問題一覧
1
法は強制力を伴い、人を拘束する力をもつため、権力者の恣意のままに運用されてはならない。法をつくり法に基づく強制権力も法の下になければならない。こうした考え方を「人の支配」に対し【①】と呼ぶ。【①】は、権力者の恣意的な権力行使を排除し、個人の自由や権利を保障するもので【②】の原理と密接にかかわっている。
法の支配, 立憲主義
2
法は大きく【①】と【②】に分けられる。【①】は「人を殺してはいけない」といった人間の本性に基づいて偏的に妥当する法を意味する。一方【②】は立法機関による法の制定、裁判所の判例、習慣などの人為的に定めた規定である。
自然法, 実定法
3
実定法はさらに、【①】と【②】に分けられる。明確な文章で記述された法が【①】である。【②】は文章で表さらていない法で、人々の習慣的行動により法的効力を認められた習慣法や、判例の集積によって成立する判例法などがある。
成文法, 不文法
4
日本の法体系は【①】【②】【③】に分けられる。【①】は、国家の仕組みや政府のあり方を定めたり、国家と個人との関係を規律したりする法分野である。【②】は民法や商法など、私人や会社などに関連する社会生活を規律する分野である。また社会法は、【④】や【⑤】など、主に人間の実質的平等や公共の実現を目的とする法分野である。
公法, 私法, 社会法, 労働基準法, 生活保護法
5
社会において問題が生じると、法的規制が求められる場合が多い。しかし、法による規制は決して万能とはいえない。たとえば学校内でのいじめを防止するため【 】が制定されたが、この法律によって直ちにいじめがなくなるわけではない。
いじめ防止対策推進法
6
17世紀にイギリスの裁判官エドワード・コークは、スチュワート朝との抗争に際し、【①】という13世紀の法律家ブラクトンの言葉を引用し、中世以来の慣習法である【②】が王権を支配するという「法の支配」の伝統を強調した。なお、19世紀のドイツにおいて確立された【③】は、法の内容よりも「法律による行政」(行政が法律に従わなければならない)という形式を重視する考え方である。
国王も神と法の下に立つ, コモン・ロー, 法治主義
7
憲法は国の最高法規であり(憲法98条)、その下に法律がある。法律の内容は上位にある憲法に従わなければならない。以下、命令、規則も同様である。憲法に違反する法律や命令などは効力をゆうしない。裁判所による【 】はその判断を行う仕組みである。
違憲審査制
8
日本には約2000の法律がある。なかでも重要な【①】【②】【③】【④】【⑤】【⑥】が【⑦】と呼ばれる。また、一つの事件で二つ以上の法律が適用されることもある。罪を犯した場合、刑法に基づき裁かれ刑罰が科されると同時に、民法により被害者への損害賠償責任を負う場合もある。
憲法, 刑法, 民法, 刑事訴訟法, 民事訴訟法, 六法
9
インターネット上の【①】には、無数に存在するウェブページ上のデータを集積し、キーワードを入力すると直ちに必要な情報を探し出してくれるため、高度情報社会を生きる私たちにとって欠かせない存在となっている。
検索エンジン
10
ある程度の期間が経過した後は過去の犯罪を社会から『【 】を有する』と述べ、インターネット上における犯罪に関する情報の削除を容認したかとがある。
2017年1月最高裁
11
2016年、東京高等裁判所は、この決定を覆し「忘れられる権利」(自分の個人情報の消去や非表示を検索エンジン運営者に対して求める権利)の要件や効果が明確でないと判断すると共に、「検索エンジンは必須のものであって、それが【①】及び【②】にとって大きな役割を果たしていること」に言及した。 二つの裁判は、検索の対象となる個人の【③】や「忘れられる権利」、その規則となる【④】と共に、検索エンジンを利用して情報にアクセスするユーザーの「知る権利」や情報提供者の「表現の自由」の意義をそれぞれ指摘している。
表現の自由, 知る権利, プライバシーの権利, 人格権
12
2017年ころから各社が始めた、投稿したデータが、設定した時間内に消去される【 】のサービスが利用者の人気を集めている。
消えるSNS
13
法に違反する行為には、刑罰や損害賠償などの【 】(制裁)が科され、社会秩序が保持されている。
サクション
14
法は、権利の侵害などに備え、【 】を整備している。人々の間に紛争が発生しても、法の定める適正な紛争解決手続きが整備されていれば、裁判所は、それに従って解決することができる。
紛争解決のための基準や手続き
15
