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近現代文学 代表作
  • 木野田亮

  • 問題数 49 • 7/11/2024

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  • 1

    雪国

    完結は1947年。 ノーベル賞審査対象となった作品であり、非現実的な幻想的な世界や生きることの無意味とも思われる戦争の時代にまことの愛の証を見つけ出したい作者の思いが象徴的に描かれている。私小説的な要素を持っているが、主人公はもはや語り手に変化しており、ヒロインの駒子は雪国の幻的な存在である。美しい日本の心を描いた名作として海外からも評価が高い。

  • 2

    痴人の愛

    大正13年。1925年。 モダンガールの典型と目されたヒロインを描写し、ナオミズムという新語を作り出した作品。また、唯美主義と女性崇拝という、谷崎文学の特色がよく現れている代表作であり、谷崎潤一郎の前期文学の集大成的な作品。その後の谷崎文学につながる要素を多分に含んでいることにも注目。

  • 3

    春琴抄

    昭和8年。1933年。 女性崇拝というテーマが王朝女流文学を意識した古典的な技法を駆使することで、より徹底して描かれた作品。谷崎文学の特徴であったマゾヒズムによる恋愛への歓喜と女性崇拝がこの作品で集大成を迎えた。盲目の犠牲によって美の永遠性が確立された。

  • 4

    細雪

    昭和18年。1943年。裕福な家庭の日常生活が王朝風の絵巻物語形式で展開された。戦時下という悪条件の中、日本の美しい伝統と文化を書き留めた名作。

  • 5

    大正6年 1916年。 王朝もの。王朝の説話中から題材をとったものだが、あくまで物語の筋を借りただけであり、そこに描かれる心理描写は現代のものである。

  • 6

    高野聖

    1900年。 同じ宿に泊まった僧からの聞き書きという形を持つ作品。妖怪などの恐るべき力に対する人間の無力な存在を描いている。また、母や姉といった女性に対する憧憬という鏡花の文学の特色がよく表れている。二葉亭四迷の浮雲以来、明治を代表するテーマの一つだった言文一致の完成系の作品。鏡花独自の幻想的な世界がよく描かれている。

  • 7

    地獄変

    1918年。 王朝もの。芸術至上主義的な信念を物語化したもの。

  • 8

    河童

    1927年。 ガリヴァー旅行記的な寓意物語であり、人生の酷薄さに対する詠嘆的な心情を描く。当時の日本社会、人間社会を痛烈に批判。

  • 9

    あめりか物語

    明治41年。1908年 作者自身の渡米した際の見聞を軸にした創作。アメリカという異郷にの自然と社会に対面した孤独感が作品全体を通して描かれている。自然主義の作家だと誤解を受ける。

  • 10

    すみだ川

    1911年。 荷風の一貫したテーマである近代文明批判が、物語で描かれる下町の人情と合わさって、一種の叙情詩的哀感を伴った物語世界を作り出している。

  • 11

    濹東綺譚

    1937年。 荷風の集大成的な文学。いれこ型のような、物語の中に別の小説を組み込む形式。作者がほとんど素顔のまま登場して全体をまとめ上げる仕組みになっており、随筆体小説のような要素も持つ。

  • 12

    暗夜行路

    1921年〜1937年。 それまでの一貫したテーマの父子不和とその解決、晩年の穏やかな心境小説の要素を取り込んだ志賀直哉の集大成と言える作品。初期作品ではなし得なかった人間理解、後期作品ではあまり見られなくなっている自己省察(じこせいさつ)の双方を持ち合わせた傑作。

  • 13

    和解

    1917年。 作者の実生活で起こった父との和解をその感動の新しいまま描いた作品。また、志賀の一貫したテーマである父子不和の終了を描いた作品として、志賀直哉の文学の中で重要な立ち位置を持つ。

  • 14

    城の崎にて

    1917年。 作者の実際の事故がもとになった作品。蜂や鼠といった動物の死と偶然助かった自分の生が比較し、生命の営みの本質を描こうとした作品。生死とは決して両極に存在するものではないということを明らかにした作品。

  • 15

    吾輩は猫である

    1905年 夏目漱石の処女作である。知識人たちの生活や思考を猫の眼を通して風刺したもの。日露戦争前後の日本の近代化を風刺。

  • 16

    それから

    1909年 三四郎、門とともに漱石の前期3部作を成す作品。高等遊民の姿を描く。一度偽善として否定した愛情を自覚し、自分の気持ちに自然に生きることを決意する男の姿を描く。

  • 17

    1910年。 それからの代助三千代の設定をそのまま受け継ぐ形。罪悪感に苛まれる中、禅の教えに救いを求める主人公を描く。小市民的な幸福の陰に潜んでいる精神的な苦悩を描き切った。

