取締役会設置会社でない会社においては、株主総会は会社に関する一切の事項について決議することができる。

取締役会設置会社における株主総会の権限は、会社法および定款で定められた事項に限られない。

公開会社では株主に対して、株主総会の日の2週間前までに、日時・場所ら議題などを記載した招集通知を発しなければならない。

公開会社でない会社は、取締役会を設置した場合でも株主総会の招集通知を書面または電磁的方法でする必要は無い。

公開会社において、6ヶ月前より引き続き総株主の議決権の100分の3以上の議決権を有する株主は、取締役に対して株主総会の招集を請求し、その後遅滞なく招集手続が行われない場合、直ちに株主総会を招集することが出来る。

会社が自己株式を有する場合、会社も株主であるから、然に議決権を行使することが出来る。

A会社の総株主の議決権のうち30%をB会社が有しており、B会社の総株主の議決権のうち60%をA会社が有している。B会社はA会社の株主総会において議決権を行使することが出来るが、A会社はB会社の株主総会において議決権を行使することが出来ない。

議決権の代理行使において、代理人を株主に限る旨の定めは判例上有効とされる。

議決権を有する株主の数が1000人以上の会社にあっては、株主は書面より議決権を行使しなければならない。

議決権を有する株主の数が1000人未満の会社でも、書面投票制度を採用することが出来る。

株主総会の特別決議が要求される決議事項は重要なものであるから、定足数については排除のみならず軽減することも認められない。

株主総会における決議について特別の利害関係を有する者は、議決権を行使することができる。

株主総会の決議の内容が法令または定款に違反する場合には、その決議は無効である。

株主総会決議の取消しの訴えは、決議の日より3ヶ月内に提起しなければならないが、決議の不存在確認の訴えおよび無効確認の訴えについては、提訴期間の定めがない。

株主総会の決議に関して、取消しの訴え・不存在確認の訴え・無効確認の訴えのいずれの場合も、利害関係があれば誰でも提起することができる。

取締役を選任する株式総会の普通決議においては、定款の定めによっても定足数を議決権を行使できる株主の議決権の3分の1未満にすることができない。

取締役会非設置会社は、株主総会の決議によって、取締役の中から代表取締役を定めなければならない。

取締役会設置会社において、代表取締役は代表権および業務執行権を有するが、その他の取締役は代表権はなく業務執行権のみを有する。

取締役会は会社の業務執行の決定について、代表取締役および一部の取締役に権限を委譲することができ、支配人の選任および解任もこれに含まれる。

決議について特別の利害関係を有する者について、株主総会における株主は議決権を行使することができるが、取締役会における取締役は議決権を有しない。

取締役会設置会社における取締役が第三者のために会社の事業の部類に属する取引を行う場合、取締役会の承認決議を要しない。

甲が、A会社の代表権のない取締役とB会社の代表取締役を兼任している場合に（A会社B会社ともに取締役会設置会社）、甲がB会社を代表してA会社と取引する時は、B会社の取締役会の承認は必要ない。

取締役会設置会社における取締役が行う競業取引は、取締役会の承認がなくても有効である。

取締役会設置会社における取締役は、利益相反取引を行うに際して取締役会の承認を得た時であっても、会社に対する損害賠償責任を負う場合がある。

取締役会設置会社における利益相反取引に関する取締役会決議に賛成した取締役は、会社に対する損害賠償責任を負わない。

会社法423条に定める取締役の会社に対する責任は、株主総会の特別決議によって全額免除することができる。

会社法423条に定める取締役の会社に対する責任は、取締役会設置会社においては定款の定めに基づき取締役会決議により一部免除することができる。

会社法423条に定める取締役の会社に対する責任は、職務を行うにつき善意かつ重大な過失がない場合に、一部免除することができる。

会社法423条に定める取締役の会社に対する責任は、定款の規定があれば責任限定契約によって事前に軽減することができる。

会社が株主総会を平穏に行うために総会屋に対して利益を供与した場合、該利益供与に関与した取締役は利益の価額に相当する額を支払う義務を負うが、利益の供与を受けた総会屋に対しては変換を求めることはできない。

