問題一覧
1
遺伝子発現の全体像をとらえることで細胞や組織の状態を知ることが出来る。遺伝子発現全体の解析を行う手法を総じて【ア】解析と言う。DNAから【イ】が転写され、【イ】から蛋白質に【ウ】される。蛋白質が様々な化合物を代謝することで細胞や組織の機能が果たされている。蛋白質合成の基となる【イ】の全体像を解析することで細胞や組織の状態変化をとらえることが【ア】解析の目的の一つである。
トランスクリプトーム, mRNA, 翻訳
2
遺伝子発現の全体像を解析するためには、ヒトやマウスなどの生物における遺伝子配列情報を明らかにすることが必須であった。分子生物学の歴史において遺伝子配列は細胞や組織で発現している遺伝子の配列の断片を【エ】ベクターなどにクローニングし、【オ】を用いて遺伝子断片を分別・増幅し【カ】を使って遺伝子断片配列を一つ一つ読み解くという地道な研究の積み重ねによって明らかにされてきた。細胞や組織で発現している遺伝子の断片を集めたものを【キ】ライブラリーという。個々の遺伝子配列は解析した断片配列を繋ぎ合わせることで構築された。遺伝子配列断片の繋ぎ合わせには遺伝子配列比較プログラムが必須であり代表的な遺伝子配列比較プログラムは【ク】とよばれるプログラムである。
プラスミド, 大腸菌, DNAシーケンシング, EST, Blast
3
遺伝子配列に対する相補的な塩基配列を固定したチップを用いてmRNA由来の配列とチップ上のDNAとのハイブリダイズを利用した遺伝子発現解析方法を【ケ】法という。【ケ】法には解析にかかるコストとデータ処理解析の容易さというメリットがある。一方でチップ上に固定された配列しか解析できないため1度に解析可能な遺伝子数が限られ、【コ】遺伝子しか解析できないというデメリットがある。【ケ】法ではDNAハイブリダイズの情報を【サ】シグナルとして得る。得られた値の総数を用いて正規化した後にサンプル間での遺伝子発現を比較する。
DNAマイクロアレイ, 既知, 蛍光
4
近年は次世代シークエンサーを用いた【シ】法によるトランスクリプトーム解析も広く普及している。【シ】法においては発現している遺伝子全てが解析対象となるため、【ス】の遺伝子も解析可能であり、異なる遺伝子間での発現量比較も可能である。【シ】で得られる情報は遺伝子配列に対応するリードの出現頻度情報である。【シ】データは2つの値で正規化を行う。1つ目は遺伝子配列の長さがリードの出現頻度に影響を与えるため、リードの出現頻度を【セ】の長さで正規化する。2つ目は得られたリードの総数での正規化で総リード数が【ソ】になるように正規化する。2つの正規化方法を合わせてRPKMと呼ばれている。
RNAシーケンシング, 未知, エクソン, 100万
5
生体系がその機能を発揮するために自由エネルギーを取りだし、利用する過程全体を【ア】という。
代謝
6
代謝において栄養物や細胞成分を再利用するためエネルギーを取り出すために分解する過程をなんというか
異化
7
代謝において簡単な物質から生体分子を合成する過程をなんというか
同化
8
生物の細胞では驚くほど多くの【イ】が起きている。しかも代謝の原理はあらゆる生物に共通である。それは全生物が共通の起源から進化したためと熱力学の法則による制約のためである。事実多くの【イ】は全生物に共通で差異は主として自由エネルギー源として何を利用するかによる。生物の栄養要求は代謝エネルギー源が何かによる。ある種の原核生物は【ウ】栄養生物といって簡単な無機物、H2O、CO2、NH3、H2Sなどから細胞の全成分を作り出す。植物などの【エ】栄養生物は光のエネルギーで無機給与体からCO2へ電子を移動させ糖をつくり、今度はこれを酸化して自由エネルギーを得る。【オ】栄養生物は有機化合物を酸化して自由エネルギーを得る生物で【ウ】栄養生物や【エ】栄養生物に依存することになる。
代謝反応, 独立, 光独立, 従属
9
代謝物の一斉解析を【オ】解析と言う。代謝物の分離にはガストロマトグラフや【カ】、キャピラリー電気泳動などが用いられ検出には【キ】が用いられる。【キ】はイオン化した物質を検出する装置でありLC/MSのイオン化には主に【ク】法が用いられる。
