問題一覧
1
会社員甲は、 不倫関係にあるA女から 「あなたの奥さんを殺してしまった。 早く来て。」 との電話を受け、A女宅に急行し、押入れ内に押し込まれている妻の死体を確認したが、面倒なことに巻き込まれるのを恐れてその場から立ち去った。 甲には、死体遺棄罪が成立する。
○
2
不正指令電磁的記録に関する罪の保護法益は、電子計算機のプログラムに対する社会一般の信頼であり、 電子計算機損壊等業務妨害罪とは保護法益に関する位置付けを異にする。
○
3
文書偽造罪における 「偽造」 は、 他人名義の文書につき、 作成権限を有しないことが要件となるので、 作成権限のある者がその権限の範囲内で作成する場合には、 内容が虚偽であっても、本罪の「偽造」 とはいえない。
○
4
行使の目的なくして通貨を模造した者が、 事後、当該模造通貨を商店で使用して商品の交付を受けたときは、 通貨模造罪のみが成立し、 詐欺罪は成立しない。
×
5
刑法上の「有価証券」 とは、 財産上の権利を表示する証券で、権利の行使又は移転のために証券の占有を必要とするものをいうところ、必ずしも取引上の流通性を有することを要しない。
○
6
人質強要行為処罰法1条が定める 「人質による要求」 の相手方となる 「第三者」 は、 自然人に限られず、 会社・ 財団のような法人や、 法人格のない各種団体であってもよい。
○
7
国立病院機構X病院の医師甲は、 交通事故により軽傷を負った友人乙から、当該交通事故の示談交渉を有利にするため、 重症の診断書の作成を依頼され、 その情を知りながら重症の診断書を作成した。 甲には、虚偽診断書作成罪が成立する。
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8
少年院に収容された少年は、 単純逃走罪の主体に当たる。
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9
暴力行為等処罰法1条が定める共同暴行等罪は、 3人が共謀し、そのうち2人が被害者に対して暴行の実行行為に及んだ場合でも、 また、 共謀をした3人のうち2人が被害者に対して暴行をし、残りの1人が被害者に対して脅迫した場合でも成立する。
○
10
単純収賄罪にいう 「要求」 とは、 賄賂の供与を請求することをいうが、これは一方的な行為で足り、 相手方がその請求に応じることを要しない。
○
11
公務員が、 業者から将来の物品購入を期待して贈られた金銭を、 その旨を了承して受領した場合には、 事前収賄罪が成立する。
×
12
公務執行妨害罪は、 我が国の公務を保護しようとするものであるから、 我が国に駐在する外国大使館の職員等は、 本罪の客体である公務員に当たらない。
○
13
公務執行妨害罪が成立するためには、公務の執行を妨害するに足りる程度の暴行・脅迫が加えられただけでは足りず、 その暴行・脅迫により職務の執行が現実に妨害されたことが必要である。
×
14
会社の代表権を有する者が、 その任務に背いて自己又は第三者の利益を図るため、 代表者名義の文書を作成しても、その権限の範囲内である限り、 私文書偽造罪は成立しない。
○
15
他人所有のパソコンのハードディスク内にある電磁的記録を、自己のUSBメモリに複写し、それを使用してデータをプリンタで印字した場合には、電磁的記録不正作出罪が成立する。
×
16
賄賂として受け取った金員を金融機関に預金した場合、 当該金員は、没収することはできない。
○
17
特殊開錠用具所持禁止法3条は、 業務その他正当な理由のない特殊開錠用具の所持を禁止しているが、逮捕留置中の者が、自宅内に特殊開錠用具の存在を認識して、 これを隠匿している場合も、 「所持」 に当たる。
○
18
有価証券を偽造する際に、 偽造した他人の印章・署名を用いた場合、 私印偽造罪は有価証券偽造罪に包括され、 別罪を構成しない。
○
19
贈賄罪における「申込み」とは、賄賂の収受を促すことをいうところ、これは単なる口頭での申出では足りず、 現実に収受し得る状態に置くことが必要である。
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20
公務執行妨害罪の保護法益は、国又は地方公共団体の機能としての公務そのものの公正や円滑な遂行であり、 個々の公務員の身体の安全や意思決定の自由を保護するものではない。
○
21
継続性を有する性質の職務に公務員が従事している場合には、その公務員が特に休憩をしている状況がなくても、一時中断ないし停止されているかのような外観を呈しているときは、公務執行妨害罪にいうところの 「職務を執行するに当たり」には該当しない。
×