日本では、自由な経済活動を法によって規制したり、公共サービスや社会保障の法的な根拠を定めたりすることによって、社会弱者の保護や支援などを行っている。法は、人々の【 】ための役割も果たしているのである。
自由や平等をより実質的に保証する
16
日本国憲法は【 】という基本的価値を取り入れ、憲法14条において、法の下の平等を宣言している。
男女平等
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差別的な労働条件を求める女性たちが声を上げ、裁判所に差別の解消を訴えると、各地の裁判所において、女性のみに適用さる結婚退職制や若年定年制などが、性別による不合理な差別であり、【 】(公序良俗規定)を根拠に違法・無効とする判断が示されるようになった。
民法90条
18
1985年には【①】の批准に際し、国内法を整備する必要が生まれ、【②】が制定された。同法は、募集、採用、昇進などの面で差別されてきた女性の立場を改善することを目指したものであったが、当初は罰則規定がなく事業主の努力義務にとどまっていた。 1997年に法改正が行われて、努力義務を禁止規定に強化したり、【③】を事業主の義務としたりするなど法の実効性が高められた。さらに【④】に取り組むことが、法には違反しないことも盛り込まれた。1999年にら【⑤】が制定され、この法に基づく政府の第三次基本計画では、2020年までに政治、司法、行政、雇用、その他の分野に一律30%の女性枠を設ける取り組みが進められている。
女性差別撤廃条約, 男女雇用機会均等法, セクシャルハラスメント防止, アファーマティブ・アクション(積極的差別是正措置), 男女共同参画社会基本法
19
自らの所有物を、自由に使用、処分したり、個人や法人に貸したり、売ったりすることができる【①】。物や金の貸し借り、売買には、いつまでに返すか、いくらで売る(買う)かなどの約束が生じる。このような法的拘束力のある約束を【②】と呼ぶ。
所有権絶対の原則, 契約
20
店での買い物に関わるのは【①】である。売買契約が成立すると、売り手は商品を引き渡し、買い手は代金を支払わなければならない。金銭の貸し借りに関わるのは、【②】である。返済方法、返済期日、利息などを決め、借主には期日までに返済する義務が生じる。返済できない場合のために、保証人や担保を設定することがある。就職して企業(使用者)との間で結ぶのは【③】である。労働者は使用者から明示された労働条件で働くことを約束し、使用者は賃金を支払うことを約束する。
売買契約, 金銭消費貸借契約, 労働契約
21
あらゆる契約は当事者の意思で自由に結ぶことができる【①】。これは、自らの意思で自律的に生活することができる【②】という近代私法の原則の現れである。しかし、この原則は無制限に認められるものではない。【③】や【④】に反する契約は無効となる。
契約自由の原理, 私的自治, 公共の福祉, 公序良俗
22
未成年者が契約を結ぶ場合は、親権者などの法定代理人の同意が必要となる。親権は、子供の利益のために、親が未成年の子を監護、教育し、財産の管理などを代わりに行う権利である。2022年から、【①】に引き下げられ、18歳から一人で有効な契約ができるようになった。 また、認知症や知的障がいなどによって判断能力が不十分な人には、本人に変わって契約したり、本人の同意がない契約を取り消したりして、意思決定を支援し、本人を保護する【②】がある。
成年年齢が18歳, 成年後見制度
23
契約に関するルールは法律によって規定されているが、契約をめぐって紛争が起こることがある。その場合は、【①】や【②】で解決を図ることができる。訴訟は、裁判官が当事者双方の言い分を聞き、法を適用して解決する手続きである。民事訴訟では、損害が意図的【③】ではなく、不注意【④】で生じた場合でも、損害責任を負う。これを【⑤】という。
訴訟, 調停, 故意, 過失, 過失責任の原則
24
訴訟以外の紛争解決方法としては、裁判官が判決を下す前に、当事者同士が話し合い、解決する【①】も広く活用されている。また、裁判によらず、中立的な第三者が、当事者間に介入し紛争を解決する【②】(ADR)は調停の一つである。
和解, 裁判外紛争解決手続
25
こんにちの【①】確立の原点となっているのは、1962年にアメリカのケネディ大統領が明示した【②】である。これは世界の消費者政治に大きな影響を与え、日本でも消費者運動が高まり、1968年に【③】が制定された。1972年には、割賦販売の改正により、一定期間であれば、一方的に無条件で契約を解除できる【④】が導入された。
