問題一覧
1
日本酒(清酒)の定義を3つ答えよ。
・必ず米、米麹を使用すること。 ・必ずこすこと。 ・アルコール分が22度未満であること。
2
特定名称酒を答えよ。
純米酒、特別純米酒、純米吟醸酒、純米大吟醸酒 本醸造酒、特別本醸造酒、吟醸酒、大吟醸酒
3
特定名称酒を名乗るための条件を2つ述べよ。
・米麹の使用割合が15%以上であること ・3等以上の原料米を使用すること
4
特別純米酒と純米吟醸酒の基準
米、米麹が原料で、精米歩合が60%以下であり、華やかな吟醸香の発現をコンセプトにしていれば純米吟醸酒、そうでない場合には特別純米と表記されることが多い
5
原酒とは?
製成後、加水調整しないもの
6
生酒とは?
製成後、加熱処理をしないもの
7
生貯蔵とは?
製成後、加熱処理をせずに貯蔵し、出荷時に加熱処理をした場合に表示可能。
8
生一本とは?
単一の製造場で醸造した純米酒。
9
晩生品種と収穫時期を述べよ
兵庫県で開発された山田錦は晩生品種で10月半ばごろに収穫される。
10
早生品種の代表と収穫時期を述べよ。
新潟で開発された5百万石は早生品種で、早いものは8月下旬ごろに収穫される。
11
心白の形状を5つと代表的な酒造好適米を述べよ。
無心白 眼状心白:五百万石:高精白に向かない 線状心白:山田錦:高精白が可能 点状心白:蔵の華:高精白が可能 腹白状心白:高精白に向かない
12
酒造好適米に求められる要素を4つ述べよ。
1.大粒であること 2.適切な形状の心白があること 3.タンパク質、脂質が少ないこと 4.吸水率が良いこと
13
酒造好適米の栽培条件4つ述べよ。
「栄養分を豊富に含んだ土壌であること」 「苗の間隔を開け、日当たりや通気性を良くすること」 「寒暖の差がある場所であること」 「栽培技術にたけた熟練の農家の手が要ること」
14
伏流水とは何か述べよ。
河川下などの浅い地層を流れるもの
15
硬度とは何か述べよ。
水中に含まれるミネラル含有量の目安となる指標で、マグネシウムとカルシウムの合計含有量を表す。
16
ドイツ高度1dHをアメリカ硬度で述べよ。
17.8ppm
17
酒造用水に必要な成分とその理由を述べよ。
カリウム、リン、マグネシウム 酵母や麹菌の栄養源となり、増殖を助ける役割を果たす。
18
酒造用水に不必要な成分とその理由を述べよ。
鉄、マンガン 鉄は外観を赤褐色化させ、不快な香味を生じさせる要因となり、マンガンは紫外線による着色を促進させる。
19
村米制度とは?
酒米栽培農家と大手蔵元が直接契約をする制度。
20
村米制度の利点
大手蔵元は常に良質の酒米を使用できたとともに、農家も取引先が安定していることで、品質の高い酒米の育成に注力できた。さらに品種改良や栽培適地の見極めに取り組むこともできた。
21
特A地区産とは?
「特A-a地区」「特A-b地区」で栽培される山田錦。山田錦の最高峰として位置付けている。 兵庫県三木市、加東市、小野市、神戸市北区に点在する。
22
硬水が及ぼす味わいへの影響
酵母の栄養源となるミネラルの含有量が多いため、アルコール発酵が活発となる。そのため、高いアルコール度数を得られやすく、甘みの少ない辛口テイストになりやすい。テクスチャーに硬さや厚みをもたらすため濃醇またはフルボディに感じやすくなる。
23
軟水が及ぼす味わいへの影響
ミネラル成分含有量が少ないため、アルコール発酵が緩やかとなり、アルコール度数が低く、甘みが残ったテイストになりやすい。また、軟水はテクスチャーに柔らかさ、なめらかさをもたらすため淡麗でまたはライトボディに感じやすくなる。
24
灘の宮水の特徴は?
