問題一覧
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説明しろ (2)補酵素
(2)補酵素=>ある酵素のみでは活性がなく、その酵素活性の発現に必須の低分子有機化合物を補酵素という。補酵素として具体的には、コエンザイムQがある。CoQは電子伝達系で電子の受け渡しに使用される。
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説明しろ リボザイム
リボザイム=>リボザイムとは触媒として働くリボ核酸のことである。リボザイムはテトラヒメナの研究中に発見された。リボザイムは特定の配列を有するRNA鎖であり、それ単体でRNA自身を切断したり、貼り付けたり、挿入したり、移動したりする自己スプライシング機能を持っている。
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説明しろ タンパク質のミスフォールディング病
タンパク質のミスフォールディング病=>タンパク質のミスフォールディング病は、タンパク質が正しくフォールディングできない、あるいは一旦正しくフォールディングしたタンパク質のネイティブ構造が変性することにより引き起こされる疾病群である。アルツハイマー病やパーキンソン病などがこのタンパク質ミスフォールディング病であるとわかっている。
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説明しろ アフィニティークロマトグラフィー
アフィニティークロマトグラフィー=>アフィニティークロマトグラフィーはクロマトグラフィーの一種で、主として生体高分子同士または低分子物質とのアフィニティー(親和性)によって物質を分離する方法である。これによって例えば、特定のDNA配列を固定化してそれに結合するタンパク質(転写因子など)を得ることが出来る。
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説明しろ アロステリック効果
アロステリック効果=>アロステリック効果とは、タンパク質の機能が他の化合物(制御物質、エフェクター)によって調節されることを言う。輸血関連領域ではアンチトロンビンやヘモグロビンが代表的なアロステリックタンパク質である。
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説明しろ 酵素の特性
酵素反応の特性 酵素反応の特性は、基質特異性、最適温度の存在、最適 pH の存在である。それぞれが作用する場所や相手によって異なり、例えば、ほとんどの酵素の至適pHがだいたい7程度であるのに対して、胃液に含まれる消化酵素であるペプシンの至適pHは1.5から2.0である。
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説明しろ (2)補酵素
(2)補酵素=>ある酵素のみでは活性がなく、その酵素活性の発現に必須の低分子有機化合物を補酵素という。補酵素として具体的には、コエンザイムQがある。CoQは電子伝達系で電子の受け渡しに使用される。
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エドマン分解 説明
(1)エドマン分解 エドマン分解は、タンパク質のアミノ酸配列を化学的手法で決定する方法である。タンパク質のN末端のアミノ酸を順に分離し 、分離したアミノ酸の質量分析法などを用いて同定する。このことから大きいタンパク質を調べることには不向きであるが、小さいタンパク質を調べる際には依然として有用である。
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誘導適合の説明
誘導適合 酵素と基質が結合する際の立体構造について、それらの構造が変形することで結合すると考えるモデル。
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活性化自由エネルギーの説明 活性化エネルギーとは? 活性化自由エネルギーとは?
活性化エネルギーは原系と反応中間体との間のエネルギーの差のこと。 このエネルギーに温度依存性を考慮に加えたものが活性化エンタルピー。 さらにエントロピー差を考慮したものが活性化自由エネルギー。
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アポ酵素の説明
(5)アポ酵素 アポ酵素は、それ単体では酵素としての活性を持たない酵素の事。補因子が結合するとホロ酵素となり、活性を持つ。
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アミノアシルtRNAシンターゼの説明
アミノアシルtRNAシンターゼ アミノアシルtRNAシンターゼは、タンパク質合成において、アミノ酸と対応するtRNAを特異的に結合させる役割を担っている。タンパク質合成は、mRNAがコードするアミノ酸配列に基づいて行われる。アミノアシルtRNAシンターゼは、このプロセスにおいてアミノアシル化(アミノ酸のtRNAへの結合)を担当する。
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アロステリック酵素の説明
アロステリック酵素 アロステリック酵素とはほかの物質と結合すると働きが阻害されたり、促進されたりする特殊な酵素のこと。具体的には、ホスホフルクトキナーゼPFKがある。解糖系でATPが余ると、ATPはホスホフルクトキナーゼと結合して解糖系が進むスピードを下げ、ATP合成を阻害する働きをする。 細胞内エネルギー需要について ATPが過剰なときは、糖新生を行ってグルコースをつくってエネルギーを蓄える。 だから、F1,6PからF6Pになるようにする。 F6P PFK ↓ ↑ FBP(ATPで活性化) F1,6P PFKホスホフルクトキナーゼがアロステリック酵素