22
あっせん収賄罪における「あっせん」 は、 公務員という身分を有する者が行えば足りるので、 公務員が職務以外において単なる私人としての立場であっせんする場合にも、 本罪が成立する。
×
23
不正指令電磁的記録取得等罪の客体となる不正指令電磁的記録は、人の電子計算機における実行の用に供する目的で作成されたものに限られる。
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24
強制執行妨害目的財産損壊等罪は、 強制執行を妨害する目的で、財産を隠匿し、 損壊し、 若しくは譲渡を仮装し、 又は債務の負担を仮装した場合に成立するところ、 将来強制執行を受けることを予想してあらかじめ財産を隠匿したとしても、 本罪は成立しない。
○
25
不正電磁的記録カード譲渡し罪が成立するためには、譲渡の相手方が、 支払用カードの電磁的記録が不正に作出されたものであることを認識していたことを要する。
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26
緊急逮捕した被疑者を警察署に連行する途中に、 同行警察官に暴行を加え逃走した場合には、 加重逃走罪が成立する。
×
27
公務執行妨害罪の故意としては、 相手方が公務員であること及びその者が職務を執行するに当たり、 これに暴行・脅迫を加えることの認識があれば足り、 単に自己の恨みを晴らす目的で警察官に対して暴行を加えた場合であっても、 本罪が成立する。
○
28
宝くじは、 刑法上の有価証券に当たる。
○
29
強制執行妨害目的財産損壊等罪は、 損壊とはいえない増改築等により、 対象財産の価値を減損させたり、 除去に過大な費用を要する状況を作り出して費用倒れにさせたりするなどの妨害行為を行った場合にも成立する。
○
30
犯人蔵匿・隠避罪における蔵匿とは、捜査機関が犯人を発見・逮捕するのを免れさせるために場所を提供して犯人をかくまうことをいうところ、 蔵匿行為があれば、捜査機関が犯人の所在を知っていたとしても、犯人蔵匿罪の成立を妨げない。
○
31
私電磁的記録不正作出罪が成立するためには、行為者に人の事務処理を誤らせる目的があることを要するところ、ここにいう「事務処理」とは、財産・身分関係を始め、人の生活関係に影響を及ぼし得ると認められる一切の事務処理をいう。
○
32
公務執行妨害罪の故意があるといえるためには、行為者において職務執行中の公務員に暴行・脅迫を加えているという認識があれば足り、 具体的にいかなる内容の職務を執行しているかということまで認識している必要はない。
○
33
加重逃走罪における「損壊」 は、 逃走の手段として行われることが必要であるが、 物理的損壊のほかに、 物理的に損壊することなく手錠を外す行為もこれに含まれる。
×
34
虚偽公文書作成罪は、作成権限を有する公務員が内容虚偽の公文書を作成した場合に成立するところ、作成権限を有しない一般人が、事情を知らない公務員に対し虚偽の事実を申し向けして、虚偽の公文書を作成させた場合には、虚偽公文書作成罪の間接正犯が成立する。
×
35
自動販売機の商品を領得する目的で偽造通貨を投入したが、自動販売機が作動しなかった場合には、偽造通貨行使罪の未遂となる。
×
36
犯人蔵匿・隠避罪における隠避とは、 蔵匿以外の方法で犯人の発見 逮捕を免れさせる一切の行為をいい、 その手段・方法のいかんを問わないので、 一般私人が犯人を知りながら捜査機関に告知しないという不作為もこれに当たる。
×
37
逮捕された者を逃走させる目的で逮捕者に暴行を加えた場合には、逃走援助暴行罪が成立するが、 この場合の逮捕者は私人でもよい。
○
38
数名が共同して1つの公務を行う場合、 その公務員全員に対して脅迫が加えられたとき、公務員の数だけ公務執行妨害罪が成立する。
×
39
賄賂は、金品その他の財産的利益に限らず、 人の需要や欲望を満たす利益であれば、いかなるものであるかを問わないので、酒食の供応や異性間の情交等も賄賂の目的物に含まれる。
○
40
公務員の適法な職務執行に対し、数人が共同して当該公務員に暴行・脅迫を加え、これを妨害した場合、 暴力行為等処罰法1条違反の罪は、公務執行妨害罪に吸収され、 別罪を構成しない。
○
41
甲が、カラーコピー機を使用して偽1万円札を作成し、これを同棲中の女性の財布の中にある1万円札とすり替え、女性が1万円札と知らずにこれを使用した場合、甲には、通貨偽造罪及び同行使罪が成立する。
○
42
私文書偽造罪は、 「権利、 義務若しくは事実証明に関する文書若しくは図画」 を客体とする罪であるところ、 郵便局に提出された転居届、 履歴書 遺失届出書 被害届は、 事実証明に関する文書に当たる。