メタボローム, 高速液体クロマトグラフ, 質量分析装置, エレクトロスプレーイオン化
10
メタボローム解析手法の一つであるMultiple Reaction Monitoring(MRM)の説明として正しいもの4つ
代謝物イオンの質量電荷比を測定する, 複数の質量分析計をつないで化合物の質量数と構造に関する値を得る解析手法, 特定の質量数を持つイオンを選択し物理的な衝撃を与える事で生じる開裂イオンを解析する, 同じ質量数の代謝物でも構造が異なれば異なる開裂イオンが観察される。
11
蛋白質はアミノ酸で構成されており多数のアミノ酸が【ケ】結合にて連なった構造をしている。蛋白質を構成するアミノ酸の並びをアミノ酸【コ】という。
ペプチド, 配列
12
特定の蛋白質を分析する目的ではウェスタンブロットやELISAによる解析が実施される。どちらの解析方法でも目的の蛋白質に対する抗体が必要である。抗体はマウスやウサギなどの実験動物に【サ】をインジェクションすることで作製される。【サ】を導入した動物の血清から回収した抗体を【シ】抗体という。免疫した動物から回収した抗体産生細胞を不死化、培養し、得られた抗体は【ス】抗体という。免疫した【サ】に対する抗体という面では【シ】抗体も【ス】抗体も同様であるが【シ】抗体は【サ】認識部位の異なる複数の抗体の混合物である。
抗原, ポリクローナル, モノクローナル
13
蛋白質の網羅的解析法をプロテオミクスといい一般的にはトリプシンなどの【ス】で断片化して生じた【セ】を高速液体クロマトグラフ-タンデム質量分析計(LC/MSMS)で分析する。プロテオミクスはノンターゲットプロテオとターゲットプロテオに大別される。ノンターゲットプロテオミクスではDataDependentAquisitionによるMSMS解析が一般的でありターゲットプロテオミクスではMultiple Reaction Monitoring(MRM)解析が一般的である。ノンターゲットプロテオミクスは【ソ】性は高いが再現性が低い。ターゲットプロテオミクスは再現性が高いが【ソ】性が低い。蛋白質はリン酸化などの翻訳後修飾を受け、機能を発揮する場合も多い。抗体を用いた蛋白質解析では【タ】解析に大きな労力がかかっていたが、質量分析計を用いることで【タ】を受けているアミノ酸の分析・同定が可能になった。
タンパク質分解酸素, ペプチド, 網羅, 翻訳後修飾
14
腸内細菌の研究は1719年にLeewenhoekが人の糞便に多数の腸内菌が存在していることを見出したのが始まりと考えられている。150年ほどの時を経て1866年にPasteurによって【ア】法が1881年にKochによって【イ】法が開発されたことで腸内細菌の研究が大きく発展した。1880年から1898年にかけて大腸菌、コレラ菌、チフス菌、赤痢菌、1899年には【ウ】菌が分離された。
滅菌, 純粋培養, ビフィズス
15
免疫細胞による食作用を提唱し後にノーベル医学生理学賞を授与されるメチニコフは【エ】を摂取することでの腸内の【オ】を駆除することが出来、長寿を保つことができると考え、ブルガリヤ菌や酸乳の摂取を推奨した。メチニコフの研究ではブルガリヤ菌【エ】摂取によって【カ】が減少し7週間効果が持続した。
ヨーグルト, 腐敗菌, 腸内腐敗
16
成人の大腸に存在する細菌の優勢菌叢は、変性嫌気性菌でありその中にビフィズス菌も含まれる。乳酸桿菌は【キ】郡であり成人大腸菌において【キ】は総菌数の1/1000以下である。成人の腸内細菌はかなり安定していることが分かっており同じ個人の菌叢構造の特徴は時間が経っても維持される。菌叢構造にははっきりした【ク】が存在することがわかっている
通性嫌気性菌, 個体差
17
