問題一覧
1
以下の文の正誤について○か✕で答えよ 尿や胆汁以外にも、唾液腺、汗腺および涙線を介して、化学物質は排泄される。
○
2
以下の文の正誤について○か✕で答えよ 血液への溶解度が高く、かつ脂溶性が高い化学物質は、呼気中への排泄が早い。
✕
3
以下の文の正誤について○か✕で答えよ 化学物質の胆汁への排泄効率は、その分子量に依存しない。
✕
4
以下の文の正誤について○か✕で答えよ 爪や毛髪も化学物質の排泄経路とみなすことができる。
○
5
以下の文の正誤について○か✕で答えよ 一般に極性の高い化学物質ほど、体外への排泄は遅い。
✕
6
以下の文の正誤について○か✕で答えよ ヒトでは分子量500以下のものは尿中に排出されやすく、分子量500以上のものは胆汁中に排泄されやすい。
○
7
以下の文の正誤について○か✕で答えよ 化学物質の体内動態を、吸収・分布・分解・排泄を略してADME(アドメ)という。
✕
8
以下の文の正誤について○か✕で答えよ 毒性が強く現れる曝露経路は、静脈内投与>吸入>経口投与の順である。
○
9
以下の文の正誤について○か✕で答えよ 皮膚の構造は、表皮、真皮および皮下組織からなり、その総表面積は肺胞より50倍大きい。
✕
10
以下の文の正誤について○か✕で答えよ 膜輸送では、弱酸性の化学物質であれば、アルカリ条件化で膜輸送効率が高まる。
✕
11
以下の文の空欄に適当な語句を入れよ 生体膜は、脂質二重膜とその間を貫通する( 1 )とで構成されている。すべての分子は濃度勾配の低い方向へ脂質二重膜を通過できるが、その速度は分子によって大きく異なる。すなわち、( 2 )の高いものほど、( 3 )の小さいものほど、膜輸送速度は速くなる。
膜タンパク質, 脂溶性, 分子サイズ
12
以下の文の空欄に適当な語句を入れよ 化学物質の脂溶性とは( 1 )に溶けにくい性質をいい、その目安として、( 2 )分配係数が使用されている。1-オクタノール相と水相に溶解した化学物質の濃度比を常用対数の( 3 )値で表す。正の( 3 )値が大きいほど脂溶性は( 4 )。 グリシンは( 3 )値が( 5 )であり、水溶性である。
水, オクタノール・水, logP, 高い, -3,2
13
以下の文の空欄に適当な語句を入れよ 栄養素とはなり得ない生体外異物も時として、輸送担体いわゆる( 1 )を介して膜輸送される。本来の基質と似た( 2 )をもった場合に基質と認識してしまい、輸送されてしまう。
トランスポーター, 化学構造
14
以下の文の空欄に適当な語句を入れよ 経口的に曝露された化学物質の吸収には、吸収にかかわる表面積が一番大きい( 1 )が主たる役割を果たしている。化学物質の毒性は、消化管や( 2 )を通過するか否かによって差が生じる。
小腸, 肝臓
15
以下の文の空欄に適当な語句を入れよ グルクロン酸抱合を受けた代謝物が腸内細菌のもつ( 1 )により分解され、脂溶性が高まると、小腸より再び吸収される( 2 )が生じる。なお、血中の揮発性物質は、肺胞上皮から( 3 )中へ移行し、排泄される。
β-グルクロニダーゼ, 腸肝循環, 呼気
16
以下の文の正誤について○か✕で答えよ 第Ⅰ相反応では、酸化、還元、加水分解により官能基が導入あるいは生成される。
○
17
以下の文の正誤について○か✕で答えよ シトクロムP450による酸化で生成した代謝物は、一般にもとの化合物より極性が低い。
✕
18
以下の文の正誤について○か✕で答えよ シトクロムP450は、解毒だけでなく代謝活性化にも関与する。
○
19
以下の文の正誤について○か✕で答えよ シトクロムP450はミクロソーム画分のみならず、ミトコンドリアにも存在している。