消費者主権, 消費者の四つの権利, 消費者保護基本法, クーリング・オフ制度
26
2004年に、消費者保護基本法の全面改正によって制定された【①】は、消費者が自らの利益を守り、増進していくために、自主的に行動できるようにする「消費者の自立支援」が基本理念となっている。 消費者への情報提供や、苦情、相談を受け付ける機関として【②】がある。地方自治体には消費者の相談窓口となる【③】(法テラス)が開設されている。法的なトラブル解決を支援する機関には、2006年には、消費者行政を一元化するために【④】が設置された。
国民生活センター, 消費生活センター, 日本司法支援センター, 消費者庁
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1990年代以降、製品の欠陥によって被害にあった場合に、製造者に過失がなくても賠償責任を問うことができる【①】(PL法)や、不当な契約の一定期間の取り消しを認める【②】、金融商品の販売にあたって、業者に対して、顧客への説明義務や損害賠償の責任を認めた金融商品販売法、カードの偽造や盗難による被害から預貯金者を救済する預貯金保護法などが制定された。
製造物責任法, 消費者契約法
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商品に関する情報は、消費者よりも企業が十分にもっていることが多い【①】。そのため、消費者は企業が公開、発信する情報を信用して商品を購入することになる。しかし、企業の広告、宣伝に頼りすぎると、それに振り回されることがある【②】。また、周囲の人の消費者行動に影響される【③】により、必要ない商品を買ってしまう場合もある。
情報の非対称性, 依存効果, デモンストレーション効果
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人の弱みや不安、金銭欲につけこみ、まだそうとする問題商法が後を絶たない。不審に感じたら、お金を払う前に【 】などに相談することが大切である。
消費生活センター
30
【 】とは、イギリスで1988年に出版された消費ガイドで、環境に配慮した消費に関する10の原則を、定めている。
グリーンコンシューマー
31
私たちは、生活や経済活動に必要なものを【①】によって手に入れている。コンビニで買い物をする行為は、「商品を手に入れる代わりに、代金を支払う」という関係が見られ、契約書を交わさない口頭のやりとりでとれっきとした【②】になる。
契約, 売買契約
32
契約の束縛力の根拠さ、申し込みと承諾という【 】(合意)に求められており、これが契約に関する民法の基本的な考え方となっている。
自由な意思の一致
33
契約は当事者の自由な意思の一致(合意)によって成立し、原則として結んだ契約は守らなければならない。たとえば、店舗と客との間で売買契約が成立すると、客は商品を引き渡してもらう権利【①】を有する代わりに、代金を支払わなければならない義務【②】を負う。 だまされて売買契約を結んだ場合(詐欺)や、脅されて無理やり契約を結んだ場合(強迫)の場合は、意思に欠陥がある不完全な意思表示であると見なされ、その契約を取り消すことができる。
債権, 債務
34
債権とは、相手に対して特定の行為をさせる権利のことをいう。反対に【①】とは、相手に対して特定の行為をしなければならない義務のことを言う。金銭の貸し借りの場合、お金を貸した側は相手に返済させる権利をもつ【②】であり、借りた側は返済する義務を負う【③】である。
債権, 債権者, 債務者
35
未成年者が親の同意を得ずに契約を結んだ場合は、親などの【 】や未成年者本人に契約の取消権が認められている。
法定代理人
36
【①】とは、私人間の契約などに関し、なるべく国家や法は干渉せず、個人の自主決定に任せると言う原則である。【②】は、その代表的なものである。
私的自治, 契約自由の原則
37
契約自由の原則は、契約の成立や解除などは、【 】に任されている。
当事者の自主性
38
売買契約を結び、商品の代金を支払ったにもかかわらず、相手方がいろいろな理由をつけて商品を引き渡してくれない場合を【 】による被害という。
債務不履行
39
繁華街を歩いていると、若い男性から「アンケートに答えてほしい」と声をかけられてついて行くと、高価なジュエリーを勧められ、気づいたら契約を結んでしまった。これは【 】と呼ばれる商法である。