ヒトは胎内で【ケ】の状態で過ごすが出生直後には好気性菌の出現を経て通性嫌気性菌が定着する。出生3日程度で編性嫌気性菌が登場し【コ】菌は急激に菌数を増やして乳児の腸内で重要な位置を占めるようになる。離乳期になると【コ】菌はやや減少し、優勢ではあるものの最優勢ではなくなる。加齢とともに腸内細菌叢の構成は老人型に移行する。加齢とともに全体の菌数が減少し【サ】菌として知られる腸内腐敗の原因となる菌郡の増加が観察される。
無菌, ビフィズス, ウェルシュ
18
腸内細菌叢研究は、培養技術の進歩と共に発展してきた。腸内細菌叢研究が開始した当初は、酸素の存在する環境で生育できる菌が優勢菌であると考えられていたが、培養技術が発展すると腸内細菌叢においては【シ】が優勢菌であることが明らかになった。培養方法の発展によって、腸内細菌全体からすると少数しか存在しない菌種の培養も可能になったが、腸内には【ス】な菌も多く存在するため、菌培養のみでは全体像を捉えるのが難しかった。そのような状況を一変させたのが、次世代シーケンサーによる【セ】解析である。メタ【セ】解析では主に、【セ】rRNAを対象にシーケンス解析を行う。【ソ】は、全ての細菌に共通して存在する必須の遺伝子であり、【ソ】と可変領域が交互に存在する。この特徴を利用して、全ての細菌種を対象にしたプライマーを用いてPCR増幅し、増幅配列中に含まれる可変領域のDNA配列の差異に基づいて、菌叢を決定することができる。
嫌気性菌, 培養困難, 16S, 定常領域
19
プロバイオティクスについて、簡潔に説明せよ
健康のために役立つ微生物を摂取すること
20
プレバイオティクスについて、簡潔に説明せよ。
健康のために役立つ微生物の増殖を促す栄養素を摂取すること
21
糖としてのオリゴ糖の特徴について、簡潔に述べよ
単糖が2個から10個結びついたものをオリゴ糖という。
22
システム生物学では、単一の遺伝子や分子に着目するのではなく、多数の遺伝子や分子が作る複雑な【ア】をシステムとして理解することを目的とする。あるシステムが応力や環境の変化などの【イ】に晒されても、影響を受けることなく機能することができる場合、そのシステムはロバストであるといえる。システムの中で【イ】による影響を受けた場合に、全体に影響を与えてシステムが機能不全に陥るような性質を【ウ】性という。複雑なシステムのロバストネスを向上させる機構には、大きく4つの機構がある。それは、システム制御、耐故障性、【エ】、バッファリングである。
ネットワーク, 外乱, 脆弱, モジュール構造
23
システム制御は、【オ】、ポジティブフィードバック、フィードフォーワードなど、いわゆる制御工学で使われるシステム制御の方法を利用して生物を1つの一貫したシステムとして機能させる機構である。例えば、血糖値が正常値より下がってくると、膵臓アルファ細胞より【カ】が血中に分泌され、肝臓などからグルコースが分泌され血糖値が上昇する。逆に血糖値が上がってくると【キ】細胞よりインスリンが分泌され、糖の取り込みが行われ血糖値が下がるという調節が行われる。これは、生物における【オ】の1例であり、システムの状態を表す指標(入力)と目標値の差分を入力に引き算する形で戻す方法である。
ネガティブフィードバック, グルカゴン, 膵臓ベータ
24
ポジティブフィードバックは、システムの状態を【ク】し安定させる制御である。特定の遺伝子発現がONとなり、遺伝子発現状態を維持する場合などに使われるシステムである。最も単純な例では、ONになった遺伝子が【ケ】で、自己の遺伝子発現を【コ】する場合がある。フィードフォーワードは、入力に対してあらかじめ【サ】されたリアクションを引き起こす制御であり、システムの状態をみながら制御するネガティブフィードバックよりも即時の対応が求められる場合にメリットがある。例えば、大腸菌では、高温によるタンパク質の熱変性に対処するためのシステムがフィードフォーワードに当たる。
増強, 転写因子, 促進, 設定
25
システムを構成する【シ】やモジュールの故障や損傷に対して、バックアップシステムで機能を維持する機構を耐故障性という。その中核は、複数の【シ】やモジュールを使う冗長性と多様性の考え方である。例えば、肝臓には多くの肝臓細胞や【ス】が存在している。一部の細胞や【ス】が障害を受けたとしても、肝臓全体は不具合を起こすことなく機能することができる。これは、多細胞生物の大きなメリットの一つである。