○
20
以下の文の正誤について○か✕で答えよ シトクロムP450が1分子の薬物に酸素原子を1個添加するのに2個の電子を必要とする。
○
21
以下の文の正誤について○か✕で答えよ シトクロムP450は薬物の酸化反応を触媒するが、還元反応は触媒しない。
✕
22
以下の文の正誤について○か✕で答えよ 胎児には、シトクロムP450が存在する。
○
23
以下の文の正誤について○か✕で答えよ シトクロムP450はヘムタンパク質の一種であり、その分子内の鉄は薬物の酸化過程で3価を保っている。
✕
24
以下の文の正誤について○か✕で答えよ 芳香族化合物のエポキシ化は、シトクロムP450によって触媒される。
○
25
以下の文の正誤について○か✕で答えよ 第一級アミンは、第三級アミンよりもフラビン含有モノオキシゲナーゼの基質になりやすい。
✕
26
以下の文の空欄に適当な語句を入れよ 多くの代謝反応は、化学物質の( 1 )を増大させる方向に進む。これは、( 1 )が増大することにより、組織への移行性が低下し、尿や( 2 )への排泄が容易になるためである。一般に代謝は、化学物質の毒性を低減させるが、代謝物がもとの化学物質よりも高い毒性をもつことがある。この現象を( 3 )と呼ぶ。
水溶性, 胆汁, 代謝的活性化
27
以下の文の空欄に適当な語句を入れよ 薬物代謝酵素は各臓器に広く分布しているが、ほとんどの酵素は( 1 )にもっとも多く存在している。肝細胞内では、 ( 2 )と可溶性画分にほとんど分布しているが、核、 ( 3 )あるいはペルオキシソームに分布する酵素もある。
肝臓, 小胞体, ミトコンドリア
28
以下の文の空欄に適当な語句を入れよ アルコールの酸化において、日本人の85%は、( 1 )活性の高いサブユニットをもっているが、欧米人やアフリカ人ではその割合は低い。 ( 1 )以外にも、( 2 )やカタラーゼもアルコールを酸化する。
アルコール脱水素酵素, シトクロムP450
29
以下の文の空欄に適当な語句を入れよ CYPは分子内に( 1 )を含有している( 2 )原子添加酵素であり、還元型の分子が一酸化炭素と結合すると( 3 ) に極大吸収を示す色素タンパク質である。 CYPは細胞内では小胞体とミトコンドリア、ごくわずかにゴルジ体や核膜にも存在しているが、異物代謝に関与しているのは主として( 4 )に存在する酵素である。
ヘム鉄, 一酸素, 450nm, 小胞体
30
以下の文の空欄に適当な語句を入れよ CYPの関与する酸化反応は、脂肪族の鎖状あるいは環状部分のメチル基やメチレン基の水酸化や( 1 )化を行う。芳香族炭化水素も酸化し、フェノール性( 2 )を導入する。また、脂肪族アミンの窒素に隣接するα位の炭素の水酸化により、 ( 3 )化が起こる。
エポキシ, 水酸基, 脱アミノ
31
以下の文の正誤について○か✕で答えよ グルクロン酸抱合では、UDP-a-D-グルクロン酸が供与体となる。
○
32
以下の文の正誤について○か✕で答えよ グルクロン酸転移酵素は、主に肝臓の可溶性画分に存在する。
✕
33
以下の文の正誤について○か✕で答えよ 異物のグルタチオン抱合体は、ほとんどそのまま尿中に排泄される。
✕
34
以下の文の正誤について○か✕で答えよ グルタチオン抱合では、基質の電子密度の低い部分にグルタチオンが結合する。
○
35
以下の文の正誤について○か✕で答えよ イソニアジドのアセチル化速度は、代謝酵素の遺伝子多型による個人差がある。
○
36
以下の文の正誤について○か✕で答えよ メルカプツール酸は、異物のN-アセチルシステイン抱合体である。
