問題一覧
1
77歳の女性.肺がん検診の低線量CTで左乳房腫瘤を指摘されたため受診した.マンモグラム(A)及び乳房超音波像(B)を次に示す.次に行う検査は何か ①胸部CT ②胸部MRI ③骨シンチグラフィ ④経皮的針生検 ⑤FDG-PET
④経皮的針生検
2
48歳の男性.歩行障害を主訴に来院した.約5年前からバランスが悪く転びやすくなってきたという.徐々に悪化して,歩行時によろめくようになり,階段昇降では手すりが必要になったため受診した.認知機能は正常である.びっくり眼を認める.筋力低下と感覚障害とを認めない.小脳性運動失調と錐体路徴候とを認めるが,不随意運動を認めない.起立性低血圧と膀胱直腸障害とを認めない.家族歴では,父,父方の祖父および叔父が同様の症状を示していたという. 考えられるのはどれか. a Parkinson病 b 多系統萎縮症 c Huntington病 d Machado-Joseph病 e ミトコンドリア脳筋症
d Machado-Joseph病
3
51歳の女性.顔面の発汗を主訴に来院した.半年前から疲れやすさを自覚し,発作性の発汗,後頸部の熱感および肩こりが増強してきたという.身長162cm,体重56kg.体温36.0℃.脈拍72/分,整.血圧124/76mmHg.1年前から月経はない.身体診察で明らかな異常を認めない.血液所見:赤血球387万,Hb 12.8g/dL,Ht 39%,白血球6,300,血小板21万.血液生化学所見:AST 24U/L,ALT 20U/L,TSH 1.2μU/mL(基準0.2〜4.0),FT4 1.1ng/dL(基準0.8〜2.2),FSH 38mIU/mL(閉経後の基準30以上).心電図で異常を認めない. この病態の原因となっているのはどれか. a 肝臓 b 卵巣 c 下垂体 d 冠動脈 e 甲状腺
b
4
チアノーゼを生じないのはどれか. a Fallot四徴症 b 大動脈二尖弁 c 完全大血管転位症 d 総肺静脈還流異常症 e Eisenmenger症候群
b
5
溶連菌感染症との鑑別で伝染性単核球症を最も強く示唆するのはどれか. a 頭痛 b 発熱 c 咽頭発赤 d 乾性咳嗽 e 後頸部リンパ節腫脹
e
6
ヘルパンギーナは①のみに小水疱が発生し、②が原因ウイルスであることがほとんどで、予後は良好である。
①口腔粘膜 ②コクサッキーウイルスA群
7
50歳の男性.右下腹部痛を主訴に転院してきた.船上勤務中,7日前に右下腹部痛と発熱をきたし寄港先の病院を受診した.急性虫垂炎と診断され入院となった.絶食下で末梢静脈からの輸液と抗菌薬の点滴治療を受け,入院3日目には解熱し下腹部痛は軽減した.自宅近くでの治療を希望し当院を紹介され転院となった.意識は清明.身長173cm,体重70kg.体温36.2℃.腹部は平坦,軟で,圧痛を認めない.腸雑音は正常である.血液所見:赤血球486万,Hb 14.8g/dL,Ht 43%,白血球 6,400,血小板21万.血液生化学所見:総蛋白6.4g/dL,アルブミン3.2g/dL,総ビリルビン0.7mg/dL,AST 14U/L,ALT 14U/L,尿素窒素19mg/dL,クレアチニン0.8mg/dL.CRP 0.8mg/dL.転院後,排ガスと排便を認めた. 次に行うべきなのはどれか. a 経口食開始 b 虫垂切除術 c 右半結腸切除術 d 膿瘍ドレナージ e 外科的腸閉塞解除術
a
8
70歳の女性.発熱と頸部のしこりを主訴に来院した.8年前に関節リウマチと診断されプレドニゾロン,メトトレキサート及びNSAIDによる治療を継続している.1週前から誘因なく発熱が持続するため受診した.身長155cm,体重43kg.体温38.4℃.脈拍104/分,整.血圧120/80mmHg.呼吸数20/分.口蓋扁桃の腫大を認めない.両頸部と両腋窩に径2cmの圧痛を伴わないリンパ節を1個ずつ触知する.心音と呼吸音とに異常を認めない.腹部は平坦,軟で,肝・脾を触知しない.関節に腫脹と圧痛とを認めない.血液所見:赤血球315万,Hb 10.2g/dL,Ht 32%,白血球2,800(桿状核好中球36%,分葉核好中球44%,好酸球2%,好塩基球1%,単球8%,リンパ球9%),血小板12万.血液生化学所見:総蛋白6.6g/dL,アルブミン3.3g/dL,AST 35U/L,ALT 23U/L,LD 780U/L(基準120〜245).免疫血清学所見:CRP 2.2mg/dL,抗核抗体陰性,可溶性IL-2受容体952U/mL(基準157〜474),結核菌特異的全血インターフェロンγ遊離測定法〈IGRA〉陰性.造影CTで縦隔・腸間膜に多発性のリンパ節腫大を認める. まず行うべき対応はどれか. a NSAIDの中止 b JAK阻害薬の追加 c 抗TNF-α抗体の追加 d プレドニゾロンの中止 e メトトレキサートの中止
e
9
80歳の女性.右上腹部痛,体重減少および皮膚の黄染を主訴に来院した.1年前から食後に軽度の悪心を自覚していた.3ヵ月前から食後に右上腹部痛が出現するため好物の天ぷらを食べたくなくなったという.1ヵ月前から体重が減少し,家族に皮膚の黄染を指摘され受診した.身長145cm,体重38kg.体温36.7℃.脈拍92/分,整.血圧114/70mmHg.呼吸数14/分.眼瞼結膜は軽度貧血様で,眼球結膜に黄染を認める.心音と呼吸音とに異常を認めない.腹部は平坦で,心窩部から右季肋部にかけて圧痛を認め,同部に呼吸に応じて移動する径3cmの腫瘤を触知する.尿所見:蛋白(-),糖(-),ウロビリノゲン(-),潜血(-),ビリルビン1+.便潜血反応陰性.血液所見:赤血球354万,Hb 10.9g/dL,Ht34%,白血球6,700,血小板14万.血液生化学所見:総蛋白5.8g/dL,アルブミン3.1g/dL,総ビリルビン4.8mg/dL,AST 76U/L,ALT 65U/L,LD 759U/L(基準120〜245),γ-GT 145U/L(基準8〜50),アミラーゼ134U/L(基準37〜160),尿素窒素19mg/dL,クレアチニン0.7mg/dL,血糖118mg/dL,Na 138mEq/L,K 4.0mEq/L,Cl 100mEq/L,CEA 6.7ng/mL(基準5以下),CA19-9 89U/mL(基準37以下).CRP 0.4mg/dL.胸部および腹部X線写真で異常を認めない.腹部超音波検査で両側肝内胆管の拡張と肝門部での途絶を認めた. 次に行うべき検査として適切なのはどれか. a 腹部造影CT b 超音波内視鏡検査 c 下部消化管内視鏡検査 d 上部消化管内視鏡検査 e 内視鏡的逆行性胆管膵管造影〈ERCP〉
a
10
64歳の男性.右下肢のしびれと体重減少を主訴に来院した.1ヵ月前から右下肢のしびれと食欲低下が続き,体重が3kg減少したため受診した.半年前の健康診断で初めて高血糖を指摘されたが,腎障害は指摘されていなかった.身長170cm,体重58kg.体温37.0℃.脈拍92/分,整.血圧148/86mmHg.呼吸数16/分.心音と呼吸音とに異常を認めない.下腿に浮腫と紫斑とを認めない.尿所見:蛋白3+,糖(-),潜血2+,沈渣は赤血球30〜49/HPF,顆粒円柱1〜4/HPF.血液所見:赤血球311万,Hb 9.5g/dL,Ht 29%,白血球9,500(分葉核好中球63%,好酸球4%,好塩基球1%,単球7%,リンパ球25%),血小板24万.血液生化学所見:総蛋白6.8g/dL,アルブミン3.0g/dL,尿素窒素69mg/dL,クレアチニン4.3mg/dL,血糖122mg/dL,HbA1c 6.3%(基準4.6〜6.2),総コレステロール266mg/dL,トリグリセリド160mg/dL,Na 140mEq/L,K 6.0mEq/L,Cl 110mEq/L,Ca 8.6mg/dL,P 5.0mg/dL.免疫血清学所見:CRP 3.5mg/dL,CH50 54U/mL(基準30〜40).腎生検のPAS染色標本を次に示す. 最も考えられるのはどれか. a 糖尿病腎症 b 悪性腎硬化症 c 顕微鏡的多発血管炎 d 感染後急性糸球体腎炎 e コレステロール塞栓症
c
11
67歳の男性.左眼痛と視力低下を主訴に来院した.7日前に植木のせん定をしていた時に,木の枝が左眼に当たったという.翌日から左眼痛と視力低下を自覚し,次第に症状が悪化した.左眼の前眼部写真を次に示す.左眼の視力は眼前手動弁.眼圧は右16mmHg,左18mmHg. 最初に病変を生じた部位はどれか.
