1. 工事現場の管理者自らが保安要員を配置して行うよりも、専門の知識及び技能を有したプロの警備員に任せる方がより交通の安全と円滑な通行が図られ、高水準の安全が確保されることから、その業務をすべて警備業者に委託しなければならない。 。

交通誘導警備業務は工事関係者と工事作業者だけを誘導の対象としている。

交通誘導警備業務に従事する警備員は、その誘導ミスを原因とする交通事故が発生すると、社会に大きな影響を及ぼすため、周囲の交通状況に適格に対応できるような強制力のある誘導技術を身につけなければならない。

警備員の誘導ミスを原因とする交通事故が発生したとしても、社会に影響を及ぼすことはない。

警備業法には、警備業者の適正な企業運営に関する指針が定められている。

警備業法第15条によって、警備業者及び警備員に対し一定の特別な権限を与えられている。

警備員が警備業務を行うに当たっては、状況により個人若しくは団体の正当な活動に干渉することができる。

警備業法第15条には、警備員が行うにあたり、他人の権利及び自由を侵害してはならないと定められている。

警備業務実施に当たっては、あくまでも私人のいわゆる「管理権」等の範囲内で行わなければならない。

警備業務対象施設内等において不審な人物を発見した場合は、施設管理権に基づく、私人として許される範囲内の質問は、警備業務実施の基本原則に規定する警備員の禁止行為に該当する。

現行犯人を逮捕した場合は、速やかに所持品検査や事情聴取を行った後、警備員等への引き渡す。

警備員が行う交通誘導業務は、道路交通法で定められたものであり、道路交通施行規制にその根拠がある。

交通誘導警備業務中に緊急車両が接近してきたときは、周囲を通行する一般車両に対し、警察官と同様の法令に基づく交通整理を行うことができる。

26 警備業法は、警備業者及び警備員に必要な権限を与え、警備業務の実施の適正を図ることを目的としている。

交通誘導警備業務及び雑踏警備業務は、警備業法第2条第1項の第1号業務に該当する。

警備業務とは、認定を受けて警備業を営む者をいう。

「警備員」とは警備業者と雇用関係にあるすべての者をいい、警備業者の使用人であれば、警備業務以外の業務に従事する者も警備員に該当する。

２０歳未満の者は、警備員として警備業務に従事することができない。

禁固以上の刑に処され、又は警備業法の規定に違反して罰金の刑に処され、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から起算して7年を経過しない者は、警備員ときて警備業務に従事することができない。

暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律による命令又は指示を受けた者であって、当該命令又は指示を受けた日から起算して5年を経過しない者は、警備員として警備業務に従事することができない。

アルコール、麻薬、大麻、あへん又は覚醒剤の中毒者は警備員になることはできない。

警備員の用いる護身用具については、都道府県公安委員会に対する届け出の義務は定められていない。

警備業務の性質上、実施の過程において、他人の権利や自由を多少侵害してもやむを得ない。

警備業務の実施の過程において、他人の自由に対する侵害が最小限となるように、基本的人権を正しく理解することが大切である。

基本的人権は、絶対的無制限なものであるため、公共の福祉による制約を一切受けることはない。

公共の福祉による制約の程度は、それぞれの自由及び権利の性格にかかわらず、常に一定である。

何人も生命若しくは自由を奪われ、又はその他の刑罰を科せられない。

何人も、権限を有する司法官憲が発し、且つ理由となっている犯罪を明示する令状によらなければ、逮捕されない。

正当防衛行為は、自己の権利を防衛するものであり、他人の権利を防衛するための正当防衛は認められない。

正当防衛における「急迫」とは、権利を侵害される危険が差し迫っていることをいい、単に将来侵害されるおそれがあるだけの場合や、すでに侵害が終わってしまった場合には、正当防衛は認められない。

正当防衛行為に対する正当防衛は認められている。

「過剰避難」は刑罰の対象となるが「過剰防衛」は刑罰の対象とならない。

自己又は他人の生命、身体、自由又は財産に対する現在の危機を避けるため、やむを得ずにした行為は、これによって生じた害が避けようとした害の程度を超えなかった場合に限り、罰しない。