○
37
以下の文の正誤について○か✕で答えよ 硫酸抱合では、コンドロイチン硫酸が供与体となる。
✕
38
以下の文の正誤について○か✕で答えよ アスパラギンは、ヒトでの抱合反応に利用される主要なアミノ酸である。
✕
39
以下の文の正誤について○か✕で答えよ アミノ酸抱合では、アミノ酸のカルボキシル基がCoAと結合して活性化される。
✕
40
以下の文の正誤について○か✕で答えよ 安息香酸は、タウリン抱合を受けて馬尿酸として排泄される。
✕
41
以下の文の空欄に適当な語句を入れよ 反応性の高い( 1 )が、異物分子に対して親電子的に反応し、抱合体をつくる。 例として、グルクロン酸抱合、硫酸抱合、( 2 )抱合、アセチル抱合などがある。
補酵素, メチル
42
以下の文の空欄に適当な語句を入れよ グルクロン酸抱合は、 ( 1 ) により、補酵素である( 2 ) のグルクロン酸を異物に転移する反応である。 ( 1 ) は( 3 )に局在する酵素であり、肝臓をはじめ多くの組織で発現している。生体外異物に限らず、( 4 )やステロイドホルモンなど内因性の脂溶性の高い代謝物についても基質としている。
UDP-グルクロノシルトランスフェラーゼ, UDP-グルクロン酸, 小胞体, ビリルビン
43
以下の文の空欄に適当な語句を入れよ 硫酸抱合は、( 1 )により進行し、補酵素として( 2 )を要求する。基質として、とくに( 3 )化合物を抱合し、ドパミンなどの内因性物質も基質とする。
スルホトランスフェラーゼ, 活性硫酸, フェノール
44
以下の文の空欄に適当な語句を入れよ アセチル抱合は、細胞質に存在する( 1 )により進行し、( 2 )を補酵素として要求し、イソニアジドやヒドラジンなどを基質にする。( 1 ) には遺伝子多型があり、活性の低い個体は( 3 )と呼ばれる。
アセチルトランスフェラーゼ, アセチルCoA, スロー
45
以下の文の空欄に適当な語句を入れよ 異物あるいは内因性の化学物質中のカルボキシル基は、アシルCoA合成酵素などにより、活性化された後、 ( 1 )により、内因性のグリシン、グルタミン、タウリンなどのアミノ基とアミド結合を形成し、 ( 2 )抱合体となる。
N-アシルトランスフェラーゼ, アミノ酸
46
以下の文の空欄に適当な語句を入れよ グルタチオン抱合は、 ( 1 )により、異物と( 2 )が結合する反応である。 ( 1 ) は細胞質に存在する5つのクラスの他に、ミトコンドリアや小胞体に局在するものがある。グルタチオン抱合体は、次にシステイン抱合体となり、システインのアミノ基がアセチル化された( 3 )誘導体となって、尿中へ排泄される。
グルタチオンS-トランスフェラーゼ, グルタチオン, メルカプツール酸
47
以下の文の正誤について○か✕で答えよ。 ハロタンは、アレルギー反応を引き起こし、肝毒性を発現する。
○
48
以下の文の正誤について○か✕で答えよ。 ホルムアルデヒドは、紫外線による活性化を受けて皮膚毒性を発現する。
✕
49
以下の文の正誤について○か✕で答えよ。 カルバリルは、活性酸素種の産生を介して肺毒性を発現する。
✕
50
以下の文の正誤について○か✕で答えよ。 有機リン系殺虫剤は、シトクロムCオキシダーゼに結合し、神経毒性を発現する。
✕
51
以下の文の正誤について○か✕で答えよ。 アニリンとニトロベンゼンの血液毒性発現には共通の代謝物の生成が関与する。
○
52
以下の文の正誤について○か✕で答えよ 四塩化炭素は主に腎障害を起こす。
✕
53
以下の文の正誤について○か✕で答えよ ベンゼンによる慢性中毒では、主に造血機能障害が起こる。
