問題一覧
1
薬物代謝は肝臓と小腸以外の臓器では行われない。
✕
2
薬物代謝酵素が最も多く存在する部位はどこか。1つ選べ。
肝臓
3
薬物代謝酵素は、ミクロソーム画分のみに存在する。
✕
4
細切した肝臓をホモジナイザーで破砕し遠心分離を繰り返すと細胞内小器官を大まかに分けることができる。主に薬物代謝に関わるシトクロムP450が存在する画分として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。
c
5
シトクロムP450(CYP)による基本的な代謝様式は、加水分解である。
✕
6
シトクロムP450(CYP)による酸化的代謝と比較して、抱合代謝やアルコールの酸化は肝疾患による影響を受けにくい。
〇
7
高齢者では、CYPによる酸化的代謝とグルクロン酸抱合代謝が同程度に低下する。
✕
8
CYPのうち、ヒトにおける肝臓内存在量が最も多いのはCYP3A4である。
〇
9
CYPには多数の分子種が存在し、基質特異性が高い。
✕
10
イミプラミンは、シトクロムP450による N-脱メチル化を受けて活性代謝物へ変換される。
〇
11
サラゾスルファピリジンは、腸内細菌による酸化的代謝を受け、5-アミノサリチル酸へ変換されて抗炎症作用を示す。
✕
12
4, 5
13
カルボキシルエステラーゼにより加水分解を受ける薬物はどれか。1つ選べ。
1
14
1〜5のうち、アセトアミノフェンによる肝毒性に関与し、エタノールにより誘導される酵素が関わる代謝過程はどれか。1つ選べ。
3
15
1つの薬物が、シトクロムP450(CYP)に対して誘導作用と阻害作用の両方を示す場合がある。
〇
16
肝代謝型の薬物はどれか。1つ選べ。
プロプラノロール
17
体内からの消失が主に CYP1A2 による代謝である薬物はどれか。1つ選べ。
テオフィリン
18
遺伝子多型がワルファリンの薬効に最も影響する薬物代謝酵素はどれか。1つ選べ。
CYP2C9
19
オメプラゾールの主たる代謝酵素はCYP2C9である。
✕
20
コデインからモルヒネへの代謝に関与する酵素はどれか。1つ選べ。
CYP2D6
21
タクロリムスは、主に未変化体として胆汁中に排泄されるため、肝機能が低下した患者では血中濃度が高くなる。
〇
22
ジルチアゼムは、腎臓からの未変化体の排泄率が高いため、腎障害時には全身クリアランスが低下する。
✕
23
イマチニブメシル酸塩はCYP3A4による代謝を受けるため、CYP3A4活性を阻害する薬物と併用する場合、血中濃度が変動する可能性がある。
〇
24
リドカインは主としてCYP2C9により代謝されるため、CYP2C9が欠損している患者では血中濃度が上昇する。
✕
25
キニジンは、腎尿細管分泌によって大部分が未変化体のまま排泄されるため、肝障害が全身クリアランスに及ぼす影響は小さい。
✕
26
薬物代謝における第Ⅱ相反応はどれか。1つ選べ。
抱合
27
ヒドロキシ基を有する薬物(R−OH)のグルクロン酸抱合体を示す化学構造はどれか。1つ選べ。
2
28
生体内で主にUDP–グルクロン酸転移酵素で代謝されるのはどれか。1つ選べ。
モルヒネ
29
モルヒネは、小腸と肝臓で3位と6位の水酸基が主に硫酸抱合され、そのうち6位抱合体は鎮痛作用を示す。
✕
30
一般に薬物の水溶性が低下する代謝反応はどれか。1つ選べ。
アセチル抱合
31
ソリブジンの代謝物である5-ブロモビニルウラシルは、ジヒドロピリミジン脱水素酵素を阻害し、5-フルオロウラシルの代謝を抑制する。
〇
32
3
33
2
34
バラシクロビルは、エステラーゼによりアシクロビルとL-ロイシンに加水分解される。
✕
35
