問題一覧
1
皮膚の解剖について、適切なものは次のうちどれか。 A. 真皮にはランゲルハンス細胞が存在する。 B. 基底膜によって表皮と真皮が結合する。 C. 皮下組織を除く皮膚の厚さは平均1cm程度である。 D. 皮膚は表皮と真皮の二層構造である。
基底膜によって表皮と真皮が結合する。
2
皮膚に影響を与える因子とその影響として、適切なものは次のうちどれか。
高齢者は皮脂の分泌が低下し、ドライスキンになりやすい。, 蛋白質の不足は創傷治癒の遅延につながる。
3
創傷治癒の過程について、適切なものは次のうちどれか。
成熟期・再構築期には皮膚細胞の再生が起こる。
4
一般的な褥瘡の好発部位は次のうちどれか。
耳介, 仙骨部
5
創傷治癒を障害する要因となり得る状況は次のうちどれか。
創部感染がある場合 , 貧血を呈している場合, 創周囲に浮腫がある場合
6
慢性創傷について、適切なものは次のうちどれか。
B. 蛋白質分解活性のバランスが崩れている状態である。
7
TIME理論に基づく治療について、適切なものは次のうちどれか。
①. 壊死組織は、外科的デブリードマンが基本的な治療となる。, ②. 感染を伴う場合は、抗菌作用のある外用薬の塗布を行う。
8
褥瘡発生における組織障害に至る機序について、適切なものは次のうちどれか。
①. 直接的な外力により表層が剥脱し、組織障害が起きる。, ④. リンパ流の途絶により、代謝老廃物の蓄積を招くことが組織障害につながる。
9
褥瘡のリスクアセスメントスケールの特徴として、適切なものは次のうちどれか。
D. OHスケールは、体圧分散マットレスの適切な選択につなげやすいスケールである。
10
皮膚感染症の特徴について、適切なものは次のうちどれか。
C. 疥癬の感染経路は、肌と肌の直接接触が主体である。
11
ブレーデンスケールによる評価方法について、適切なものは次のうちどれか。
B. 湿潤の評価にはドレーン排液による湿潤も含む。
12
急性期褥瘡の特徴は次のうちどれか。 ①. 視診で明らかな皮膚損傷がなくても、触診で腫脹を伴うことがある。 ②. 非接触型の温度計では周囲より低温を示す。 ③. 痛みを伴いやすい。 ④. ガラス板圧診法を行うと発赤が消退する。 A. ③、④ B. ①、③ C. ②、③ D. ①、②
B. ①、③
13
NPUAP/EPUAPによる褥瘡分類において、「骨突出部に限局された領域に消退しない発赤を伴う損傷のない皮膚の状態」が、当てはまるものは次のうちどれか。
D. ステージⅠ
14
褥瘡対策における圧再分配の概念とその説明について、適切なものは次のうちどれか。 ①. 「沈める」は、沈みこみが大きいほど接触面積がより縮小する。 ②. 沈みこむ機能は、マットレスを構成する素材の圧縮特性と寸法(厚み)に依存する。 ③. 「包む」は、体圧分散具が変形することで身体との接触面積を拡大させることができる。 ④. 「経時的な接触面の変化」とは、エアマットレスが周期的に膨張と収縮を繰り返すことで、接触部分を変化させることである。
A. ②、③、④
15
体位変換について、適切なものは次のうちどれか。 ①. ベッド上の場合は、基本的に2時間以内の間隔で行う。 ②. 上敷二層式エアマットレスを使用している場合は、4時間以内の間隔で行う。 ③. 高度の骨突出がある場合では、30度側臥位は大転子部と仙骨部に圧力がかりやすい。 ④. ギャッチアップする場合は、ベッドの屈曲部位と臍の位置を合わせる。
D. ①、②、③
16
ベッドのギャッチアップ時に生じる摩擦・ずれ防止について、適切なものは次のうちどれか。 ①. 背抜きとともに殿部や下肢も除圧を必ず行う。 ②. ベッドは頭側を挙げてから、足側を挙げていく。 ③. ギャッチアップしてから体の位置を調整するようにする。 ④. 膝とベッドの屈曲部分が合わない場合は、大腿後面にクッションを挿入する。
B. ①、④
17
剪断応力とずれについて、適切なものは次のうちどれか。
B. 深層剪断応力は、骨膜上でずれ力が集中して起きる力である。