キャッチセールス
40
【①】は、訪問販売や電話勧誘販売などの特殊な取引について規制をかけ、契約の際に書面を交付することや、【②】の対象となることなどを規定している。
特定商取引法, クーリング・オフ
41
現代社会では、たくさんの情報を有する事業者が消費者よりも圧倒的な優位に立ち、消費者は十分に判断できるだけの情報をもつていない【 】
情報の非対称性
42
【①】は、消費者の権利の尊重と共に、消費者の自立の支援を掲げることにより、消費者の自立と自己責任を重視する姿勢を示している。権利と自立の関係は 「権利なくして自立なし」「自立の前提として権利がある」といわれる。こうした流れを受けて、さまざまな【②】が行われている。
消費者基本法, 消費者運動
43
【 】は、事業者が消費者を誤認さたり、困惑させたりするような不当な「勧誘」をした場合、それによって結ばれた契約を取り消すことができるように定め、契約解除のできる範囲を広げている。
消費者契約法
44
公正な裁判を行い、国民の権利を保障するためには、裁判所は内閣から干渉を受けず、独立していなければならない【①】。 そのため、日本国憲法では、裁判官は自らの良心に従って、独立して職務にあたり、拘束されるのは憲法と法律のみであること【②】を定めている。(76条) さらに、憲法は、心身の故障と判断されるか、【③】で罷免が決定されない限り、裁判官の在任中の身分を保障している(78条)。
司法権の独立, 裁判官の独立, 弾劾裁判所
45
裁判には、【①】と【②】がある。【①】は、私人(個人と法人)の間の争いを解決する裁判である。 【②】は、犯罪の有無を決め、刑罰を言いわたす裁判である。どちらも、判決に不服であれば3回の裁判を受けられる【③】をとっている。
民事裁判, 刑事裁判, 三審制
46
憲法は国の最高法規であり、これに違反する法律、命令などは効力を有しない。日本国憲法は、一切の法律、命令、規則、処分などが憲法に違反しないかどうかを決定する権限を裁判所に与えた(81条)これを【 】という。【 】は、憲法の最高規定を保障すると共に、基本的人権を立法権や行政権による侵害から守るために重要な役割を果たす。
違憲審査権
47
司法取引は、2018年に始まった制度で、他人の犯罪を告発する見返りに、告発者の処分を軽くするもの。しかし、保身のための告発による【 】のリスクが指摘されている。
冤罪
48
日本では、民事、刑事事件ともに誤った判決を防ぐために、3回の裁判を受けられる【①】を採用している。一審の判決に不服であれば、二審裁判所に【②】して、再び裁判を受けられる。二審の判決にも不服の場合、最高裁判所に【③】して三審に訴えることができる。 また、判決確定後でも、重大な事実誤認や新たな証拠が発見された場合、裁判のやり直しを行う【④】がある。死刑判決後に再審によって無罪となった事例もある。
三審制, 控訴, 上告, 再審制度
49
裁判外紛争解決手続(ADR)の拡充 Alternative Dispute Resoution。裁判ではなく、公平、中立な【 】で、紛争を解決していく仕組み。2004年にADR促進法が制定された。
第三者の仲介
50
法テラスの開設 2006年より開設さらた【 】(通称、法テラス)は、法的なトラブルに巻き込まれた人への適切なアドバイスや、弁護士の紹介、犯罪被害者の支援を行う相談窓口。電話相談のためのコールセンターがあり、全国に50ヶ所の地方事務所を設けている。
日本司法支援センター
51
【 】は、被疑者、被告者が貧困などの理由で、弁護人を雇えない場合、国費で弁護人を付する制度。2006年より取り調べの段階から、一部の重大事件において、国性弁護士を付けるようになった。 2016年には被疑者が勾留されているすべての事件で適用となった。これは取り調べで、不本意な供述をさせられたり、調書に署名を強制されたりすることを防ぐためである。
国性弁護士制度
52
憲法は、国民に裁判を受ける権利を保障している(32条)。裁判の公正さと国民の信頼を確保するために、【①】も定めている(82条)。これにより、国民は、公開される裁判を原則として自由に傍観できる。また、最高裁判所の裁判官が適任かどうかは、国民が審査【②】する(79条)。 国民が刑事裁判に直接参加する制度もある。2009年に司法制度改革の一環として始まった【③】がその一つである。一般市民の感覚を裁判に反映し、より理解しやすい裁判を実現するために導入された。
裁判の公開, 国民審査, 裁判員制度
53