主に肝臓のエステラーゼで加水分解されてアシクロビルに変換される。, 経口投与後のアシクロビルとしてのバイオアベイラビリティは、消化管からの吸収率が高まるため、アシクロビル経口投与時のそれより高くなる。
36
アシクロビルとL−バリンがエステル結合を介して連結した構造をもつ。, 小腸のペプチドトランスポーターを介して吸収される。
37
ガバペンチンエナカルビルは、ガバペンチンの経口吸収のばらつきや飽和を改善するプロドラッグである。
〇
38
✕
39
ガバペンチンエナカルビルは、カルボキシルエステラーゼによる代謝を受けて活性代謝物ガバペンチンに変換される。
〇
40
ホスアプレピタントは、アプレピタントの水溶性を向上させたプロドラッグである。
〇
41
ホスアプレピタントは、アプレピタントの窒素原子にリン酸基が導入されたことにより、血液脳関門を通過しやすくなっている。
✕
42
アプレピタントからホスアプレピタントが創製されたのと同様な目的で開発されたプロドラッグはどれか。1つ選べ。
4
43
テガフールは、フルオロウラシルの溶解性の改善を目的としたプロドラッグである。
✕
44
消化管吸収後、体内でCYP2A6によって代謝され、抗悪性腫瘍作用を示すプロドラッグはどれか。1つ選べ。
テガフール
45
エリスロマイシンエチルコハク酸エステルは、エリスロマイシンの水溶性を増大し、胃内での安定性を高めたプロドラッグである。
✕
46
ドキシフルリジンは、フルオロウラシルのプロドラッグであり、水溶性を低下させることにより、苦味を軽減することを目的としている。
✕
47
1, 5
48
3, 4
49
CYPの遺伝子多型では、代謝活性が上昇する場合や低下する場合がある。
〇
50
CYP2C9の poor metabolizer(PM)では、フェニトインによる中枢毒性発現のリスクが増大する。
〇
51
54歳女性。152cm、48kg。高血圧、脂質異常症、深在性皮膚真菌症の治療のため処方1と処方2の薬剤を服用していた。その後、深部静脈血栓塞栓症を発症し、その治療のため処方3が追加となった。 PT–INRを治療目標域に到達させるため、ワルファリン投与量の調節を試みたが、PT–INRが3.0〜6.0で推移し、コントロールが困難であった。医師は患者や薬剤師と相談し、薬物動態関連遺伝子の多型を検査することにした。 多型を検査すべき遺伝子として、適切なのはどれか。1つ選べ。
CYP2C9
52
遺伝的要因によりCYP2C19の代謝活性が低い人の場合は、白人と比較して日本人の方が少ない。
✕
53
シトクロムP450の分子種CYP2C19には遺伝的多型があり、代謝活性の低い患者ではオメプラゾールの副作用(皮膚粘膜眼症候群)の発現率は低下する。
✕
54
CYP2C19の遺伝子多型によってオメプラゾールの血中濃度時間曲線下面積(AUC)は変化するが、代謝物のAUCは変化しない。
✕
55
シトクロムP450の分子種CYP2D6には遺伝的多型が存在するので、 poor metabolizer(PM)では、extensive metabolizer(EM)に比較して、ノルトリプトリンの消失が遅い。
〇
56
シトクロムP450の分子種CYP2D6には遺伝的多型が存在するので、 poor metabolizer(PM)では、extensive metabolizer(EM)に比較して、ノルトリプトリンの消失が速い。
✕
57
CYP2D6の遺伝子多型が関与するイミプラミンのPMでは、活性代謝物の生成が増大する。
〇
58
CYP2D6の遺伝子多型が関与するイミプラミンのPMでは、活性代謝物の血中濃度が高い。
〇
59
