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財務諸表論
  • okumanton jr

  • 問題数 212 • 6/10/2023

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    問題一覧

  • 1

    企業が行う投資は、その期待に応じて時価の変動により利益の獲得を期待した金融投資と時価の変動以外の価値の実現を期待した事業投資とに区別される。企業の所有する棚卸資産がいずれに該当するかその所有目的に着目しながら述べなさい。

    棚卸資産のうち時価の変動により利益を得る目的で所有する棚卸資産は、金融投資に該当し、通常の販売目的で所有する棚卸資産は、事業投資に該当する。

  • 2

    資産除去債務の負債性について説明しなさい。

    資産除去債務は、有形固定資産の除去に関して法令または契約で要求される法律上の義務及びそれに準じるものであり、当該有形固定資産の除去サービスに係る支払いが不可避的に生じ、実質的に支払義務を負うことになることから、負債性が認められる。

  • 3

    自己創設のれんは資産の定義を充足していると考えられるが、財務諸表の構成要素とはならない。当該理由を財務報告の目的の観点から説明しなさい。

    自己創設のれんの計上は、経営者による企業価値の自己評価・自己申告を意味するものであり、投資家が自己の責任において投資を行うのに必要な情報を提供するという財務報告の目的に反すると考えられるため。

  • 4

    連結財務諸表を作成目的を説明しなさい。

    連結財務諸表は、支配従属関係にある2以上の企業からなる集団を単一の組織体とみなして、親会社が当該企業集団の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況を総合的に報告するために作成するものである。

  • 5

    資産除去債務に対応する除去費用を資産として計上した上で費用配分する考え方について説明しなさい。

    有形固定資産の取得に付随して生じる除去費用を当該資産の取得原価に含めることは、当該資産への投資について回収すべき額を引き上げることを意味する。すなわち、有形固定資産の除去時に不可避的に生じる支出額を付随費用と同様に取得原価に加えた上で費用配分を行い、さらに、資産効率の観点からも有用と考えられる情報を提供するものである。

  • 6

    資本取引・損益取引区別の原則の必要性

    適正な期間損益計算を行うためである。

  • 7

    収益費用アプローチにおける期間利益の算定方法

    収益費用アプローチにおいては、期間利益は、収益と費用の差額により計算される。

  • 8

    将来の期間に影響する特定の費用とは、どのようなものとされるのか説明しなさい。

    将来の期間に影響する特定の費用とは、すでに代価の支払が完了しまたは支払義務が確定し、これに対応する役務の提供を受けたにもかかわらず、その効果が将来にわたって発現するものと期待される費用をいう。

  • 9

    発生主義の原則の内容を説明しなさい。

    発生主義の原則とは、費用を発生の事実に基づいて計上することを要請する費用の認識原則である。

  • 10

    非支配株主持分は、これまでは少数株主持分という名称で呼ばれていたが、「連結財務諸表に関する会計基準」等の会計基準では、非支配株主持分という名称に変更されている。このような名称に変更された理由を記載しなさい。

    他の企業の議決権の過半数を所有していない株主であっても他の会社を支配し親会社となることがあり得ることから、より正確な表現とするためである。

  • 11

    創立費を繰延処理する場合の理論上の償却期間を述べなさい。また、そのように償却する理由を述べなさい。

    創立費は、会計理論上、企業が解散するまでの期間にわたり償却を行うべきである。なぜなら、創立費の支出の効果は、企業が存続する全期間にわたり発現するためである。

  • 12

    パーチェス法の会計処理の結果として生じたのれんについて規則的に償却すべきとこととしているその理由を説明しなさい。

    企業結合により生じたのれんは時間の経過とともに自己創設のれんに入れ替わる可能性があるため、企業結合により計上したのれんの非償却による自己創設のれんの実質的な資産計上を防ぐことができるためである。

  • 13

    四半期財務諸表の作成の考え方の実績主義について

    実績主義とは、四半期会計期間を年度と並ぶ一会計期間とみた上で、四半期財務諸表を、原則として年度の財務諸表と同じ会計方針を適用して作成することにより、当該四半期会計期間に係る企業集団又は企業の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に関する情報を提供するという考え方である。