b角膜
12
42歳の男性.喘鳴を主訴に来院した.幼児期に気管支喘息を発症したが,12歳以降は喘息発作もなく過ごしていた.半年前から再び発作が生じるようになったため受診した.アレルギー性鼻炎の既往はない.吸入副腎皮質ステロイド薬,吸入長時間作用性β2刺激薬,吸入長時間作用性抗コリン薬,ロイコトリエン受容体拮抗薬,テオフィリン徐放薬で治療したところ最近症状が落ち着き,減薬を考慮している.血液所見:赤血球430万,Hb 14.5g/dL,白血球7,800(分葉核好中球63%,好酸球10%,好塩基球1%,単球5%,リンパ球21%),血小板25万.特異的IgE抗体は全て陰性. 治療方針として,中止すべきでないのはどれか. a テオフィリン徐放薬 b 吸入副腎皮質ステロイド薬 c 吸入長時間作用性β2刺激薬 d 吸入長時間作用性抗コリン薬 e ロイコトリエン受容体拮抗薬
b
13
日齢0の新生児.Basedow病に罹患している母親から出生した.母親は抗甲状腺薬を服用しており,抗甲状腺抗体は陽性である. 新生児期に最も留意すべきなのはどれか. a 血圧 b 尿量 c 呼吸数 d 心拍数 e 動脈血酸素飽和度
d
14
60歳の男性.右耳下部腫瘤を主訴に来院した.1ヵ月前,洗顔時に気付いたが痛みはなくそのままにしていたという.右耳下腺後下部に軟らかい腫瘤を触れる.穿刺吸引細胞診で囊胞性背景に胞体が好酸性の上皮細胞集塊を認める.頸部MRIを次に示す.99mTcO4−唾液腺シンチグラフィで病変部に集積を認める. 診断はどれか. a 耳下腺癌 b 頸部血管腫 c Warthin腫瘍 d IgG4関連疾患 e 耳下腺多形腺腫
c
15
78歳の女性.顔面の皮疹を主訴に来院した.4年前から右内眼角部に皮疹が出現し,徐々に増大したため受診した.受診時に右内眼角部に鱗屑を伴う不整形の紅斑を認める.紅斑の中央部から皮膚生検を行った.顔面の写真(A)及び生検病理組織像(B)を次に示す. 異型角化細胞の増殖がみられるのはどれか. a 角質層 b 透明層 c 顆粒層 d 有棘層 e 基底層
e
16
A 65-year-old woman was diagnosed with stage ⅠB right lung cancer. She underwent right lower lobectomy with lymph node dissection for the cancer. She developed a milky white pleural effusion of 860mL, which was drained after starting meals on the first postoperative day. Which pleural effusion test should be performed for a definitive diagnosis? a Protein b Bacteria c Triglyceride d Malignant cells e White blood cells
c
17
60歳の女性.右乳房のしこりを主訴に来院した.胸部の触診で右乳房に径3cmの腫瘤を触知する.両側のマンモグラムを次に示す. まず行う検査として適切なのはどれか.
e
18
73歳の女性.腰痛を主訴に来院した.1年前から腰痛があり,3ヵ月前から次第に増強したため受診した.顔面は蒼白で眼瞼結膜は貧血様であり,眼球結膜に黄染を認めない.腹部は平坦,軟で,肝・脾を触知しない.表在リンパ節は触知しない.尿所見:蛋白1+.血液所見:赤血球300万,Hb 8.1g/dL,白血球4,400,血小板22万.血液生化学所見:総蛋白10.1g/dL,アルブミン2.9g/dL,IgG 5,475mg/dL(基準960〜1,960),IgA 36mg/dL(基準110〜410),IgM 22mg/dL(基準65〜350).総ビリルビン1.4mg/dL,AST 52U/L,ALT 45U/L,尿素窒素30mg/dL,クレアチニン1.5mg/dL,血糖124mg/dL,Na 140mEq/L,K 4.1mEq/L,Cl 108mEq/L,Ca 8.8mg/dL. 診断確定のために必要な検査はどれか.2つ選べ. a 骨髄穿刺 b Ham試験 c 腹部造影CT d 蛋白漏出試験 e 血清蛋白免疫電気泳動
ae
19
79歳の男性.発熱,咳嗽および呼吸困難を主訴に来院した.3日前からの食思不振,発熱,咳嗽および喀痰が出現したため受診した.昨夜は呼吸困難も加わり眠ることができなかったという.意識は清明.体温38.5℃.脈拍108/分,整.血圧96/54mmHg.呼吸数32/分.SpO2 91%(room air).左下側胸部にcoarse cracklesを聴取し,胸部X線写真で左下肺野に浸潤影を認める.酸素投与と生理食塩液の静脈内投与を開始した. 治療方針の決定のためまず行う検査はどれか.2つ選べ. a 血液培養 b 喀痰Gram染色 c 喀痰Grocott染色 d 血中アスペルギルス抗原 e 血中サイトメガロウイルス抗原
ab
20
80歳の女性.今朝,自室で倒れているのを家人に発見され,救急車で搬入された.1週前から38℃の発熱,鼻汁および咽頭痛を訴えていたが,食事も摂れていたので医療機関は受診せずに様子をみていた.昨日の夕食も通常通りに摂取して就寝したが,朝食時に起きてこないので家人が様子を見に行ったところ自室で倒れていたという.30年前から2型糖尿病に対して経口糖尿病薬を内服している.意識レベルはJCSⅢ-100.身長152cm,体重42kg.体温37.8℃.心拍数104/分,整.血圧88/46mmHg.呼吸数18/分.左上下肢の不全麻痺と右下肢のけいれんを認める.皮膚,口腔粘膜は著明な乾燥を認める.尿所見:蛋白(±),糖4+,ケトン体(-).血液生化学所見:尿素窒素60mg/dL,クレアチニン2.4mg/dL,血糖1,160mg/dL,HbA1c 6.6%(基準4.6〜6.2),Na 156mEq/L,K 4.0mEq/L,Cl 116mEq/L. 直ちに静注すべきなのはどれか.2つ選べ. a インスリン b 血栓溶解薬 c 生理食塩液 d 抗けいれん薬 e 7%重炭酸ナトリウム
ac
21
83歳の男性.作業中に3mの高さから転落し,背部痛と呼吸困難のため救急車で搬入された.胸腔ドレナージ後の胸部造影CT(A〜C)を次に示す.画像所見として認められるのはどれか.3つ選べ. a 気胸 b 肺挫傷 c 気管断裂 d 縦隔気腫 e 肋骨骨折
abe
22
5歳の男児.発熱と血便を主訴に祖父に連れられて来院した.2日前から発熱と頻回の下痢が出現し,本日,便に血が混じっていたため受診した.3日前に家族とのバーベキューで,牛肉,豚肉,鶏肉を食べたという.意識は清明.身長110cm,体重18kg.体温39.2℃.脈拍132/分,整.血圧100/66mmHg.呼吸数24/分.SpO2 98%(room air).心音と呼吸音とに異常を認めない.腹部は平坦,軟で,肝・脾を触知しない.腹部全体に軽度の自発痛と圧痛とを認める. 想定される原因微生物はどれか.3つ選べ. a Escherichia coli b Helicobacter pylori c Campylobacter jejuni d Pseudomonas aeruginosa e Salmonella spp.〈サルモネラ属菌〉
ace
23
酸素投与(FIO2 0.28)下での動脈血ガス分析結果を示す.pH 7.38,PaCO2 36Torr,PaO2 58Torr,HCO3− 21.2mEq/L. 肺胞気-動脈血酸素分圧較差〈A-aDO2〉を求めよ.なお,大気圧760Torr,37℃での飽和水蒸気圧47Torr,呼吸商0.8とする. ただし,小数点以下の数値が得られた場合には,小数第1位を四捨五入すること. 解答:□□Torr (解答欄には数値を半角で入力)
97
24
地域保健について正しいのはどれか. a 予防接種の実施主体は教育委員会である. b 地方衛生研究所は主に対人サービスを行う. c 地域包括支援センターの設置主体は都道府県である. d 医療安全支援センターの業務は医療法に規定されている. e 地域保健センターには必ず医師を置かなければならない.