部品, 肝小葉
26
システムの機能と直接関係のある状態を物理的【セ】から切り離す構造をバッファリングという。これによりシステムが【セ】に反応して誤作動するのを防ぐことができる。例えば、脳は脊髄を通じて末梢神経からの情報を常に受け取っているが、衣類と肌との接触による刺激などは無意識下で【セ】として処理されている。これにより、不必要な刺激が脳に入ることを防ぐことができる。
ノイズ
27
分子生物学の研究手法では、興味のある遺伝子を過剰発現したり、【ア】したりすることで、遺伝子の【イ】を明らかにしてきた。システム生物学では、個々の遺伝子に着目するのではなく、分子の繋がりと【ウ】構造に着目して研究を進める。
ノックアウト, 機能, ネットワーク
28
システム生物学において、細胞が刺激に対してどのような反応を示すかを研究するためには、刺激後の細胞内分子時間変化についての検討が必要である。時間変化の解析には【エ】方程式が用いられ、【エ】方程式は反応式から導出する。分子量の時間変化が見られなくなった状態を【オ】状態と呼び、d[分子]/dt=0で表す。【オ】状態における【エ】方程式の解を求めることで、分子の挙動を予測することができる。n次応答は環境からのアナログな刺激に対する、細胞の【カ】な応答システムの一例である。n次応答の代表例として、ヘモグロビンがある。ヘモグロビンは酸素濃度の高い肺において酸素【キ】分子と結合し、酸素濃度の低い末梢組織において酸素を放出する。
微分, 定常, デジタル, 4
29
NotchとDeltaによる細胞分化制御は、一種の【ク】スイッチとして働く。DeltaはNotchのリガンドであり、DeltaとNotchが相互作用することで、Notchが活性化する。Notchの活性化は細胞内のdelta遺伝子発現【ケ】に働くため、Deltaの発現量が異なる2種類の細胞が隣り合っていた場合に、Delta発現量の【コ】が増幅され、Deltaを発現している細胞としていない細胞の2種類に分化する。
トグル, 抑制, 差
30
転写因子Xとそれが制御する転写因子Y、XとYがともに制御する遺伝子Zとから構成されるフィードフォーワードループ(FFL)は、コヒーレント-FFL(C-FFL)とインコヒーレント-FFL(I-FFL)に大別される。XによるZ発現の直接制御とYを介した間接的なZ発現制御の符号(活性化または抑制)が 【サ】しているものがC-FFLで、逆転しているものがI-FFL。図1に示す8種類のFFLの中で、大腸菌や酵母の転写ネットワークにおいては8種類が同じ割合で存在するわけではなく、図1中【シ】番で示されるC1-FFLと図1中【ス】番で示されるI1-FFLが多く存在する。C1-FFLはオン•オフ感知遅延要素になっており、入力の【セ】に対して不必要な応答をしないように守る働きがある。I1-FFLはパルスジェネレーターとして働き、継続的な入力に対して一過性のZ発現パターンを与えることができる
一致, 6, 4, 揺らぎ
31
幹細胞は、自己以外の種類の細胞に分化する能力と、細胞分裂を経て(b)自己と同一の分化能を持つ娘細胞を生み出す能力とをあわせ持つ細胞として定義される。多能性は、【ア】、【イ】、外胚葉の三胚葉全てに分化できる能力として、規定される。 各組織にも幹細胞が存在することが知られている。造血幹細胞は白血球や【ウ】、血小板などの全ての血球系へと分化する能力を有している幹細胞であり、成体では主に【エ】に存在している。白血病などの血液疾患に対しては、骨髄や【オ】を用いた造血幹細胞移植が行われており、基礎と臨床両面でさまざまな知見が得られている。造血幹細胞研究は再生医療の先駆けである。【カ】細胞とは、ニューロン、アストロサイト、オリゴデンドロサイトという中枢神経系を構築する細胞に分化できる、多能性と自己複製能を有する細胞である。【カ】細胞は個体発生から成人に至るまで中枢神経系の様々な場所に存在している。間葉系幹細胞は、【キ】や骨、脂肪などの間葉系組織へ分化する能力を有する組織幹細胞であり、主に【エ】の結合組織に存在して、間葉系の恒常性の維持や造血幹細胞の増殖や分化の制御を行なっている。細胞治療における有力な細胞【ク】として期待されている。
