問題一覧
1
のたまひしも(しるく)、十六夜の月をかしきほどにおはしたり
とおりに
2
昨日今日帝のたまはむことにつかむ、人聞き(やさし)
恥ずかしい
3
「など、かう音もせぬ。物言へ。(さうざうしき)に」と仰せらるれば
心さびしい
4
(すきずきしき)方にはあらで、まめやかに聞こゆるなり
好色めいている
5
髪ゆるるかに、いと長く、(めやすき)人なめり
感じがよい
6
いと(便なし)
困った
7
かへすがへす(ほいなく)こそおぼえはべれ
残念に
8
見すべきことありて、呼びにやりたる人の来ぬ、いと(くちをし)
残念だ
9
おのおの拝みて、(ゆゆしく)信おこしたり
はなはだしく
10
ある限り(さかしき)人なし
しっかりしている
11
猫は、まだよく人にも(なつか)ぬにや
なれ親しんで
12
妻(をかし)と思ひて、笑ひてやみにけり
滑稽だ
13
いとはかなうものしたまふこそ、あはれに(うしろめたけれ)
気がかりだ
14
(あさましう)、犬などもかかる心あるものなりけり
意外に
15
ただあな(むつかし)と思ひける心地みなさめて、
恐ろしい
16
(はづかしき)人の、歌の元末問ひたるに、ふとおぼえたる、我ながらうれし
立派な
17
いかなることならんなど、(ゆかしげなり)
知りたそうだ
18
雨(おどろおどろしく)降りて、
不気味に
19
朝の間も恋しく(おぼつかなく)
待ち遠しく
20
琵琶久しく聞かず。(ゆかしく)こそ
聞きたい
21
痴れたる者、それしも(さかしう)て
利口ぶっていて
22
命長さのいと(つらう)思ひたまへ知らるるに
苦痛に
23
(ありがたき)御かたち人になん
すばらしい
24
(めざましう)ありけるかなと、見棄てがたく口惜しうおぼさる
すばらしい
25
つつみなく言ひなるは、(あさましき)わざなり
情けない
26
いと(をかしげなる)猫なり。飼はむ。
かわいらしい
27
(あさましき)そらごとにてありければ、はや返したまへ
あきれるほどの
28
をかしき匂ひこそ、(心もとなう)つきためれ
かすかに
29
翁 を、(いとほし)、かなしと思しつることも失せる。
気の毒だ
30
海はなほいと(ゆゆし)と思ふに、まいて海女のかづきしに入るは、憂きわざなり
恐ろしい
31
夜の明くるほど、いと(心もとなし)
待ち遠しい
32
(まめかしき)もの。 ほそやかに 清げなる 君達の直衣姿
優美な
33
(はしたなき)もの。異人を呼ぶに、我ぞとさし出でたる
間が悪い
34
上げぐれの空に、雪の光見えて(おぼつかなし)
ぼんやりしている
35
上人なほゆかしがりて、(おとなしく)物知りぬべき顔してる神官を呼びて
思慮分別がある
36
(いはけなく)かいやりたる額つき、髪ざし、いみじううつくし
子供っぽく
37
夜いたくふけて、門をいたう(おどろおどろしう)たたけば
おおげさに
38
人の上言ふを腹立つこそいと(わりなけれ)
道理に合わない
39
なほ(わりなく)恋しうのみおぼえけへば
どうしようもなく
40
(かしこき)行ひ人侍る
すぐれた
41
侍どもは、(はしたなく)言ひければ、泣きつつ帰りて、屈まりゐたり
無愛想に
42
遣戸を荒くたてあくるも、いと(あやし)
不都合だ
43
人間にも、月を見ては、(いみじく)泣きたまふ
たいそう
44
あまり(うるはしき)御ありさまの、とけがたく
きちんとしている
45
頬つきいと(らうたげ)にて
可愛らしい様子で
46
いといたうやつれたまへれど、(しるき)御様なれば
はっきりわかる
47
昼など、けざやかに渡らむも(びんなき)を、夜の間に忍びてとなむ思ひ待る
不都合な
48
(ゆゆしき)城郭にてぞありける
すばらしい
49
(めざましき)ものにおとしめそねみたまふ
気にくわない
50
その沢に、かきつばたいと(おもしろく)咲きたり
すばらしく
51
世は定めなきこそ、(いみじけれ)
すばらしい
52