d
25
ランダム化比較試験〈RCT〉について正しいのはどれか. a 二重盲検は必須である. b プラセボは現在では使用が禁止されている. c ランダム割付は症例数を少なくするために行われる. d 症例数の設定のためには治療効果の推定が必要である. e Intention to treat〈ITT〉による解析は実際に行った治療に基づいて行われる.
d
26
ノーベル生理学・医学賞を受賞した日本人研究者とその研究者が貢献した研究内容の組合せで誤っているのはどれか. a 大隅 良典 - オートファジーの仕組みの解明 b 大村 智 - マラリアに対する新たな治療法の発見 c 利根川 進 - 抗体の多様性に関する遺伝的原理の発見 d 本庶 佑 - 免疫チェックポイント分子の発見 e 山中 伸弥 - 成熟した細胞のリプログラミングによる多能性の獲得
b
27
等張液でないのはどれか a 生理食塩液 b 5%ブドウ糖液 c 酢酸リンゲル液 d 乳酸リンゲル液 e 25%アルブミン液
e
28
糖尿病腎症による腎機能予後を観察研究で調査することにした. アウトカムとして臨床的に最も重要なのはどれか. a HbA1c b 腎不全 c 蛋白尿 d 下腿浮腫 e 病理所見
b
29
70歳台の女性が初めての失神を主訴に救急外来を受診した. 血糖測定とともにまず行うべき検査はどれか. a 脳波検査 b 頸椎MRI c 心電図検査 d 頸動脈エコー検査 e 胸部X線撮影
c
30
42歳の女性.発熱および悪寒戦慄が出現し,ぐったりしていたため家人に連れられて来院した.昨日の夕方に悪寒戦慄を伴う発熱が出現したため受診した.咽頭痛,咳,痰および鼻汁はない.悪心,嘔吐,腹痛および下痢はなく,頻尿や排尿時痛もない.周囲に同様の症状の人はいない.小児期からアトピー性皮膚炎があり,数日前から皮膚の状態が悪化し全身に瘙痒感があり搔破しているという.意識レベルはJCSⅠ-2.体温39.2℃.脈拍112/分,整.血圧86/58mmHg.呼吸数28/分.心音と呼吸音とに異常を認めない.口腔内と咽頭とに異常を認めない.両側背部の叩打痛はない.顔面,体幹部,両側上肢および両側膝の背面部で紅斑,色素沈着,鱗屑および落屑を認める.また,同部に多数の搔破痕および一部痂皮を認める. 最も適切な検査はどれか. a 尿培養 b 血液培養 c 喀痰Gram染色 d 麻疹抗体価測定 e インフルエンザ迅速検査
b
31
日齢0の新生児.在胎39週5日,経腟分娩で出生した.啼泣が弱く,保温および口腔内の羊水の吸引と皮膚への刺激を行った.出生後30秒の時点で自発呼吸を認めず,心拍数110/分であった. まず行うべき対応はどれか. a 気管挿管 b 胸骨圧迫 c 生理食塩液の静脈内投与 d アドレナリンの静脈内投与 e バッグバルブマスクによる人工呼吸
e
32
23歳の女性.発熱と頭痛を主訴に来院した.昨日から38℃の発熱,頭痛および頻回の嘔吐があり受診した.鼻汁,咽頭痛,咳嗽および排尿時痛はいずれも認めない.意識は清明.身長155cm,体重48kg.体温39.6℃.脈拍104/分,整.血圧108/50mmHg.呼吸数22/分.SpO2 99%(room air).頸部リンパ節腫脹を認めない.心音と呼吸音とに異常を認めない.腹部は平坦,軟で,肝・脾を触知しない.背部に叩打痛を認めない.項部硬直とKernig徴候を認めないがjolt accentuationを認める.尿所見:蛋白(-),糖(-),ケトン体(-),潜血(-),白血球(-).血液所見:赤血球440万,Hb 13.0g/dL,Ht 44%,白血球3,600(桿状核好中球9%,分葉核好中球55%,好酸球3%,好塩基球2%,単球4%,リンパ球27%),血小板14万.血液生化学所見:尿素窒素26mg/dL,クレアチニン1.1mg/dL,Na 135mEq/L,K 4.1mEq/L,Cl 93mEq/L.CRP 0.3mg/dL.血液培養の検体を採取し,抗菌薬治療を開始した. 次に行うべきなのはどれか. a 尿培養 b 便培養 c 咽頭培養 d 喀痰培養 e 腰椎穿刺
e
33
71歳の男性.血痰を主訴に来院した.2ヵ月前から微熱があり,2週前から断続的に血痰の排出が続いている.かかりつけ医で糖尿病の内服加療中であるが,コントロールは良くないと言われているという.呼吸音は両側胸部にcoarse cracklesを聴取する.胸部X線写真(A)及び胸部造影CT(B,C)を次に示す. 次に行うべき検査はどれか. a FDG-PET b スパイロメトリ c 喀痰抗酸菌検査 d 尿中肺炎球菌抗原検査 e 血漿EGFR遺伝子検査
c
34
28歳の男性.一過性の意識消失のため救急車で搬入された.会社で椅子に座っていたところ,突然目の前が真っ暗になり意識を失った.目撃者によるとけいれんはなく,1分ほどで意識が元に戻ったという.心配した会社の同僚が救急車を要請した.家族歴は父親が54歳で突然死している.意識は清明.心拍数64/分,整.血圧120/70mmHg.呼吸数16/分.心音と呼吸音とに異常を認めない.神経診察で異常を認めない.心電図を次に示す. 意識消失の原因として考えられるのはどれか. a 状況失神 b てんかん c 心室性不整脈 d 上室性不整脈 e 迷走神経反射
c
35
71歳の男性.6ヵ月前からの排尿困難と夜間頻尿を主訴に来院した.既往歴および家族歴に特記すべきことはない.身長162cm,体重60kg.体温36.4℃.脈拍72/分,整.血圧154/82mmHg.呼吸数14/分.腹部は平坦,軟で,肝・脾を触知しない.直腸指診で横径40mm程度の前立腺を触知するが硬結を認めない.尿所見:蛋白(-),糖(-),沈渣に赤血球と白血球とを認めない.血清PSA 2.5ng/mL(基準4.0以下).国際前立腺症状スコア28点(軽症0〜7点,中等症8〜19点,重症20〜35点).腹部超音波検査で推定前立腺体積60mL.尿流測定で排尿量120mL,最大尿流率2.5mL/秒,残尿量240mL. 治療薬として適切でないのはどれか. a α1遮断薬 b 抗コリン薬 c 抗男性ホルモン薬 d 5α還元酵素阻害薬 e PDE5〈phosphodiesterase 5〉阻害薬
b
36
65歳の男性.吐血のため救急車で搬入された.10年前からアルコール性肝障害を指摘されていたが通院していなかった.本日,夕食後に吐血をしたため,家族が救急車を要請した.意識レベルはJCSⅡ-10.身長168cm,体重74kg.体温36.8℃.心拍数112/分,整.血圧88/68mmHg.呼吸数22/分.SpO2 95%(鼻カニューラ3L/分酸素投与下).皮膚は湿潤している.眼瞼結膜は貧血様で,眼球結膜に軽度の黄染を認める.心音と呼吸音とに異常を認めない.腹部はやや膨隆し波動を認める.四肢に冷汗を認める.まず行うべきなのはどれか. a 輸液 b 胃管留置 c 腹腔穿刺 d AED装着 e 尿道カテーテル留置
a
37