犯罪被害者やその遺族に対しては、刑事裁判で被告人質問や証人尋問ができる【①】がある。事件の当事者として裁判に関わりたいと考える被害者や、その遺族の思いを尊重して導入された。その他、検察官が、ある被害者を不起訴処分とした場合、その判断が妥当かどうかを審査する【②】も、国民が司法参加できる制度である。
被害者参加制度, 検察審査会
54
少年法は、【①】未満【②】以上の少年の犯罪に対して、処罰よりも、更生と保護を目的とした法律である。 2001年の少年法改正により、重大な事件については、検察庁が起訴し、懲役、禁固などの刑事処分が科されるようにった。2007年には14歳未満の少年の少年院送致も容認された。2014年には有期刑の上限が20年まで引き下げられるなど、【③】が進められた。2022年により始まる18歳成年に対応して、少年法の適用年齢の引き下げも検討されている。
20歳, 14歳, 少年犯罪に対する厳罰化
55
加害者は、被害者に損害を与えているので、【①】を負うことになる。このような責任は、被害者個人に対する責任であり、【②】と呼ばれる。加害者と被害者が当事者双方による和解や第三者の仲裁などの方法によって自主的にな同意が得られない場合は、被会社は裁判による救済を求めることができる。このような裁判は民事裁判と呼ばれ、被害者と加害者は、裁判所において【③】として対峙し、争うことになる。
賠償責任, 民事責任, 原告・被告
56
信号無視やスピード違反、飲酒運転などは、道路交通法違反として罰金などの【①】の対象となる行為である。さらに、被害者に大怪我を負わせたとなると、この加害者には【②】(自動車運転致死行為処罰法第2条・第3条)が適用される可能性が高い。 国家は、加害者に対し刑罰を科し、公共秩序の維持を図るが、そこで問われるのは加害者の社会に対する責任、すなわち【③】である。そのため、刑事責任を追及する刑事裁判では、国家(検察官)が公訴を提起する。
刑罰, 危険運転致死傷罪, 刑事責任
57
刑事裁判と民事裁判で判決が異なる場合があるのは、刑事裁判が、法に照らして厳密に【①】を問うのに対して、民事裁判は、【②】を問うもので、両者の目的が全く異なるからである。
有罪か、無罪か, 賠償金を払わせるべきか、 否か
58
何のために刑罰を貸すのか。一つの考え方は、刑罰は犯罪に対する報いであるという【①】の考え方がある。 犯罪の報いである刑罰は、犯罪行為によって社会が受けた害悪に見合ったものではならないことになる。その意味で、応報刑論は、厳罰主義の行き過ぎを是正する意味を持っている。 これに対する考え方は、刑罰は、将来の犯罪の予防のためにあるという【②】である。
応報刑論, 目的形論
59
何が犯罪として刑罰の対象となるかは、あらかじめ法律によって定まっていなければならず【①】、法律の定める手続きによらなければ刑罰を科すことはできない【②】という原則を理解しておく必要がある。 さらに、憲法37条1項は、「すべて刑事事件においては、被告人は、公平な裁判所の迅速な公開裁判を受ける権利を有する」と定めている。 被害者に大怪我を負わせたとしても、刑事裁判で有罪が証明されない限り、刑罰を受けることはない。「犯人が逮捕された」という言葉は、逮捕された時点で有罪であるというニュアンスが含まれるため、このような場合、起訴前であれば【③】、起訴後には【④】というのが適切である。
罪刑法定主義, 適正手続の保障, 被疑者, 被告人
60
実行のときに適法であった法律によって罰せられることはないという【 】のルールも罪刑法定主義の要請である。
遡及処罰の禁止
61
刑事裁判では、被告人は有罪判決が確定しない限り、無罪として扱わなければならない【①】がある。これは、日本国憲法を始め、世界人権宣言や、国際人権規約でも保障されている刑事裁判の起訴となる原則である。 国家は、警察や検察官が組織として人員をさき、強制力を持って、捜査、取り調べ、証拠集めをを行う。被告人が無罪を証明できない限り、有罪としてしまったら、多くの【②】が生まれてしまう危険性が高いのである。
無罪推定の原則, 冤罪
62
有罪はどのように確定されるのか。検察官の有罪立証が、【①】であると判断された場合のみ、有罪判決が下される。裁判員制度はこの「誰が見ても」を、一般市民のじょうしきかんかくにゆだねる制度である。したがって、裁判員は【②】という原則にのっとり、評決に臨まなければならない。
合理的な疑いを超える証明, 疑わしいときは被告人の利益に
63