○
43
公務員が賄賂を収受して職務上不正な行為をし、又は相当の行為をしなかった場合には、加重収賄罪が成立し、その刑が加重される。
○
44
暴力行為等処罰法1条にいう「兇器を示し」 とは、現実に凶器を携帯し、これを被害者である相手方に認識させる場合に限られず、凶器を携帯していないのに携帯しているように見せかけた場合も含まれる。
×
45
甲が、 偽造手形であることを知っている者に対し、 その情を明かさずに当該偽造手形を真正なものとして手渡した場合には、甲には、偽造有価証券交付罪ではなく、 偽造有価証券行使未遂罪が成立する。
○
46
作成権限者たる公務員を補佐して公文書の起案を担当する職員が、行使の目的で内容虚偽の公文書を起案し、 情を知らない上司を利用してこれを完成させた場合、 虚偽公文書作成罪の間接正犯が成立する。
○
47
甲が、 S区の選挙権を得るため、 居住の意思も事実もないのに、S区内の知人の住所地に転居したとする虚偽の事実を記載した転入届をS区役所に提出し、 情を知らない同区役所係員をして、 住民基本台帳ファイルにその旨を記録させた場合、甲には電磁的公正証書原本不実記録罪が成立する。
○
48
代理資格を有しない者が、 金融機関から融資を受ける目的で、代理資格を冒用して借用証書を作成した場合は、 有印私文書偽造罪が成立する。
○
49
会社員甲が、自己の所有地に立ち入る者を排除する目的で、「無断でこの土地に侵入するな。 A警察署長」 との立札を作成し、当該土地の入口に立てた場合、甲には、 有印公文書偽造・同行使罪が成立する。
○
50
甲は、遠隔操作で自由自在に操作できるルーレットを利用し、作動・不作動を交えながらゲームを行い、 3~4人の者から多額の金を巻き上げた。 この場合、甲には、 賭博罪が成立する。
×
51
支払用カード電磁的記録に関する罪にいう「人の財産上の事務処理を誤らせる目的」 とは、不正に作られた電磁的記録が用いられたことにより、 他人の財産上の事務処理を誤らせる目的をいう。 クレジットカードを用いてキャッシングを受ける場合や、支払用カードを身分証代わりに使用する場合には、 その目的を欠くことになる。
×
52
刑法の器物損壊罪は親告罪であるが、 多衆の威力を示して行われる暴力行為等処罰法1条の器物損壊は、 親告罪ではない。
○
53
甲が、外国人A女を日本に入国させるため、婚姻の意思もないのに、同女と婚姻した旨の虚偽の婚姻届を区役所に提出し、情を知らない同区役所係員をして、戸籍簿にその旨を記載させた場合、甲には公正証書原本不実記載罪が成立する。
○
54
国勢調査票の記入方法について説明に訪れた調査員は、公務執行妨害罪の客体には当たらない。
×
55
印鑑証明書中に顕出された印鑑部分は私文書であり、証明書の部分は公文書であることから、両者を偽造する行為は、 私文書偽造罪と公文書偽造罪を構成する。
○
56
違反の累積で免許停止中の甲は、 駐車違反取締中の女性警察官の姿を見て妨害してやろうと考え、十数メートル離れた位置に駐車中のミニパトのエンジンキーを抜き取り、近くのごみ箱に捨てた。 この場合、 甲には、 公務執行妨害罪が成立する。
×
57
暴力行為等処罰法1条における 「多衆」 は、 集合の目的が合法であるか違法であるかを問わない。
○
58
犯人蔵匿・隠避罪は、罰金以上の刑に当たる罪を犯した者を客体とするところ、 その者が不起訴処分又は起訴猶予処分になった場合には、 客体とならず、 本罪は成立しない。
×
59
わいせつ物陳列罪にいう「公然と陳列した」 とは、わいせつな文書等を、不特定又は多数の者が観覧することができる状態に置くことをいい、 映写機等で映す行為もこれに当たる。
○
60
税務署の法人課に勤務し、 法人査定の職務に従事している甲は、遊興費を得ようと企て、かねてから知り合いのパチンコ店主乙に対し、 「法人税に手心を加えてやるから謝礼として300万円出して欲しい。」 と申し向けた。 乙はその要求を即時に承諾して、後日、 甲宅を訪ねて 300万円を甲に手渡した。 甲には、 単純収賄罪が成立する。
×
61
公務員が、 その職務に関して賄賂を受け取った場合には、収賄罪が成立するが、 当該職務行為は、 自己に決裁権があるものに限られ、 上司の命令を受けて行う補助的職務は含まれない。
×
62
電磁的記録部分が不正に作出されたクレジットカードであることを知りながら、 商品を購入するために店員に同カードを提出し、 人の財産上の事務処理の用に供し、 他人の財物をだまし取った者には、不正電磁的記録カード所持罪、 不正作出支払用カード電磁的記録供用罪及び詐欺罪が成立する。
○
63