20歳の男性.医学部在籍中の2年次学生である.1週間の病院実習に初めての参加を予定しており,10ヵ月前(1年次)に受けた抗体検査の結果を持って病院実習担当の医師に相談に来た. 既往歴:感染症の既往はないという.予防接種で発熱などの副反応が出たことはない. 生活歴:喫煙歴と飲酒歴はない. 家族歴:特記すべきことはない. 検査所見:10ヵ月前の抗体検査の報告書を示す. この学生の相談の際に話す内容で適切なのはどれか. a 「BCG接種が必要です」 b 「MRワクチンの再接種が必要です」 c 「帯状疱疹になる可能性が高いです」 d 「B型肝炎ワクチンの接種状況を教えてください」 e 「流行性耳下腺炎患者の診療には参加できません」
d
38
「車を運転していて人をはねてしまったんじゃないかと思うんです.そんなことはないと分かっているんですが,どうしても気になります」という患者の訴えから考えられるのはどれか. a 強迫観念 b 作為体験 c 罪業妄想 d 滅裂思考 e 妄想着想
a
39
四肢の転移性骨腫瘍に対する放射線治療で最も期待される効果はどれか. a 疼痛の緩和 b 病変の根治 c 遠隔転移の抑制 d 病的骨折の予防 e 高カルシウム血症の是正
a
40
周産期死亡とは、妊娠①週以後の②に③の死亡を加えたものである。
①22 ②後期死産 ③早期新生児
41
健常人の腹部造影CTの連続スライス(A〜F)を次に示す. 急激な体重減少などにより腹部大動脈との間隙に十二指腸が挟まれ,食後の嘔吐や腸閉塞の原因となり得る血管はどれか.
③上腸間膜動脈
42
高濃度酸素が誘因となる早産児の合併症はどれか.2つ選べ. a 壊死性腸炎 b 頭蓋内出血 c 慢性肺疾患 d 未熟児貧血 e 未熟児網膜症
ce
43
胎児の超音波断層像(①〜⑤)を次に示す. 胎児推定体重を測定する際に用いるのはどれか.3つ選べ.
①③④
44
インスリンの作用により血中濃度が低下するのはどれか.3つ選べ. a 尿酸 b カリウム c ケトン体 d トリグリセリド e 総コレステロール
bcd
45
75歳の女性.健康診断で心房細動を指摘され来院した.3ヵ月前に受けた健康診断で心拍数96/分の心房細動を指摘され受診した.動悸やふらつきなどの自覚症状はない.既往歴として4年前に高血圧症の指摘があり,現在,食事療法を行っている.家族歴に特記すべきことはない.意識は清明.身長165cm,体重59kg.体温36.2℃.脈拍92/分,不整.血圧132/88mmHg.呼吸数18/分.心音と呼吸音とに異常を認めない.腹部は平坦,軟で,肝・脾を触知しない.神経診察にて異常を認めない.心電図では心拍数102/分の心房細動を認めた.心エコー検査では左室駆出率は55%であった. まず行う対応として正しいのはどれか. a 抗凝固薬の投与 b t-PAの点滴静注 c ペースメーカー留置 d カルディオバージョン e カテーテルアブレーション
a
46
38歳の女性.発熱と鼻汁を主訴に来院した.3年前に多発関節痛を主訴に総合病院を受診したところ関節リウマチと診断され,メトトレキサートによる治療が開始された.半年前から関節痛が増悪したため,抗TNF-α抗体の自己注射が開始され,症状の改善を認めた.昨夜から鼻汁が出現し,今朝から38℃台の発熱が出現したため受診した.本日,抗TNF-α抗体を自己注射する予定だったという.体温38.8℃.脈拍90/分,整.血圧148/88mmHg.呼吸数16/分.SpO2 98%(room air).心音と呼吸音とに異常を認めない.関節の腫脹や圧痛は認めない.尿所見:蛋白(-),潜血(-),沈渣は赤血球1〜4/HPF,白血球1以下/HPF. この時点での対応として最も適切なのはどれか. a 抗菌薬を投与する. b ステロイドパルス療法を行う. c 他の抗リウマチ薬を追加する. d メトトレキサートを増量する. e 本日の抗TNF-α抗体の自己注射をしないよう指導する.
e
47
2ヵ月の乳児.喘鳴を主訴に母親に連れられて来院した.在胎39週3日,体重2,750gで出生した.出生直後から啼泣時に軽度の喘鳴を認めていたが,その後,安静時にも喘鳴を認めるようになった.2日前から哺乳時に喘鳴が増強し哺乳量が低下したという.体重4,560g.体温36.6℃.心拍数110/分,整.呼吸数36/分.SpO2 98%(room air).胸骨上窩に陥没呼吸を認め,吸気時に喘鳴を認める.RSウイルス抗原迅速検査は陰性であった.胸部X線写真で異常を認めない. 可能性が高い疾患はどれか. a 心不全 b 乳児喘息 c 喉頭軟化症 d 急性細気管支炎 e クループ症候群
c
48
ある地域における住民の肺癌罹患数は1年間に800名であり,この地域の住民の喫煙率は20%である.喫煙による肺癌罹患の相対危険度は4倍である. この地域の住民において能動喫煙により増加したと考えられる肺癌の罹患数はどれか. a 200 b 240 c 300 d 400 e 450
c
49
日齢2の新生児.黄疸のため救急車で搬入された.在胎40週3日,出生体重3,126g,Apgarスコア7点(1分),9点(5分)であった.生後6時間から完全母乳栄養を開始した.生後24時間から黄疸を認めたため1面で光線療法を開始したが生後48時間でのビリルビン値が30mg/dLのため救急車を要請し,NICUに入院となった.傾眠傾向である.体温37.3℃.心拍数140/分,整.呼吸数40/分.大泉門は陥没し,心音と呼吸音とに異常を認めない.腹部は平坦,軟で,肝・脾を触知しない.吸啜反射,Moro反射は減弱し,四肢の筋緊張はやや低下している.血液所見:赤血球380万,Hb 12.0g/dL,Ht 30%,網赤血球5%,血小板40万.血液生化学所見:総蛋白7.0g/dL,アルブミン3.5g/dL,総ビリルビン29.5mg/dL,直接ビリルビン1.5mg/dL,AST 12U/L,ALT 15U/L,LD 990U/L(基準値311〜737).母親の血液型はO型RhD(+),児A型RhD(+). 適切な対応はどれか. a 血漿交換 b 交換輸血 c アルブミン投与 d 多面照射光線療法 e ガンマグロブリン投与
b
50
日齢3の新生児.在胎39週,出生体重2,950gで出生した.瞼裂斜上,内眼角贅皮,鼻根部平坦および巨舌を認める.心音と呼吸音とに異常を認めない.筋緊張が低下している.心エコー検査で異常を認めない. この児の長期管理上,注意すべきなのはどれか. a 大動脈解離 b 潰瘍性大腸炎 c 環軸椎亜脱臼 d 神経芽細胞腫 e 副甲状腺機能亢進症
c
51
17歳の女子.体重減少を主訴に来院した.2年前から摂食量を意識的に減らすようになり,学校における定期健康診断でやせを指摘された.医療機関への受診を指導されたが受診しなかったという.その後も体重がさらに減少しており,心配した母親に付き添われて受診した.身長150cm,体重27kg.体温36.1℃.脈拍52/分,整.血圧90/50mmHg.前腕や背部に産毛の増生を認める.下腿に軽度の圧痕浮腫を認める. この患者で認められる可能性が高いのはどれか. a GHが高値である. b 月経周期は正常である. c LH/FSH比が高値である. d コルチゾールが低値である. e 遊離トリヨードサイロニン〈FT3〉が高値である.
