問題一覧
1
文学の発生から平安京遷都までを上代という。 古代においては自然の本体と考えられた神との交渉は人々にとって最も重要なことだった。その神への祈りや祖先の功績を語る「語り」やさまざまな霊魂への思いである「うた」は、①により継承されたが、これらを口承文学という。神話・伝説・②・祝詞はこのような古代の口承文学の貴重な遺産である。 六世紀ごろに漢字が使用されるようになると、それまでの口承文学は文字で記載されるようになる。中国や朝鮮への対抗意識もあって、それらは国家的な規模で行われ、③・『日本書紀』や④などの歴史書・地誌が作られた。 外からの刺激は従来の集団文学を変質させ、個人の文学意識を育てた。文学では⑤が最も優れたものとされ、宮廷を中心に盛んに作られて『懐風藻』にまとめられた。『万葉集』の編纂も中国の監視集などの刺激によるものと思われるが、この大歌集は日本人の感受性の原点を記して上代文学の記念になっている。
語部, 歌謡, 『古事記』, 『風土記』, 漢詩文
2
元明天皇の命により和銅5年に完成したわが国最初の史書は何か。
古事記
3
壬申の乱に勝利した天武天皇の命で古事記の内容を誦習していた人は誰か。
稗田阿礼
4
稗田阿礼が誦習していたものを選び、古事記を記録したのは誰か。
太安万侶
5
元正天皇の命で養老4年に成立した、六国史の最初にあたる史書は何か。
日本書紀
6
天武天皇の皇子で日本書紀を作った中心人物は誰か。
舎人親王
7
和銅6年の朝廷の命で、諸国からの地名の由来や物産などを報告した文書は何か。
風土記
8
奈良時代末期、ある氏族がその家の伝承を記して朝廷に提出した書は何か。
高橋氏文
9
言霊信仰に基づいて神に奏する祈願・祝福の言葉をなんというか。
祝詞
10
即位・改元など国家の大事の時に天皇が臣下に告げる言葉をなんというか。
宣命
11
古代に活躍した偉大な祖先たちの姿を、英雄の物語として捉えたものを何というか。
伝説
12
和歌の母胎にもなった、上代に歌われた「うた」を総称して何と呼ぶか。
上代歌謡
13
上代歌謡の「うた」のうち、『古事記』と『日本書紀』に載っているものを特に何と呼ぶか。
記紀歌謡
14
「うた」のうち、五七七の3句からなる最短の形式のものを何というか。
片歌
15
片歌の形を2回繰り返したもので、その多くは問答形式になっている歌を何というか。
旋頭歌
16
五七の句を繰り返し最後に五七七を加える形式の歌を何というか。
長歌
17
五七五七七という、のちに最もポピュラーな形式になる歌を何というか。
短歌
18
奈良薬師寺に現存する、釈迦の足跡を刻んだ石碑に記された歌を何というか。
仏足石歌
19
八世紀後半に仁徳天皇記以来約450年に及ぶ歌を集めた、現存最古の歌集は何か。
万葉集
20
万葉集を最終的に現在の20巻の形に編集したと思われる有力な人物は誰か。
大伴家持
21
万葉集にはおよそ何首の歌が収められているか。(漢数字)
四千五百首
22
万葉集の原本は漢字の音訓を巧みに用いて表記されているが、その表記法を何というか。
万葉がな
23
万葉集で、天武・天智天皇の両天皇に愛されたことで有名な第一期の代表的な女流歌人は誰か。
額田王
24
万葉集で、第二期の持統・文武二帝に仕えた宮廷の専門歌人で、長歌の完成者は誰か。
柿本人麻呂
25
万葉集第三期の歌人で、高市黒人の後を受け、叙景歌の完成者とされるのは誰か。
山部赤人
26
万葉集第三期の歌人で、「酒と旅の歌人」として有名なのは誰か。