  • 18

    彼岸過迄

    1912年。 行人、こころと共に漱石の後期3部作の1つ。修禅寺大患の後、初めて執筆された小説。人間の孤独な内面に深く探りを入れるような作品。

  • 19

    行人

    1912年。 作者自身の神経衰弱と戦う様が作品のベースになっている。人間の内面の暗さを引き続き描き、無心の境地までの遠さを描く。

  • 20

    こゝろ

    1914年。 彼岸過迄、行人と同じくエゴイズムと倫理観の葛藤を描く。明治の精神に殉じる先生という人物を描く。明治という時代に生きる知識人の孤独な内面を描いた漱石の代表作。

  • 21

    檸檬

    1925年。 梶井の代表作。檸檬が爆発して美術書がこっぱみじんになるという幻想の解釈は今なお別れているところであるが、丸善の美と自身の倦怠を対決させるもの、「不吉な塊」におかされた自身の崩壊を防ごうとするものなどと解釈されている。得体の知れない憂鬱な心情や、ふと抱いたいたずらな感情を、色彩豊かな事物や心象と共に詩的に描いた作品。破壊することによって、その美しさを際立たせようとする手法は三島由紀夫の金閣寺にも通底するものであるとされる。

  • 22

    仮面の告白

    1949年。 三島自身の自伝的要素を含んだ作品。主人公の内面が自嘲を込めて語られている。男性的な性という正常な「性」を演じなければならない主人公の苦悩を描く。

  • 23

    金閣寺

    1956年。 三島由紀夫の代表作であり、海外からも人気の高い作品である。実際の放火事件をもとにした作品。重度の吃音症に悩む青年の悩みを描く。金閣寺に絶対的な美しさを感じながら、金閣寺を自身の人生を阻害しているもの捉えて憎むなど、愛憎入り混じった感情を描き、最終的に金閣に侵入して、その美しさを壊すことでその美しさを支配しようと試みる青年の姿を描き切った傑作。

  • 24

    憂国

    1961年。 後年、作者である三島由紀夫自身が主演・監督を務めた映画が制作されるなど三島由紀夫にたって思い入れの深い作品である。純粋に死に突き進む2人の美しい男女を描くことで、三島のエロスと肉体やそれが滅びる際の美しさを存分に描いた作品。

  • 25

    潮騒

    1954年。 古代ギリシャの散文作品からヒントを受けたもの。他の作品とは異なり、珍しく青春の恋愛物語を描いた牧歌的な作品。日本人の底に潜む倫理観や文化への意識が描かれた作品。

  • 26

    豊饒の海

    1971年。 仏教の輪廻転生思想に基づく作品であり、他にも日本の古典芸能である能や神道の影響が見られるなど、日本や東洋に伝わる思想や伝統を多分に含んだ作品。浜松中納言物語を典拠とする作品。

  • 27

    白痴

    1946年。 時世に屈する低俗卑劣さを憎んでいた男が、肉欲の塊のような女の中に、魂の真実を求めようとする孤独な姿が描かれる。偉大でもあり卑小でもある人間の本然の姿を見つめる覚悟を示し、虚飾を捨てて人間の本然の姿に徹することを勧めた堕落論の小説版とも言えるものである。終戦後の新しい文壇の旗手として、坂口安吾を位置付けた代表作。

  • 28

    桜の森の満開の下

    1947年。 山賊と、妖しく美しい残酷な女との幻想的な怪奇物語。「残酷で気高い女の歓心を買うため、命をすりへらす男」というその構図は、泉鏡花の『高野聖』や谷崎潤一郎の作品に通ずるものがある。

  • 29

    万延元年のフットボール

    1967年。 谷崎潤一郎賞を受賞。ノーベル賞を受賞した際に受賞理由の代表作に挙げられた。江藤淳が名前の不自然さを激しく非難するなど、江藤との決裂をもたらした作品でもある。万延(まんえん)元年は桜田門外の変が起こった日本の近代化の幕開けとも言える年であり、万延元年のフットボールという小説は日本の近代のある種の総決算となるものである。江戸時代の百姓一揆と100年後の安保闘争が重ね合わされ幻想的な「谷間の村」が時空を超えた再生の地として重要な役割を担う。

  • 30

    あいまいな日本のわたし

    1994年 大江は、川端の講演は極めてvague(あいまい、ぼんやりした)であり、閉じた神秘主義であるとし、自分は日本をambiguous(あいまい、両義的)な国として捉えると述べた。日本は、開国以来、伝統的日本と西欧化の両極に引き裂かれた国であるとの見方を示し、小説家としての自分の仕事は、ユマニスムの精神に立って「言葉によって表現する者と、その受容者とを、個人の、また時代の痛苦からともに恢復させ、それぞれの魂の傷を癒す」ことであると述べた。