a
52
・梅毒にかかったことあるかを示すのは① ・いま梅毒にかかってるかどうかを示すのは②
①TPHA ②RPR
53
62歳の男性.吐血のため救急車で搬入された.今朝,突然の吐血があり,家族が救急車を要請した.意識レベルはJCSⅠ-2.体温36.5℃.心拍数98/分,整.血圧110/78mmHg.呼吸数20/分.SpO2 96%(鼻カニューラ3L/分酸素投与下).眼瞼結膜は軽度貧血様で眼球結膜に黄染を認める.腹部は膨満し波動を認める.下腿に浮腫を認める.直腸診で黒色便の付着を認める.血液所見:赤血球328万,Hb 9.5g/dL,Ht 32%,白血球4,800,血小板4万,PT-INR 1.6(基準0.9〜1.1).血液生化学所見:総蛋白5.6g/dL,アルブミン2.8g/dL,総ビリルビン3.1mg/dL,直接ビリルビン2.2mg/dL,AST 56U/L,ALT 38U/L,LD 234U/L(基準120〜245),ALP 302U/L(基準115〜359),クレアチニン1.0mg/dL,アンモニア135μg/dL(基準18〜48),Na 131mEq/L,K 3.5mEq/L,Cl 99mEq/L.CRP 1.1mg/dL.上部消化管内視鏡像を次に示す. 治療として適切なのはどれか.2つ選べ. a 結紮術 b 硬化療法 c ステント留置 d 内視鏡的粘膜下層剝離術 e Sengstaken-Blakemoreチューブ留置
ab
54
HIV発症している患者に肺炎が起こったら①を疑い、②染色で検査する。また、①は聴診で③を聴取する。
①ニューモシスチス肺炎 ②Grocotto ③fine crackles
55
ピロリ除菌判定を行うのに適切なのはどれか.2つ選べ. a 培養法 b 尿素呼気試験 c 迅速ウレアーゼ試験 d 血中Helicobacter pylori抗体測定 e 便中Helicobacter pylori抗原測定
be
56
ピロリ菌感染胃癌の組織像はどれか
④
57
70歳の女性.発熱および左殿部痛のため救急車で搬入された. 現病歴:1ヵ月前から左殿部に圧痛を伴う発赤が出現した.また,しばしば腟から排膿することがあった.10日前から発熱が出現し,以後は食事摂取量が少なかったという.左殿部の痛みにより歩行も困難になったため救急車を要請した. 既往歴:10年前に人工物による子宮脱の手術を受けた. 生活歴:専業主婦. 家族歴:父が糖尿病,高血圧症. 現症:意識レベルはJCSⅠ-2.身長145cm,体重46.6kg.体温39.0℃.心拍数92/分,整.血圧108/76mmHg.呼吸数24/分.SpO2 98%(マスク5L/分酸素投与下).心音と呼吸音とに異常を認めない.腹部は平坦,軟で,肝・脾を触知しない.左殿部(A)を次に示す.同部に強い圧痛を認める.内診で腟後壁に瘻孔と排膿が観察され,膿は悪臭である.直腸指診では異常を認めない. 検査所見:血液所見:赤血球403万,Hb 12.2g/dL,Ht 35%,白血球1,800,血小板3万,PT-INR 1.3(基準0.9〜1.1),血清FDP 26μg/mL(基準10以下).血液生化学所見:総蛋白4.6g/dL,アルブミン1.7g/dL,総ビリルビン2.4mg/dL,AST 48U/L,ALT 47U/L,LD 216U/L(基準120〜245),γ-GT 40U/L(基準8〜50),アミラーゼ17U/L(基準37〜160),CK 72U/L(基準30〜140),尿素窒素32mg/dL,クレアチニン2.1mg/dL,血糖215mg/dL,HbA1c 9.0%(基準4.6〜6.2),Na 132mEq/L,K 3.8mEq/L,Cl 105mEq/L.CRP 19mg/dL. 殿部CTの水平断像(B)を次に示す. 病原微生物として可能性が高いのはどれか.2つ選べ. a Candida albicans b Chlamydia trachomatis c Clostridioides difficile d Escherichia coli e Peptostreptococcus anaerobius この患者において重症度判定に有用でないのはどれか. a ALT b 白血球数 c 血小板数 d 総ビリルビン e クレアチニン
de、a
58
6歳の男児.Hirschsprung病のため在宅静脈栄養により管理されている.体重18kg.中心静脈栄養は1,500mL/日でその組成の15%がブドウ糖,2%がアミノ酸である.さらに1.1kcal/mLの脂肪乳剤100mLを加えることにした. 静脈栄養法により投与される1日の総エネルギー量を求めよ.なお,ブドウ糖は4kcal/g,アミノ酸は4kcal/gとする. ただし,小数点以下の数値が得られた場合には,小数第1位を四捨五入すること. 解答:1,□□□ kcal (解答欄には数値を半角で入力)
130
59
EGFR遺伝子変異陽性,遠隔転移を有する進行肺腺癌に対する初回治療で,分子標的薬(チロシンキナーゼ阻害薬)の副作用として頻度が高いのはどれか. a 貧血 b 皮膚障害 c 1型糖尿病 d 好中球減少 e 血小板減少
b
60
妊娠10週の尋常性乾癬患者に対する治療法で最も適切なのはどれか. a 内服PUVA療法 b 生物学的製剤注射 c ビタミンA誘導体内服 d 活性型ビタミンD3外用 e 副腎皮質ステロイド外用
e
61
膵管内乳頭粘液性腫瘍〈IPMN〉でみられないのはどれか. a Vater乳頭口の開大 b 膵管内の乳頭状増生 c 主膵管のびまん性狭窄 d 膵管分枝のブドウの房状拡張 e 主膵管内のイクラ状隆起性病変
c
62
褐色細胞腫摘出後早期に注意すべきなのはどれか.2つ選べ. a 頻脈 b 頭痛 c 低血圧 d 低血糖 e 発汗過多
cd
63
尿へのナトリウム排泄低下を伴う低ナトリウム血症をきたすのはどれか.2つ選べ. a 肝硬変 b 心不全 c SIADH d Addison病 e サイアザイド系利尿薬
ab
64
29歳の女性.頭痛を主訴に来院した.2年前に手指の腫脹,皮膚硬化を自覚し,自宅近くの医療機関で精査を受けた結果,全身性強皮症と診断された.プレドニゾロン20mg/日を開始され,手指の腫脹と硬化は軽快した.プレドニゾロンは漸減され,5mg/日で維持されていたが,3ヵ月前に皮膚硬化の増悪を認めたため,10mg/日に増量されていた.昨日から頭痛を自覚したため受診した.体温36.7℃.脈拍72/分,整.血圧172/108mmHg.心音と呼吸音とに異常を認めない.腹部は平坦,軟で,肝・脾を触知しない.圧痛を認めない.両手指,前腕部および前胸部に皮膚硬化を認める.下腿に浮腫を認めない. 血液所見:赤血球343万,Hb 10.5g/dL,Ht 32%,白血球11,200(桿状核好中球32%,分葉核好中球45%,好酸球1%,好塩基球0%,単球5%,リンパ球17%),血小板43万.血液生化学所見:尿素窒素45mg/dL,クレアチニン1.5mg/dL,Na 140mEq/L,K 4.2mEq/L,Cl 108mEq/L.抗RNAポリメラーゼⅢ抗体陽性. まず行うべきなのはどれか. a 緊急透析 b 皮膚生検 c α遮断薬投与 d ステロイドパルス療法 e アンジオテンシン変換酵素〈ACE〉阻害薬投与
e
65
69歳の女性.1ヵ月前から徐々に右眼の視力低下を自覚したため来院した.視力は右0.2(0.4×-0.5D),左0.6(1.2×-0.75D).眼圧は右13mmHg,左14mmHg.右眼の眼底写真(A)及び光干渉断層計〈OCT〉像(B)を次に示す. 予想される自覚症状はどれか. a 羞明 b 夜盲 c 変視 d 色覚異常 e 耳側視野欠損
c
66
50歳の男性.地震によって倒壊した家屋に半日間下敷きになっているところを救出され,救急車で搬入された.左下肢に広範な挫滅とうっ血を認める.意識は清明.心拍数100/分,整.血圧102/50mmHg.血液検査結果は現時点で不明である.直ちに行うべき治療として最も適切なのはどれか. a 生理食塩液の輸液 b 赤血球液-LRの輸血 c 新鮮凍結血漿の輸血 d 0.45%食塩液の輸液 e 5%ブドウ糖液の輸液
a
67