18
ポケットについて、適切なものは次のうちどれか。
C. ポケットは創にずれの力が加わり、創縁の周囲皮下に空洞を伴った状態である。
19
DESIGN-RⓇ2020の評価と特徴について、適切なものは次のうちどれか。
創面にぬめりがあり、滲出液が多い場合はI3Cと表記する。
20
DESIGN-RⓇ2020の深さ(Depth)の評価方法について、適切なものは次のうちどれか。
A. 関節腔、体腔に至る損傷は「D5」と評価する。
21
褥瘡の予防および発生後のアルゴリズムについて、適切なものは次のうちどれか。 ①. 褥瘡がない場合で、随意的に筋収縮が行えるが筋萎縮がある場合は物理療法を検討する。 ②. 褥瘡がない場合で、栄養状態が不良である場合は栄養療法を行う。 ③. 褥瘡がある場合で、治療において最も優先順位が高いのは感染治療である。 ④. 褥瘡がある場合で、感染所見のある褥瘡はすべて外科的デブリードマンの適応にはならない。
C. ②、③
22
スキンケアの基本について、適切なものは次のうちどれか。 ①. 洗浄時は皮膚をよくこする。 ②. 色素沈着がないかよく観察する。 ③. 洗浄により皮膚表面をアルカリ性に傾ける。 ④. ケアの機会に1日1回は皮膚の観察を行うようにする。
C. ②、④
23
ドライスキンへのケアについて、適切なものは次のうちどれか。 ①. エモリエント効果がある保湿剤は角質水分量を増加させる。 ②. 全身への保湿剤の外用が困難な場合は保湿効果を持つ入浴剤を活用する。 ③. 保湿剤は1日2回塗布するより、1日1回の塗布が望ましい。 ④. チューブ型軟膏は指の先端から第2関節まで出した量を大人の手掌2枚に相当する面積に塗布する。
A. ①、②
24
脆弱な皮膚へのケアについて、適切なものは次のうちどれか。 ①. 硬度の高い乳液タイプの保湿剤を使用する。 ②. 滲出液が多い場合はソフトシリコンの創傷被覆材を避ける。 ③. こすれやすい部位はガーゼなどで保護する。 ④. 細菌の関与が疑われる場合は銀含有の創傷被覆材を検討する。
C. ③、④
25
主観的包括的栄養評価(SGA)について、適切なものは次のうちどれか。 ①. 体重減少率が6カ月間で3%以上となった場合は栄養状態の低下があると判断する。 ②. 食事摂取量が普段の半分以下の状態が数日続く場合は栄養状態の低下があると判断する。 ③. 患者の病歴と身体所見のみから栄養評価を行う。 ④. 褥瘡に限定した場合、エビデンスレベルは高い。
B. ②、③
26
低栄養について、適切なものは次のうちどれか
C. マラスムス・クワシオルコル混合型はパラフィン紙様皮膚が特徴的である。
27
褥瘡を有する場合の栄養療法について、適切なものは次のうちどれか。 ①. 体重1㎏あたり20~25kcal/日のエネルギー摂取を目安とする。 ②. 蛋白質の必要量を設定する際は腎機能や肝機能を確認する。 ③. 亜鉛は100mg/日程度の摂取が必要である。 ④. 蛋白質の必要量は褥瘡の深達度によって異なる。
B. ②、④
28
排泄管理の必要性と失禁が皮膚に与える影響について、適切なものは次のうちどれか。 ①. おむつ装着により皮膚表面と外力との間の表面剪断力が低下する。 ②. 皮膚の浸軟は皮膚保護機能を上昇させる。 ③. 尿が長時間皮膚に触れると化学的な刺激となる。 ④. おむつの中が蒸れると細菌感染が起こりやすい。
C. ③、④
29
尿失禁の種類について、適切なものは次のうちどれか。
A. 腹圧性尿失禁は骨盤底筋の脆弱化により出現する。
30
便失禁の原因と対策について、適切なものは次のうちどれか。
A. 便失禁管理システムは肛門に外傷のある場合には使用できない。
31
仙骨部・尾骨部の褥瘡の処置時のポイントについて、適切なものは次のうちどれか。 ①. 排泄物により創部が汚染される場合は、ポリウレタンフィルムで保護する。 ②. ガーゼの枚数が少ないと仙骨部の圧迫につながる。 ③. 被覆材が剥離する可能性がある場合は、水溶性基剤の軟膏を使用する。 ④. 創部への排泄物付着を予防するために亜鉛化軟膏を使用してもよい。