  • 14

    継続性の原則が遵守されなかった場合の問題点について説明しなさい。

    継続性の原則が継続されない場合には、経営者に利益操作の余地を与えることになり、財務諸表の比較可能性が確保されないことになるという問題点がある。

  • 15

    ストック・オプションとはどのようなものなのか説明しなさい。

    ストック・オプションとは、自社株式オプションのうち、特に企業がその従業員等に、報酬として付与するものをいう。

  • 16

    リサイクリングを行う場合、その他の包括利益は包括利益に対してどのような性格を有するものと考えられるか端的に説明しなさい。

    その他の包括利益は、投資のリスクから解放されるまでの間、純利益に対する経過的あるいは繰延的な性格を有するものと考えられる。

  • 17

    実現主義を前提とした場合において、デリバティブ取引により生じる正味の債権及び債務の時価の変動による利益は、どのように説明できるか述べなさい。

    実現主義は収入と前提としており、実現の要件を満たなさいデリバティブ取引により生じる正味の債権及び債務の時価の変動による利益を説明することはできない。

  • 18

    財務諸表の構成要素として定義付けられている資産には「支配」という用語が使用されているが、親会社と子会社の関係性における支配従属関係で使用される「支配」とでは対象が相違する。どのように相違するのか端的に説明しなさい。

    資産の定義における支配は経済的資源に対するものであるが、親会社と子会社の支配従属関係における支配は対象となる企業の意思決定機関に対するものである。

  • 19

    キャッシュ・フロー計算書における資金の範囲について説明しなさい。

    キャッシュ・フロー計算書が対象とする資金の範囲は、現金及び現金同等物をいう。現金とは、手許現金及び要求払預金をいい、現金同等物とは、容易に換金可能である、かつ、価値の変動について僅少なリスクしか負わない短期投資をいう。

  • 20

    企業会計原則は複数の会計処理方法を認め、その中から企業に適合する方法を選択する自由を認めている。その考え方の名称を答えなさい。

    経理自由の原則

  • 21

    減損処理の対象となる「のれん」と「共用資産」について減損の手続きの上で両者にどのような相違点があるか、帳簿価額の分割の観点に基づいて説明しなさい。

    のれんを認識した取引において取得された事業の単位が複数である場合には、のれんの帳簿価額を合理的な基準に基づき分割するが、共用資産は事業の単位で分割することはない。

  • 22

    金融資産の消滅の認識

    金融資産の契約上の権利を行使したとき、権利を喪失したとき又は権利に対する支配が他に移転したときは、当該金融資産の消滅を認識しなければならない。

  • 23

    繰延ヘッジの内容を説明しなさい

    繰延ヘッジとは、時価評価されているヘッジ手段に係る損益又は評価差額を、ヘッジ対象に係る損益が認識されるまで純資産の部において繰り延べる方法である。

  • 24

    商品について、現金の収入・支出と損益計算の関係を具体的に説明しなさい。

    購入により支出し、未だ販売されていないため費用とならないものが商品として計上される。

  • 25

    退職給付債務の定義を簡潔に答えなさい。

    退職給付債務とは、退職給付のうち、認識時点までに発生していると認められる部分を割り引いたものをいう。

  • 26

    繰延税金資産の資産性について説明しなさい。

    資産負債法のもと計上される繰延税金資産は、将来の法人税等の支払額を減額する効果を有し、一般的には法人税等の前払額に相当するため、その資産性が認められる。

  • 27

    ストック・オプションに関して、公正な評価単価は付与日現在で算定し、一定の条件変更の場合を除き、その後の見直しを行わないが、ストック・オプション数は付与されたストック・オプション数から権利不確定による失効の見積数を控除して算定するという見直しが行われる。公正な評価単価の算定について、見直しを行わない根拠を説明しなさい。