CYP2D6の extensive metabolizer(EM)では、コデインの鎮痛効果が減弱する。
✕
60
イソニアジドのアセチル化代謝反応には遺伝的多型があり、日本人では白人に比べ、アセチル化能が低い人の割合が少ない。
〇
61
N-アセチル転移酵素(NAT2)には遺伝子多型が存在し、日本人では約10%がイソニアジドのアセチル化反応速度が速い群に属する。
✕
62
アルデヒド脱水素酵素(ALDH2)はPMの頻度に人種差があり、白人と比べて日本人ではPMの出現率が高い。
〇
63
UGT1A1の遺伝子診断の結果、酵素活性の低下を伴う遺伝子型であることが判明した。この患者の治療上、注意すべき内容として最も適切なのはどれか。1つ選べ。
イリノテカンの副作用発現
64
58歳男性。手術不能の直腸がんと診断され、以下に示すレジメンに従った化学療法を施行することとなった。 患者の検査値を確認したところ、血中間接ビリルビン値が2.8 mg/dLと高値を示すが、直接ビリルビン値は正常範囲内であった。患者と面談したところ、以前他院にて体質性黄疸と診断されたが、特に治療は行っていないことが判明した。処方薬の副作用を予測するために、推奨すべき遺伝子診断の対象となる遺伝子はどれか。1つ選べ。
UGT1A1
65
アザチオプリンを使用する前には、UDP-グルクロン酸転移酵素(UGT1A1)の遺伝子多型の診断が行われている。
✕
66
チザニジンの代謝を阻害するのはどれか。1つ選べ。
フルボキサミン
67
ニューキノロン系抗菌薬を併用している患者では、テオフィリンの中毒症状が現れることがある。
〇
68
23歳男性。幼児期に喘息と診断され、総合病院の呼吸器内科でテオフィリンが処方され、継続的に服用している。最近、体調を崩し、近所の内科を受診したところ、マイコプラズマ肺炎と診断され、以下の薬剤が投薬された。 服用を始めて2日後、男性は夜中に眠れなくなったので、薬剤情報提供書を薬局に持参してかかりつけ薬剤師に相談した。 相談された薬剤師は、テオフィリンとの薬物相互作用による副作用を疑い、内科医に疑義照会した。その際、薬剤師が変更を提案すべき薬剤はどれか。1つ選べ。
シプロフロキサシン錠
69
カペシタビンは、ワルファリンによる出血リスクが上昇させる可能性がある。
〇
70
64歳男性。心筋梗塞、慢性胃炎。5年前に心筋梗塞を発症して以来、以下の処方薬を継続的に服用している。最近、血便が頻回に認められたため受診し、内視鏡検査を受けたところ大腸がんと診断され、摘出手術を受けた。明日からXELOX療法※を実施する予定である。 ※XELOX療法:カペシタビン+オキサリプラチン 外来化学療法室の薬剤師の対応として、ワルファリンによる出血リスクが上昇するので、注意すべき自覚症状について患者に指導した。 その原因となる、XELOX療法に伴う生理学的あるいは薬物動態学的な変化はどれか。1つ選べ。
CYP2C9の阻害
71
CYP3A4の活性を不可逆的に阻害するのはどれか。1つ選べ。
エリスロマイシン
72
エリスロマイシンは主にCYP3A4の代謝活性を阻害するため、カルバマゼピンの血中濃度を上昇させる。
〇
73
エリスロマイシンは主にCYP3A4の代謝活性を阻害するため、アムロジピンの血中濃度を上昇させる。
〇
74
エリスロマイシンは主にCYP3A4の代謝活性を誘導するため、フェロジピンの血中濃度を低下させる。
✕
75
リトナビルは、エスタゾラムの代謝を阻害し、血中濃度を上昇させ、呼吸抑制を起こすことがある。
〇
76
グレープフルーツジュース(GFJ)飲用によって、主に肝の薬物代謝が阻害される。
✕
77
グレープフルーツジュース(GFJ)はクロピトグレルの作用を増強するので、クロピトグレル服用中の患者は控えるようにする。