32歳の女性.めまいを主訴に来院した.今朝,耳掃除をしていたところ,子どもに後ろから抱きつかれ,右耳に耳かき棒が入った.聴力低下とぐるぐる回るめまいを自覚し,症状の改善がないため受診した.右耳鳴も持続している.右鼓膜に小さな穿孔を認め,聴力検査で右耳に軽度の聴力低下を認める.気導骨導差10dB.側頭骨CTで明らかな異常を認めない. 数日以内に出現した場合,緊急手術が必要となるのはどれか. a 耳漏の出現 b めまいの増悪 c 味覚障害の出現 d 鼓膜穿孔の拡大 e 気導骨導差の縮小
b
68
60歳の男性.血尿を主訴に来院した.3ヵ月前から時々血尿を自覚していたが,自然に消失していたため医療機関を受診していなかった.2日前から血尿が持続するため受診した.喫煙は20本/日を40年間.飲酒は日本酒を1合/日.身長165cm,体重62kg.血圧128/78mmHg.尿所見は沈渣で赤血球多数/HPF,白血球5〜10/HPF.膀胱鏡像を次に示す. 適切な治療はどれか. a 分子標的薬 b 放射線照射 c 膀胱全摘術 d 膀胱部分切除術 e 経尿道的膀胱腫瘍切除術
e
69
3歳の男児.生後1ヵ月ころに心雑音を指摘され,心エコー検査で診断,経過観察されていた.シャント疾患の精査のために施行された心臓カテーテル検査の心腔内酸素飽和度を以下に示す. 上大静脈:82.5%,下大静脈:87.8%. 右心房:92.9%,右心室:91.3%,肺動脈:92.8%. 左心房:98.9%,左心室:98.5%,大動脈:98.4%. 最も考えられるのはどれか. a 心室中隔欠損症 b 心房中隔欠損症 c 動脈管開存症 d 大動脈縮窄症 e Ebstein奇形
b
70
73歳の男性.健診で胸部X線写真の異常陰影を指摘されて受診した.65歳から高血圧症で内服治療中.喫煙歴は20本/日を50年間.気管支内視鏡下擦過細胞診で腺癌と診断された.FDG-PETでは腫瘤に一致して集積を認める.他の部位には異常集積を認めない.胸部X線写真(正面)(A)及び胸部CT(B)を次に示す. 治療方針を決定するために行うべき検査はどれか. a 呼吸機能検査 b 腫瘍マーカー c 嚥下機能検査 d 喀痰培養検査 e 腹部超音波検査
a
71
62歳の男性.血尿を主訴に来院した.1週間前に家族から顔が黄色いと言われ,同時期に血尿に気付いた.3日前から尿の赤みが増し,倦怠感もあるため受診した.喫煙歴はない.飲酒は機会飲酒.脈拍84/分,整.血圧132/80mmHg.眼瞼結膜は貧血様であり,眼球結膜に黄染を認める.胸骨右縁第2肋間を最強点とする収縮期駆出性雑音を聴取する.腹部は平坦,軟で,肝・脾を触知しない.尿所見:蛋白(-),糖(-),潜血3+,沈渣でヘモジデリンを認める.血液所見:赤血球176万,Hb 7.0g/dL,Ht 19%,網赤血球7%,白血球7,800(桿状核好中球10%,分葉核好中球70%,好酸球1%,好塩基球1%,単球6%,リンパ球12%),血小板22万,PT-INR 1.3(基準0.9〜1.1),APTT 37.7秒(基準対照32.2),血漿フィブリノゲン377mg/dL(基準200〜400),FDP 26μg/mL(基準10以下),Dダイマー9.7μg/mL(基準1.0以下),アンチトロンビン65%(基準80〜130).血液生化学所見:総蛋白6.5g/dL,アルブミン3.6g/dL,総ビリルビン8.2mg/dL,直接ビリルビン1.1mg/dL,AST 35U/L,ALT 28U/L,LD 1,987U/L(基準176〜353),ALP 234U/L(基準115〜359),尿素窒素29mg/dL,クレアチニン0.9mg/dL,血糖84mg/dL,Na 143mEq/L,K 4.0mEq/L,Cl 104mEq/L. この患者で予想されるのはどれか. a 血管外溶血 b 球状赤血球 c 骨髄の赤芽球減少 d ハプトグロビン上昇 e GPIアンカー蛋白欠損赤血球
e
72
生後11日の新生児女児.2日前から嘔吐を繰り返し哺乳力が低下したため,両親に連れられて来院した.在胎39週,出生体重3,180g,Apgarスコア9点(1分),9点(5分)で出生した.完全母乳栄養であるが,来院の3日前までの哺乳力は良好で,1日2回の黄色顆粒便を排泄していた.出生した産科診療所から新生児マススクリーニングで異常を認めたと本日,家族が連絡を受けた.来院時は活気がなく,泣き声は微弱であった.身長52cm,体重3,230g.体温36.3℃.心拍数160/分,整.血圧60/30mmHg.呼吸数50/分.SpO2 96%(room air).毛細血管再充満時間4秒と延長している.全身の色素沈着と軽度の黄染とを認める.心音と呼吸音とに異常を認めない.腹部は平坦,軟で,右肋骨弓下に肝を1.5cm触知するが,脾は触知しない.腸雑音に異常を認めない.大泉門は径1.5cmでやや陥凹している.陰核の肥大を認める.診断のため血液検査を施行することとなった. 異常高値を呈する可能性の高い検査項目はどれか. a 血糖 b カリウム c 静脈血pH d アンモニア e 直接ビリルビン
b
73
57歳の男性.ふらつきを主訴に来院した.2週間前に発作性心房細動に対し,ジソピラミドの投与を開始された.治療開始後,動悸発作の頻度は減少したが,ふらつきを時々感じたため昨日受診し,Holter心電図を装着した.本日,結果を解析した検査室から異常所見の報告が担当医に入り,担当医は患者に連絡し,受診を促し患者が来院した.意識は清明.脈拍76/分,不整.血圧112/62mmHg.呼吸数16/分.心音と呼吸音とに異常を認めない.神経診察に異常を認めない.Holter心電図を次に示す. 現時点の対応として適切なのはどれか. a アトロピン投与 b ジソピラミドの中止 c カルディオバージョン d カテーテルアブレーション e 恒久的ペースメーカの留置
b
74
62歳の男性.右顔面全体の動きにくさを主訴に来院した.3日前から右耳に痛みがあった.今朝,洗顔時に眼に水が入り,食事中に口から食べ物がこぼれることに気付いたため受診した.右耳介および外耳道内に小水疱を認める.口腔,咽頭には明らかな異常を認めない.発熱はなく,血液所見に異常を認めない. 随伴する可能性が高いのはどれか. a 嗄声 b 嗅覚脱失 c 視力低下 d 伝音難聴 e 平衡障害
e
75
17歳の女子.失神を主訴に受診した.2週間前のジョギング中に気分不快となり,その場にしゃがみこんだ.その後,意識が遠くなり,1分程度意識を消失した.1週間前にもソフトボールの試合中に,2分程度意識を消失した.その翌日,心配になり自宅近くの診療所を受診し,心電図異常を指摘され紹介受診となった.意識は清明.身長147cm,体重48kg.体温36.0℃.脈拍76/分,整.血圧126/64mmHg.呼吸数18/分.眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない.頸動脈に血管雑音を聴取しない.頸静脈の怒張を認めない.心音にⅣ音を聴取する.胸骨右縁第3肋間にⅢ/Ⅵの収縮期駆出性雑音を聴取する.呼吸音に異常を認めない.腹部は平坦,軟で,圧痛を認めない.下腿に浮腫を認めない.両足背動脈を触知する.神経診察に異常を認めない.血液所見:赤血球456万,Hb 14.5g/dL,白血球8,900,血小板17万.心エコー図(A〜C)を次に示す. 患者への説明として適切でないのはどれか. a 「心臓の壁が厚くなっています」 b 「激しい運動は避けてください」 c 「不整脈の有無について検査が必要です」 d 「心臓の周りに多量の水が溜まっています」 e 「血縁者で同じ疾患を発症する場合があります」
d
76
78歳の男性.血痰を主訴に来院した.1ヵ月前から1日数回の血痰が出現したため受診した.発熱や咳嗽は自覚していない.6ヵ月前の健診では特に異常を指摘されていない.喫煙歴は20本/日を58年間.体温36.7℃.脈拍64/分,整.血圧122/78mmHg.呼吸数16/分.SpO2 97%(room air).眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない.心音と呼吸音とに異常を認めない.血液検査および胸部単純CTで異常を認めない.喀痰細胞診のPapanicolaou染色標本を次に示す.次に行うべき検査はどれか.