    付与日以後のストック・オプションの公正な評価単価の変動はサービス価値とは直接的な関係を有しないものと見ているためである。

  • 28

    現金同等物とは

    容易に換金可能であり、かつ、価値の変動について僅少なリスクしか負わない短期投資をいう。

  • 29

    原価回収基準にについて説明しなさい。

    原価回収基準とは、履行義務を充足する際に発生する費用のうち、回収することが見込まれる費用の金額で収益を認識する方法をいう。

  • 30

    キャッシュ・フロー計算書を間接法で作成した場合、減価償却費の調整方法について述べなさい。

    減価償却費は費用として純利益計算上減算されているが、資金の流出がないため、純利益に対し加算調整される。

  • 31

    「資産除去債務基準」において除去費用を有形固定資産の取得原価に含めると取扱い、独立して資産として計上しない理由を説明しなさい。

    除去費用は、法律上の権利ではなく財産的価値もないこと、また、独立して収益獲得に貢献するものではないためである。

  • 32

    減損損失を認識するために割引前将来キャッシュフローはどのように見積もるべきか。

    企業に固有の事情を反映した合理的で説明可能な仮説及び予測に基づいて見積る。

  • 33

    リサイクリングとはどのような内容なのか説明しなさい。

    リサイクリングとは、過年度に計上されたその他の包括利益のうち、期中に投資のリスクから解放された部分を純利益に振替えることをいう。

  • 34

    ストック・オプションが費用として認識される理由

    従業員に付与されたストック・オプションを対価として、これと引き換えに企業に追加的なサービスが提供され、企業に帰属することとなったサービスを消費したと考えられるため、費用認識すべきである。

  • 35

    デリバティブ取引により生じる正味の債券及び債務に係る評価差額が、原則として、当期の損益として処理される理由

    デリバティブ取引により生じる正味の債券及び債務の時価の変動は、企業にとって財務活動の成果であると考えられるため。

  • 36

    経済的単一体説のもとでの非支配株主持分の貸借対照表上の表示方法

    非支配株主持分は、純資産の部の株主資本の項目として表示される。

  • 37

    費用収益対応の原則の役割について、期間利益の計算過程とともに述べなさい。

    期間損益計算では、原則として、実現主義の原則により期間収益を決定し、次に発生主義の原則に基づいて認識された発生費用の中から、費用収益対応の原則により期間収益との対応関係をもつものを期間費用として決定し、両者の差額として期間利益が算定表示される。つまり、費用収益対応の原則は、期間損益計算における期間費用ないし期間利益を決定する役割を有する。

  • 38

    連結財務諸表の経済的単一体説について

    経済的単一体説とは、連結財務諸表を企業集団全体の株主のために作成するものと考え、連結財務諸表を親会社とは区別される企業集団全体の財務諸表と位置付けて、企業集団を構成するすべての連結会社の株主の持分を反映させる考え方である。

  • 39

    自家建設に係る借入資本の利子については、原則として取得原価に算入しないこととしているが、一定の条件のもと例外的に取得原価への算入を認めている。その条件について説明しなさい。

    固定資産の自家建設に要する借入資本の利子で稼動前の期間に属するものは、これを取得原価に算入することができる。

  • 40

    金融資産及金融負債の原則的な発生の認識について説明しなさい。

    金融資産の契約上の権利又は金融負債の契約上の義務を生じさせる契約を締結したときは、原則として、当該金融資産又は金融負債の発生を認識しなければならない。

  • 41

    原価主義の原則と収益の認識原則である実現主義の原則は、表裏一体の関係にあると言われる。その理由を説明しなさい。

    原価主義の原則は、未実現利益である資産評価益の計上を許さないため、実現主義の原則と表裏一体の関係にある。

  • 42

    外貨建金銭債権債務については、決算時において、原則としてどの時点における為替相場により換算するか理由とともに述べなさい。

    外貨建金銭債権債務は、外貨では時価の変動リスクを負わないため、時価評価の対象にはならないが、円価額では為替相場の変動リスクを負っていることから、決算時の為替相場により換算する。

  • 43

    キャッシュ・フロー計算では一会計期間に生じた実態のキャッシュ・フローが計算されるが、純利益計算ではどのような計算が行われるかをキャッシュ・フローと関わらせて述べなさい。

    純利益計算では、実際のキャッシュ・フローを期間配分することで収益と費用を合理的に対応させ、期間業績を示す期間利益が計算される。

  • 44

    原価配分の方法は、単一ではなく、複数の方法が認められているが、その理由を答えなさい。

    企業はその業種、規模、経営方針などが多様であり、企業ごとに相違しており、一つの会計事実について一つの原価配分の方法のみを強制することは、それが合理性をもたない企業において、財務諸表の相対的真実性が保証されないこととなるためである。

