問題一覧
1
適切な動物実験の実施のために配慮しなければならない4R(3R+1R)について説明せよ
4Rとは、できる限り動物を用いる方法に代わりうるものを利用するReplacement 、より少ない動物数で実験を行うReduction 、動物の苦痛を軽減して飼育・研究を行うRefinement、実験責任のResponsibility のことである。
2
morphineの鎮痛作用機序について述べよ
中脳水道灰白質、延髄網様体に働き、脊髄への下降性抑制系を強める。また、脊髄後角および介在神経のオピオイド受容体に作用し、一次知覚神経からの入力を抑制する。
3
morphineの副作用の副作用として便秘が起こる機序を説明せよ。
モルヒネが消化管に存在する末梢のμオピオイド受容体を刺激することでの腸管神経叢でアセチルコリンの遊離が抑制され、腸管ではセロトニン遊離が促進される。これにより、蠕動運動が減少するため便秘が起こる。
4
morphineは鎮咳作用、呼吸抑制作用(Cheyne-Stokes型呼吸)およびStraubの挙尾反応を示すが、それぞれの作用部位と作用内容を述べよ。
鎮咳作用:延髄孤束核の咳中枢を抑制し、鎮咳作用を示す。 呼吸抑制作用:延髄呼吸中枢へ作用し、血中の炭酸ガス分圧上昇に対する反応を低下させ、呼吸を抑制する。 ストラウブの挙尾反応:マウスの脊髄でストリキニーネ様の脊髄反射の亢進により、肛門括約筋が興奮し、挙尾反応が起こる。
5
麻薬拮抗性鎮痛剤を一つ挙げ、その薬理作用をの特徴を述べよ。
ペンタゾシン K受容体アゴニストおよびμ受容体の部分アゴニストである。単独投与ではモルヒネより弱い鎮痛作用を示し、モルヒネの併用するとモルヒネの作用に拮抗的に働く。
6
痛覚伝導経路の一つである新脊髄視床経路についてせつめいせよ。
一次求心線維のAδ線維から脊髄後角、反対側の脊髄前側索、視床の後外側腹側核、腹側基底核を経て大脳皮質感覚野へ一次痛を伝達する経路である。
7
下降性痛覚抑制系について述べよ。
痛みが中脳水道灰白質に伝わると、延髄から脊髄後角に伝わりセロトニンが遊離する。中脳の青斑核に伝わると脊髄後角でノルアドレナリンな遊離する。遊離したセロトニンとノルアドレナリンは一次求心線維やGABA介在性神経による脊髄後角神経の活動を抑制する。
8
diclofenacの解熱鎮痛作用機序をaspirinと比較して説明せよ。
ジクロフェナクとアスピリンは共にCOXを阻害し、プロスタグランジンの生成を抑制する。ジクロフェナクはアラキドン酸と競合してCOXを阻害するが、アスピリンはCOXの活性部位にあるセリンをアセチル化することにより、不可逆的にその活性を阻害する。
9
prostaglandinE2の生成経路を述べ、それに対するcortisone の作用を説明せよ
まずアラキドン酸がホスホリパーゼA2によってリン脂質から切り出されて遊離アラキドン酸になる。この遊離アラキドン酸がCOX によりPGG2になり、さらにヒドロペルオキシダーゼによりPGH2になり、最後にPGE合成酵素によりPGE2になる。コルチゾンはホスホリパーゼA2を阻害することでアラキドン酸の代謝を抑制し、プロクタグランジの生成を抑制する。
10
aspirinの体温降下作用をchlorpromazineの場合と対比させて述べ、その作用機序についても説明せよ。
クロルプロマジンは視床下部体温調節中枢を抑制し体温を下げ、正常体温も降下させるのに対してアスピリンはCOXの活性部位にあるセリンをアセチル化することで不可逆的にその活性を阻害する。それによってPGE2の生成を抑制するので正常体温には影響しない。
11
aspirin 常用者に認められる出血傾向の理由を説明せよ。
アスピリンはCOX阻害薬で、血小板凝集誘起物質TXA2がアラキドン酸から生成されるのを抑制するため血液凝固が起きなくなる。
12
general anesthetic による不規則生下降性麻痺について説明せよ。
麻酔によって大脳皮質、間脳、中脳、脊髄、延髄の順に動きが抑制されていくこと。