公務執行妨害罪が成立するためには、行為者に公務員の職務執行を妨害しようとする目的がなければならない。
×
64
盗犯等防止法3条に定める常習累犯強窃盗罪の主体は、窃盗罪、 強盗罪、 事後強盗罪、昏酔強盗罪又はこれらの未遂罪を常習として犯した者であることを要するが、 これらの罪の幇助犯、教唆犯も含まれる。
○
65
原本である公文書の正確なコピーに見せかけて使用する目的で、 虚偽の写真を用いた公文書のコピーを作成した場合、 コピーの作成名義人はコピーをした者であり、原本の作成名義人ではないから、 公文書偽造罪は成立しない。
×
66
職務強要罪は目的犯であり、公務員にある処分をさせ、 若しくはさせない目的で、 又は職を辞させる目的で、暴行・脅迫を加えることにより成立する。
○
67
公務執行妨害罪における公務員の職務執行は、当該公務員の一般的職務権限に属するものでなければならないが、この権限は、必ずしも法令で具体的に規定されていることを要しない。
○
68
受託収賄罪における「請託」とは、 公務員の職務に関してなされたものであれば足り、それが正当な職務行為の依頼であるか不正な職務行為の依頼であるかを問わない。
○
69
支払用カード電磁的記録に関する罪の 「支払用カード」とは、商品の購入、役務の提供等の取引の対価を、 現金の支払に代えて所定のシステムにより支払うために用いるカードをいい、 割引等の特典を蓄積されるだけの、いわゆる「ポイントカード」は、支払用カードに当たらない。
○
70
有価証券偽造罪にいう「偽造」 とは、作成権限を有しない者が、名義を偽って他人名義の有価証券を作成することをいうところ、 それは一般人が真正に作成された有価証券と誤信する程度のものであれば足り、名義人が実在する必要はない。
○
71
暴力行為等処罰法1条ににいう「威力を示し」に当たるためには、直接相手方に告げなくてはならず、 電話で相手方に告げた場合は、 「威力を示し」 には当たらない。
×
72
暴力行為等処罰法1条の 「団体」とは、 目的を持って集まったものか、偶発的に集まったものか、一定の意思を伴ったものかを問わない。
×
73
テレホンカード等のプリペイドカードは有価証券に当たると解されるので、行使の目的をもって、 その電磁的記録部分の情報を権限なく改ざんすれば、 有価証券偽造罪が成立する。
×
74
公文書偽造罪の客体である公文書は、日本の公務所又は公務員が作成した文書に限られず、 外国の公務所又は公務員が作成したものであってもよい。
×
75
偽造通貨収得罪は、行使の目的で、 偽造・変造の通貨を収得することにより成立するところ、ここにいう「収得」とは、自己の所持に移す一切の行為を意味するので、窃盗、詐欺等の犯罪によって占有を取得した場合であっても、 偽造通貨収得罪が成立する。
○
76
私文書偽造罪が成立するためには、 文書に対する公共の信用が害されるといった抽象的な危険では足りず、 相手方に損害を与える等、 具体的な侵害がなければならない。
×
77
賄賂とは、職務行為と対価関係にある不正な利益をいうところ、その職務行為は不正であることを要しないので、正当な職務行為の対価として給付されるものも賄賂となり得る。
○
78
公務員が転職によって一般的職務権限に変更が生じた後、 その転職前の職務に関して賄賂を収受した場合には、事後収賄罪が成立する。
×
79
不正指令電磁的記録供用罪は、客体である不正指令電磁的記録を、 その情を知らない第三者の電子計算機上で実行され得る状態に置けば既遂となり、 現実に実行させる必要はない。
○
80
偽造通貨収得罪は、 偽造通貨を自己の所持に移せば足り、収得時に偽造通貨であることを認識している必要はないので、収得後に偽造通貨であることを知って行使の目的を生じた場合でも、罪が成立する。
×
81
公務執行妨害罪の 「職務を執行するに当たり」 とは、職務を執行するに際してという意味であり、現に職務を執行中である場合はもとより、 その職務の執行に着手しようとしている場合も含まれるが、職務の執行を終了した直後は含まれない。
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82
第三者供賄罪にいう「第三者」とは、公務員以外の者をいい、自然人であるか法人であるか、 また、法人格のない団体であるかを問わない。
○
83
文書偽造罪は文書に対する公共の信用を保護法益とするものなので、一般人が真正に作成された文書と誤信するおそれがある限り、 架空人、死亡者のように作成名義人が実在しない場合でも、文書偽造罪が成立する。
○
84