刑事責任の追及は刑事手続に従って行われる。刑事手続きは【 】という順に進行する。
①捜査②公訴提起(起訴)③公判審理④判決
64
【❶捜査】犯罪が発生すると、警察官や検察官が、情報、資料の収集、罪を犯した疑いのある者(被疑者)の特定と犯罪とさらる事実の確認を行う。被疑者の逮捕には、現行犯を除いて裁判官の発する令状(逮捕状)が必要である。【①】。 【❷起訴】【②】は、捜査が一段落し、被疑者の罪を問うのが相当であると判断した場合、裁判所に公訴を提起する【③】。公訴された被疑者を【④】と呼ぶ。なお、被疑者、被告人には【⑤】や【⑥】が保障されている。 【❸公判審理】公判審理においては、裁判官のほか、検察官、被告人、弁護人が出席し、公開の法廷で犯罪の有無を確認するための活動が行われる。【⑦】は検察官や弁護人が提出した証拠を吟味し自らの判断で事実を確定する。 【❹判決】被告人について、犯罪の証明があった場合は有罪判決が言い渡される。有罪判決の場合は、14日以内に控訴ができることなどが被告人に告知される。無罪判決は、起訴事実が罪とならない場合や、犯罪の証明がないときに言い渡される。
令状主義, 検察官, 起訴, 被告人, 黙秘権, 弁護人選任権, 裁判官
65
親が子供を働かせることを【①】という。19世紀に世界中の先進国で産業化が起き、子供たちが過酷な労働を強いられるようになった。以来、【②】はつちかわれてきた。児童労働に関する条約を【③】(ILO)という。
児童労働, 子どもの権利, 国際労働機関
66
民主主義は【①】とも表現されるが、これは大日本帝国憲法時代の「天皇主権」を否定し、「国民主権に基づく象徴天皇」を明確にするところに重点があった。民主主義=デモクラシーは、アテネのような古代ギリシャの都市国家に起源がある。民主主義の原点は、市民が討議をして合意を形成していく【②】である。 しかしこの方法は比較的狭い空間でないと実現できない。そこで、政治の空間が大きくなると、市民は代表者を選んで代表者に討議と合意形成をゆだねる方法、つまり【③】採用する。
国民主権, 直接民主主義, 間接民主主義=議会民主主義
67
間接民主主義の代表的な例が選挙である。選挙を通じて国民の意思を政治に反映するには、一定年齢以上の国民が【①】を有する【②】や、誰に投票したのかといった投票内容が明かされない【③】、投じられた票を平等に扱う【④】などを原則とした、公正な選挙制度が欠かせない。 衆議院選挙の場合、候補者に投票する【⑤】と政党に投票する【⑥】が併用されている。ただし、人口の偏りによって当選に必要な得票数が選挙区で異なる【⑦】が解消されていないなど、課題も残っている。
参政権, 普通選挙, 秘密投票, 平等選挙, 小選挙区制, 比例代表制, 一票の格差
68
選挙においては、落選した候補者に投じられた票が死票となり、少数意見が切り捨てられる恐れがある。これを防ぐため衆議院選挙で【①】を採用し、小選挙区選挙で落選した候補者にも復活当選の機会を与える【②】を採用している。参議院比例代表選挙で【③】を採用しているのも同様である。さらに【④】は、違法な選挙活動が判明した場合に、立候補者本人が違法行為に関わっていなくても当選が無効になる【⑤】を導入し、公正な選挙が目指されている。
重複立候補制, 非拘束名簿式比例代表, 非拘束名簿式比例代表制, 公職選挙法, 連座制
69
比例代表選挙で、政党が立候補の名簿と当選順位をあらかじめ発表しておくのが【①】で、衆議院選挙の比例代表制で採用されている。一方、参議院選挙の比例代表制は【②】で、名簿の順位が決まっていない。 2019年の参議院選挙から、名簿に順位を付ける【③】を政党が選択できるようになった。
拘束名簿式, 非拘束名簿式, 特定枠
70
一票の格差 憲法44条では、有識者の一票の価値は同じとする平等選挙の原則が定められている。しかし、選挙区ごとの人口分布の違いから、議員一人当たりの有識者数に差が出てしまい、最高裁判所から、たびたび【 】が出されている。
違憲判決
71
【 】(意見公募)は、2006年より実施された国民の政治参加の手段である。 対象となる案件や結果については、電子政府の総合窓口(e-Gov)で公示されている。
パブリックコメント
72
投票率の低下や、社会の変化に合わせて、投票のルールもさまざまに工夫がされてきた。名簿登録地以外でも投票できる【①】、外国に住んでいても投票できる【②】などがある。中でも【③】は、2019年の参院選では全有権者の16%が 利用した。
不在者投票制度, 在外投票制度, 期日前投票