13
general anesthetic を2種に大別し、各々について代表的薬物を3つ挙げよ。
・吸引麻酔薬:亜酸化窒素、イソフルラン、セボフルラン、デフフルラン ・静脈麻酔薬:チオペンタール、プロポフォール、ミダゾラム、ケタミン
14
strychnineの脊髄における作用機序を述べ、その特異的拮抗薬名をひとつあげよ。
ストリキニーネは運動ニューロンに対する介在ニューロンによるシナプス後抑制を、介在ニューロンの伝達物質であるグリシンと競合して遮断する。特異的拮抗薬名:バルビツール酸誘導体のフェノバルビタール
15
中枢神経形状におけるionotropic receptor のうち、制御性amino acid受容体および興奮性amino acid 受容体を挙げ、それぞれの受容体が刺激された時に細胞内流入する主なionを述べよ
制御性:グリシン受容体、Cl − 興奮性:イオンチャネル型グルタミン酸受容体、Na+、K+
16
cocainの精神依存発現機序について述べよ
中脳辺縁ドパミン神経系の前シナプス神経膜にあるドパミントランスポーターに結合し、ドパミンの再取り込みを阻害する。それによりシナプス間隙のドパミン量が増加し、ドパミン受容体が過剰に刺激され、気分高揚や多幸感などの精神依存が起こる。
17
methamphetamineの中枢興奮作用発現機序について述べよ。
メタンフェタミンは生体内で脱メチル化されてアンフェタミンになり、ノルアドレナリンやドパミンの遊離を促進し、細胞膜モノアミントランスポーター、小胞モノアミントランスポーター2(VMAT2)、MAOを阻害することで細胞外のモノアミン濃度が上昇して中枢神経興奮作用を発見させる。
18
benzodiazepine 系薬物の抗不安作用の作用機序を述べよ。
GABAA受容体のアロステリック部位に結合することで脳抑制性神経伝達物質のGABA機能を亢進し、細胞内へのCl−の流れを促進させ、神経過活動を抑制することで抗不安作用を示す。
19
adrenalineの血圧反転現象について説明せよ。
α受容体拮抗薬を投与した後にアドレナリンを静脈注射すると、アドレナリンのα作用である血圧上昇が抑制され、β作用である血圧降下のみが現れること。
20
麻酔動物を用いた血圧測定実験において、atropine処理後、大量のacetylcholine を静脈内投与すると血圧は上昇することがある。その理由を述べよ。
ムスカリン受容体遮断薬であるアトロピンで処理した後にアセチルコリンを投与すると、ムスカリン様作用が現れず、末梢でのニコチン様作用のみが現れ、血管収縮により血圧が上昇する。
21
麻酔犬に少量のnoradrenaline を静脈投与したところ心拍数が減少した。この反応が発現する機序を説明せよ。
麻酔によりカテコールアミン感受性が増大し、少量のノルアドレナリンでも血管が収縮して血圧が増大する。これにより減圧反射が働き、副交感神経を介して心拍数が減少する。
22
isoprenaline を静脈内投与した際の心拍数および血圧の変化とその機序について説明せよ。
心筋のβ1受容体を刺激することにより、アデニル酸シクラーゼが活性化し、cAMP濃度が上昇し、心機能が亢進するため心拍数は上がる。また、β2受容体を刺激し、細胞内cAMPが上昇すると、PKAが活性化され、ミオシン軽鎖キナーゼが不活化し、平滑筋が弛緩するため血圧は下がる。
23
大動脈弓反射と頸動脈小👂反射を説明せよ。
大動脈弓反射:血圧が上昇すると、大動脈弓の圧受容器が刺激され、延髄の心臓中枢に伝わる。これにより、迷走神経が興奮して反射的に心拍数が減少し、血圧が下がるように働くこと。 頸動脈小体反射:血液中のCO2が増えると、頸動脈小体の化学受容器が刺激され、延髄の心臓中枢に伝わる。これにより交感神経が興奮し反射的に心拍数が上昇し、呼吸が促進されるように働くこと。
24
renin-angiotensin系について説明せよ。