リンやマグネシウムが豊富に含まれており、鉄分が極めて少なく、適度なカリウムを含んでいる。
25
伏見の御香水の特徴を述べよ。
この地の水質は軟水傾向にある。
26
単発酵の特徴は?
糖を含む原料を使用する手法
27
複発酵の特徴を述べよ。
糖を含まない原料を使用する手法
28
並行複発酵の特徴を述べよ。
高いアルコール分を得られる。
29
精米の目的を述べよ。
玄米の表層部に多く含まれるタンパク質、脂質、ビタミン、ミネラルなどを取り除くこと。
30
精米歩合と精白率の違いを述べよ。
精米歩合は玄米に対する白米重量の割合。 精白率は削った割合
31
総破精型麹について述べよ。
糖化力が強く、濃醇な酒質。
32
突き破精型麹について述べよ。
糖化力が弱く、軽快な酒質。
33
乳酸添加法の育成期間、コスト、香味特性等を述べよ。
育成期間は短く、コストは低い、品質は一定しやすく、香味は軽快になる。
34
乳酸菌育成法の育成期間、コスト、香味特性等を述べよ。
育成期間は長く、コストも高い。品質は一定しにくく、香味は濃醇になる。
35
生酛と山廃酛の製法の違いを述べよ。
「山卸」(酒母用の蒸米をすり潰す作業)を行うかどうか。
36
あらばしりについて説明せよ
搾りの際、最初に抽出する部分(圧力をかける前流出する部分)
37
あらばしりの特徴は?
香気高く新鮮な味わいとなる反面、刺激性が高く荒々しさが残る。
38
せめの特徴は?
深みのある味わいとなる反面、苦味が強く感じやすい。
39
滓引きの目的は?
滓を沈殿させる。
40
滓がらみとは?
少し滓を抽出して混ぜたもの。
41
滓酒とは?
滓を多く含んだもの。
42
濾過の目的を3つ述べよ。
脱色、香味の調整、異臭及び不要な微生物の除去。
43
火入れの別名、目的、手法を述べよ。
別名:低温加熱殺菌 目的: 糖化酵素の失活と火落ち菌の除去 手法:60~65℃くらいで10分間程加熱。
44
貯蔵の目的を述べよ。
まろやかな酒質にすること。
45
ひやおろしとは何か述べよ。
冬場に作り、春先に搾った日本酒を夏の間に熟成させ、秋口に出荷するもの
46
樽酒とは何か述べよ。
主に杉の樽で貯蔵し、杉の香りが移った日本酒。
47
酒税法で定められた酒類の定義は?
アルコール分1度以上の飲料。
48
特別純米酒の特別の意味を説明せよ。
精米歩合60%以下または特別の製造方法であること。
49
特別純米酒と純米吟醸酒の違いを説明せよ。
米、米麹が原料で精米歩合60%以下、華やかな吟醸香をコンセプトにしていれば純米吟醸酒。そうでない場合は、特別純米酒と表記されることが多い。
50
糊状のデンプンを液体状に分解する酵素は?
α-アミラーゼ
51
糊状になったデンプンをブドウ糖に分解する酵素は?
グルコアミラーゼ
52
タンパク質をペプチドと呼ばれるアミノ酸が数個結合した物質まで分解する酵素は?
酸性プロテアーゼ
53
ペプチドをアミノ酸に分解する酵素は?
酸性カルボキシペプチターゼ
54
脂質を分解する酵素は
リパーゼ
55
醪の温度管理について述べよ。
濃醇な酒質を目指すためには15~18℃程度の温度で20日間前後の発酵期間を設ける。 華やかな吟醸香の発現を目指すためには10℃前後で30日以上の発酵期間を設ける。
56
瓶火入れ・瓶囲いのメリット、デメリット
メリット:極力酸化を防げること デメリット:量産が困難、エネルギーコストが高い、手間がかかる
57
直汲みとは?