a
77
母体背景と胎児疾患の組合せで正しいのはどれか.3つ選べ. a 高齢妊娠 - 13trisomy b 風疹感染 - 先天性心疾患 c 妊娠高血圧症候群 - 不整脈 d 全身性エリテマトーデス - 頭蓋内出血 e パルボウイルスB19感染 - 貧血
abe
78
38歳の初妊婦.妊娠24週に急激な腹囲の増大と体重増加を主訴に来院した.体外受精-胚移植〈IVF-ET〉で妊娠した.妊娠初期の超音波検査で1絨毛膜2羊膜性双胎と診断されている.超音波検査で両児間の推定体重に差を認めない.第1児の最大羊水深度を計測した超音波像(A)と両児間の隔壁を示す超音波像(B,矢印は隔壁)とを次に示す. 第1児について正しいのはどれか.2つ選べ. a 貧血になっている. b 高血糖になっている. c 腎血流が増加している. d 胎児発育不全になりやすい. e うっ血性心不全になっている.
ce
79
84歳の男性.心臓ペースメーカー植込み後の定期受診で来院した.3ヵ月前に気が遠くなるような症状を自覚し,徐脈性心房細動の診断となった.2ヵ月前に恒久的ペースメーカー植込み術を受けた.今回の受診までに症状はなかった.ペースメーカーは下限レート60/分に設定されている.12誘導心電図の胸部誘導を次に示す. この心電図で認める所見はどれか. a 心室頻拍 b 異常Q波 c 心室期外収縮 d 心房ペーシングの波形 e 心室ペーシングの波形
e
80
26歳の女性.体幹の皮疹を主訴に来院した.半年前から四肢体幹に皮疹が出現し,徐々に増数し,それぞれの皮疹も拡大している.既往に幼少時発症のアトピー性皮膚炎がある.眼疾患やてんかんはない.頸部,体幹および四肢に同一の皮疹が多発している.皮疹に鱗屑はない.痛みや痒みはない.腰部の写真を次に示す. 最も考えられるのはどれか. a 癜風 b 体部白癬 c 葉状白斑 d 尋常性白斑 e 眼皮膚白皮症
d
81
動脈血ガス分析(room air):pH 7.26,PaCO2 68Torr,PaO2 48Torr,HCO3− 28mEq/L である場合に働くのは代償性( )である。
代謝性アルカローシス
82
60歳の男性.下腹部痛を主訴に来院した.3日前から微熱と下腹部痛を自覚し,徐々に増悪するため受診した.悪心のため食欲不振があるが嘔吐はない.下腹部痛は持続しており,排便により軽快しない.下痢や便秘はない.22歳時,虫垂切除術を受けている.内服薬はない.喫煙歴はない.飲酒は日本酒1合/日を40年間.家族歴に特記すべきことはない.1年前に受けた人間ドックで下部消化管内視鏡検査を施行し,大腸憩室を指摘されている.身長175cm,体重70kg.体温37.1℃.脈拍96/分,整.血圧136/88mmHg.呼吸数14/分.SpO2 98%(room air).眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない.腹部は平坦で,下腹部正中に圧痛を認め,筋性防御と反跳痛とを認めない.肝・脾を触知しない.腸雑音に異常を認めない. 尿所見:蛋白(-),糖(-),潜血(-).血液所見:赤血球468万,Hb 13.9g/dL,Ht 42%,白血球12,300(桿状核好中球30%,分葉核好中球45%),血小板20万.血液生化学所見:総蛋白7.5g/dL,アルブミン3.9g/dL,総ビリルビン0.9mg/dL,AST 28U/L,ALT 16U/L,LD 177U/L(基準120〜245),ALP 83U/L(基準38〜113),γ-GT 48U/L(基準8〜50),アミラーゼ95U/L(基準37〜160),尿素窒素12mg/dL,クレアチニン0.6mg/dL,血糖98mg/dL.CRP 3.2mg/dL.1年前に行われた下部消化管内視鏡検査のS状結腸像(A)と今回来院時の腹部造影CT(B)とを次に示す. この患者への現時点の対応で適切なのはどれか.
c
83
41歳の女性.声が出しにくいことを主訴に来院した.半年前から水分摂取時にむせることがあり,2週間前から嗄声が出現し,自宅近くの医療機関で右前頸部腫脹を指摘され精査のため受診した.既往歴と家族歴に特記すべきことはない.喫煙歴はない.飲酒は機会飲酒.甲状腺右葉に硬い腫瘤を触知する.右側頸部に径1cmのリンパ節を2つ触知する.血液所見:赤血球404万,Hb 11.6g/dL,Ht 36%,白血球4,800,血小板26万.血液生化学所見:TSH 0.8μU/mL(基準0.2〜4.0),FT3 3.1pg/mL(基準2.3〜4.3),FT4 1.2ng/dL(基準0.8〜2.2),サイログロブリン141ng/mL(基準5〜30).免疫血清学所見:抗サイログロブリン〈TG〉抗体11.3U/mL(基準0.3以下),抗甲状腺ペルオキシダーゼ〈TPO〉抗体<0.3U/mL(基準0.3以下).甲状腺超音波像(A)と頭頸部造影CT(B,C)を次に示す.胸部単純CTで肺野に異常を認めない.甲状腺腫瘤の穿刺吸引細胞診で核溝と核内細胞質封入体を有する異型細胞を認める. まず行う治療として適切なのはどれか. a 手術治療 b 粒子線治療 c 抗甲状腺薬投与 d 殺細胞性薬投与 e 放射性同位元素内用療法
a
84
52歳の女性.呼吸困難を主訴に来院した.3ヵ月前から呼吸困難が出現し自宅近くの診療所を受診して胸部X線撮影を施行されたが異常は指摘されなかった.喘息と診断され加療を受けたが改善せず,最近は徐々に呼吸困難が強くなっていると感じている.体温36.8℃.血圧118/64mmHg.呼吸数24/分.SpO2 94%(room air).胸部単純CTを次に示す. この患者で聴取される呼吸音として最も可能性が高いのはどれか.