緊急避難は、危難の対象が不正なものに限られているため、正当防衛の要件とまったく同じである。

緊急避難行為では、他に適切な避難の方法があったとしても、危機が切迫しているため、どのような方法で避難しても刑罰の対象とならない。

緊急避難の要件に当てはまる場合でも、業務の性質上、危機に立ち向かうべき義務のある者は、どのような場合であっても緊急避難行為をすることは絶対に許されない。

「現行犯人」とは、現に罪を行い、又は現に罪を行い終った者をいう。

「現に罪を行い」とは犯罪を現在実行しているという意味であり、犯罪の実行行為に着手し、それを遂行しつつあり、いまだ終了に至らない場合である。

罪とは、必ずしも特定の罪を指すわけではないため、単なる不審者であっても、何らかの罪を犯しているかもしれないという十分な疑いがあれば、現行犯逮捕することができる。

現行犯人であったとしても、逮捕状がなければ逮捕することはできない。

現行犯人を逮捕する際は、犯人からの抵抗を受けることもあるが、犯人に対する実力行使は絶対に許されない。

「遺失物」とは、他人が占有していた物であって、当該他人の意思に基づかず、かつ、略奪によらず、当該他人が占有を失ったもので、それを発見した者の占有に属していないもの（逸走した家畜、家畜以外の動物及び埋蔵金を除く。）をいう。

遺失物法上における「管理にあたる者」とは、店員、駅員、職員等をさすが、これに警備員は該当しない。

銃砲刀剣類等、法令の規定によって一般的に私人が所持することが禁止されている物件を拾得した場合は、直ちに遺失者に返還するか警察署長に提出する。

一般の場所において物件を拾得した場合は、24時間以内に遺失者に返還するか、警察署長に提出しなければ、保管費、報労金等を受け取る権利及び所有権を所得する権利を失う。

道路交通法によって、歩行者は歩道等と車道の区別のない道路では左側通行することが定められている。

歩道と車道の区別のある道路では、右側の歩道等を通行することが定められている。

歩行者は、車両等の直前又は直接に横断歩道があったとしても、当該横断歩道によって道路を横断してはならない。

車両が道路外で施設等に出入りする場合において、一時的に歩道等を通行する場合には、歩道の直前で徐行し歩行者の通行を妨げないようにしなければならない。

「交通整理の行なわれていない交差点」とは、信号機の表示する信号、警察官等の手信号等による交通整理が行われていない交差点のことをいう。

車両は、路面電車及び右方から進行してくる車両の進行妨害をしてはならない。

車両等は、横断歩道等に歩行者がある場合などは、横断歩道等を徐行しながら進行しなければならない。

交差点又はその付近において、緊急自動車が接近してきたときは、車両は交差点を避け、かつ、道路の左側に寄って徐行しなければならない。

交差点又はその付近において、緊急自動車が接近してきたときは、車両は道路の左側に寄って一時停止し、交差点内にあっては、その場で一時停止しなければならない。

14 警備業者は、その警備員に対して専門的な教育と必要な指導者、又は監督を行わなければならない。

警備業者は、その警備員に対して必要な指導を行う義務はあるが、監督を行う義務はない。

警備員教育については、警備員等の検定等に関する規則に定められている。

国家公安委員会は、警備業務の実施の適正を図るため、その種別に応じ、警備員又は警備員になろうとする者について、その知識及び能力に関する検定を行い、合格した者に対し、種別ごとに合格証明書を交付する。

「警備員等の検定等に関する規則」で定める特定の種別の警備業務については、一定の基準で検定合格警備員を配置しなければならない。

現在行われている検定の種別は、保安警備業務、施設警備業務、雑踏警備業務、交通誘導業務、核燃料物質等危険物運搬警備業務、貴重品運搬警備業務の6種別である。

検定には、検定種別ごとに1級と2級の区分があり、1級は当該警備現場におけるリーダーとしての役割が、2級には統括管理者としての役割が期待されている。

1級検定は当該警備業務の種別の2級の合格証明書の交付を受けた後、当該警備業務に5年以上従事しなければ受けることができない。

検定資格を所得する方法として、国家公安委員会の登録を受けた者が行う講習会を受講さえすれば、都道府県公安委員会が行う学科試験及び実技試験が免除される。

２０歳未満の者には、合格証明書は交付されない。

合格証明書の返納を命ぜられた日から起算して5年を経過しない者には、合格証明書が交付されない。

警備業者は、検定合格警備員に実施させる必要がある警備業務を行うときは、合格証明書の写し（コピー等）を当該警備員に携帯させ、警察官や委託者等からの請求があれば、これを提示させなければならない。