血圧調節機構の一つである。血圧低下により腎血流低下を感知すると腎臓の傍糸球体細胞からレニンが分泌され、レニンがアンギオテンシノーゲンからアンギオテンシンIを生成し、さらにACE(アンギオテンシン変換酵素)によりアンギオテンシンIIへと変換される。アンギオテンシンIIは血管収縮作用を持つ他、抗利尿作用をもつアルドステロンの分泌を促進して血圧を上昇させる。
25
enalapril またはlosartanの前処理が、実験動物へのangiotensin II静脈内投与による血圧変化に及ぼす影響とその理由について説明せよ。
エナラプリルはACE阻害酵素であり、ブラジキニン不活性酵素キニナーゼIIの産生を抑制するため、ブラジキニンが増加して血圧が下がる。
26
acetylcholine による血管平滑筋弛緩作用機序を述べよ。
アセチルコリンが血管内皮細胞のM3受容体に作用すると、NO生成酵素を活性化し、NOが遊離する。NOがグアニル酸シクラーゼを活性化し、cGMP濃度が上昇し細胞内Ca+濃度が減少することで血管平滑筋は弛緩する。
27
adrenaline作用性神経終末を抑制する薬物のうち、作用機序の異なる三つを挙げ、各薬物の作用機序じょを述べよ。
・レセルピン:小胞モノアミントランスポーター(VMAT) を阻害する。ノルアドレナリンの貯蔵顆粒への取り込みを阻害し、遊離したノルアドレナリンはMAOで分解される。また、ドパミンの取り込みも阻害し、ノルアドレナリンへの生合成を抑制し、ドパミンはMAOで分解する。 ・メチルドパ:α2受容体アゴニストで、負のフィードバック機構でノルアドレナリンの放出を抑制する。 ・タペンタドールノルアドレナリンの再取り込みを阻害する。
28
adrenaline 受容体を四つに分類し、それぞれが共役するGタンパクの種類とそれぞれの特異的antagonist を一つずつ挙げよ。
・α1受容体:Gq、プラゾシン ・α2受容体:Gi、ヨヒンビン ・β1受容体:Gs、メトプロロール ・β2受容体:Gs、ブトキサミン
29
自律神経節、副交感神経節後線維-効果器接合部および神経筋接合部において神経伝達に関するacetylcholine 受容体を薬理学的に分類し、それぞれに対するantagonistを1つ挙げよ。
ニコチン受容体とムスカリン受容体があり、ニコチン受容体にはNm受容体とAnn受容体があり、ムスカリン受容体にはM1-M5までのサブタイプがある。Nm受容体にはツボクラリン、Ann受容体にはヘキサメトニウム、ムスカリン受容体にはアトロピンがアンタゴニストとして働く。
30
choline 作動性神経節におけるacetylcholine の生合成経路と不活性経路を、のべ、それぞれの経路に関与する酵素名を挙げよ。
アセチルコリンはコリンとアセチルCoAから、コリンアセチルトランスフェラーぜにより合成される。また、シナプス間隙に遊離されたアセチルコリンはアセチルコリンエステラーぜにより分解され、コリンと酢酸になる。
31
間接作用型choline 作動薬の作用記事の、主な適用2つおよび薬物を四つ挙げよ。
ネオチグミン、リバスチズミンの様な可逆性コリンエステラーぜ阻害薬では、酵素がカルバモイル化されることで加水分解が遅くなりわ酵素活性の再生が遅れ、活性を阻害する。サリンやパラチオンの様な非可逆性コリンエステラーぜ阻害薬では、エステル部がリン酸化され、非常に安定な結合を作るために非可逆的に失活する。これらの薬は緑内障や重症筋無力症に用いられている。
32
自律神経節遮断薬を分類し、それぞれの薬物名をひとつ上げよ。
競合拮抗型のものにヘキサメトニウム、脱分局型のものにニコチンがある。
33
心臓の刺激伝導系路について説明せよ。
洞房結節にてパルスが発生し、心房筋、房室結節、ヒス束、脚、プルキンエ線維、心室筋へと伝導し、心筋収縮を行う。
34
自律神の二重支配について、心筋および気管支平滑筋を例に挙げて説明せよ。
二重支配とは交感神経と副交感神経が拮抗しながら支配することである。心筋においては交感神経が興奮すると収縮し、副交感神経な興奮すると弛緩します。気管支平滑筋では、交感神経の作用により弛緩し、副交感神経の作用により収縮する。