  • 45

    その他有価証券をヘッジ対象とし、デリバティブ取引をヘッジ手段とする場合に問題点が指摘されるが、その問題点について説明しなさい。

    ヘッジ対象に係る損益とヘッジ手段に係る損益が期間的に合理的に対応しなくなり、ヘッジ対象の相場変動等による損失の可能性がヘッジ手段によってカバーされているという経済的実態が財務諸表に反映されないという問題点が生ずる。

  • 46

    「基準」に基づくと、法人税等の支払額については、営業活動によるキャッシュ・フローの区分に記載することとされている。本来、理論的にはどのように表示すべきか、また、「基準」が営業活動によるキャッシュ・フローの区分に表示することとした理由を説明しなさい。

    法人税等は、それぞれの活動から生じる課税所得をもとに算定されるものであるため、理論的にはそれぞれの活動区分別に記載すべきことになる。しかし、それぞれの活動ごとに課税所得を分割することは、一般的に困難であると考えられるため、「基準」では、営業活動によるキャッシュ・フローの区分にまとめて記載することとしたのである。

  • 47

    資産負債アプローチにおいては資産をどのようなものとして捉えているのか説明しなさい。

    資産とは、過去の取引または事象の結果として、報告主体が支配している経済的資源をいう。

  • 48

    正規の簿記の原則が要請する内容について説明しなさい。

    正規の簿記の原則は、適正な会計処理及び正確な会計帳簿の作成と誘導法による財務諸表の作成を要請する。

  • 49

    減損損失を認識するかどうかの判定に先立って減損の兆候の有無を判定する理由

    対象資産全てについて減損損失の認識の判定を行うことが、実務上、過大な負担となるおそれをがあることを考慮したためである。

  • 50

    金銭債権の貸借対照表価額の決定方法について説明しなさい。

    受取手形、売掛金、貸付金その他の債権の貸借対照表価額は、取得原価から貸倒見積高に基づいて算定された貸倒引当金を控除した金額とする。ただし、債権を債権金額より低い価額又は高い価額で取得した場合において、取得価額と債権金額との差額の性格が金利の調整と認められるときは、償却原価法に基づいて算定された価額から貸倒見積高に基づいて算定された貸倒引当金を控除した金額としなければならない。

  • 51

    資産除去債務の資産負債の両建処理について説明しなさい。

    資産負債の両建処理とは、資産除去債務の全額を負債として計上し、同額を有形固定資産の取得原価に反映させる会計処理である。

  • 52

    自己株式処分差損がその他資本剰余金から減額される理由について説明しなさい。

    自己株式の取得と処分を一連の取引とみた場合、純資産の部の株主資本からの分配の性格を有すると考えられ、自己株式の処分が新株の発行と同様の経済的実態を有する点を考慮すると、利益剰余金の額を増減させるべきではなく、処分差益と同じく処分差損についても、資本剰余金の額を減少することが適切であると考えられる。さらに、資本準備金からの減額が会社法の制約を受けることから、その他資本剰余金から減額される。

  • 53

    金融資産に時価評価が必要とされる理由について説明しなさい。

    時価による自由な換金・決済等が可能な金融資産については、投資情報としても、企業の財務認識としても、さらに、国際的調和化の観点からも、これを時価評価し適切に財務諸表に反映することが必要であると考えられるため。

