問題一覧
1
弱酸性薬物の単純拡散による消化管吸収に及ぼす管腔内 pH の影響として正 しい記述はどれか。1つ選べ。ただし、薬物はすべて溶解しているものとする。
pH が低下すると分子形分率が上昇し、吸収が増加する。
2
二次性能動輸送の駆動力となるイオン濃度勾配を形成する一次性能動輸送担体はどれか。1つ選べ。
Na+,K+-ATPase
3
薬物の消化管吸収に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
グリセオフルビンを高脂肪食とともに服用すると、空腹時に比べてより高い血中濃度が得られる。 , ノルフロキサシンの吸収は、水酸化アルミニウムゲルを含む制酸薬と服用すると、キレート形成のために低下する。
4
薬物吸収に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。
薬物の小腸吸収過程における非撹拌水層の影響は、薬物の小腸上皮細胞膜透過性が高いものほど大きい。
5
薬物吸収に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
ワルファリンカリウム経口投与後の血中濃度はコレスチラミン併用により低くなる。 , 皮膚をフィルムで密封すると角質層が水和し、薬物の皮膚透過性が高まる。
6
薬物吸収に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
直腸下部の粘膜から吸収された薬物は、肝初回通過効果を受けない。, 肺から吸収された薬物は、肝初回通過効果を受けない。
7
薬物代謝酵素に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
誘導作用と阻害作用の両方を示す薬物がある。 , フェノバルビタールは、グルクロン酸転移酵素を含む複数種の薬物代謝酵素を誘導する。
8
薬物代謝酵素に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
CYP2C9 の PM では、フェニトインによる中枢毒性発現のリスクが増大する。 , N-アセチル転移酵素 2 (NAT2) の slow acetylator (SA) では、イソニアジドによる副作用のリスクが増大する。
9
体内からの消失が主に CYP1A2 による代謝である薬物はどれか。1つ選べ。
テオフィリン
10
CYP3A4 の活性を不可逆的に阻害するのはどれか。1つ選べ。
エリスロマイシン
11
図1及び図2はある薬物の経口投与後の血中濃度時間曲線である。 薬物動態に関するパラメータを1つだけ変化させて得られた3つの曲線を示す。変化に関する記述のうち、正しいのはどれか2つ選べ。 ただし、吸収及び消失は線形1-コンパートメントモデルに従い、吸収速度定数は消失速度定数に比べ大きく、 図Bは図Aの縦軸を対数目盛りにしたものである。
3, 5
12
ある物を同一被験者に急速静脈内投与、あるいは経口投与した後の血中濃度及び尿中排泄量を測定し、それぞれ表に示す結果を得た。ただし、この薬物は肝における代謝及び腎排泄のみで消失し、体内動態は線形を示すものとする。200mgを経口投与したとき、肝初回通過効果により失われた薬物量(mg)に最も近い値はどれか。1つ選べ。ただし、代謝物の総尿中排泄量に未変化体の量は含まれない。
120
13
ある薬物をヒトに静脈内投与及び経口投与したときのデータを以下に示す。 この薬物の体内動態に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。ただし、この薬物は肝代謝と腎排泄により消失し、代謝物は全て尿中に排泄される。また、体内動態は線形 1-コンパートメントモデルに従うものとする。
全身クリアランスは約 1.1 L/min である。, 分布容積は約 22 L である。
14
図1は吸収過程のある線形 1-コンパートメントモデルを示す。Xa は吸収部位に存在する薬物量、X は体内コンパートメント中の薬物量、Xe は消失した薬物量、ka は吸収速度定数、ke は消失速度定数である。体内動態がこのモデルに従う薬物を経口投与した際の血中濃度時間曲線を図2に示す。 投与量が 100 mg、ka が0.5 hr‐¹、ke が 0.1 hr-¹のとき、次の記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。 ただし、吸収率は 100%であり、分布容積は一定とする。また、A 点は吸収開始時刻を、B 点は最高血中濃度に到達した時刻を示す。
A 点における体内からの薬物の消失速度は 0 mg/hr である。, ke が2倍になると、血中濃度時間曲線下面積は 1/2 になる。
15
表は、ある薬物 100 mg を同一被験者に静脈内投与及び経口投与したときの未変化体と代謝物の尿中総排泄量を示す。この薬物の肝抽出率に最も近い値はどれか。1つ選べ。 ただし、この薬物の吸収及び消失は、線形1−コンパートメントモデルに従うものとする。また、この薬物は肝代謝と尿中排泄で消失し、代謝物は全て尿中に排泄されるものとする。
0.5
16
メトプロロールは、肝臓における代謝及び尿中への排泄の両過程により体内から消失する。全身クリアランスは 1 L/min であり、静脈内投与後の尿中未変化体排泄率は投与量の 10% である。メトプロロールを経口投与した際、肝初回通過効果により消失する割合 (%) はいくつか。 ただし、経口投与したメトプロロールは消化管粘膜を 100% 透過し、消化管粘膜における代謝はなく、肝血流量は 1.5 L/min とする。
60
17
薬物動態に関する記述のうち、正しいものはどれか。2つ選べ。ただし、いずれの場合にも腸肝循環はおこらないものとする。
静脈内投与後、未変化体として尿中に排泄された量が投与量に等しい薬物の腎クリアランスは、全身クリアランスと等しい。 , 経口投与後、未変化体として尿中に排泄された量が投与量に等しい薬物は、肝初回通過効果を受けない。
18
肝代謝のみで消失する薬物を経口投与する場合において、以下の変化が生じたとする。血中濃度−時間曲線下面積 (AUC) が2倍に上昇するのはどれか。2つ選べ。 ただし、この薬物の消化管からの吸収率は 100% とし、肝臓での挙動は well-stirred model に従うものとする。
結合タンパク質の増加により血中非結合形分率が 1/2 に低下した場合 , 肝代謝酵素の阻害により肝固有クリアランスが 1/2 に低下した場合
19
薬物を静脈内投与したとき、表に示すパラメータが得られた。この薬物の全身クリアランスに関する記述として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。 ただし、この薬物は肝代謝と腎排泄によって体内から消失し、肝血流量は 100 L/h とする。
肝血流量の変動の影響を顕著に受ける。
20
ある薬物を体重 60 kg のヒトに静脈内投与したときの体内動態パラメーターを下表に示す。この薬物に関する記述のうち、正しいものはどれか。1つ選べ。ただし、この薬物は線形1−コンパートメントモデルに従った体内動態を示す。また、肝血流速度は 1,500 mL/min、クレアチニンクリアランスは 120 mL/min、腎以外には主に肝から消失されるとする。
全身クリアランスは血漿タンパク結合の影響をあまり強く受けないので、血漿アルブミン値などの変化の影響を特に注意する必要はない。
21
リドカインの代謝・消失に関する記述として正しいのはどれか。2つ選べ。
リドカインは、肝初回通過効果を受けやすい。 , リドカインの肝クリアランスは、血中タンパク結合率の変動の影響を受けにくい。