暗記メーカー

お問い合わせ
ログイン
第2回 司法審査制と「憲法訴訟」の基礎
  • Aiko Kobayashi

  • 問題数 28 • 4/16/2024

    問題一覧

  • 1

    自由権の合憲・違憲判断の方法の名称

    三段階審査

  • 2

    三段階審査の具体的な方法は?

    ① 保護領域:基本権によって保護された行為・状態の領域を画定する段階(〜は憲法〜条が保障する〜に当たるか?) ② 制限:基本権を制限する国家行為を確認する段階(ある制限行為が憲法の保障する何らかの権利の制限に当たるかどうか)この段階では制限の有無のみを判断し、制限の態様は別途考える ③ 正当化:その基本権制限を憲法上の要件に照らして正当化できるかどうかを問う段階

  • 3

    保護領域の画定の2重の機能

    保護領域にふくまれる行為等に制限が加えられた場合に、比例原則を中心とした制限の正当化が要求されるようになること(積極的機能) 保護領域に含まれない行為等の規制についての正当化を不要とすること(消極的機能)

  • 4

    国家の規制が「制限」に当たるかどうかの判断材料4つ

    「①目的志向性(規制する目的をもって意図的になされたのかどうか) ②直接性 ③命令性(命令権および強制権の発動としてなされたものかどうか) ④法形式性(法律・命令・判決という法形式をもってなされたのかどうか)

  • 5

    比較衡量論とは?

    違憲審査の基準の一つ。 全ての人権について、「それを制限することによってもたらされる利益とそれを制限しない場合に維持される利益とを比較して、前者の価値が高いと判断される場合には、それによって人権を制限することができる」という考え方

  • 6

    比較衡量論の問題点

    一般的に比較の準則が必ずしも明確でなく、特に国家権力と国民との利益の衡量が行われる憲法の分野においては、概して国家権力の利益が優先する可能性が強い点。

  • 7

    審査基準論(通説)とは?

    法律の違憲審査を行う際に、裁判所が、権利論的及び機能論的観点から類型的に 審査の基準を設定し、その基準に基づいて当該法律が憲法に適合するか否かを判 断する手法 そのうちの一つが二重の基準論

  • 8

    厳格審査基準の目的と手段

    目的:政府利益が必要不可欠(やむにやまれぬ利益〔compelling interest〕)か。 手段:目的達成手段のために必要最小限度か(狭く仕立てられているか〔narrowly tailored〕)か 精神的自由権への侵害に対して用いる

  • 9

    中間審査基準(厳格な合理性の基準)の目的と手段

    目的:政府利益が重要か/実質的か 手段:目的と手段との間に実質的な関連性があるか。より制限的でない他の手段(Less Restrictive Alternatives: LRA)が存在しないか。

  • 10

    合理性基準とは?

    目的:政府利益が正当(legitimate)であるか 手段:目的と手段に合理的な関連性があるか 経済的自由権への制限に対して用いる

  • 11

    立法事実とは?

    立法事実とは、「法律の基礎にあってその合理性を支える社会的・経済的・文化的な一般事実をいい、立法当時の過去の事実そのものではなく、裁判時において立法を支える事実に合理性があるか否かが問題

  • 12

    比例原則審査とは?

    実質的正当化の審査では、目的審査(規制目的が憲法上禁止されておらず、制限との関係で相応の重要性をもつかの審査)の後に、比例原則審査が行われる ① 手段の適合性:手段が立法目的の実現を促進するか。 ② 手段の必要性:手段が立法目的にとって必要か。基本権制限の程度が低いが立法目的の実現に対して等しく効果的な他の手段が存在する場合に、必要性は否定される。 ③ 狭義の比例性:規制手段によって得られる利益と失われる利益との均衡が保たれるかどうか。失われる利益が大きい場合、狭義の比例性は否定される。 上記の3つの基準で判断

  • 13

    必要性の原則とは?

    付随的審査制から、具体的事件・争訟の解決に必要な限りで違憲審査権を行使するべきという考え方

  • 14

    違憲判断がされた場合の効力は?

    個別的効力説(違憲判断は当該事件に限って効力を持つとする)をとる

  • 15

    政治部門に対する敬譲――憲法の「過小執行(under-enforcement) 」とは?

    裁判所が、自らが解釈の結果示した憲法規範を執行する段階で、自らの専門的能力の欠如を理由に、ゆるやかな審査しか行わないこと

  • 16

    内閣法制局とは?

    内閣の職務遂行を補助する機関 政府提出の法律案や政令の審査立案、法律問題に関して内閣等への意見、国内外の法制や国際法制等について調査を行う

  • 17

    公務員の憲法尊重擁護義務とは?

    国会議員や内閣の構成員また行政庁の職員党は憲法に違反してはならず、国家行為が憲法に違反しないかの自己点検が求められること。

  • 18

    制限を正当化するに際し用いる理論2つ

    審査基準論、比例原則審査

  • 19

    立法事実審査とは?

    立法事実が、立法目的の合理性ないしそれと密接に関連する立法の必要性を裏付ける事実であるかどうかだけでなく、立法目的達成手段(規制手段)が合理的であるかどうかで合憲かどうかを判断する考え方

  • 20

    目的審査とは?

    規制目的が憲法上禁止されておらず、制限との関係で相応の重要性をもつかの審査

  • 21

    アメリカ型の違憲審査制の特徴

    下級裁判所を含む通常の司法裁判所が具体的事件の解決に際し前提問題として適用法令の合憲性を審査。 *憲法判断は「主文」ではなく「判決理由」に示される。 ・ 具体的事件の解決に付随して違憲審査権を行使する付随的審査が主たる権限行使形態であり、訴訟当事者の権利保障を主たる目的とする。

  • 22

    ドイツ型の違憲審査制の特徴

    ・ 司法裁判所の系統に属さない憲法裁判所が、主要問題として違憲審査権を行使 ・ 具体的事件とは無関係に法令の合憲性を審査すること(抽象的審査)も可能 憲法判断は「主文」に示される

  • 23

    日本国憲法の下での違憲審査制は?

    司法裁判所型

  • 24

    憲法訴訟とは?

    憲法にかかわる争点を伴って提起される訴訟

  • 25

    それぞれの訴訟で憲法上の争点提起は誰が行うのか? 民事訴訟、刑事訴訟、行政訴訟

    民事訴訟:原告もしくは被告、またはその両方により、攻撃または防御の方法として行われる 刑事訴訟:被告人の防御の方法として行われる 行政訴訟:原告の攻撃の方法として行われる

  • 26

    合憲限定解釈とは?

    字義どおりに解釈すれば違憲になるかも知れない広汎な法文の意味を限定し、違憲となる可能性を排除することによって、法令の効力救済する解釈

  • 27

    判例の断片性とは?

    裁判所があらゆる憲法問題に取り組むわけではないということ

  • 28

    所掌事務とは?

    政府提出の法律案や政令の審査立案、法律問題に関して内閣等(内閣総理大臣、各省大臣)への意見、国内外の法制や国際法制等について調査等