内胚葉, 中胚葉, 赤血球, 骨髄中, 臍帯血, 神経幹, 骨格筋, 供給源
32
幹細胞システムにおいては、【ケ】分裂と呼ばれる分裂方式によって幹細胞と成熟細胞の維持がなされていると考えられる。すなわち、分裂する娘細胞の1つは幹細胞自身であり、もう一つは分化の方向へと進む前駆細胞であるとの考え方である。【ケ】分裂が起こるためには、細胞に【コ】が生じる必要がある。そのためには細胞自体が自身の位置を把握しておく必要があると考えらえる。幹細胞の周辺の環境によって細胞の【コ】や位置情報が制御されていると考えられており、このような微小環境を幹細胞【サ】と呼ぶ。【サ】細胞が産生する【シ】や接着分子、細胞外マトリックスなどの【ス】を受け取ることで、幹細胞は幹細胞としての機能を維持していると考えられる。
非対称, 極性, ニッチ, サイトカイン, シグナル
33
幹細胞が自己以外の細胞に分化する能力のことをなんと言うか。漢字3字
分化能
34
幹細胞が自己と同一の分化能を持つ娘細胞を生み出す能力のことをなんと言うか。漢字5字
自己複製能
35
生物が時の流れを感知するシステムとして、体内時計の存在が古くから示唆されてきた。体内時計の中でも、24時間周期のリズムを【ア】と呼び、【ア】に関わる体内時計が存在すると考えられる。人間は、外部と遮断され環境変化を感知することができない環境に置かれたとしても、睡眠や覚醒、食事のサイクルを約【イ】時間に保つ傾向を持っている。このことは、私の体内に内因性の時計機構が存在していることを示唆している。現実の日常生活では、地球の【ウ】に合わせて内因性の時計機構を24時間の環境サイクルに【エ】させて生活していると考えられる。【ア】の最も強力な環境同調因子は【オ】だと考えられる
概日リズム, 25, 自転, 同調, 太陽光
36
時計遺伝子:Period に関する説明について、最も適切なものをそれぞれ以下の選択肢から1つ選んで、数字で解答せよ
ヒトやマウスには、Per1, Per2, Per3が存在する
37
時計遺伝子:Cryに関する説明について、最も適切なものをそれぞれ以下の選択肢から1つ選んで、数字で解答せよ
植物において、光を受けて体内時計をリセットする分子として見つかった遺伝子で、PERタンパク質と結合して核に移行する。
38
時計遺伝子:Clockに関する説明について、最も適切なものをそれぞれ以下の選択肢から1つ選んで、数字で解答せよ
マウスで見つかった哺乳動物で最初の時計遺伝子で、BMALと複合体を形成して転写活性化に働く
39
時計遺伝子:BMALに関する説明について、最も適切なものをそれぞれ以下の選択肢から1つ選んで、数字で解答せよ
Clockと複合体を形成し、遺伝子発現制御に働く
40
添付の図は、マウスにおける時計遺伝子の転写ネットワークを図示したものである。図の→は転写活性化を、⊢は転写抑制を示している。①から③には分子名が、④から⑥には遺伝子発現制御の関係性(活性化 or 抑制)が入る。
Per, BMAL, Rorα, 抑制, 活性化, 活性化
41
生命現象の中で最も複雑で精妙なものの1つが、動植物の形態形成である。形態形成で起こる現象の中には、反応拡散方程式でモデル化できる現象がある。単純化した反応拡散方程式では、【タ】とインヒビターの関係式で表される。例えば、カルシウムイオン波に代表されるような、移動波の生成は、初期条件として両因子とも濃度が低い状態で、【タ】が拡散する一方でインヒビターが【チ】反応拡散方程式にてモデル化される。タテジマキンチャクダイの体表模様のような定常パターンは、【タ】に対してインヒビターが【ツ】拡散する反応拡散方程式でモデル化される。このような、定常波で形成されるパターンを【テ】とよぶ。