✕
78
60 歳男性。高血圧の治療のため、内科から以下の薬剤が処方され服用していた。最近、薬剤の服用後にめまいやふらつきを感じることがあり薬局を訪れた。 この患者におけるグレープフルーツジュース中の原因物質とニソルジピンの相互作用について、発現機序と考えられるのはどれか。1つ選べ。
小腸CYP3A4 に対する共有結合による不可逆的阻害
79
シメチジンはCYPのヘム鉄と複合体を形成して、CYPの代謝活性を増強する。
✕
80
ヘム鉄に配位することで、CYP3A4の活性を阻害するのはどれか。1つ選べ。
3
81
ケトコナゾールは、核内レセプターに結合して代謝反応を阻害する。
✕
82
以下の薬物のうち、ヘム鉄に配位することによって、シトクロムP450の活性を最も強く阻害するのはどれか。1つ選べ。
1
83
以下のうち、ヘム鉄に配位結合することによって、シトクロムP450(CYP)の活性を最も阻害するのはどれか。1つ選べ。
2
84
60歳男性。高血圧症及び不眠症のため、2週間ごとに近医を受診していた。最近、呼吸困難感及び胸痛を認め、さらに血痰及び喀血を生じたため、精査加療目的で大学病院に入院となった。その後、侵襲性肺アスペルギルス症と診断され、ボリコナゾールによる治療を翌日から開始することになった。入院時の持参薬は以下のとおりである。 ボリコナゾール投与開始にあたり、病棟担当薬剤師は持参薬の内容を確認して、病棟担当医に服用する薬剤の変更を提案した。 ボリコナゾールと処方変更前の薬物との相互作用の機序として適切なのはどれか。1つ選べ。
CYPのヘム鉄との配位結合による阻害
85
30歳男性。身長165cm、体重55kg。急性骨髄性白血病のため6ヶ月前に父親をドナーとして同種造血幹細胞移植を受け、術後1ヶ月で退院した。慢性移植片対宿主病(GVHD)のコントロール目的に以下の薬剤を継続服用している。 処方された薬剤の使用に際し、考慮すべき薬物相互作用の発現機序として最も適切なのはどれか。1つ選べ。
ヘム鉄への配位結合によるCYP3A4の阻害
86
ヘム鉄に結合することで、CYP3A4の活性を不可逆的に阻害するのはどれか。1つ選べ。
エリスロマイシン
87
アロプリノールはキサンチンオキシダーゼ(XO)によるメルカプトプリンの代謝を阻害するため、メルカプトプリンの毒性が増強される。
〇
88
メルカプトプリン水和物はフェブキソスタットにより代謝を阻害される。
〇
89
フェノバルビタールを連続投与すると、ワルファリンの代謝酵素が誘導されるため、ワルファリンの作用が減弱する。
〇
90
ワルファリンの抗凝固作用は、フェノバルビタールとの併用により増強する。
✕
91
リファンピシンは細胞内の核内受容体に結合してCYP分子種を誘導する。
〇
92
リファンピシンは主にCYP2D6を誘導するため、トリアゾラムの血中濃度を低下させる。
✕
93
テオフィリン製剤を服用している喫煙者が禁煙すると、テオフィリンの血中濃度が低下する可能性がある。
✕
94
喫煙はCYP1A2の誘導を引き起こし、トリアゾラムの血中濃度を低下させる。
✕
95
アルコールを摂取すると、喫煙によって誘導されるのと同じCYP分子種が誘導される。
✕
96
カルバマゼピンは連用によって代謝酵素の誘導を起こし、同じ投与量を繰り返し投与した場合、血中濃度は上昇する。
✕
97
セントジョーンズワートは、小腸上皮細胞のCYP3A4やP-糖タンパク質の発現を誘導するので、タクロリムス水和物との併用を避ける。
〇
98
セントジョーンズワートの長期摂取により、ワルファリンの消失半減期が延長し、出血傾向が引き起こされる。
✕