理の地位にある者についても、労働基準法では休憩時間を与えなければならないとされている。

休憩時間は原則として自由に利用させなければならない。ただし、使用者が業務上の必要がある場合はこの限りでない。