35
ラット気管支平滑筋に対する3種の薬物(isoproterenol 、acetylcholine 、高濃度potassiumchloride)の作用を観察するため、Magnus法を用いて平滑筋張力の記録を行った結果以下のチャートを得た。Aに当てはまる薬物を答え、その作用機序を述べよ。
アセチルコリンはムスカリンM3受容体に結合することで平滑筋細胞を脱分極させて細胞内Ca2+濃度が上昇する。Ca2+がカルモジュリンと結合して活性化するとカルモジュリンキナーゼが活性化され、ミオシン軽鎖キナーゼも活性化される。これによりミオシン軽鎖がリン酸化され、アクチンとミオシンが相互作用して平滑筋が収縮する。ここで、アセチルコリンの場合は静止膜電位に戻るフィードバック機能が存在するあめ、ある程度で頭打ちとなる。
36
Bに当てはまる薬物を答え、その作用機序を述べよ。
イソプロテノール アドレナリンβ受容体に非選択的に作用し、アデニル酸シクラーゼを活性化させることでcAMPが増加し、PKAが活性化してミオシン軽鎖キナーゼがリン酸化されて不活化し、平滑筋の収縮が抑制される。
37
C に当てはまる薬物を答え、その作用機序を述べよ。
高濃度塩化カリウム 細胞外のK+濃度を上げることにより濃度勾配によって細胞内にK+が流入し平滑筋細胞を脱分極させる。さらに、電位依存性Ca2+チャネルが開口することで細胞内のCa2+濃度が上昇し、カルモジュリンがCa2+と結合して活性化することでカルモジュリンキナーゼを活性化してミオシン軽鎖キナーゼが活性化される。これによりミオシン軽鎖がリン酸化されてアクチンとミオシンが相互作用して平滑筋が収縮する。ここで、K+の場合は濃度勾配によるK+の流入亢進による脱分極であるため、フィードバック機構のあるアセチルコリンよりも強く脱分極する。
38
tyrosineからepinephrine の生合成経路とこれに関する酵素名を述べよ。
①チロシンがチロシンヒドロキシラーゼにやってL-ドーパになる ②L-ドーパが芳香族L-アミノ酸デカルボキシラーゼによってドパミンになる ③ドパミンがドパミンβ-ヒドロキシラーゼによってノルアドレナリンにらなる。 ④ノルアドレナリンがフェニルエタノールアミンN-メチルトランスフェラーゼによってエピネフリンになる
39
adrenalineのα1作用出現機序を説明せよ。
アドレナリンがα1受容体に結合するとGqを介してホスホリパーゼCβを活性化し、ホスファチジルイノシトール2リン酸がIP3(イノシトール3リン酸)とDG(ジアシルグリセロール)を生産する。IP3は小胞体からCa2+シグナル系を活性化し、DGはPKCを活性化して作用が発現する。
40
adrenalineのβ作用出現機序を説明せよ。
アドレナリンがβ受容体に結合すると、Gsを介してアデニル酸シクラーゼが活性化して細胞内にcAMPを産生し、PKAを活性化して作用が発現する。
41
モルモット摘出回腸標本にhistamineを適用した際に生じる変化とその機序を説明せよ。また、histamineの用量-反応曲線を右方に平行移動させる薬物を一つ挙げよ。
ヒスタミンが回腸に発現しているH1受容体に結合すると、Gqタンパクを介してホスホリパーゼCを活性化する。これによりIP3とDGがそれぞれPKCを活性化することで細胞内Ca2+濃度が上昇して回腸が収縮する。 右方に平行移動させる薬物:エピナスチン
42
noradrenaline およびtyramineの血圧作用に対するreserpine前投与の影響について説明せよ。
小胞モノアミン枯渇薬であるレセルピンを前投与するとシナプス後膜に作用するノルアドレナリンでは効果器のノルアドレナリン受容体が増加するため血圧上昇作用が増強する。一方で チラミンはノルアドレナリンの遊離促進により間接的にα1作用を示すのでレセルピンによってその血圧上昇作用が低下する。
43