宮はいと(いとほし)と思す中にも、男君の一御かなしさはすぐれたまふにやあらん
かわいい
53
火のなきは今少し(すさまじけれ)
興ざめだ
54
死出の山ふもとを見てぞ帰りにし(つらき)人よりまづ越えじとて
薄情な
55
これかれ、(かしこく)嘆く
たいそう
56
なほ(憂し)と思ひつつなむありける
つらい
57
(いみじき)雨いやまさりなば、いふかひもなし
ひどい
58
黄ばみたる単衣など着たる人は、いちじう(心づきなし)
気に入らない
59
ほど経て見るは、(はづかしから)ぬかは
きまりが悪く
60
(よろしう)詠みたると思ふ歌を、人のもとにやりたるに、返しせぬ
悪くはなく
61
かぎりなく(わびしかり)けり
つらかった
62
その日の文、(うつくしう)作りたまひて進士になりたまひぬ。
見事に
63
(よき)人はあやしきことを語らず
身分教養の高い
64
昔、男、いと(うるはしき)友ありけり
親密な
65
いと(おぼつかなく)、「いかがあらむ」とのみ思ひやりけり
気がかりで
66
「なぞ、なぞ」と言うほど心憎し
心ひかれる
67
げに川風も心わかぬさまに咲き通す物の音ども(おもしろく)遊びたまふ
楽しく
68
(わりなく)ものうたがひする男にいみじう思はれたる女
ひどく
69
あだ心付きなば、後(くやしき)事もあるべきを
悔やまれる
70
かく御賀などいふことは、ひが数にへにやとおぼゆるさまの、(まめかしく)人の親げなくおはしますを、
若々しくて
71
かぎりなく(かなし)と思ひて、河内へもいかずなりにけり
いとしい
72
ある夜野分(はしたなう)吹いて、紅葉みな吹き散らし
ひどく
73
山路来て何やら(ゆかし)すみれ草
心ひかれる
74
(やむごとなき)物持たせて人のもとにやりたるに、おそく帰る
大切な
75
(おとなしき)郎等進み出て、「希有の事候ひつるなり」と言う
年長の
76
女君は、暑く(むつかし)とて、御髪すまして、少しさはやかにもてかなしたまへり
うっとうしい
77
(ありがたき)もの。舅にほめらるる婿
めったにない
78
足形付きて、いと(ふびんに)汚くなり侍りなむ
具合が悪く
79
いかのどかに(心にくく)住みなしたまへり
奥ゆかしく
80
その山のさま、高く(うるはし)
美しい
81
人のほめなどしたるよし言ふも、(かたはらいたし)
聞き苦しい
82
じやうらふはなほも(やさしかり)けり
優美だ
83
御前にて申すは、(かたはらいたき)ことにはさぶらへども
きまりが悪い
84
笛をいと(をかしく)吹き澄まして、過ぎぬなり
すばらしく
85
一昨日より腹を病みて、いと(わりなけれ)ば
つらい
86
藤の咲きかかりて、月になびきたる、風につきてさとにほふが(なつかしく)、そこはかとなき香りなり
心ひかれ
87
帝の召してこ、たまはむこと、(かしこし)とも思はず
おそれ多い
88
(あやしく)おもしろき所々多かりけり
不思議で
89
(あやしき)家の見所もなき梅の木などには
みすぼらしい
90
文ことば(なめき)人こそ、いとにくけれ
無礼な
91
異人々のもありけれど、(さかしき)もなかるべし
優れている
92
のたまひしも(しるく)、十六夜の月をかしきほどにおはしたり
とおりに
93
あな(やさし)
けなげだ
94
御心ばへいと(なつかしう)、おいらかにおはしまして、世の人いみじう恋ひ申すめり
親しみ深く
95
山里の風(すさまじき)夕暮れに木の葉乱れてものぞ悲しき
寒々としている
96
(あやしき)げらふなれども、聖人こ戒めにかなへり
身分が低い
97
(心もとなき)日数重なるままに、白河の関にかかりて、旅心定まりぬ
落ち着かない
98
十一になりたまへど、ほどより大きに、(おとなしう)きよらにて、
大人びて
99
ねびゆかむさま(ゆかしき)人かな、と目とまりたまふ
見たい
100
念じ暮らし給ひける、(すきずきしう)あはれなることなり
風流で