地方自治法は、特別地方公共団体を2層7種類に分類している。

自治行政権は、地方公共団体が、自ら事務を執行する機能をいう。 大別すると、公権理的作用の権力の行使を伴わない「権力的作用 (行政の執行)」と、権力的・執行的な事務を行う「管理的作用(事務の処理)」に分けられる。

特別区は、法人格を有さず、基礎的な地方公共団体として位置づけられている。

市区町村の名称変更は、あらかじめ知事に協議し、規則で定める必要がある。

都道府県の廃置分合及び境界変更は、条例で定める。

特別区同士の廃置分合や境界変更は行うことができない。

選挙権を有する者の総数の50分の1以上の者の連署をもって、その代表者から地方公共団体の選挙管理委員会に対し、議会の解散を請求することができる。

議員または長の解職請求があったときは、長はこれを当該選挙区の選挙人の投票に付さなければならない。 この投票において過半数の同意があったときは、 議員または長は失職する。

教育委員会の教育長・委員、選挙管理委員、監査委員または公安委員会の委員にあっては、その就職の日または議会の解職請求にかかる議決があった日から3か月間は、解職を請求することはできない。

住民監査請求は、住民が1人でも請求でき、違法、不当な公金の支出、財産の取得、処分、契約の締結等の行為について、その防止、是正、その他必要な措置を講ずべきことを、区長に請求できる。

住民監査請求の請求対象は、地方公共団体の職員による違法または不当な公金の支出等に関することであるが、その違法性または不当であることが相当の確実さをもって予測される場合は含まない。

法定受託事務における条例制定権は、認められていない。

市町村又は特別区が処理することとされる事務のうち、都道府県が本来果たすべき役割に係るものを、第一号法定受託事務という。

附属機関の設置に関する事項は、要綱で定めなければならない。

地方公共団体の長は、法令に違反しない限りにおいて、その権限に属する事務に関し、条例を制定することができる。

条例及び規則は、原則として住民に対してのみ効力が及ぶ。

条例の制定改廃は、地方公共団体の長が決定する。

議長または議員3人以上の発議により、出席議員の過半数の多数で議決したときは、秘密会を開くことができる。

地方公共団体としての団体意思の決定に関する議案の議会への提出権は、議員のみにある。

同一会期中に一度議決された同一の事項については、再び意思決定をしないことを会期不継続の原則という。

義務的経費について、削除又は減額されたときは、首長は失職する。

不信任議決に基づく議会の解散・選挙後、初めて招集された議会において議員数の3分の2以上が出席し、その4分の3以上の同意する不信任の議決があったときは、その通知を受けた日に長は失職する。

災害応急復旧施設費または感染症予防費の削除・減額の議決につき、再議に付したが、議決がなお当該経費を削除・減額した場合は、長は失職する。

委任とは、権限の一部を受任者に移さず、委任者の名において権限を行うことである。

教育長の任期は4年で、常勤である。

地方公共団体の教育長は、総合教育会議を設ける。

教育長は、教育委員会規則で定めるところにより、教育委員会から委任された事務または臨時に代理した事務の管理及び執行の状況を長に報告しなければならない。

監査委員は、地方公共団体の常勤の職員、短時間勤務職員と兼ねることができる。

地域自治区は法人格を有し、自治区単位で事務所が置かれ、その事務所の長には市区町村の職員が充てられる。

国及び都道府県が地方公共団体の事務処理に関与する場合にあっては、法律または、これに基づく政令の根拠は不要である。

広域連合は、都道府県、市町村及び特別区の事務のうち、 広域にわたり処理することが適当であると認められる事務に関し、条例を作成し、必要な連絡調整を図り、総合的かつ計画的に広域行政を推進するために設けるものである。