警備員は警察官及び自衛官の制服と明確に識別することができる服装でなければならないことが定められている。

現行犯人の定義における「現に罪を行い終わった」とは、当該犯罪終了直後を指すが、直後の範囲は数日間程度とされている。

一般私人による現行犯逮捕は、逮捕行為とそれに伴う犯人への身体捜検が認められているだけであり、取調べを行うことは、認められていない。

クッションドラム内には水袋又は砂袋が入っており、横方向に長く設置することによって、車両等の衝突時の衝撃を緩和することができる。

誘導ロボットは、主に高速自動車国道等で使用され、規制帯機転側の導流帯の先頭に設置されることが一般的である。

回転灯、回転警告灯は、車両に対し、速度制限が行われていることを知らせ、注意を促すことを目的として使用される。

工場信号機は、道路工事等の施工業者の申請によって、公安委員会が法令に基づいて設置するものである。

無線機で通話を行う際は、感情的に、あるいは興奮しながら話した方が、相手に内容が伝わりやすい。

聴取を確実に行い、応答遅延や受信漏れ等をおこさないようにする。

無線機の送信は、送信スイッチを押した後、直ちに行う。

無線機のマイクは、口から1〜2センチメートル離して、普通の大きさの声で話す。

無線機の通話の速度は、相手方の受信状況や通話の内容によって調整するものではなく、日常会話より早口を基準とする。

無線機使用時において呼出しに対する応答がないときは、相手局が応答するまで呼出しを繰り返す。

無線機の使用にあたって、ビルの谷間では、相互の電波が反射を繰り返すことにより、到着距離が長くなることに注意する。

無線送信が30秒以上にわたるときは、至急通話の割り込みを容易にするため、約30秒ごとに2〜3秒間、電波の発射を停止する。

保安用資機材の設置は、車両が進行してくる方向の逆の地点（終点）から始め、撤去する場合は、車両の侵攻してくる方向（起点）から行う。

交通流に対面する起点側に保安用資機材と中央線との角度は、車両の安全なつうこうを確保するため、おおむね45度から60度となるように設置する。

交通流に対面する起点側に保安用資機材は、隙間なく並べてしきる。

工事中であることを示す各種標示板は、工事区間の中間地点に設置する。

歩行者通路は、保安柵やセフティコーン、コーンバー等によって、十分な幅員（通常1メートルやむを得ない場合でも0.5メートル以上）を確保する。

歩行者通路と作業現場との境界は、保安用資機材を適当な間隔を空けて並べて仕切るとともに風圧等で動くことがないよう安全措置を講じる。

夜間は常に十分な照明を点灯し、標示板や歩行者通路が周囲からよく見えるようにする。

設置した資機材が風圧等により、動いていた場合や転倒していた場合には、再設置しても同様のことが発生するので、資機材を撤去する。

資機材の保管は雨などが当たらない所で、施錠できる場所を選定する。又、常に整理整頓を行い、業務中においても、歩行者通路内や定められた場所以外に放置しない。

交通誘導業務は、原則、相手の自発的な協力に基づいて行われるものではあるが、特別に権限を有しているため指示や命令を行う場合がある。

常に周囲の交通状況を把握し、一般車両等に迷惑をかけることのないよう、工事関係車両特定の車両を優先した誘導を行う。

交通誘導業務を行うに当たり、特に夜間は、過労運転、飲酒運転、速度違反等による重大事故の発生が多いことに留意し、常に安全確保に努める。

手旗が絡まった場合は手旗を下げて直すと、相手に対する合図が不明確となるので、手旗を上げたまま振りながら絡みを直す。

走行中の車両の全面に出て停止を求めることは、極めて危険なのでやむを得ない場合、又は、悪天候時以外は行わない。

停止した車両に対しては、進行の合図を行うまでは停止の合図を継続する必要はなく、その車両の動向に注意する。

工事関係車両の誘導を行うに当たり、出入りする車両数に関わらず工事現場等においては、必ず右折入場、右折退場を心がける。

10台以上の工事関係車両を道路上で順番待ちさせる場合は、必ずその駐車列の前後に警備員を配置する。

工事関係車両が他の正常な交通を妨害するおそれのあるときは、一般車両を停止させて、横断、転回、後退等をさせる。

車両等に対して行う合図は自己流であっても相手に確実に伝わればよいので、大きい動作とわかりやすい速さで行う。