A. ①、④
32
感染症の治療における抗菌薬の使用について、適切なものは次のうちどれか。
B. エンピリックセラピーは広域スペクトラムの抗菌薬を使用する治療法である。
33
下肢静脈の解剖について、適切なものは次のうちどれか。 ①. 膝窩静脈は下腿部で脛骨静脈と腓骨静脈に分岐する。 ②. 下大静脈から総腸骨静脈が分岐する。 ③. 小伏在静脈は大伏在静脈から分岐する。 ④. 大伏在静脈では膝上にCockett穿通枝が存在する。
A. ①、②
34
動脈性下肢潰瘍の特徴について、適切なものは次のうちどれか。 A. 組織が低酸素状態となり発症する。 B. 痛みは伴いにくい。 C. 対策としては、除圧が最も重要である。 D. 下肢に熱感が見られる。
A. 組織が低酸素状態となり発症する。
35
臓器/体腔SSI(Surgical Site Infection)の診断基準として、適切なものは次のうちどれか。 ①. 臓器、体腔に及ぶ膿瘍またはその他の感染の証拠が、直接的検索、再手術中、組織病理学的、放射線学的検査によって発見される。 ②. 手術医または主治医による臓器/体腔SSIであるとの診断がある。 ③. 埋入物をおいていない場合は術後1年以内に感染が発生し、感染が手術手技に関連していると思われる。 ④. 刺創を通じて臓器/体腔に留置されているドレーンからの膿性排液がある。
D. ①、②、④
36
下肢静脈瘤の治療について、適切なものは次のうちどれか。 ①. 潰瘍を伴う病変に対しては、20~30mmHg程度の圧で圧迫療法を行う。 ②. 圧迫療法と血管内焼灼術を併用すると、潰瘍再発率が高まる。 ③. ストリッピング術とは、伏在静脈を抜去する治療法である。 ④. 圧迫療法には、弾性包帯や弾性ストッキングを用いた方法がある。
C. ③、④
37
感染の制御を目的とする抗菌系外用薬について、適切なものは次のうちどれか
A. 抗菌系外用薬は、長期使用により耐性化の危険性がある。
38
静脈弁と筋ポンプ作用について、適切なものは次のうちどれか。 ①. 深部静脈の弁の破綻により生じるのが下肢静脈瘤である。 ②. 静脈弁により重力による血液の逆流が防止される。 ③. 長時間の立位時には筋ポンプ作用が働く。 ④. 筋ポンプ作用が働かないと深部静脈血栓症を引き起こすことがある。
B. ②、④
39
神経障害性下肢潰瘍の特徴について、適切なものは次のうちどれか
B. 足の変形による胼胝形成が原因となることがある。
40
褥瘡の治療とケアについて、適切なものは次のうちどれか。(医師国家試験 第109回 G問題 19問より一部改変)
D. 創面の湿潤環境を保つ。
41
デブリードマンの適応となるものは次のうちどれか。 ①. 黒色の固く厚い壊死組織のある褥瘡 ②. 感染徴候を認めない急性期褥瘡 ③. 動脈性の血流障害に起因する褥瘡 ④. 壊死組織下に膿瘍を認める褥瘡
A. ①、④
42
80歳の男性。脳梗塞の既往あり、左不全麻痺がある。今回、誤嚥性肺炎のため入院となった。入院時のバイタルサインは、体温37.4度、血圧138/56mmHg、脈拍86回/分、呼吸数18回/分。酸素3L投与しており、SpO2は94%。左の大転子部に1カ月前に発生した褥瘡があり、創の大きさは2cm×2cm、創面には黒色の壊死組織がみられた。この患者に対して、デブリ―ドマンの実施を検討している。実施にあたり、収集すべき情報として優先順位が低いものは次のうちどれか。
D. 血糖値
43
75歳の女性。身長140cm、体重30kg。既往に高血圧症と10年前に脳梗塞を発症し、寝たきりとなった。自宅で家族が介護しているが、四肢関節の拘縮が徐々に進行している。半年前から経口摂取が不良となり、やせが目立ってきた。3カ月前から仙骨部に褥瘡ができており、保存的治療として外用薬の塗布を継続しているが改善があまり見られていないと相談があった。現在の褥瘡の状態を下記に示す。まず行う対応として、適切なものは次のうちどれか。(医師国家試験 第108回 H問題 22問を改変) ①. 血液検査を実施し、感染の有無を評価する。 ②. 今までと同様の保存的治療を継続して経過を観察する。 ③. 創部を消毒する。 ④. 栄養状態を評価する。
