問題一覧
1
日ごろのちぎりを変せず、一所にて死ににけるこそ無慚なれ。ちぎり
約束
2
なさけある人にて、瓶に花をさせり。なさけ
情趣を解する心
3
和歌こそ、なほをかしきものなれ。なほ
やはり
4
かぢとり、気色悪しからず。気色
機嫌
5
足もとへふと寄り来て、やがてかきつくままに、首のほどを食はんとす。ほど
あたり
6
鏡には色・かたちなきゆゑに、よろづの影来りて映る。加減
姿
7
年ごろ思ひつること、果たし侍りぬ。 年ごろ
長年
8
その人、かたちよりは心なむまさりたりける。かたち
容貌
9
大門のかたに、馬のいななく声して、人のあまたあるけはひしたり。あまた
たくさん
10
船も出ださでいたづらなれば、ある人の詠める。いたづらなれ
手持ちぶさたで暇な
11
この源氏の物語、一の巻よりしてみな見せ給へ。物語
物語
12
月明ければ、いとよくありさま見ゆ。 いと
とても
13
えさらぬことのみいいど重なりて、事の尽くる限りもなく、思ひ立つ日もあるべからず。えさらぬ
やむおえない
14
わづかに二つの矢、師の前にて一つをおろかにせんと思はんや。おろかに
おろそかに
15
御灯明の影ほのかに透きて見ゆ。影
光
16
前の世にも御契りや深かりけむ、世になく清らなる玉の男皇子さへ生まれ給ひぬ。 契り
宿縁
17
過ぎ別れぬこと、かへすがへす本意なくこそおぼえ侍れ。本意なく
残念に
18
それ、人の友とあるものは、富めるをたふとみ、ねんごろなるを先とす。ねんごろなる
親しい
19
日ごろ経て、宮に帰り給うけり。日ごろ
数日
20
門をほとほとと叩けば、やがて弾きやみ給ひぬ。やがて
すぐに
21
四十あまりの春秋をおくれるあひだに、世の不思議を見る事、ややたびたびになりぬ。やや
だんだん
22
女、いと悲しくて、しりに立ちて追ひ行けど、え追ひつかで、清水のある所に伏しにけり。え〜で。
できず
23
けしきばかり舞ひ給へるに、似るべきものなく見ゆ。けしきばかり
ほんの形だけ
24
世の中に長恨歌といふ文を、物語にかきてある所あんなり。文
漢詩
25
同じほど、それより下臈の更衣たちは、ましてやすからず。ほど
身分
26
出で給ふほどを、人々のぞきて見たてまつる。ほど
様子
27
梁塵秘抄の郢曲の言葉こそ、また、あはれなることは多かめれ。あはれなる
しみじみと心打たれる
28
滝の音水の音、あはれに聞こゆる所なり。あはれに
趣深く
29
つれづれなる時は、これを友として遊行す。つれづれなる
退屈な
30
男女の情けも、ひとへに逢ひ見るをばいふものかは。情け
情愛
31
つれづれに思ひつづくるも、うち返しいとあぢきなし。つれづれに
しんみりともの寂しく
32
その人の御もとにとて、文書きてつく。 文
手紙
33
狩りはねんごろにもせで、酒をのみ飲みつつ、やまと歌にかかれりけり。ねんごろに
熱心に
34
さぶらふ人々、ほどほどにつけてはよろこび思ふ。ほどほど
それぞれの身分
35
暮るるまで御物語し給ひて、大宮も渡り給ひぬ。物語
話
36
ほど経にければ便なし。ほど
時
37
命を奪はん事、いかでかいたましからざらん。いかでか
どうして
38
見目も心ざまも、昔見し都鳥に似たることなし。見目
容貌
39
この歌をこれかれあはれがれども、1人も返しせず。あはれがれ
感心する
40
かたちを変へて、世を思ひはなるやと、試みむ。形を変えて
出家し
41
かくて、翁やうやう豊かになりゆく。 やうやう
だんだん
42
つた•くず•朝顔、いづれもいと高からず、ささやかなる墻に、繁からぬ、よし。いと
たいして
43
月に2度ばかりの御契りなめり。契り
逢瀬
44
いかなるたよりして、気色見せむ。
思い
45
いかでこのかぐや姫を得てしがな、見てしがな。いかで
どうにかして
46
せちにもの思へる気色なり。気色
様子
47
人にまされりと思へる人は、たとひ言葉に出てこそ言はねども、内心にそこばくの咎あり。そこばく
たくさん
48
げにただ人にはあらざりけり。げに
なるほど
49
後の矢を頼みて、初めの矢になほざりの心あり。
いい加減
50
あはれ、いと寒しや。あはれ
ああ、
51
口惜しといふもおろかなり。いふもおろかなり。
言葉では言い尽くせない。
52
少しの地をも、いたづらにおかんことは、益なきとなり。食ふ物・薬種などを植ゑおくべし。いたづらに
むだに
53
つひに本意のごとくあひにけり。本意
かねてからのお願い
54
さらに人に交はることなし。さらに〜なし。
全く
55
吹くからに秋の草木のしをるればむべ山風をあらしと言ふらむ。むべ
なるほど
56
梅は気色ばみほほ笑みわたれる、とりわきて見ゆ。気色ばみ
きざしがみえる
57
いかでさることは知りしぞ。いかで
どうして
58
や、な起こしたてまつりそ。幼き人は寝入り給ひにけり。な〜そ。
な
59
あはれなる人を見つるかな。あはれなる
かわいらしい
60
薬も食はず。やがて起きも上がらで、病み臥せり。やがて
そのまま
61
よろづのことよりも情けあるこそ、男はさらなり、女もめでたくおぼゆれ。情け
思いやり