問題一覧
1
(ふみ)を書いてやれども、返りごともせず。
手紙
2
(ふみ)は文選のあはれなる巻々、白氏文集
書物
3
唐土には限りなきものにて、(ふみ)にも作る、
漢詩
4
久しう(せうそこ)などもものせざりける。
手紙
5
「入りて(せうそこ)せよ」とのたまへば、人入りて案内せさす。
訪問の来意を告げ
6
なほ、(ざえ)をもとにしてこそ、大和魂の世に用ゐらるる方も強うはべらめ。
学才
7
琴弾かせたまふことなん一の(ざえ)にて、次には横笛、琵琶、箏の琴をなむ。次々に習ひたまへる。
才芸
8
1つには御(手)を習ひたまへ。
文字
9
入道琵琶の法師になりて、いとをかしうめづらしき(手)一つ二つ弾き出でたり。
楽曲
10
かぐや姫の(かたち)の、世に似ずめでたきことを、帝聞こしめして、
容貌
11
宮は、女君の御(ありさま)に昼見きこえたまふに、いとど御心ざしまさりけり。
様子
12
御灯明の(かげ)、ほのかに透きて見ゆ。
光
13
暁近き月隈なくさし出でて、ふと人の(かげ)見えければ、
姿
14
(まみ)、額つきなど、まことにきよげなる、うち笑みたる、あいぎやうもおほかり。
目元
15
楫取り、「今日、風雲の(景色)はなはだ悪し」と言って、船出ださすなりぬ。
様子
16
歌主いと(けしき)悪しくて、怨ず。
機嫌
17
春宮よりも御(けしき)あるを、
意向
18
(年ごろ)思ひつること、果たし侍りぬ。
長年
19
かくて(月ごろ)よくつくろへば、やうやう躍り歩く。
数ヶ月の間
20
(日ごろ)経て、宮に帰りたまうけり。
数日間
21
除目のころなど(うち)わたりいとをかし。
宮中
22
昔、男、伊勢の斎宮に、(うち)の御使にて参れりければ
帝
23
御冠奉りて、大人にならせ給へる御姿もうつししう、いとめづらかな(くもゐ)の春になむ侍りける。
宮中
24
(うへ)も聞こしめし、めでさせたまふ。
帝
25
殿の(うへ)は裳の上に小桂をぞ来たまへる。
奥方
26
いみじきよろこび申しになむ、(うへ)にやとて参りたりつる。
御座所
27
(おほやけ)の宮仕へしければ、つねにえまうです。
朝廷
28
いちじく静かに、(おほやけ)に御分奉りたまふ。
帝
29
帰るさの(みゆき)物憂く思ほえてそむきてとまるかぐや姫ゆゑ
お出まし
30
法皇、夜を籠めて大原の奥へぞ(御幸)なる。
お出まし
31
神の(おまへ)のものも生ひはじめけむも、とりわきてをかし。
御前
32
宮の(おまへ)のうち笑ませたまへる、いとをかし。
様
33
幾年、そのほどと、(かぎり)ある道にもあらず、
期限
34
糸はとは時はわかねど秋の夜ぞ物思ふことの(かぎり)なりける
極致
35
消えゆく露の心地して(かぎり)に見えまたへば、
臨終
36
物語のことを、昼はひぐらし思ひつづけ、夜も目のさめたる(かぎり)は、これをのみ心にかけたるに、
間
37
よろづにまじなひ・加持などゐらせたまへど、(しるし)なくて、
効き目
38
人々ひねもすに祈る(しるし)ありて、風波立たず
ご利益
39
かくの夢は、これ何の(しるし)にかあらむ。
兆し
40
四季はなほ定まれる(ついで)あり。
順序
41
六条故内府参りたまひて、「有房(ついで)に物習ひはべらん」て、
機会
42
大友皇子は、時の政をし、世の(おぼえ)も威勢も猛なり。
評判
43
いとまばゆき人の御(おぼえ)なり。
寵愛
44
天下のものの上手といへども、始めは不堪の(聞こえ)もあり、無下の瑕瑾もありき。
うわさ
45
この中将も若けれど、いと(聞こえ)あり、いたりかしこくして、時の人におぼすなり。
評判
46
君や来しわれやゆきけむおもほえず夢が(うつつ)か寝てかさめてか
現実
47
(うつつ)の人の乗りたるとなむ、さらに見えぬ。
正気
48
見む人のかたくななる(名)をも立てつべきものなり。
評判
49
かばかりの詩をつくりたらましかば、(名)のあがらむこともまさりなまし。
名声
50
雨のうち降りたる(なごり)の、いとものしめやかなる夕つ方
余韻
51
「げに深くおぼしける人の(なごり)なめり」と見給ふ。
遺児
52
童の法師にならんとする(名残)とて、各々遊ぶことにありけるに、
別れ
53
その里に、いとなまめいたる女(はらから)住みけり。
姉妹
54
思ほえず、(ふるさと)に、いとはしたなくてありければ、心地まどひにけり。
旧都
55
住みなれし(ふるさと)かぎりなく思ひ出でらる。
昔なじみの場所
56
おのおの(ふるさと)に、心細げなる言伝てすべかめり。
実家
57
我を知らずして、外を知るといふ(ことわり)あるべからず。
道理
58
白き色紙押したみて、「これにただいまおぼえむ古き(こと)を一つづつ書け」と仰せらるる。
和歌
59
すずろなる(そらごと)を聞きて、いみじう言ひおとし、
うそ
60
関白をば、御いとこの頼忠の大臣にぞ譲りたまひしこそ、世の人いみじき(ひがこと)と謗り申ししか。
間違い
61
盗人をいましめ、(ひがこと)をのみ罪せんよりは、世の人のうゑず、寒からぬやうに、世をば行はまほしきなり。
悪事
62
今は限りのほど近き身にてしも、あるまじき(ほだし)多う書かづらひて今まで過具して蹴る柄心弱う、もどかしきこと。
妨げとなるもの
63
神へ参るこそ(ほい)なれと思ひて、山までは見ず。
本来の目的
64
出家の(本意)はかくこそ見えてゐ給へり。
かねてからの願い
65
いとやむごとなき(きは)にはあらぬが、すぐれて時めきたまふありけり。
身分
66
ただ一人御簾の(きは)に立ち出でたまひて、柱に寄りかかりて御覧ずるに、
端
67
この獅子の立ちやう、いとめづらし。深き(ゆゑ)あらん。
理由
68
(ゆゑ)ある人の、忍びて参るよと見えて、侍などあまた具して、
身分
69
落ちくる水のさまなど、(ゆゑ)ある滝のもとなり。
風情
70
いかに思ひてか、人の身を受けて汝がここに来たれる。すみやかにその(よし)申せ。
理由
71
蘆屋の里にしる(よし)して、行きて住みけり。
縁
72
木立いと(よし)あるは、「何人の住むにか」と問ひたまへば、
風情
73
火をつけて燃やすべき(よし)仰せたまふ。
旨
74
失せたまひて、七七日のみ(わざ)、安城寺にてしけり。
法要
75
いとあさましくうねたかりける(わざ)かな。誰がしたるにかあらむ。
こと
76
心もゆかぬ(世)とはいひながら、まだいとかかる目は見ざりつれば、
夫婦の仲
77
(世の中)を憂しと思ひて、いでていなむと思ひて、かかる歌をなむよみて、物に書きつけける。
夫婦の仲
78
(世の中)に物語といふもののあんなるを、いかで見ばやと思ひつつ、
世間