a
85
36歳の女性.左耳の聞こえにくさを主訴に来院した.数年前から左耳漏を繰り返していた.最近,聴力が低下してきたため受診した.左鼓膜所見(A)と側頭骨単純CTの冠状断像(B)とを次に示す. 治療として適切なのはどれか. a 抗菌薬投与 b 鼓室形成術 c 鼓膜形成術 d 鼓膜切開術 e 鼓膜チューブ留置術
b
86
72歳の男性.胸やけを主訴に来院した.60歳時から食後の胸やけを自覚していたが,食事を減らすと軽快するため様子をみていた.2週間前から症状が続くようになったため受診した.喫煙歴と飲酒歴はない.意識は清明.身長170cm,体重78kg.BMI 27.0.体温36.6℃.脈拍80/分,整.血圧128/84mmHg.呼吸数15/分.SpO2 96%(room air).眼瞼結膜に貧血を認めない.眼球結膜に黄染を認めない.尿所見:蛋白(-),糖(-),潜血(-).血液所見:赤血球480万,Hb 13.9g/dL,Ht 46%,白血球5,200,血小板25万.血液生化学所見:総蛋白6.6g/dL,アルブミン3.9g/dL,総ビリルビン0.9mg/dL,AST 20U/L,ALT 28U/L,LD 170U/L(基準120〜245),ALP 110U/L(基準38〜113),γ-GT 45U/L(基準8〜50),アミラーゼ90U/L(基準37〜160),尿素窒素12mg/dL,クレアチニン0.8mg/dL,血糖98mg/dL.CRP 0.5mg/dL.上部消化管内視鏡検査の下部食道像を次に示す.内視鏡下生検の病理検査で腺癌と診断された. この患者の病態で考えられるのはどれか.3つ選べ. a 食道に胃から連続した円柱上皮がみられる. b 下部食道括約筋が弛緩しにくい. c 胃酸が食道へ逆流しやすい. d 遺伝性疾患と考えられる. e 肥満が関与している.
ace
87
67歳の女性.倦怠感を主訴に来院した.約1ヵ月前から疲れやすくなり,症状が改善しないため受診した.意識は清明.身長149cm,体重45kg.脈拍72/分,整.血圧144/88mmHg.心尖部にLevine 3/6の拡張期雑音を聴取し,心雑音の強さは体位で変化した.呼吸音に異常を認めない.心エコー検査で左室駆出率は正常範囲であったが,左房内に可動性のある腫瘤を認め,拡張期には腫瘤が僧帽弁口を塞ぐような所見を認めた.胸部造影CT(A)を次に示す.入院後,腫瘤摘除術が施行された.術中の写真(B)を次に示す. この患者の入院時に認められる所見で可能性が低いのはどれか.
e
88
22歳の男性.発熱と呼吸困難を主訴に救急車で搬入された.幼少時に心室中隔欠損症と診断されたが手術療法は選択されなかった.以後,総合病院に年1回通院している.2ヵ月前に咳嗽を伴う38℃の発熱が出現した.自宅近くの診療所を受診し,セフェム系抗菌薬を処方され,3日後に解熱した.3週間前から再度,悪寒を伴う37.8℃の発熱を認め,抗菌薬を内服したが,微熱,全身倦怠感は持続した.昨夜から,39℃台の発熱と咳嗽の悪化があり,呼吸困難で寝ることができなくなったため救急車を要請した.意識は清明.身長170cm,体重62kg.体温39.5℃.心拍数124/分,整.血圧130/80mmHg.呼吸数28/分.SpO2 96%(リザーバー付マスク10L/分 酸素投与下).胸骨左縁第3肋間にLevine 2/6の全収縮期雑音を聴取する.血液所見:Hb 9.2g/dL,白血球11,300(桿状核好中球60%,分葉核好中球24%,好酸球0%,好塩基球1%,リンパ球15%),血小板6.3万.CRP 12.2mg/dL.胸部X線写真で両側性にびまん性の浸潤影を認めた.カラードプラ心エコー図で心室中隔欠損部の近傍に腫瘤性の病変(矢印)を認めた. 最も考えられる診断はどれか. a 感染性心内膜炎 b 急性肺血栓塞栓症 c Eisenmenger症候群 d 多発血管炎性肉芽腫症 e 全身性エリテマトーデス
a
89
63歳の女性.健診で低カリウム血症を指摘され来院した.40歳ごろから高血圧でカルシウム拮抗薬を内服している.両親と姉が高血圧症.身長147cm,体重43kg.脈拍72/分,整.血圧152/88mmHg.胸腹部に異常を認めない.尿所見:蛋白(-),糖(-),潜血(-).血液所見:Hb 12.9g/dL,Ht 40%,白血球5,400,血小板22万.血液生化学所見:アルブミン4.2g/dL,AST 21U/L,ALT 16U/L,尿素窒素20mg/dL,クレアチニン0.7mg/dL,血糖109mg/dL,Na 143mEq/L,K 2.5mEq/L.スクリーニングとして,午前10時ごろの随時採血で,血漿アルドステロン濃度472pg/mL(基準50〜100),血漿レニン活性0.1ng/mL/時間(基準1.2〜2.5)であった.カプトプリル負荷試験は陽性であった.腹部MRIで左副腎に径17mmの境界明瞭な結節を認め,腺腫が疑われた. 手術療法の適応を判断するために必要な検査はどれか. a FDG-PET b レノグラム c 腎静脈血サンプリング d ガリウムシンチグラフィ e 副腎静脈血サンプリング
e
90
50歳の男性.動悸と息切れを主訴に来院した.高校生のころ,学校健診で心雑音を指摘され,心房中隔欠損症と診断されたが,投薬治療は受けていない.半年前から動悸と息切れを自覚するようになり,当院を受診した.脈拍80/分,整.血圧122/78mmHg.SpO2 97%(room air).呼吸音に異常を認めない.経胸壁心エコー検査の傍胸骨短軸像(大動脈弁レベル)を次に示す.心臓カテーテル検査で平均肺動脈圧30mmHg,Qp/Qs 3.1であった. この患者の病態で正しいのはどれか.2つ選べ. a 肺高血圧を認める. b 心房細動を合併しやすい. c 肺血流量は体血流量より減少している. d 抜歯時に感染性心内膜炎の予防的抗菌薬投与が必要である. e 提示した心エコー図では右房から左房への血流が認められる.
ab
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Which of the following diseases needs airborne precautions? a herpes b influenza c mumps d rubella e varicella
e
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妊娠高血圧症候群の重症化の指標となるのはどれか. a 血小板の減少 b 呼吸数の減少 c 下腿浮腫の悪化 d 子宮収縮の増強 e 尿蛋白/クレアチニン比の低下
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瘙痒をきたしにくいのはどれか. a 薬疹 b 蕁麻疹 c 結節性紅斑 d 多形滲出性紅斑 e アトピー性皮膚炎
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治療薬物モニタリング〈TDM〉の対象となる抗菌薬はどれか. a カルバペネム系 b ニューキノロン系 c リンコマイシン系 d アミノグリコシド系 e セファロスポリン系
d
95
眼瞼結膜の身体所見から貧血を診断する場合,この患者の貧血診断における尤度比を求めよ. a 0.2 b 0.7 c 1.0 d 2.3 e 4.3
d
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病床機能報告における病床機能の区分に含まれないのはどれか. a 高度急性期 b 急性期 c 回復期 d 療養期
d
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角層細胞間脂質を構成するのはどれか. a ケラチン b セラミド c アミロイド d デスモソーム e ヘミデスモソーム
b
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相対的貧困について正しいのはどれか. a 世界銀行が定義している. b 生活保護を受給している世帯の状況を指す. c 単身世帯の相対的貧困率は母子世帯より高い. d 世帯の大きさによらず世帯所得の高さで決まる. e わが国の相対的貧困率はOECD加盟国の平均より高い.
e