文書事務の機能を大別すれば、意思伝達機能と意思保存機能とであるが、文書管理の内容は、この機能に対応して展開されなければならない。

文書は情報の伝達の正確を期するためと、その保存を考慮して設けられるものであるから、その高度化によって、帳票の形態に発展する。

文書の保管、保存、廃棄の制度は、ファイリング・システムと呼ばれるが、この制度は世界的にみてもわが国で最も定着し発達している。

仕事を的確に処理していくには、文書の備える特性（伝達性・客観性・保存性・確実性）から、それを生かすことが最も良いと判断されている。

文書の整理方法のうち、標題別整理方法は、帳票や報告書などに使われる方法で「見積書」、「販売実績月報」など文書の標題によりまとめる方法である。

品質管理は製造段階の工程を管理するものであり、製品の開発・設計や販売の段階までを対象とするものではない。

総合的品質管理は、主として統計的手法を用いることからSQCとも呼ばれる。

統計的品質管理において基底にある管理原則の考え方は、全製品の品質を均質化させる「専門化の原則」の徹底である。

総合的品質管理は、統計的手法も手段として内包しているが、品質管理の考えを製品開発・仕入・製造・販売等の全過程に導入した点に特徴がある。

我が国ではアメリカに先駆けて品質管理が実施されてきた歴史があり、戦時体制下に定められた日本工業規格が今日の品質王国成立の基礎となった。

異動管理について、異動管理は、職員の能力や特性の変化と職務の結びつきを追求することにより、仕事と人との合理的な結びつきを動態的に行うことである。

異動管理について、異動は組織の機能を発揮させることが目的であり、職員の不満解消の手段ではない。

異動管理について、異動と処遇を絡めることは、異動の範囲を狭めることになるので望ましくない。

異動管理について、職務に必要な資格要件を明らかにするための職務分析の確立は、異動管理とは直接関係がない。

異動管理について、異動に際して、あらかじめ本人から希望を聞くことは、希望に添えない場合が多いので望ましくない。

計画を立てる場合には、ベストの案を考える必要があり、代替案を考慮する必要はない。

仕事の管理について、部下を参加させる場合に、担当者に自己評価をさせるのは、完成後の仕事の成果であり、実施段階における決定内容ではない。

自己調整では、各成員は、自己の責任事項について他の成員の意見を考慮しなければならないけれど、これに従う必要はない。

仕事の管理について、部下間で意見の相違が生じたり、利害得失が相反すような問題が職場に生じている場合には、調和点を見つけるのではなく、選択を明確にする。

仕事の管理について、仕事の管理について、統制を効果的に行うためには、部下の意向に左右されずに、仕事の進め方の基準をあらかじめ定めておく。

KJ法は、現実に目の前に提示されたものを見ながら、比類によって自由にアイディアを引き出す方法で、発散的思考を基本とするものである。

ブレーンストーミングは、批判禁止、自由奔放、質を求む、結合と改善を原則としている技法であり、他人のアイディアの便乗は歓迎されている。

欧米諸国では問題解決技法の中でブレーンストーミングが最も広く用いられているが、我が国ではKJ法やNM法に押されて、あまり普及していない。

NM法は、考案者の中山正和氏の頭文字をとって名付けられたもので、将来起こる技術革新を予測する未来予測技法である。

ゴードン法では、リーダー以外の他のメンバーには課題を明らかにせず、抽象的なテーマを示してアイディアを発想させる手法をとる。

パレート図は、イタリアの経済学者パレートが品質管理のために考案し、その後所得分布の把握にも利用されるようになったものである。

パレート図は、「重要な要因は無数に存在する」という基本的な考え方から出発している。

管理図は、製品のマーケティングを主たる対象とする技法で、販売実績の異常を発見し、販売活動を適正に管理していくものである。

特性要因図は、アメリカで開発され、その後日本にも導入された技法で、図の形が魚の骨格に似ていることから魚の骨図とも言われている。

特性要因図は、特性が生み出される要因を、特性に直接影響を与える要因、そうした要因をもたらす関節的な要因、という具合に順次遡っていくことにより、原因と結果の関係が体系的に整理することができる。

ワーク・サンプリング法は、個々の作業についての細かい時間の計測ではあるが、各作業が全体の中で占める比率を求めるのには適さない。

ワーク・サンプリング法は、確率論に基礎を置いた手法であり、統計学の専門知識が必要とされているため、観測者は相当の熟練を要する。

ワーク・サンプリング法は、厳密に統計学的手法を適用するため、出題頻度の少ない作業についても確度の高い計測が可能である。

ワーク・サンプリング法は、判断的要素の多い業務の計測に使えるほか余裕率の測定にも適した手法である。

ワーク・サンプリング法は、観測者が作業現場につきっきりで観測を行うため、観測対象者に心理的圧迫を与えやすい。

ライン組織の形態では、各人が唯一の上司から命令を受けることになるので、権限関係は極めて明瞭になるが、監督者は専門家を活用できず、下位者の業務内容全般にわたって熟知している必要がある。