外国通貨偽造罪は、 行使の目的をもって日本国内に流通している外国の貨幣・紙幣 銀行券を偽造・変造することによって成立するところ、ここにいう「流通している」 とは、通貨偽造罪の「通用する」 とは異なり、 我が国で事実上使用されていることをいい、 強制通用力を伴うことは必要ない。
○
85
変造とは、 真正に作成された他人名義の文書に、その文書としての同一性を失わせない限度において、 文書の非本質的部分に権限なく変更を加えることであり、他人の運転免許証の写真を貼り替えることは、本質的な部分の同一性を害するので、変造ではなく偽造に当たる。
○
86
公務執行妨害罪における暴行は、公務員に向けられた有形力の行使であることを要するが、 直接公務員の身体に対して加えられたか否かを問わない。
○
87
公務員が、 配置換えにより他の職務に転じた後、 前の職務に関して賄賂を収受した場合には、たとえ転職によって一般的職務権限に変更を生じても、 なお公務員である限り、事後収賄罪 は成立しない。
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88
暴力行為等処罰法1条にいう 「数人共同して」 とは、事前に2人で暴行することを共謀したが、現場にはそのうちの1人が赴き、 共謀に係る行為を実行した場合であってもよい。
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89
賄賂要求罪は、公務員が賄賂を求めたときに実行の着手が認められ、収受したときに既遂となるが、 相手方が賄賂を求められたことについての認識を欠く場合や、相手方に断られた場合には、 本罪は未遂となる。
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90
外国通貨偽造罪の客体である外国通貨は、必ずしも日本国内において流通していることは必要でなく、外国において強制通用力のある通貨であればよい。
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91
公務執行妨害罪にいう脅迫とは、公務員に対して、 畏怖させるに足りる害悪を告知することをいうが、 その告知によって相手方である公務員が現実に畏怖したことを要しない。
○
92
甲は、本屋で万引きをしたが、 店主に発見されたので何も取らずに逃走した。 甲には、 単純逃走罪が成立する。
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93
支払用カード電磁的記録不正作出器械原料準備罪は、人の財産上の事務処理を誤らせる目的をもって器械・ 原料を準備する犯罪であり、不正作出の実行の着手に至らない場合に成立するところ、 スキミングのための器械・装置の販売又は購入は、 ここでいう準備には当たらない。
○
94
甲は、 A を殺害することを乙と共謀し、 Aを暴行した後に殺害したが、犯行が発覚しないように乙に逃走資金を与えて逃走させた。甲の行為は犯人隠避罪に当たる。
○
95
収賄罪の実行行為は、賄賂の収受、 要求、 約束であるが、 いずれの行為においても、行為者が目的物の賄賂性を認識することを要し、この認識を欠く場合には、収賄罪の故意は認められない。
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96
クレジットカードの磁気部分に改ざんを加える行為は、電磁的記録不正作出罪が成立する。
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97
逮捕され身柄を拘束されているが、いまだ勾留状の執行を受けていない者が、 監視の隙を見て逃走した場合には、単純逃走罪が成立する。
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98
公然わいせつ罪における「わいせつな行為」 とは、その行為者又はその他の者の性欲を刺激、 興奮又は満足させる行為をいうところ、 普通人の性的、道義的観念からみて、 公道上におい て女性が乳房を露出する行為は、直ちに本罪の 「わいせつな行為」に当たるわけではない。
○
99
公文書偽造罪における 「行使の目的」 とは、偽造の公文書を本来の用法に従って使用する目的に限られず、 真正な文書としてその効用に役立たせる目的も含まれる。
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100
甲らが共同して暴行を加え、財物を脅し取った場合、 甲らには、暴力行為等処罰法違反と恐喝罪とが成立する。
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