大伴旅人
27
万葉集第三期の歌人で、この歌集中唯一の思想歌人であり「貧窮問答歌」で有名なのは誰か。
山上憶良
28
万葉集第三期の歌人で、伝説を素材に独自の長歌を歌い上げたのは誰か。
高橋虫麻呂
29
巻十四に約二百四十首載っている、東国地方の民謡的な歌を何というか。
東歌
30
巻二十に主にみられる、辺境防備のため九州へ招集された東国の農民たちの歌を何というか。さ
防人歌
31
天平勝宝三年成立の、現存する最古の漢詩集は何か。
懐風藻
32
嵯峨天皇の勅命で小野岑守らが編集した、わが国最古の勅撰漢詩集は何か。
凌雲集
33
同じく嵯峨天皇の勅命で藤原冬嗣らが編集した、二番目の勅撰漢詩集は何か。
文華秀麗集
34
淳和天皇の勅命で良岑安世らが編集した、三番目の勅撰漢詩集は何か。
経国集
35
八代集を順番に並べる
古今和歌集, 後撰和歌集, 拾遺和歌集, 後拾遺和歌集, 金葉和歌集, 詞花和歌集, 千載和歌集, 新古今和歌集
36
「和歌」が公的な文学としての地位を復活していく中で編まれた、最初の勅撰和歌集は何か。
古今和歌集
37
古今和歌集の中心的編者で、のちに『土佐日記』を書くことになる「仮名序」の作者は誰か。
紀貫之
38
古今和歌集の歌数は、およそ何首か。
千百首
39
古今和歌集の歌の制作年代は三つの時代に分けられるが、その第一期を普通何と呼ぶか。
読み人知らずの時代
40
古今和歌集で、七五調、三句切れが多くなり、技巧的になってきた第二期を何と呼ぶか。
六歌仙の時代
41
古今和歌集で、観念的・理知的な傾向が高まり、『古今集』の歌風が完成した第三期を何と呼ぶか。
撰者の時代
42
六歌仙の1人で、『伊勢物語』の主人公に擬せられているのは誰か。
在原業平
43
六歌仙の1人で伝説が多く、美人の代名詞にもなっているのは誰か。
小野小町
44
朗詠に適する漢詩と和歌を集めた『和漢朗詠集』の撰者は誰か。
藤原公任
45
今様を中心に雑芸と言われる様々な歌を集めた『梁塵秘抄』の撰者は誰か。
後白河法皇
46
架空の人物や事件を題材として、虚構の世界を展開させる物語を何と呼ぶか。
作り物語
47
歌語りを文化化し、あるいは、歌の詞書を充実させてできた物語を何と呼ぶか。
歌物語
48
「物語の出来はじめの祖」と言われる、現存する最古の物語は何か。
竹取物語
49
在原業平と思しき主人公の一代記の形をとった歌物語は何か。
伊勢物語
50
継母にいじめられた姫君が貴公子と結婚して幸福になるという筋の、有名な中古の物語は何か。
落窪物語
51
十世紀後半に成立した、音楽を中心にストーリーが展開する最初の長編物語は何か。
宇津保物語
52
『貞文日記』とも呼ばれる、平貞文を主人公にした物語は何か。
平中物語
53
『伊勢物語』の影響の下に、和歌にまつわる説話を集めた物語は何か。
大和物語
54
十一世紀初頭に成立した、日本古典文学の最高傑作とされる長編物語は何か。
源氏物語
55
清少納言と並び称される、源氏物語の作者は誰か。
紫式部
56
紫式部が仕えた、藤原道長の娘にあたる一条天皇の中宮はだれか。
中宮彰子
57
『枕草子』を「をかし」の文学と呼ぶとすれば、源氏物語は何の文学と言えるか。
「もののあはれ」
58
源氏物語成立の前提となった文学形式は、二つの物語の流れと、もう一つは何か。
日記文学
59
源氏物語は全部で何帖から成っているか。
五十四帖
60
源氏物語の最後の十帖を、特に何と呼んでいるか。
宇治十帖