  • 54

    包括利益とはどのようなものか説明しなさい。

    包括利益とは、ある企業の特定期間の財務諸表において認識された純資産の変動額のうち、当該企業の純資産の対する持分所有者との直接的な取引によらない部分を言う。

  • 55

    売上高と販売費及び一般管理費がどのような関係に基づいて対応が図られているのか説明しなさい。

    売上高と販売費及び一般管理費は、会計期間を媒介として、間接的な因果関係に基づいて、収益と費用の対応が図られている。

  • 56

    「研究開発費等に係る会計基準」の公表以前には、試験研究費及び開発費の繰延資産としての形状が認められていた。その根拠を述べなさい。

    試験研究費及び開発費は、適正な期間損益計算の見地から、効果の発現及び収益との対応関係を重視して、繰延経理されていた。

  • 57

    資本取引・損益取引区別の原則の資本概念

    期首自己資本

  • 58

    健全な会計処理は具体的にどのような内容を述べているのか説明しなさい。

    結果として利益が控えめに計上されるような処理方法を採用することを要請している。

  • 59

    財務構成要素アプローチが採用される理由

    リスク・経済価値アプローチでは金融資産を財務構成要素に分解して支配の移転を認識することができず、取引の実質的な経済効果が譲渡人の財務諸表に反映されないため。

  • 60

    研究開発費を発生時に費用として処理する理由2つ

    研究開発費は、発生時には将来の収益を獲得できるか否か不明であり、また、研究開発計画が進行し、将来の収益の獲得期待が高まったとしても、依然としてその獲得が確実であるとはいえないからである。 資産計上の要件を定めるに場合にも、客観的に判断可能な要件を規定することは困難であり、抽象的な要件のもとで資産計上を行うことは、企業間の比較可能性を損なうこととなるからである。

  • 61

    一時差異と期間差異の両者の関係について説明しなさい。

    一時差異と期間差異の範囲はほぼ一致するが、有価証券等の資産または負債の評価替えにより直接純資産の部に計上された評価差額は一時差異ではあるが期間差異ではない。なお、期間差異に該当する項目は、全て一時差異に含まれる。

  • 62

    非支配株主持分が貸借対照表上、株主資本以外の項目とされる理由を簡潔に説明しなさい。

    非支配株主は、子会社の資本のうち親会社に帰属していない部分であり、親会社株主に帰属するものではないため株主資本以外の項目とされる。

  • 63

    会計方針の定義

    会計方針とは、財務諸表の作成にあたって採用した会計処理の原則及び手続をいう。

  • 64

    資産負債アプローチにおける期間利益の算定

    資産負債アプローチにおいては、期間利益は、資産と負債の差額である純資産の当期増減額から資本取引の影響による増減額を排除することにより計算される。

  • 65

    「適当に」という表現は、どのような内容を意図して記載されているのか、真実性の原則との関係に関わらせて説明しなさい。

    「適当に」という表現は、過度の保守主義を禁止することを意図して記載されている。保守主義の原則は、一般に公正妥当と認められた会計処理の枠内で適用されている限り、真実性の原則に反するものではない。 しかし、過度の保守主義は、財政状態及び経営成績を不適正にさせる結果となるため、真実性の原則に反し認められないのである。

  • 66

    割引現価主義を現実の制度会計に導入するには、客観性及び実行可能性の面で問題点があるといわれている。その問題点を2つ答えなさい。

    将来キャッシュ・フローの予測に著しい不確実性がある。 割引率の適切な選択は不可能に近い。

  • 67

    工事進行基準における収益認識の考え方と妥当性について説明しなさい。

    工事契約の範囲は、請負契約であり、対価の額があらかじめ定められていることから、基本的な作業内容を顧客の指図に基づいて行う工事を進捗させることにより、成果の確実性が高まるため、工事進行基準による収益認識は妥当であると考えられる。

  • 68

    「当面の取扱い」では、新株の発行に係る費用と自己株式に処分に係る費用を整合的に取り扱うこととしている。

    会社法においては、新株の発行と自己株式の処分の募集手続は募集株式の発行等として同一の手続によることとされ、また、株式の交付を伴う資金調達などの財務活動に要する費用としての性格は同じであるためである。

  • 69

    資産除去債務の割引価値を算定する際の割引率について説明しなさい。

    割引率は、貨幣の時間価値を反映した無リスクの税引前の利率とする。

  • 70

    期末に保有する自己株式は、純資産の部の株主資本の末尾に自己株式として一括して控除する形式で表示する理由

    自己株式を取得したのみでは発行済株式総数が減少するわけではなく、取得後の処分もあり得る点に着目し、自己株式の保有は処分又は消却までの暫定的な状態であるためである。

  • 71

    ソフトウェア製作費に関する会計処理が制作目的別に定められている理由

    ソフトウェア製作費は、その制作目的により、将来の収益との対応関係が異なること等から、取得形態別ではなく、制作目的別に会計処理する。

  • 72

    振当処理と繰延ヘッジがもたらす類似の効果について述べなさい。

    振当処理と繰延ヘッジは、キャッシュ・フロー・ヘッジの概念に基づき損益を期間配分し、ヘッジの効果を財務諸表に反映させるという点で類似の効果をもたらす。

  • 73

    ストック・オプションを費用として認識しないとする2つの見解について説明しなさい。

    ストック・オプションの付与によっても、新旧株主間で富の移転が生じるに過ぎないため、現行の企業会計の枠組みの中では特に会計処理を行うべきではない。 ストック・オプションを付与しても、企業には現金その他の会社財産の流出が生じないため、費用認識を行うべきではない。