アクチベータ, 拡散しない, 早く, チューリングパターン
42
代謝物の一斉解析は【ト】解析、タンパク質の一斉解析は【ナ】解析と呼ばれ、どちらも主に高速液体クロマトグラフ-質量分析装置(LC-MS)を用いて行われる。広く普及している質量分析装置として、四重極型質量分析装置がある。質量分析装置は【ニ】化した化合物を対象に質量電化比(m/z)を測定する装置であり、四重極型質量分析装置では4本のロッドの中に特定のm/zを有する化合物のみが直進可能な場を作り出し測定する。複数の四重極型質量分析装置を連続して接続した解析方法に、Multiple Reaction Monitoring(MRM)法がある。MRM法では、特定の質量数をもつ化合物をQ1で選択し、Q2で化合物を物理的に開裂させ、Q3で開裂【ニ】を検出する。タンパク質は【ヌ】の重合物であり、トリプシンなどのタンパク質【ネ】酵素を用いてタンパク質由来のペプチドを作製し【ヌ】配列を質量分析装置で解析することで網羅的解析が可能である。
メタボローム, プロテオーム, イオン, アミノ酸, 分解
43
生物におけるホメオスタシスについて説明せよ
生物や細胞が遺伝子発現や代謝反応などを調節することで恒常性を保つ
44
がん細胞における染色体安定性と治療抵抗性について説明せよ
染色体不安定性がヘテロながん細胞集団を作りだし抗がん剤などの治療に耐性をもつ細胞集団を形成する
45
組織工学で用いられる合成高分子の特徴について説明せよ
組織工学に用いられるポリ乳酸やポリグルコール酸などの生分解性高分子は、体内への埋め込み後に一定の半減期を持ち、分解吸収されるため異物反応を最小限に抑えることができる。
46
幹細胞は、自己以外の種類の細胞に分化する能力と、細胞分裂を経て自己と同一の分化能を持つ娘細胞を生み出す能力とをあわせ持つ細胞として定義される。」と定義される多能性であるが、ES細胞の多能性評価方法について説明せよ
EB(エンブリオボディ)形成もしくはマウス胚へのインジェクションによって、分化を誘導し、三胚葉への分化を解析する。
47
iPS細胞は、どのような細胞から樹立されるどんな性質を持った細胞であるか。簡潔に説明せよ
体細胞にOct3/4, Klf4, Sox2遺伝子を導入することで樹立される、人工多能性幹細胞
48
移植免疫の面からiPS細胞は、ES細胞に比べてどのようなメリットがあるか。簡潔に説明せよ。
iPS細胞は、患者本人の体細胞を初期化して作製することができることから、拒絶反応が起こりにくいというメリットがある。
49
ES細胞を用いた再生医療では生命倫理の面でどのような課題を抱えていて、iPS細胞はなぜその課題をクリアすることができたか。簡潔に説明せよ
ES細胞の樹立には受精卵を用いる必要があり、生命倫理的な観点から問題を抱えていたが、iPS細胞の作製には受精卵を用いる必要がないため、この問題を回避できた
50
ポリクローナル抗体とモノクローナル抗体の違いについて、簡潔に説明せよ
抗原を免疫した動物から採取した血漿中に含まれる抗体を精製したものがポリクローナル抗体で複数の抗体が含まれる、抗体産生細胞を不死化して細胞株とし、その細胞株から生産される単一抗体を精製したのがモノクローナル抗体
51
幹細胞システムにおいては、【ケ】分裂と呼ばれる分裂方式によって幹細胞と成熟細胞の維持がなされていると考えられる。すなわち、分裂する娘細胞の1つは幹細胞自身であり、もう一つは分化の方向へと進む前駆細胞であるとの考え方である。【ケ】分裂が起こるためには、細胞に【コ】が生じる必要がある。そのためには細胞自体が自身の位置を把握しておく必要があると考えらえる。幹細胞の周辺の環境によって細胞の【コ】や位置情報が制御されていると考えられており、このような微小環境を幹細胞【サ】と呼ぶ。【サ】細胞が産生する【シ】や接着分子、細胞外マトリックスなどの【ス】を受け取ることで、幹細胞は幹細胞としての機能を維持していると考えられる。
非対称, 極性, ニッチ, サイトカイン, シグナル