○
54
以下の文の正誤について○か✕で答えよ。 浮遊状態にあるアスベスト繊維を吸入した場合、肺がんの原因となるおそれがある。
○
55
以下の文の正誤について○か✕で答えよ。 パラコートは、細胞内のミトコンドリアの機能を障害することにより、神経細胞死を引き起こす。
✕
56
以下の文の正誤について○か✕で答えよ。 カドミウムは、精巣循環を阻害することにより、精巣障害を引き起こす。
○
57
以下の文の空欄に適当な語句を入れよ。 肝臓重量の( 1 )%を超えて脂肪が存在する場合を( 2 )と呼ぶ。エチオニン、リン、エタノール、( 3 )などが( 2 )を引き起こす。多くの場合、肝臓中の( 4 )の血中への移行が低下することが原因となる。
5, 脂肪肝, 四塩化炭素, トリグリセリド
58
以下の文の空欄に適当な語句を入れよ。 ハロタンやイソニアジドの薬物が肝臓内で代謝活性化されると、( 1 )として肝臓内の何らかのタンパク質と共有結合し、( 2 )となり、摂取した個体を感作する。
ハプテン, 抗原
59
以下の文の空欄に適当な語句を入れよ。 毛細胆管膜の胆汁排泄能の低下や毛細胆管内の胆栓形成により( 1 )を起こす。( 1 )を起こす化学物質として、α-ナフチルイソシアネート、クロルプロマジン、( 2 )、女性ホルモンなどがある。
胆汁うっ滞, タンパク同化ホルモン
60
以下の文の空欄に適当な語句を入れよ。 エチレングリコールは、酸化的に代謝されてシュウ酸になり、それが尿中のカルシウムと結合して( 1 )となり結晶として析出し、( 2 )を閉塞する。
シュウ酸カルシウム, 尿路
61
以下の文の空欄に適当な語句を入れよ。 ( 1 )は、繊維状のケイ酸マグネシウムであり、曝露後20~40年で( 2 )や肺がんを発生させる。パラコートは、代謝されて( 3 )となり、活性酸素の産生や肺線維症を引き起こす。
アスベスト, 中皮腫, ラジカル
62
以下の文の空欄に適当な語句を入れよ。 ヘモグロビンの二価の鉄イオンが酸化されると、( 1 )となり、酸素の結合能力を失う。生体内における代謝反応としてアニリンの酸化やニトロベンゼンの還元で生成する( 2 )は、 ( 1 )血症を誘発する。
メトヘモグロビン, フェニルヒドロキシルアミン
63
以下の文の空欄に適当な語句を入れよ。 ベンゼンやシクロホスファミドは、造血細胞を障害し、( 1 )を引き起こす。慢性的なベンゼンの曝露は、( 2 )に至ることがある。
再生不良性貧血, 骨髄性白血病
64
以下の文の空欄に適当な語句を入れよ。 ( 1 )は、δ-アミノレブリン酸をポルホビリノーゲンに代謝する( 2 )を阻害し、ヘムの合成を低下させる。
鉛, δ-アミノレブリン酸脱水酵素
65
以下の文の空欄に適当な語句を入れよ。 アレルギー性皮膚炎を引き起こす化学物質として、ネオマイシン、スルホンアミド、( 20 )、クロム、コバルト、ヘキサクロロフェン、ホルムアルデヒドなどがある。
ニッケル
66
以下の文の空欄に適当な語句を入れよ。 光毒性皮膚炎を引き起こす化学物質として、スルファニルアミド、クロロチアジド、( 1 )、ポルフィリン誘導体などがある。
ナリジクス酸
67
以下の文の空欄に適当な語句を入れよ。 光アレルギー性皮膚炎を引き起こす化学物質として、( 1 )、ジフェンヒドラミン、クロロチアジド、トルブタミドなどがある。
スルホンアミド
68
以下の文の空欄に適当な語句を入れよ。 外科消毒薬である( 1 )が整腸剤として使用されたことにより、視神経障害や失明に至るという( 2 )病が発生した。