D. ①、④
44
デブリードマンの種類と方法について、適切なものは次のうちどれか。
A. 物理的デブリードマンはブラッシングにより行う。
45
水圧式と超音波式のデブリ―ドマンを比較した際の、水圧式の特徴について、適切なものは次のうちどれか。 ①. 1回あたりのコストが高い。 ②. 硬い組織は適応外である。 ③. 疼痛が強い。 ④. ポケットの処理が容易である。
A. ①、③
46
外科的デブリードマンについて、適切なものは次のうちどれか。
B. 硬く乾燥した壊死組織は、創傷被覆材や外用薬によって浸軟させてから行う。
47
化学的デブリードマンを実施する手順として、適切なものは次のうちどれか。 ①. 壊死組織部分に格子状に傷をつける。 ②. 創周囲の皮膚にワセリンを塗布する。 ③. 創部にブロメラインを塗布する。 ④. 滅菌高吸収パッドで創部を保護する。
B. ①→②→③→④
48
デブリードマンに伴う出血の原因と対策について、適切なものは次のうちどれか。 ①. 壊死組織の除去時のみ出血のリスクがある。 ②. デブリードマン施行前に患者の凝固能の確認を行う。 ③. 必要時は双極性凝固器により止血する。 ④. 出血のリスクが高い場合はスルファジアジン銀を塗布しておく。
A. ②、③
49
デブリードマンに伴う疼痛に対するケアついて、適切なものは次のうちどれか。 ①. 疼痛スケールを用いて疼痛の評価を行う。 ②. 患者の精神的苦痛への支援も同時に行う。 ③. 創部の洗浄は行わないようにする。 ④. 鎮痛薬の使用は控える。
B. ①、②
50
陰圧閉鎖療法の作用機序と効果について、適切なものは次のうちどれか。
①. 創を物理的に引き寄せて、創を収縮する。, ④. 細胞に物理的刺激を加える。
51
陰圧閉鎖療法の禁忌となるものは次のうちどれか。
A. 壊死骨が除去されていない未治療の骨髄炎
52
陰圧閉鎖療法中の吸引圧の管理について、適切なものは次のうちどれか
B. 疼痛がある場合は、間歇吸引への変更を検討する。
53
陰圧創傷治療装置に使用するフォーム材について、適切なものは次のうちどれか。
③. コットンフィラーは生理食塩液で濡らしてから使用する。, ②. コットンフィラーはポケットがある症例に適している。
54
陰圧閉鎖療法の維持期の感染対策として、適切なものは次のうちどれか。
③. 創縁に被膜剤を使用する。, ④. 滲出液の性状を確認する。
55
陰圧維持管理システムの名称と役割・特徴の組み合わせとして、適切なものは次のうちどれか。
①. 陰圧維持管理装置 ――― 吸引圧の管理を行う。, ②. キャニスター ――― 滲出液を貯留する。
56
ドレッシング材の交換方法について、適切なものは次のうちどれか。
②. フォーム材の除去時に疼痛を伴う場合は、生理食塩液で湿らせてから除去する。, ④. ドレープを貼付する際は、創縁から5cm以上広く貼付する。
57
陰圧閉鎖療法中の患者の滲出液が、過去48時間では12時間ごとに滲出液貯留容器に500mLの貯留が確認されていた。この所見から、この患者に過剰喪失の恐れがあると考えられる物質は次のうちどれか。
C. 蛋白質
58
陰圧閉鎖療法の維持期の感染対策として、適切なものは次のうちどれか。
③. 創縁に被膜剤を使用する。, ④. 滲出液の性状を確認する。
59
クリティカルコロナイゼーションの臨床徴候であるNERDSの項目は次のうちどれか。
②. 創床が赤く出血しやすい。, ③. 壊死組織がある。
60
陰圧閉鎖療法の有害事象である肉芽や創辺縁の壊死について、適切なものは次のうちどれか。
①. 圧がかかりやすい部位は、フォーム材を用いて除圧する。, ②. 除圧が効果的に行われていない場合に発生するリスクが高い。