問題一覧
1
雑誌「スバル」は、雑誌「明星」に反旗を翻した若き人たちの集まりで、ある人物の援助を受けたが、それは誰か
森鷗外
2
雑誌「スバル」の若き詩人たちの中には、木下杢太郎・北原白秋・吉井勇・石川啄木・長田幹彦らがいた。この中で、耽美派に属さない人物の名前とその第一歌集を答えよ
石川啄木 一握の砂
3
雑誌「スバル」には後に、外遊から帰国した人物も力を貸したが、その人物名と彼の書いた訳詩集名を答えよ
上田敏 海潮音
4
雑誌「三田文学」の主宰は、森鷗外・上田敏の推挙で慶応大学の教授に迎えられた人物であるが、これは誰か
永井荷風
5
永井荷風はある訳詩集を書いて、昭和のモダニズム時に大きな影響を与えたが、それは何か
珊瑚集
6
明治30年代自然主義作家として出発した永井荷風は、外遊体験を描いた『あめりか物語』『ふらんす物語」で日本の表面的な西欧文明を批判し、江戸文化に傾倒し、花柳界に材を求めた作品を書いた。その中で1916年に書かれたのは何か
腕くらべ
7
雑誌「三田文学」などに叙情を発表していたが、その叙情性を小説に向け、一青年の憂鬱と倦怠に満ちた「田園の憂鬱」を書いた人物は誰か
佐藤春男
8
第二次「新思潮」に、女性美の賛美を根底に、奇抜な着想で女性の中にある妖婦的な要素を的確に描写した「刺青」を発表し、華々しく文壇デビューしたのは誰か
谷崎潤一郎
9
1924年、谷崎潤一郎の「悪魔主義」の代表作で、女性の優位性とその前に屈する男性という関係を描いた作品名を答えよ
痴人の愛
10
強烈な自己主張が落ち着きを見せ、第一次世界大戦の時代かもあってか、再びトルストイ 的な人道主義に傾いた武者小路実篤が、「自然の意志、人類の意志」の尊重をうたい、個人を生かすことが人類全体の幸福につながるとし、人間肯定を理想とする。その彼が人間のエゴの勝利を表した作品は何か
友情
11
八潔癖な倫理観と冷徹な人生観照の眼を持つ志賀直哉は短編に優れている。その彼が、 山手線の電車にはねられ、療養先で小動物の死を目撃したことにより、生命の営みの本質を考え、生と死を見つめ直した心境を書いた作品は何か
城の崎にて
12
自我貫徹に苦しむ主人公が、自然との調和を背景に他者との融合へ向かう魂の遍歴を描いた志賀直哉の唯一の長編小説は何か。
暗夜行路
13
1916年妻と父を失った有島武郎は、家の束縛がなくなったのを期に文筆活動に専念する。自我の確率を社会のあり方とからめて描くという特徴を持つ彼が、北海道の野性的な農民の姿を描いた作品は何か
カインの末裔
14
近代的自我に目覚めた急進的な女性の悲劇的な運命を描いた、有島武郎のリアリズム文学の傑作は何か。
或る女
15
芥川龍之介は夏目漱石の弟子で、大正五年に彼の激賞を受け、文壇にデビューする。そのデビュー作は何か
鼻
16
「馬琴日記抄」にヒントを得て構想した、芥川の人生観や芸術感が詳細に表されている江戸物の作品は何か
戯作三昧
17
「宇治拾遺物語」「十訓抄」に材をとった王朝物で、人間の道徳を放棄してまでも作品の完成を求めた絵師を通し、すさまじいまでの芸術至上主義を表した王朝物の作品は何か
地獄変
18
芥川が人間の幸福の意味を問うた、切支丹物の作品は何か
奉教人の死
19
1920年、芥川が明治初期の風俗を描いた開花物の作品は何か
舞踏会
20
不安な社会世相の中、人間性に心打たれるさまを描いた「蜜柑」「秋」などの成功によって、次第に現代を描く志向を強めた芥川が、孤独な自己の精神を説き明かした告白的自伝を何と言うか
大導寺信輔の半生
21
一高で芥川の同級であった菊池寛は、誘われて「新思潮」の同人となった。「無名作家の日記」で認められたが、彼の短編小説で、九州耶馬渓の青の洞門の由来を交え、敵討ちの非人間性とヒューマニズムの勝利を描いた作品は何か
恩讐の彼方に
22
プロレタリア文学が始動するきっかけになった大正10年に創刊された雑誌は何か
種蒔く人
23
初期のプロレタリア文学、雑誌「文芸戦線」の、代表的作家で「海に生くる人々」を書いたのは誰か
葉山嘉樹
24
堀辰雄らと創刊した同人誌「驢馬」に、芸術的な表現による正義感あふれる革命詩「歌」「夜明け前のさよなら」などのプロレタリア詩を書いた作家は誰か
中野重治
25
自己の体験を元に書いた「太陽のない街」を書き、プロレタリアの作家として認められたのは誰か
徳永直
26
プロレタリア文学、雑誌「戦旗」の代表作家で、「蟹工船」の作者は誰か
小林多喜二
27
横光利一は、新感覚派の理論家として中心的な人物であるが、新感覚派の目指した新しい文体の典型ともされる作品を雑誌「新小説」に発表するが、その作品は何か
日輪
28
川端康成の初期の作品で、旅芸人と一高生の出会いと別れを描いた小説は何か
伊豆の踊り子
29
川端康成は、社会が暗さを増していく昭和10年代、芸者駒子と島村を主人公にした作品を断片的に各紙に発表し始める。これらは、大幅な加筆・削除を経て1948年に一応完結を見るが、彼の死の前年に「定本」版を出すなど、彼の生涯をかけた作品となる。この作品は何か
雪国
30
井伏鱒二の作品は、はにかみの中にユーモアと哀しみのにじむ作風が特徴だが、1923年発表の「幽閉」に加筆し、改題した作品は何か
山椒魚
31
1925年に梶井基次郎が自分を押さえつける現実から脱した喜びの感覚を描いた短編は何か
檸檬
32
小林秀雄は近代の文学評論を、確立した評論を書くがこれを何と言うか
様々なる意匠
33
芥川龍之介の死に大打撃を受け、その死から行き方を模索し1930年にその体験を材に、人間の深層心理そのものを描写しようとした堀辰雄の短編小説は何か
聖家族
34
病気療養中の堀辰雄が死亡した婚約者を題材に「生・死・愛」という彼の文学主題を追求した長編小説は何か
風立ちぬ
35
横光利一が書いた、心理の動きを克明にたどった心理主義の実験的作品で、大きな反響を生んだものは何か
機械