都は、都と特別区及び特別区相互間の財源の均衡化を図り、特別区の行政の自主的かつ計画的な運営を確保するため、特別区に対し、補助金を交付する。

現金等の出納保管については、これを会計管理者の権限とするとともに、会計管理者は単独で支出の権限を有する。

歳入予算を超えて収入することはできないが、歳出予算を超えて支出することはできる。

会計年度終了後には予算の執行はできるが、会計年度終了後の補正は認められない。

予算は一般会計と普通会計に区分される。

繰越明許費は事業の完了に二会計年度以上の期間を要する場合に、その総額及び各年度の支出限度額(「年割額」という)を定めるものであって、このことにより数年度にわたる計画を明らかにするものである。

地方公共団体が地方債を発行、あるいは、その方法等を変更する場合の手続については、現在においても、許可制度を採用している。

電気料・ガス代・水道料・電気通信にかかる料金、不動産の借受料、その他政令で定める契約については、債務負担行為として予算に計上しなければならない。

予算の提案権は長及び議員にあるが、教育に関する事務に係る部分については議案作成前に教育委員会の意見を聴かなければならない。

歳入歳出予算の各項は、以後の予算執行の管理のために、さらに目節を区分し、その目節の区分に従って執行しなければならない。目節の区分は議決の対象でないという意味で、管理科目といわれる。

出納整理期間内に収入支出の処理が終わらなかったときは、過年度収入、過年度支出として、過年度の歳入歳出とする。

公有財産は、行政財産と一般財産に分類され、行政財産はさらに、公用財産と公共用財産とに分類される。

行政財産は、一般私人と同等の立場でこれを保持し、その管理処分から生じる収益をもって財源に充てることを目的とする財産である。

現金等の出納保管については、これを区長の権限とするとともに、会計管理者は長の命令がなければ支出することができないとしている。

総計予算主義の例外として、地方債、歳計剰余金の基金編入、歳入歳出外現金、定額資金運用基金、誤払金等の戻入、誤納金等の戻出等がある。

単一予算主義の原則とは、予算は、原則として単一の見積表にあらゆる歳入歳出を包含し、かつ1年度に複数回の補正を適当とするという原則である。

事故繰越しは、歳出予算のうちその性質上又は予算成立後の事由のために事業が翌年度にずれ込んで、年度内に支出が終わらない見込みのある場合に、予め翌年度に繰り越して使用することができる経費の限度額を定めるものである。

調定が終わると納入義務者に対して納入すべき金額、納期限、納入場所等を支出命令書により通知する。

低価入札があった場合に、低価格の申込みをした者の順番に契約の相手方として適当であるか否かを調査し、 最低価格の入札者を落札者とせずに次に低い価格で申込みをした者を落札者とすることができる制度を最低制限価格制度という。

地方自治法では、財産をその管理の態様等に従って公有財産、 物品、債権及び現金の4つに区分している。

行政財産の目的外使用許可をする場合には、条例で定めるところにより、使用料を徴収することはできない。

現金の管理についてはすべて出納・保管という管理方法をとることとされ、地方自治法上の「財産」の範囲に含まれる。

行政財産の用途又は目的を妨げない限度においてその使用を許可する行政処分を行政財産の目的内使用許可という。

一般競争入札とは、資力、信用その他について適切と認める特定多数の者を指名し、その者に競争を行わせ、最も有利な条件を提示する者と契約を締結する方法をいう。

特別区財政調整交付金とは、都が課する所得税、固定資産税、特別土地保有税を財源としている。

一般財源としては、国庫支出金や地方債などが挙げられる。

依存財源としては地方税、地方交付税、国庫支出金、都道府県支出金 (交付金を含む)などが挙げられる。

普通税は、税収入の使途が制限されている。

地方交付税には、普通交付税と特別交付税があり、交付税総額の5%が普通交付税として財源不足団体に交付され、残りの95%が特別交付税として交付されている。

都区財政調整の財源は、固定資産税、市町村民税法人分及び特別土地保有税の3税(調整3税)である。