公開会社において6ヶ月前から引き続き株式を有する株主は、取締役の責任を追求するため、いかなる場合でも直ちに責任追及等の訴えを提起することができる。

責任追及等に関する訴えは、会社の本店の所在地を管轄する地方裁判所に提起しなければならない。

責任追及等の訴えを提起する際には、訴訟の目的の価額に応じた訴訟手数料を裁判所に納めなければならない。

会社は原告株主側に訴訟参加することはできるが、被告取締役側に訴訟参加することは理論上矛盾する行為であるため認められない。

株主が敗訴した場合であっても、会社およびほかの株主が再審の訴えを提起することができる場合がある。

取締役の第三者に対する責任は、会社が倒産した場合でなくても追求することができる。

取締役の第三者に対する損害賠償責任の範囲について、取締役の行為により第三者が直接損害を受ける直接損害のみならず、会社に損害が生じその結果として第三者が損害を受ける間接損害を包含するのが判例の見解である。

選任決議を経ているが会社経営に関与しない名目的取締役は、第三者に対する損害賠償責任を負わない。

選任決議を経ていない登記簿上の取締役も法律上正規の取締役であるため、会社法429条の直接適用により第三者に対する損害賠償責任を負う。

補償契約および役員等賠償責任保険契約はいずれも利益相互取引に該するため、利益相互取引に関する規制が適用される。

監査役は、監査等委員会設置会社・指定委員会等設置会社において設置しなければならない。

監査役は、取締役が会社の目的の範囲外の行為その他法令または定款に違反する行為をしそれによって会社に回復することができない損害を生ずるおそれがある時は、当該取締役に対し、当該行為をやめることを請求することができる。

公開会社でない会社はすべて、監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨を定款で定めることができる。

監査役会設置会社においては、監査役は3人以上で、そのうち半数以上は社外監査でなければならない。

監査役会の設置は原則として任意であるが、公開会社である大会社の場合は必ず設置しなければならない。

会社参与は公認会計士・監査法人・税理士・税理士法人のいずれかでなければならない。

会社参与は、計算書類およびその附属明細書、臨時計算書類並びに連結計算書類を作成する権限を有し、会社参与を設置した場合は取締役は計算書類等を作成しなくてもよい。

会社監査人について、公開会社である大会社は設置しなければならないが、公開会社でない大会社は設置しなくてもよい。

会計監査人は公認会計士または監査法人でなければならず、税理士及び税理士法人は会計監査人に就任することができない。

会計監査人はその職務を行うに際して取締役の職務の執行に関し不正の行為または法令定款に違反する重大な事実があることを発見したときは、その行為の差止めを取締役に請求することができる。

指名委員会設置会社の取締役会を構成する取締役の過半数は、社外取締役でなければならない。

指名委員会設置会社においては、取締役会が業務執行の決定を行い、その決定に基づいて執行役が業務を執行するので、執行役が業務執行の決定をすることはできない。

指名委員会は、株主総会に提出する取締役・会社参与の選任および解任に関する議案の内容を決定する権限を有する。

報酬員会は、執行役・取締役・会社参与の個人別の報酬の内容を決定する。

監査等委員会設置会社は、指名委員会等設置会社における指名委員会・監査委員会・報酬委員会のすべての権限を集約した監査等委員会を設置した会社である。

合併当事会社は、それぞれ株主総会による特別会議により合併契約の承認を受けなければならない。

合併を承認する株主総会において議決権を行使できる株主は、あらかじめ会社にたいして書面をもって合併に反対の意思を通知し、または株主総会において反対の議決権を行使すれば、株主買取請求権の行使が認められる。

株式会社間の吸収合併において、消滅会社の株主は必ず存続会社の株主として収容される。

吸収合併において交付される対価の額が、存続会社の純資産額の5分の1を超えない場合、存続会社における承認決議が不要となる。

A 会社の総株主の議決権の90%以上をB会社が保有する場合、B会社における承認決議が不要となる。