キノホルム, スモン
69
以下の文の空欄に適当な語句を入れよ。 ガラクトースは、血中濃度が高くなると( 1 )に代謝されるが、この物質は水晶体から排除されにくく、水晶体の混濁の原因となり、( 2 )を引き起こす。
ガラクトチオール, 白内障
70
以下の文の空欄に適当な語句を入れよ。 ネオマイシン、カナマイシン、ゲンタマイシンなどの( 1 )は、難聴を引き起こすことがある。
アミノグリコシド系抗生物質
71
以下の文の空欄に適当な語句を入れよ。 精巣に対する毒性には、化学物質が直接作用する場合と、化学物質がホルモンの作用を( 1 )することにより生じる間接的な影響とに分けることができる。重金属の( 2 )は、精巣循環を阻害することにより、精巣障害を引き起こす。
かく乱, カドミウム
72
以下の文の正誤について○か✕で答えよ。 無機鉛化合物は、ヘムの生合成を阻害して貧血を起こす。
○
73
以下の文の正誤について○か✕で答えよ。 メチル水銀は、中枢神経系疾患を起こす。
○
74
以下の文の正誤について○か✕で答えよ。 慢性カドミウム中毒として、腎障害が起こる。
○
75
以下の文の正誤について○か✕で答えよ。 ヒ素化合物が多く含まれている食品として、ヒジキがあげられる。
○
76
以下の文の正誤について○か✕で答えよ。 頭髪は、水銀やヒ素の排泄経路の一つである。
○
77
以下の文の正誤について○か✕で答えよ。 無機ヒ素化合物は、ヒト体内でアルセノベタインに変換される。
✕
78
以下の文の正誤について○か✕で答えよ。 無機水銀化合物は、生体内でメチル化後、排泄される。
✕
79
以下の文の正誤について○か✕で答えよ。 カドミウム塩は、肝臓や腎臓でメタロチオネインの合成を誘導する。
○
80
以下の文の正誤について○か✕で答えよ。 メタロチオネインは、生体内で亜鉛、銅、カドミウムなどを結合している。
○
81
以下の文の正誤について○か✕で答えよ。 無機ヒ素の急性毒性は3価より5価のほうが強い。
✕
82
以下の文の空欄に適当な語句を入れよ。 金属水銀は消化管からほとんど吸収されないが、水銀ヒュームとしては( 1 )から約70~80%吸収される。大部分は( 2 )に酸化されるが、酸化されなかった金属水銀は脂溶性が高いため( 3 )に移行する。無機水銀は消化管、肺、皮膚からわずかに吸収され、主にそのままの形で尿や糞として排泄される。吸収された無機水銀は腎臓に蓄積され、( 4 )を障害する。また、ヒト体内では無機水銀の( 5 )化は起こらない。メチル水銀は( 6 )から95%以上吸収され、肺や皮膚からもよく吸収される。尿中排泄はわずかであり、大部分は( 7 )循環される。 毒性としては求心性視野狭窄、運動失調などを誘発し、( 8 )症候群と呼ばれる中枢神経障害を起こす。
肺, 無機水銀, 脳, 近位尿細管, メチル, 消化管, 腸肝, ハンター・ラッセル
83
以下の文の空欄に適当な語句を入れよ。 かつて熊本県で発生した( 1 )病は、工場から排出されたメチル水銀が原因となった。メチル水銀はアミノ酸の( 2 )と結合すると、( 3 )と似た構造のため、脳毛細血管内皮細胞に存在するトランスポーターを介して脳内に取り込まれる。胎盤通過性が大きく、( 4 )病も起きている。また( 5 )中にも排泄されるためメチル水銀曝露の指標となる。メチル水銀は食物連鎖により生物濃縮されるため、魚類、特に大型魚である( 6 )中には高濃度で検出されるが、共存する( 7 )と相互作用して毒性が減弱化される。
水俣, システイン, メチオニン, 胎児性水俣, 毛髪, マグロ, セレン
84