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20種類のタンパク構成アミノ酸のうち、該当するアミノ酸を答えろ a)側鎖の最も小さなアミノ酸で、タンパク質の高次構造の中ではβターン構造など、主鎖が急角度で曲がるため側鎖が邪魔になる部分に存在することが多い。
Gly グリシン ちなみにβターン構造をとるのは グリシンとプロリンだけ シス型をとれるから
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全20種類のタンパク構成アミノ酸のうち、該当するアミノ酸を答えろ 厳密にいうとアミノ酸ではなく、イミノ酸であり、αヘリックスの構成アミノ酸になりやすい。
Pro プロリン
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全20種類のタンパク構成アミノ酸のうち、該当するアミノ酸を答えろ H8付近の中性溶液中では常に正電荷を持っており、球状タンパク質の表面にある2種類のアミノ酸
答え Arg Lys
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全20種類のタンパク構成アミノ酸のうち、該当するアミノ酸を答えろ 疎水性側鎖を持ち、水を避ける傾向があるので球状タンパク質の内部で核を作っている5種類のアミノ酸
答えフェニルアラニン(Phe)、イソロイシン(Ile)、ロイシン(Leu)、バリン(Val)、トリプトファン(Trp)
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全20種類のタンパク構成アミノ酸のうち、該当するアミノ酸を答えろ タンパク質の立体構造が出来るときに酸化され、主鎖間を結ぶ架橋構造をつくる
答え Cys
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全20種類のタンパク構成アミノ酸のうち、該当するアミノ酸を答えろ )側鎖にアミド結合があり、ほかの側鎖と水素結合を作る性質のある2種類のアミノ酸
答え Asn(アスパラギン) Gln(グルタミン)
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全20種類のタンパク構成アミノ酸のうち、該当するアミノ酸を答えろ 中性溶液では側鎖側のカルボキシル基が解離していて負電荷をもつ2種類のアミノ酸
答え Asp(アスパラギン酸) Glu(グルタミン酸)
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全20種類のタンパク構成アミノ酸のうち、該当するアミノ酸を答えろ ヒドロキシ基を側鎖にもち、プロテアーゼなどの活性中心にあることが多いアミノ酸
答え Ser セリン
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全20種類のタンパク構成アミノ酸のうち、該当するアミノ酸を答えろ 側鎖のpKaが6-7の間にあり、生理的条件下でプロトンを離したり結合したりすることが出来るので酵素などの機能に大きな寄与をするアミノ酸はなに
答え His ヒスチジン
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(3)タンパク質の立体構造解析に用いられる3つの手法を述べよ。それぞれの長所と短所を簡単に説明しろ
1.X線結晶構造解析 高分解能で原子の位置を特定できるので、詳細な立体構造が得られることが長所。一方、結晶の作成が困難なタンパク質には適応できないことが短所。 2. 核磁気共鳴 溶液中のタンパク質の立体構造を解析できることやタンパク質の能動的な挙動や相互作用を研究できることが長所。一方、大きなタンパク質や複雑なタンパク質複合体には適用が難しいことが短所 3.クライオ電子顕微鏡観察 結晶化させる必要がないため、均質なサンプルの調製をすることなく、立体構造を解析できることが長所。一方、得られるデータ量が数テラバイト単位と膨大であるため管理が難しいことが短所。
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タンパク質におけるドメインとは何か?
タンパク質の構造的な機能単位を表すことば。タンパク質内の特定の領域のこと。
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切断部位のアミノ酸に対応した形状・形質をもつ基質結合ポケットが存在する トリプシンとキモトリプシンの基質結合ポケットについて形質と性質の違いを説明しろ
トリプシンの基質結合ポケットは、シリンダー状で比較的広く開いている。そのため、トリプシンは基質としてアルギニンArg、リジンLys、またはフェニルアラニンPheのカルボニル基側を選択的に切断することが特徴である。セリン残基が触媒として機能する。 一方、キモトリプシンの基質結合ポケットはより狭く深く、ポケットの底にセリン残基がある。キモトリプシンは、基質としてトリプトファンTrp、チロシンTyr、またはフェニルアラニンPheのカルボキシル基側を選択的に切断する。セリン残基が触媒として働くが、トリプシンよりも特異的な切断パターンを示すことが特徴である。
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(5)トリプシンとキモトリプシンは分散進化により生じ、ズブチリシンはこれらのプロテアーゼとことなり、収束進化によって生じたと考えられている。その理由を説明しろ
トリプシンとキモトリプシンは似た構造や反応メカニズムを持ち、共通の祖先から派生しているため遺伝子の一部が共通している。一方、ズブチリシンは似た反応メカニズムを有しているのに対し、異なる系統から派生しているため、遺伝子の一致がほとんど見られないといわれているから。 分散進化とは、異なる系統の生物が共通の祖先から派生して進化する過程のこと 収束進化とは、異なる祖先をもつ生物が似た形質を発達させることで、似た生態学的ニッチに適応していく進化の過程のこと
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補酵素とアロステリック酵素の違いは?