上槽と同時に瓶詰めをすること
58
熟成に伴う外観の変化を述べよ。
糖分とアミノ酸が時間の経過により褐変反応(メイラード反応またはアミノカルボニル反応)を起こす
59
熟成に伴う香りの変化、熟成香を述べよ。
主成分は、褐変反応によりアミノ酸が分解して生成されるソトロン。
60
ソトロンの香りは?
カラメル、黒糖などの甘い香り。高濃度ではカレーのよう。
61
他の蒸留酒と比較した場合の本格焼酎・泡盛の商品特性を9つ述べよ。
1.使用する原料の種類が多い 2.原料由来の香味が明確に感じられる 3.日本代表する蒸留酒である 4.割り方の汎用性が高い 5.体を冷やす効果が低い 6.麹を使用する 7.新酒の状態でも提供できる 8.アルコール度数が低い商品が多い 9.食中酒としての汎用性が高い
62
蒸造酒と比較した場合の本格焼酎・泡盛の商品特性を4つ挙げなさい
1.良い覚めが良い酒類 2.自由な割り方で飲用できる 3.生産地の文化的、歴史的物語を擁する 4.保存性に優れている
63
芋焼酎の原料に求められるサツマイモの条件を3つ述べよ。
1.多収であることと、デンプンを多く含むこと 2.求める酒質をもたらす成分を含んでいること 3.痛みがなく健全な状態であること
64
米焼酎の原料に求められる米の条件を3つ述べよ。
1.デンプンを多く含むこと 2.適度な脂質やタンパク質を含むこと 3.適度な水分を含むこと
65
泡盛の製造にインディカ種を使用する主な理由を4つ述べよ。
1.米が硬質なので製麹作業がやりやすい 2.アルコール発酵の際の温度管理がしやすい 3.アルコール収得力が多い 4.伝統的な泡盛らしい香味を形成する
66
麦焼酎の原料に求められる大麦の条件を3つ述べよ。
1.デンプンを多く含むこと 2.粒がやわらかいこと 3.粒を包む表面の皮が薄いこと
67
黒糖焼酎の原料に求められる条件を2つ述べよ。
1.品質や糖度が高いこと 2.鮮度の良いさとうきびが使用されていること
68
アルコールの沸点は
78.3℃
69
元の醸造酒と比較した蒸留酒の特徴を4つの述べよ
1.アルコール度数が高くなる 2.基本的に無色になる 3.味わいの要素が少ない 4.様々な香りの成分は移行し、さらに蒸留中に生じる新たな香りの成分が加わる
70
原料処理における加熱の目的を3つ述べよ。
1.主原料を糖化しやすい状態にすること 2.不要な香気成分を揮散させること 3.殺菌
71
痛んだ状態のサツマイモが混入する以外に、芋焼酎に不快な臭いが生じる理由を3つ挙げなさい
1.傷ついた部分を塞ごうとリグニンを形成する為 2.切断後に放置しておくと切断面の酵素が活性化し、ここから異臭が発生する為。 3.低温場所で保管すると腐敗し、異臭が生じる為
72
製麹の目的を3つ述べよ
1.主原料となる穀物類のデンプンを糖化させる糖化酵素の供給 2.酵母への栄養源の供給 3.麹由来の香味成分の生成
73
一次仕込みの主目的を述べよ。
アルコール発酵に必要な酵母を安全かつ大量に培養すること。
74
一次醪に求められる条件を4つ述べよ
1.不要な微生物の繁殖を防ぐためのクエン酸とアルコール分を十分に含んでいること 2.デンプンやタンパク質を分解する酵素が十分であること 3.優れた酵母が使用されていること 4.酵素の純度と密度が高いこと
75
仕込みを行う際、差し酛を行うメリット2つ述べよ。
1.酵母の培養にかかる時間及びコストを抑えられる 2.酵母の増殖やアルコール発酵が安定しやすい
76
二次仕込みの主目的を述べよ。
本格的アルコール発酵を行う。
77
初留取りの特徴を3つ述べよ
1.アルコール度数が高い 2.華やかな香りが高い 3.粘性の高いテクスチャー
78
常圧蒸留の3つの手法
直接加熱蒸留、間接加熱蒸留、直釜蒸留
79
若々しいと感じる要素。過剰に含まれている場合は刺激臭や青臭になり得る蒸留中に生成される成分
アルデヒド類:蒸発しやすい
80
芳香性の高い揮発成分。過剰に含まれている場合はセメダイン臭になり得る蒸留中に生成される成分は?