  • 74

    損益計算書における純利益計算との対比により、キャッシュ・フロー計算書の必要性を述べなさい。

    キャッシュ・フロー計算書は、損益計算書の利益についてキャッシュ・フローの裏付けを示し、財務諸表の利用者が利益の質を評価する手段として利用されることから必要になる。また、キャッシュ・フロー計算書については、同一の会計事象であっても収支に基づいて資金獲得能力を把握するため、損益計算書とは異なり、見積りの要素が除外され企業間比較可能性を高めることができることから必要になる。

  • 75

    資産除去債務の算定にはどのような利率が用いられるか答えるとともに、当該利率が用いられる理由を負債計上額の観点から述べなさい。

    無リスクの税引前の利率用いる。同一の内容の債務について信用リスクが高い企業の方が高い割引率を用いることにより負債計上額が少なくなるという結果は、財政状態を適切に示さないt考えられるためである。

  • 76

    国際的な会計基準では、株式交付費は資本から直接控除することとされているが、「当面の取扱い」ではそのような取扱いを認めていない。その理由を3つ指摘しなさい。

    株式交付費は株主との資本取引に伴って発生するものであるが、その対価は株主に支払われるものではないこと。 株式交付費は社債発行費と同様、資金調達を行うために要する支出額であり、財務費用としての性格が強いと考えられること。 資金調達に要する費用を会社の業績に反映させることが投資者に有用な情報を提供することになると考えられること。

  • 77

    負の値となったその他資本剰余金を、その都度、その他利益剰余金で補填し、その残高を確定する方法が採用されない理由

    その他資本剰余金の額の増減は同一会計期間に反復的に起こり得るため、その方法を採用した場合、その他資本剰余金の額の増加と減少の発生の順番が異なる場合に結果が異なることとなるから。

  • 78

    法人税等の性格について説明しなさい。

    法人税等を控除する前の当期純利益と法人税等を合理的に対応させることを目的としていることから、法人税の性格を費用として捉えている。

  • 79

    議決権の所有割合のみによる判定ではなく、支配力基準の方法の採用により、投資者の適切な投資判断と企業の実態に即した適切な経営判断に資することとなるのはなぜか、その理由を述べなさい。

    持株基準によると、議決権の所有割合を意図的に変更することによって、特定の企業を連結の範囲から外したりするという操作が可能になる。また、議決権の所有割合が100分の50以下であっても、その会社を事実上支配しているケースもあり、そのような非支配会社を連結の範囲に含まない連結財務諸表は、企業集団に係る情報としての有用性に欠けることから、支配力基準が採用されたためである。

  • 80

    権利不行使による失効が生じた場合には、新株予約権として計上した額のうち、当該失効に対応する部分を利益として計上する理由

    ストック・オプションが行使されないまま失効すれば、結果として会社は無償で提供されたサービスを消費したと考えることができるため、当該失効に対応する部分を利益として計上することとなるのである。

  • 81

    トレーディング目的で保有する棚卸資産の評価差額が当期の損益をして処理される理由

    トレーディングを目的として保有する棚卸資産は、売買・換金に対して事業遂行上等の制約がなく、市場価格の変動にあたる評価差額が企業にとっての投資活動の成果と考えられることから、その評価差額は当期の損益として処理する。

  • 82

    経済的資源について簡潔に説明しなさい。

    経済的資源とは、キャッシュの獲得に貢献する便益の源泉をいい、実物財に限らず、金融資産及びそれらの同等物を含む。

  • 83

    会社法が株主資本を資本金、準備金、剰余金とに区別するべきと考えている理由

    会社法では、株主と債権者の利害調整の観点から、分配可能額を構成する剰余金とそれ以外の資本金及び準備金に区別することに重点を置いているためである。

  • 84

    貸借対照表原則一は、一般的に何とよばれている原則か答えなさい。

    貸借対照表完全性の原則

  • 85

    資産除去債務とはどのようなものか説明しなさい。

    資産除去債務とは、有形固定資産の取得、建設、開発または通常の使用によって生じ、当該有形固定資産の除去に関して法令又は契約で要求される法律上の義務及びそれに準ずるものをいう。