以下の文の空欄に適当な語句を入れよ。 カドミウムは経口では数%ほど吸収されるが、粉塵の形で肺から10~30%吸収される。カドミウムは肝臓や腎臓に多く蓄積するが、慢性毒性は腎臓の近位尿細管での( 1 )の再吸収阻害による激痛を伴う( 2 )症であり、富山県神通川流域で発生した( 3 )病の原因となる。カドミウムは食品や喫煙により摂取されるが、( 3 )病では、特に( 4 )の中のカドミウム濃度が高かったことが原因とされている。カドミウムは、肝臓と腎臓に蓄積するが( 5 )と結合することにより毒性が軽減される。曝露指標は尿中( 6 )である。カドミウムの生物学的半減期は20年以上と長いため、一般にヒト組織中濃度は若年者よりも( 7 )の方が高い。カドミウムはIARCにおいて、ヒトに対する( 8 )性がある化合物質に分類されている。
カルシウム, 骨軟化, イタイイタイ, 米, メタロチオネイン, β2-ミクログロブリン, 中高齢者, 発がん
85
以下の文の空欄に適当な語句を入れよ 無機鉛の吸収率は成人において消化管で約10%、 ( 1 )では約30~40%である。幼児や小児では、 ( 2)からの鉛吸収率は約50%とされる。吸収された鉛の大部分は血中で( 3 )に結合している。鉛の最終的な蓄積場所は( 4 )であり、ここに90%以上が蓄積する。また、 ( 5 )にも高濃度の鉛が蓄積する。 排泄は主に腎臓を経て尿中に出るため、尿中鉛量は血中鉛量と同じく鉛の曝露指標に用いられる。鉛中毒によって起こる貧血は、赤血球が破壊することによる( 6 )と、ヘム合成を阻害することによる2つの経路がある。鉛は( 7 ) を阻害し、また三価鉄の二価鉄への還元反応を阻害して、二価鉄の不足を招き、フェロキラターゼによるヘム合成過程を低下させる。この結果、ヘム量の欠乏により( 8 )生成が低下し貧血を発症する。
肺, 消化管, 赤血球, 骨, 毛髪, σ溶血性貧血, σ-アミノレブリン酸脱水酵素, ヘモグロビン
86
以下の文の空欄に適当な語句を入れよ。 無機ヒ素のうち、3価は( 1 )と呼ばれる三酸化ヒ素で、5価は( 2 )と呼ばれる五酸化ヒ素である。急性毒性は消化器症状である( 3 )様症状、皮膚炎、呼吸困難である。慢性毒性は皮膚がん、肺がん、黒皮症などである。消化管からの吸収率は約3%と低いが、経気道、経皮からは吸収されやすく、尿中に排泄されやすい。3価の無機ヒ素(As3+)は5価の無機ヒ素(As5+)よりも毒性が( 4 )。水銀や鉛と異なり、メチル化された5価の有機ヒ素化合物は無機ヒ素化合物よりも一般に毒性が( 5 )。無機ヒ素化合物(3価)のヒト体内における主な代謝反応は( 6 )化で、尿中には未変化体の他、 ( 7 )や( 8 )が排泄される。海産魚介類や海藻中には多量のヒ素を含有するものが知られているが、その大部分が安定で毒性の低い( 9 )などである。ヒ素は爪や( 10 )に蓄積する。
亜ヒ酸, ヒ酸, コレラ, 強い, 低い, メチル, モノメチルアルソン酸, ジメチルアルシン酸, アルセノベタイン, 毛髪
87
以下の文の空欄に適当な語句を入れよ。 クロムはメッキ、皮革なめしなどに使用され、あらゆる食品に微量に含まれる。経口での吸収はわずかであるが、経気道、経皮からはともに吸収されやすく、( 1 )価クロムは( 2 )価クロムより吸収されやすい。しかし、( 3 )価クロムが体内に入った場合、直ちに( 4 )価クロムに還元されてしまうので、体内から( 5 )価クロムはほとんど検出されない。皮膚、鼻など( 6 )価クロムが付着した部位に強い酸化力で( 7 )等の障害を起こす。3価クロムは、糖代謝や脂質代謝に必要な因子として機能している。