アポ酵素は補酵素と共に働くことで初めて酵素としての機能を果たすもの アロステリック酵素は、活性化部位以外のところに阻害物質が結合できる部位をもち、そこに阻害物質が結合すると酵素そのものの立体構造が変化して基質と結合できなくなるという性質をもつ酵素のこと アポ酵素=補酵素なしではなんもない アロステリック酵素=なくても働く
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セリンプロテアーゼの触媒機構を説明
酵素が基質と結合してミカエリス複合体になると、Serが基質のカルボニル基を求核攻撃して四面体中間体になる。 この四面体中間体に、Hisがプロトンを与えることで、ペプチド結合が切断され、アシル酵素中間体ができる。切断されたポリペプチドの新N末端は複合体から分離して水と置き換わる。 水がカルボキシ基を求核攻撃してHisのプロトン付加によるSerの脱離をもって生成物を遊離して酵素が再生する。
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プロテアーゼは、タンパク質やペプチドを加水分解する酵素の総称である。活性中心の触媒残基の種類により、(1)プロテアーゼ、(ア)プロテアーゼ、(イ)プロテアーゼ、とEDTAや1,10-フェナントロリンなどのキレート剤で阻害される(ウ)プロテアーゼの4つのグループに大別される。(1)プロテアーゼでは求核攻撃を行うセリン残基が(エ)残基と(オ)残基とで空間的に近くに配置されてCatalytic traid (触媒トリオ)を形成することにより活性化され、さらにプロテアーゼの(カ)により安定化された基質のカルボニル炭素を攻撃し、四面中間体(遷移状態)を形成する。さらにアシル酵素中間体を経て、生成物となる。(1)プロテアーゼはトリプシンやキモトリプシンなどの消化酵素の他、血液凝固因子としても働く。HIV-1プロテアーゼは(ア)プロテアーゼに属しており、消化酵素ペプシンと全体構造は類似しているが、四次構造が異なっている。この酵素は、ウイルスのポリタンパク質の特異的切断に働き、ウイルスの成熟・増殖に関わるため、その阻害剤はAIDSなどのウイルス感染症の創薬につながる。
1)あてはまる語句を入れろ (ア)アスパラギン酸(イ)システイン(ウ)金属(エ)ヒスチジン(オ)アスパラギン酸(カ)オキシアニオンホール (1)セリン
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(3)消化系プロテアーゼと血液凝固系プロテアーゼの共通点と相違点を述べよ
共通点は、酵素前駆体として不活性体の形で分泌、必要時にプロテアーゼで活性化される。 一方、相違点は、プロテアーゼでの活性化が血液凝固系の方がかなり厳密に制御される。つまり、消化プロテアーゼアはカスケード反応はないが、血液凝固プロテアーゼはカスケード反応がある。
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(4)HIV―1プロテアーゼの特性をペプシンと比較して述べよ
いずれも対称的な構造をとるが、単量体であるペプシンに対してHIV-1プロテアーゼは二つの同一サブユニットが二量体を形成し、単一の活性部位をもつという違いがある。
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偽酵素とは?
酵素と似た配列を持つが、実際には酵素活性をもたないタンパク質のこと。具体的には、キナーゼと類似した配列を持つが、ATP結合ドメインを欠損した偽キナーゼなどがある。
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薬剤に応用された酵素阻害剤=
酵素の機能により、人体に不都合な因子が形成されるのを阻害する薬剤は数多く存在する。たとえば、抗血小板薬は血小板の凝集を促進させる物質を生成するCOXに対する阻害剤として役割を果たす。
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アミノ酸残基の化学修飾法=>
アミノ酸残基に対して特定の化学修飾を施すことで機能や性質を調節することが出来る。例えば、キナーゼによるセリンのリン酸化が挙げられる。
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タンパク質の収斂進化とは
異なる祖先から同様の機能を果たすタンパク質を独立に進化させる現象である。例えば、キモトリプシンとズブチリシンは同じセリンプロテアーゼであるが、その活性残基は異なる。
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リボソームがリボザイムと呼ばれる理由は?
RNA自身が触媒機能を持つものをリボザイムと呼び、リボソームを構成するrRNAは触媒機能を有するため。
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酵素の働きによって反応速度はどうかわるか?
答え 酵素は正反応の速度定数と逆反応の速度定数を同じ倍率で変化させる。 理由 活性化エネルギーのみを変えるから同じ倍率で変化するよ!
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ヒドロキシ基を持つが酵素活性の中心にあることは少なく、リン酸化酵素の標的になっていることが多いアミノ酸
答え Thr(トレオニン)