ライン・アンド・スタッフ組織は、命令系統の原則と専門化の原則の統合を図ろうとする場合に作られる組織といえるが、命令系統による命令とスタッフからの助言とが混同され、責任の所在が不明確になりやすいので、ラインよりもスタッフの権限を強化しておく必要がある。

ファンクショナル組織の形態の場合は、各管理者の責任と権限が分割され負担が軽減されるが、下位者は複数の上司から命令を受け監督を受けることになるので、命令の重複や矛盾が生じやすく、指揮命令系統に混乱が生じるおそれがある。

委員会制度の本質は、集団による共同意識の決定にあり、正しく運営される場合には安全性、説得性、納得性の効果を発揮するが、反面、時間と費用を浪費し、個人の活動を沈滞させ、妥協に走り、個人の責任観念を希薄化する可能性がある。

事業部制組織は、最高経営層の下に、製品別、地域別、得意先別など、独自のマーケットに対する自主的な責任をもつ事業部を設け、これに大幅に分権化を行うことにより、市場価格経済のメカニズムを企業内部に導入しようとするものである。

標準化の原則を適用することにより、予備調査は予断を生じやすいので実施しない方がよいとされている。

標準化の原則を適用することにより、管理監督者は標準的事項に専念することが可能となる。

分業の原則は、製造部門では欠かせないものであるが、事務部門では事務の総合性が確保できなくなるため、適用しないものとされている。

NM法は、大脳の中に無意識に蓄えられている膨大な記憶を、アナロジー（類比）のつながりによって引き出し、新しいアイデアやヒントを生み出そうとするものである。

NM法は、課題の設定→キーワードの決定→類比の発想→類比の背景の探究→アイデアの発想→解決策の作成というステップをとる。

KJ法は収束技法であるのに対し、NM法は発散技法である。

KJ法はカードを用いて作業を進めていくのに対し、NM法は議論を通して得られるアイデアを頭の中で発展させていく点に特徴がある。

NM法は、「問題点の洗い出し」という作業には向いていない。

ITとは、情報技術のことで、デジタル機器やデジタル化された情報や技術のことである。省庁では主に経済産業省が使用している。

ICTとは、情報通信技術のことで、通信を使ってデジタル化された情報をやり取りする技術のことである。省庁では、主に総務省が使用する。

IoTとは、ICTの浸透が人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させる概念のことである。

AIとは、人間の思考プロセスと同じような形で動作するプログラム、あるいは人間が知的と感じる情報・処理技術のことである。

DXとは、様々な物がインターネットにつながること、インターネットにつながる様々な物のことである。

PERTで計画を作るには、各作業の相互関係を体系的に表示する「パレート図」と呼ばれる図を書くことから始める。

図上に点線で示す「ダミー」とは、作業間の順序関係を示すための仮の作業であり、所要時間は0である。

作業開始から終了まで、時間的に最も短い経路を「クリティカル・パス」という。

クリティカル・パスは最も重点的に管理しなければならない経路であるが、クリティカル・パス内の作業が遅れても、プロジェクト全体の作業が遅れるわけではない。

クリティカル・パスの短縮に加え、クリティカル・パス上にない作業も短縮すれば全工程のリードタイムがさらに短縮される。

人事評価の実施により職務遂行の要件が明らかになるので、組織ではこの結果を構成員の採用、昇進、賞与等の決定に利用することができる。

人事考課評定誤差のうち、中心化傾向と対比誤差については、いずれも、評定結果の平均値と分散値を調べることにより発見できる。

人事考課評定誤差のうち、ハロー効果については、総合評定の結果と各要素ごとの評定結果の相関などを調べることで発見できる。

人事考課評定技法には、序列法、プラブスト法、人物比較法、図式評価尺度法などがあるが、わが国でもっとも普及しているのは序列法である。

コンピテンシー評価とは、仕事や役割の成果に結びつくための具体的な「能力」を評価するものである。

稟議制度は、非常に時間がかかるので、案件によって口頭による意思決定を受け、事後に文書化することもある。

稟議制度の「稟議」とは、下級者から上級者の意向を尋ねる意味があり、分権的執行体制の管理方式ということができる。

稟議制度は、意思決定後の事後的監督については問題がないが、事前の監督はほとんど行われにくい。

稟議制度の利点は、事務事業に関して、職員自身が自ら発案することで、実際的な案が決定できることにある。

稟議制度の改善として、それの持つ意思決定機能とコミュニケーション機能の分離という方向が考えられる。