高容量のselegiline 服用時にtyramineを多量に含む食品を取ると高血圧発作を起こすことがある。その理由を述べよ。
高容量のセレギリンはMAO-A,MAO-B両方を阻害し、チラミンの代謝を阻害する。チラミンはアドレナリン作動性神経終末に取り込まれ、蓄積されたノルアドレナリンの遊離を促進するため、高血圧発作を起こす。
44
xanthine化合物の作用機序を説明し、代表的薬物3つについて中枢興奮作用の強いものから順に挙げよ。
キサンチン化合物は非選択的ホスホジエステラーゼ阻害薬で、cAMPおよびcGMPの分解を抑制し、それらをセカンドメッセンジャーとする受容体の機能を亢進させる。また、アデノシン受容体拮抗薬であり、神経伝達物質の遊離抑制を解除して中枢興奮作用を示す。 カフェイン>テオフィリン>テオブロミン
45
有機リン化合物の急性中毒発現機構とその典型的な中毒症状と解毒薬を述べよ。
<発現機構>有機リン化合物がアセチルコリンセステラーゼの活性部位を不可逆的にリン酸化して不活化することで体内にアセチルコリンが過剰に蓄積し、中毒が発現する。 <症状>ムスカリン様作用の過剰反応で縮瞳、流涙、徐脈が起き、ニコチン様作用部位での脱分極性阻害作用で骨格筋の攣縮および麻痺が起きる。 <解毒薬>アトロピン
46
ラット摘出回腸標本に対するacetylcholine の用量-反応曲線は、oapaverine存在下ではどの様に変化するかを説明し、その理由を述べよ。
用量-反応曲線は下にずれる。パパベリンは平滑筋に直接作用して収縮を抑制するため、アセチルコリンによる収縮作用を非競合的に阻害して消化管収縮作用が低下する。
47
papaverineの構造と作用および作用機序について述べよ。
パパベリンはベンジルイソキノリン誘導体のアルカロイドであり、平滑筋弛緩作用を持つ。これは、ホスホジエステラーゼ阻害作用によりcAMP量を阻害されることでPKAが活性化し、ミオシン軽鎖キナーゼがリン酸化されて不活化することで筋弛緩が起こる。
48
cholinesterase阻害薬と相互作用を有する末梢性骨格筋弛緩薬について述べよ。
競合拮抗型のツボクラリンはアセチルコリンと競合することで抗コリン作用を示すがアセチルコリンエステラーぜと併用するとアセチルコリン濃度が下がらないため効果は減弱する。対して脱分極型のスキサメトニウムはコリンエステラーゼによって分解されるため、コリンエステラーぜ阻害薬と併用すると作用は増強する。
49
骨格筋の神経支配について、構造面の特徴を含めて説明せよ。
骨格筋は運動神経に支配され、脳神経運動ニューロンも脊髄運動ニューロンがある。Aα、Aγ線維からなる。神経筋接合部は運動神経終末、シナプス間隙、終板により構成されている。小胞から遊離されたアセチルコリンは終板のニコチン受容体に結合し、Na+チャネルが開きNa+流入によって終板電位が発生する。
50
骨格筋の収縮機構を説明せよ。
運動神経が興奮してアセチルコリンがNm受容体にら結合するとNa +チャネルが開口し脱分極が生じる。これをジヒドロピリジン受容体が感知するとリアノジン受容体が開口して筋小胞体からCa2+が放出される。Ca2+がトロポニンCと結合することでアクチンとミオシンの相互作用を引き起こし、筋収縮を起こす。
51
適切な動物実験の実施のために配慮しなければならない4R(3R+1R)について説明せよ
4Rとは、できる限り動物を用いる方法に代わりうるものを利用するReplacement 、より少ない動物数で実験を行うReduction 、動物の苦痛を軽減して飼育・研究を行うRefinement、実験責任のResponsibility のことである。
52
methamphetamineの中枢興奮作用発現機序について述べよ。
メタンフェタミンは生体内で脱メチル化されてアンフェタミンになり、ノルアドレナリンやドパミンの遊離を促進し、細胞膜モノアミントランスポーター、小胞モノアミントランスポーター2(VMAT2)、MAOを阻害することで細胞外のモノアミン濃度が上昇して中枢神経興奮作用を発見させる。