エステル類:蒸発しやすい
81
油性成分のひとつ。焼酎に甘みや深みを付与する成分であるとともに、酸化の影響などにより油臭の要因にもなり得る蒸留中に生成される成分は?
高級脂肪酸エチルエステル類
82
さつまいもに由来する成分。発酵中や蒸留中に柑橘系果実や花のような香りを感じさせる成分に変化する蒸留中に生成される成分とは?
モノテペンアルコール
83
蒸発しない成分を10述べよ
1.デンプン 2.糖類 3.タンパク質 4.アミノ酸 5.脂質 6.クエン酸 7.繊維質 8.ミネラル分 9.プリン体 10.着色成分
84
本格焼酎・泡盛の貯蔵の目的を3つ述べよ
1.酒類を蓄えること 2.香味の調整を図る 3.酒質の向上
85
活性炭処理法によって除去されるものとデメリット
リノール酸エチル。炭臭が付与されることがある。
86
イオン交換樹脂処理法によって除去される成分とどのような香味に仕上がるか?
アルデヒド、金属イオン、有機酸、エステル。 非常に軽快でシンプルでキレイな香味。
87
単式蒸留焼酎と本格焼酎の共通する規定を2つ述べよ
1.単式蒸留機を使用すること 2.アルコール度数45度以下であること
88
単式蒸留焼酎と本格焼酎の異なる規定を3つ述べよ
1.本格焼酎には必ず麹を使用しなければならない 2.本格焼酎には、穀類、芋類、清酒粕類、黒糖の他、国税庁長官が定める49品以外の原料が使用できない 3.本格焼酎には水以外の添加物が使用できない
89
酒類のGIで蒸留酒の区分に指定されている4つを述べよ
壱岐、球磨、琉球、薩摩
90
GI壱岐の特徴は?
主原料は大麦、麹は米麹 穀類と麹の重量比が概ね2対1となっていること。
91
GI球磨の特徴は?
米は国内産、米麹は国内産。
92
GI薩摩の特徴は?
指定年2005年 主原料は鹿児島県産さつまいも。 麹は米麹、または鹿児島県産さつまいもから製造された芋麹
93
GI琉球の特徴は?
黒麹菌を用いた米麹のみ。
94
泡盛ならではの原料及び製法上の特徴8つ
1.原料に主にインディカ種米を使用すること 2.全麹仕込みと呼ばれる製法で作られること 3.黒麹菌を使用すること 4. 1回の仕込みでアルコール発酵を行うこと 5.単式蒸留で蒸留すること 6.他の焼酎よりもアルコール度数を高くする場合が多いこと 7.熟成の概念が強いこと 8.仕次と呼ばれる古酒作りのブレンド技術が存在すること
95
床作業とは
1.引き込み 2.種付けと床もみ 3.切り返し 4.盛り
96
棚作業とは?
1.仲仕事 2.仕舞仕事 3.出麹
97
醪造りの順番を述べよ。
1.初添え 2.踊り 3.仲添え 4.留添え
98
瓶火入れ、瓶囲いとは?
瓶に詰めた後1回火入れし、瓶のまま冷蔵庫などで貯蔵する手法
99
「バナナの香り」「りんごの香り」の香気成分を述べよ。
バナナ:酢酸イソアミル リンゴ:カプロン酸エチル