六, 三, 六, 三, 六, 六, 鼻中隔穿孔
88
以下の文の空欄に適当な語句を入れよ。 無機スズは缶詰のメッキから溶出し、嘔吐や下痢を起こす。一方、有機スズであるトリブチルスズ(TBT)化合物や( 1 )(TPT)化合物は防汚剤として( 2 )などに使用されている。これらのTBT化合物(13種)とTPT化合物(7種)は( 3 )に指定されている。有機スズ化合物はイボニシなどの巻き貝に蓄積すると、雌の( 4 )化を引き起こす。有機スズの中でもビス(トリブチルスズ)オキシド(TBTO)は( 5 )に指定されており、防汚剤として最も汚染が問題となった。
トリフェニルスズ, 船底塗料, 第二種特定化学物質, 雄性, 第一種特定化学物質
89
以下の文の正誤について○か✕で答えよ。 有機リン化合物パラチオンは急性の肝障害を起こす。
✕
90
以下の文の正誤について○か✕で答えよ。 マラチオンは、動物体内でカルボキシエステラーゼによって分解される。
○
91
以下の文の正誤について○か✕で答えよ。 有機リン系農薬は、一般に動物体内で加水分解されて毒性が増強する。
✕
92
以下の文の正誤について○か✕で答えよ。 カルバリル(カルバメート系農薬)は、アセチルコリンの分解を促進する。
✕
93
以下の文の正誤について○か✕で答えよ。 除草剤パラコートは肺障害を起こす。
○
94
以下の文の正誤について○か✕で答えよ。 ポリ塩化ビフェニルは化審法の第二種特定化学物質に指定されている。
✕
95
以下の文の正誤について○か✕で答えよ。 ダイオキシン類とは、PCDD(ポリ塩化ジベンゾ-p-ジオキシン)、PCDF(ポリ塩化ジベンゾフラン)およびコプラナーPCBをさす。
○
96
以下の文の正誤について○か✕で答えよ。 ダイオキシン類は、ごみ焼却施設の燃焼過程で生成しやすい。
○
97
以下の文の正誤について○か✕で答えよ。 ダイオキシン類の毒性は、最も毒性の強い2,3,7,8-TCDD(四塩化ジベンゾ-p-ジオキシン)の量に換算して表す。
○
98
以下の文の正誤について○か✕で答えよ。 わが国では、ダイオキシン類は畜産食品からの摂取が最も多い。
✕
99
以下の文の空欄に適当な語句を入れよ。 有機リン系殺虫剤は不可逆的に( 1 )を阻害し、害虫の神経を阻害する殺虫剤である。体内に入った有機リン剤の多くは、加水分解(解毒)か酸化的( 2 )化(代謝活性化)を受ける。例えば、チオン剤(P=S型)は生体内でシトクロムP450(CYP)により酸化的( 2 )を受けて( 3 )体(P=O型)となる。 ( 3 )体は、( 1 )の( 4 )残基の水酸基をリン酸化することで( 1 )を阻害する。解毒剤として、( 5 )はリン酸エステルを分解して解毒する。一方、( 6 )はアセチルコリン拮抗薬として投与する。カルバメート系殺虫剤は、有機リン剤と同じく、( 1 )を阻害するが、可逆的阻害のため、有機リン剤よりも中毒症状は弱く、回復も早い。 その機構は、 ( 1 )の( 4 )残基の水酸基を( 7 )化することで阻害する。解毒剤には( 8 )を用いる。
アセチルコリンエステラーゼ, 脱硫, オキソン, セリン, プラリドキシムヨウ化物, アトロピン, カルバモイル, アトロピン
100
以下の文の空欄に適当な語句を入れよ。 ネオニコチノイド系殺虫剤は、昆虫神経のシナプス後膜の( 1 )に結合し、殺虫活性を示す。昆虫と哺乳類の( 1 )に対する親和性には大きな差異があり、これが昆虫に対する選択性の根拠となっている。中毒時の有効な( 2 )はない。
ニコチン性アセチルコリン受容体, 解毒薬