  • 31

    美しい日本の私

    1968年 世界に向かい、広く日本の古典文学・芸術を紹介し、その根底をなす伝統的な日本人の心性や思想の特質、西欧と異なる死生観などを説いた日本文化論であると同時に、現代の日本文学者・川端自身の心根にも、その伝統が脈々と受け継がれていることを宣言した。←一方、日本の鎖国的な考えが現れているとも解釈される。

  • 32

    風の歌を聴け

    1979年 非常に軽い書き方をしている。現代アメリカ小説の影響が感じられ、海外小説の翻訳のような文体。

  • 33

    納屋を焼く

    1983年。 現実を意識しないことによって非現実、幻想世界が現れてくるような物語。バーニングというアダプテーション作品がある。

  • 34

    ダス・ゲマイネ

    1935年 太宰という作者が作品にそのまま登場するという形式だが、それは主人公の「私」にはなっておらず、私小説と客観小説の両面の要素を兼ね備えた作品。恋をしたのだという一文に明らかなように、恋のテーマを孕む作品。

  • 35

    ヴィヨンの妻

    1947年 性格が破綻した詩人や周囲の人々の生活を、詩人の妻の語りの文体で戯画化して描いた作品。無理想、無道徳であるが、そこから新しい思想や新しい道徳が生まれる可能性も示唆している、戦後文学の代表作。

  • 36

    斜陽

    1947年 没落貴族の家庭が背景にある、ロマン作品。作中に登場する弟の死からは戦後民主主義への批判、最後の貴婦人とされるお母さまの死からは戦後への違和感が提示される。

  • 37

    人間失格

    1948年 太宰文学の総決算。主人公・大庭葉蔵は小説化された作者太宰本人であると評価される。まっとうな生活者として生きていけそうもないという主人公の恐怖を描き、他の人間に対する不信を描いた作品。愛情や道徳、神といった、世間一般に当たり前に存在している概念の空虚さを示した。

  • 38

    蟹工船

    1929年 不当な労働を強いられ、圧迫されている乗組員が次第に階級意識に目覚め、団結していく様を描いたプロレタリア文学の代表作。葉山嘉樹の作品等とは違い、組織というものに重きを置いていた。

  • 39

    あらくれ

    1915年 執筆当時の西洋化、生活が変化していく女性たちを描いた作品。日本自然主義小説の代表作。

  • 40

    1923年 不条理な一瞬の死を描く。奇しくも関東大震災を暗示したような作品。映画のモンタージュを思わせるものがあると評価

  • 41

    機械

    1930年 段落や句読点のきわめて少ない独特のメカニックな文体で、機械のように連動する複雑な人間心理の絡み合いが描かれる。極めて人工的な文章。目には見えない機械のような心理の相互作用が人間を背後で動かしていくという認識。

  • 42

    或女

    1919年 国木田独歩の妻であった佐々城信子をモデルとした作品。自我に目覚めた近代女性を描くが、それを認めない社会と伸張する自我との葛藤に悩まされながら、最終的には悲惨な最後を遂げる。

  • 43

    武蔵野

    1898年 武蔵野の面影を色濃く残していた東京近郊の風物を描いた作品。大自然への憧憬という国木田独歩の出発点がよく現れた作品。

  • 44

    夫婦善哉

    1940年 織田作之助の代表作。大正から昭和にかけての大阪を舞台に、陽気なしっかり者の女と、優柔不断な妻子持ちの男が駆け落ちし、次々と商売を試みては失敗し、喧嘩しながらも別れずに一緒に生きてゆく内縁夫婦の転変の物語。大衆的な人気を博し、多くのアダプテーション作品が生まれた。

  • 45

    高瀬舟

    1916年 江戸時代の随筆集翁草をもとに描かれた。安楽死というテーマを提示。

  • 46

    渋江抽斎

    1916年 史伝三部作の一つ。子孫などのことも記録し、その追求の過程を作中に記すという史伝の新しい方法を開拓した。一方、小説的な仮構が加えられている点に特徴がある。

  • 47

    伊豆の踊り子

    1926年 川端康成の初期の作品の代表作である。作者自身の体験が元になっている。川端文学のテーマの1つである清潔な少女への憧憬がこの作品にも見られる。私小説的な要素も持つが、主人公以上に踊り子に焦点が当てられていることがこの作品の新しさである。

  • 48

    麦と兵隊

    1938年。 一般読者を戦場讃美へと駆り立てる役割を担った。多くの写真が挿入されているなど、ルポタージュ的な形式。

  • 49

    文芸映画の全盛期

    昭和10年代。