  • 86

    金銭債務について時価評価が行われない理由を説明しなさい。

    金銭債務は、一般的に市場がないか、社債のように市場があっても、自己の発行した社債を時価により自由に精算するには事業遂行上等の制約があると考えられるので、時価評価を行わないこととした。

  • 87

    全部のれんを計上することに関して問題点が認められているが、その問題点を説明しなさい。

    子会社に対する支配を獲得したのは親会社の株主であるものに関わらず、非支配株主に関するのれんも計上されることは、自己創設のれんを計上することに相当するという問題点である。

  • 88

    通常の販売目的で保有する棚卸資産につき、正味売却価額を貸借対照表価額の決定を行うと、差額が生じる。当該差額の取扱いについて述べなさい。なお、開示についても述べることとする。

    企業が通常の販売目的で保有する棚卸資産について、収益性が低下した場合の簿価切下額は、販売活動を行う上で不可避的に発生したものであるため、売上高に対応する売上原価として扱うことが適当と考えられるためである。

  • 89

    借入資本の利子を例外的に取得原価に算入することを認めている論拠を説明しなさい。

    借入資本利子の原価算入を認めるのは、費用・収益対応の見地から借入資本利子を固定資産の取得原価に算入し、その費用化を通じて将来の収益と対応させるためである。

  • 90

    数理計算上の差異を一時の費用としない理由について、説明しなさい。

    数理計算上の差異には予測と実績の乖離のみならず予測数値の修正も反映されることから各期に生じる差異を直ちに費用として計上することが退職給付に係る債務の状態を忠実に表現するとはいえない面があるためである。

  • 91

    継続性の原則は、会計処理方法の変更を絶対に認めないわけでない。どのような場合であれば変更が認められるのか端的に答えなさい。

    継続性の変更は、「正当な理由」がある場合に認められる。

  • 92

    純利益計算においては、客観性が問題点として指摘される面もあるが、キャッシュ・フロー計算との関係により客観性が確保されるものとされる。そこで当該関係について、簡潔に述べなさい。

    全存続期間を通算すればキャッシュ・フローの増減額の合計額は、全存続期間を通算した純利益総額と一致するという関係である。

  • 93

    企業結合の持分の結合について

    持分の結合とは、いずれの企業の株主も他の企業を支配したとは認められず、結合後企業のリスクや便益を引き続き相互に共有することを達成するため、それぞれの事業のすべて又は事実上のすべてを結合して一つの報告単位となることをいう。

  • 94

    金銭債務の貸借対照表価額の決定方法について説明しなさい。

    支払手形、買掛金、借入金、社債その他の債務は、債務額をもって貸借対照表価額とする。ただし、社債を社債金額よりも低い価額又は高い価額で発行した場合など、収入に基づく金額と債務額とが異なる場合には、償却原価法に基づいて算定された価額をもって、貸借対照表価額としなければならない。

  • 95

    売掛金について、現金の収入・支出の損益計算の関係を具体的に説明しなさい。

    売上収益を計上し、未だ代金回収による収入を得ていないものが売掛金として計上される。

  • 96

    連結財務諸表の親会社説について

    親会社説とは、連結財務諸表を親会社の株主のために作成するものと考え、連結財務諸表を親会社の財務諸表の延長線上に位置付けて、親会社の株主の持分のみを反映させる考え方である。

  • 97

    正確な会計帳簿を作成するにあたり備えるべき要件3つを示しなさい。

    網羅性 検証性 秩序性

  • 98

    親会社説の考え方に基づいた場合に生じる非支配株主持分については、貸借対照表上、貸方区分として純資産の部に記載されるが、その理由を述べなさい。

    非支配株主持分は、返済義務のある負債ではなく、負債の部に表示することは適当ではないため、純資産の部に記載する。

  • 99

    税効果会計が必要とされる理由を端的に2つ述べなさい。

    税効果会計は、法人税等の額と税引前当期純利益とを期間的に対応させるため、また、将来の法人税等の支払額に対する影響額を表示するために必要となるのである。

  • 100

    退職給付の性格に関していくつかの考え方があるが、「基準」は退職給付の性格をどのように捉えているか答えなさい。

    退職給付は、労働の対価として支払われる賃金の後払いであると捉えている。