問題一覧
1
共用資産の定義
共用資産とは、複数の資産又は資産グループの将来キャッュフローの生成に寄与する資産のうち、のれん以外のものをいう。
2
共用資産の減損処理の方法
共用資産の減損処理の方法には、次の二つの方法がある。 ①共用資産が関連する複数の資産又は資産グループに共用資産を加えた、より大きな単位で行う方法 ②共用資産の帳簿価格を各資産又は資産グループに配分した上で行う方法 原則は①の方法であるが、共用資産の帳簿価額を当該共用資産に関連する資産又は資産グループに合理的な基準で配分することができる場合には、②の方法を採用することができる。
3
減損の兆候の具体例(×4)
減損の兆候の具体例としては、次の4つが挙げられる。 ①資産又は資産グループが使用されている営業活動から生ずるキャッュフローが継続してマイナスとなっているか、あるいは、継続してマイナスとなる見込みであること。 ②資産又は資産グループが使用されている範囲又は方法について、当該資産又は資産グループの回収可能価額を著しく低下させる変化が生じたか、あるいは、生ずる見込みであること。 ③資産又は資産グループが使用されている事業に関連して、経営環境が著しく悪化したか、あるいは、悪化する見込みであること。 ④資産又は資産グループの市場価格が著しく下落したこと。
4
共用資産の減損の兆候
①より大きな単位で行う方法 共用資産を含む、より大きな単位について、減損の兆候の具体例①から④のいずれかの事象がある場合、又は、共用資産そのものについて具体例②又は③の事象がある場合に、共用資産を含む、より大きな単位で減損損失の認識の判定を行う。 ②配分して行う方法 共用資産に減損の兆候があるかどうかにかかわらず、共用資産の帳簿価額を各資産又は資産グループに配分し、当該配分された各資産又は資産グループに減損の兆候の具体例①から④のいずれかの事象がある場合に、減損損失の認識の判定を行う。
5
共用資産の減損の認識と減損損失の測定
①より大きな単位で行う方法 まず、資産又は資産グループごとに減損の認識の判定を行い、その後、より大きな単位について減損の認識の判定を行う。 より大きな単位から得られる割引前の将来キャッュフローの総額が帳簿価額を下回っているときには、減損損失を認識する。 ②配分して行う方法 共用資産の帳簿価額を分配した後の各資産又は資産グループについて、減損の認識の判定を行い、割引前の将来キャッュフローの総額が帳簿価額をしたまるときには、減損損失を認識する。
6
減損損失の配分
①より大きな単位で行う方法 共用資産を加えることによって算定される減損損失の増加額は、原則として、共用資産に配分する。 ただし、共用資産に配分される減損損失が、共用資産の帳簿価額と正味売却価額の差額を超過することが明らかな場合には、当該超過額を各資産又は資産グループに合理的な基準により配分する。 ②配分して行う方法 共用資産の帳簿価額を配分した各資産又は資産グループにおいて認識された減損損失は、帳簿価額に基づく比例配分等の合理的な方法により、共用資産の配分額を含む当該資産グループの各構成資産に配分する。
7
のれんの減損損失
のれんの減損損失についての基本的な考え方は、共用資産と同様である。 ただし、のれんは複数の事業に係る場合があるため、その場合には、のれんの帳簿価額を合理的な基準に基づき分割する。
8
回収可能価額の定義
回収可能価額とは、資産又は資産グループの正味売却価額と使用価値のいずれか高い方の金額をいう。
9
正味売却価額の定義
正味売却価額とは、資産又は資産グループの時価から処分費用見込額を控除して算定される金額をいう。
10
使用価値の定義
使用価値とは、資産又は資産グループの継続使用と使用後の処分によって生ずると見込まれる将来キャッュフローの現在価値をいう。
11
回収可能価額が正味売却価額と使用価値のいずれか高い方とされる理由
経営者は、より多くのキャッュフローを回収すべく、正味売却価額の方が高い場合には資産を売却し、使用価値の方が高い場合には資産の使用を継続するとの想定に基づき、回収可能価額は、正味売却価額と使用価値のいずれか高い方とされる。
12
減損損失の認識の判定の際の将来キャッュフロー見積期間
減損損失を認識するかどうかの判定のために割引前将来キャッュフローを見積る期間は、土地については使用期間が無限になりうること等から、経済的残存使用年数と20年のいずれか短い方と制限が設けられている。
13
割引率
使用価値の算定に際して用いられる割引率は、貨幣の時間価値を反映した税引前の利率とする。 将来キャッュフローが見積値から乖離するリスクについては、将来キャッュフローの見積りと割引率のいずれかに反映させる。 ただし、減損損失を認識するかどうかの判定をする際に見積られる割引前将来キャッュフローの算定においては、このリスクを反映させない。
14
使用価値の算定の際の将来キャッュフロー見積期間
使用価値の算定のために将来キャッュフローを見積る期間は、使用価値が将来キャッュフローの現在価値として算定されるため、その見積期間を制限する必要はない。 そこで、試算又は資産グループについて使用価値の算定のために将来キャッュフローを見積る期間は、資産の経済的残存使用年数又は資産グループ中の主要な資産の経済的残存使用年数となる。