問題一覧
1
笛をいと(をかしく)吹き澄まして、過ぎぬなり
すばらしく
2
妻(をかし)と思ひて、笑ひてやみにけり
滑稽だ
3
いと(をかしげなる)猫なり。飼はむ。
かわいらしい
4
その沢に、かきつばたいと(おもしろく)咲きたり
すばらしく
5
げに川風も心わかぬさまに咲き通す物の音ども(おもしろく)遊びたまふ
楽しく
6
その日の文、(うつくしう)作りたまひて進士になりたまひぬ。
見事に
7
かぎりなく(かなし)と思ひて、河内へもいかずなりにけり
いとしい
8
頬つきいと(らうたげ)にて
可愛らしい様子で
9
(すきずきしき)方にはあらで、まめやかに聞こゆるなり
好色めいている
10
念じ暮らし給ひける、(すきずきしう)あはれなることなり
風流で
11
かく御賀などいふことは、ひが数にへにやとおぼゆるさまの、(まめかしく)人の親げなくおはしますを、
若々しくて
12
(まめかしき)もの。 ほそやかに 清げなる 君達の直衣姿
優美な
13
あまり(うるはしき)御ありさまの、とけがたく
きちんとしている
14
その山のさま、高く(うるはし)
美しい
15
昔、男、いと(うるはしき)友ありけり
親密な
16
十一になりたまへど、ほどより大きに、(おとなしう)きよらにて、
大人びて
17
上人なほゆかしがりて、(おとなしく)物知りぬべき顔してる神官を呼びて
思慮分別がある
18
(おとなしき)郎等進み出て、「希有の事候ひつるなり」と言う
年長の
19
(いはけなく)かいやりたる額つき、髪ざし、いみじううつくし
子供っぽく
20
翁 を、(いとほし)、かなしと思しつることも失せる。
気の毒だ
21
宮はいと(いとほし)と思す中にも、男君の一御かなしさはすぐれたまふにやあらん
かわいい
22
(ありがたき)もの。舅にほめらるる婿
めったにない
23
(ありがたき)御かたち人になん
すばらしい
24
髪ゆるるかに、いと長く、(めやすき)人なめり
感じがよい
25
御心ばへいと(なつかしう)、おいらかにおはしまして、世の人いみじう恋ひ申すめり
親しみ深く
26
藤の咲きかかりて、月になびきたる、風につきてさとにほふが(なつかしく)、そこはかとなき香りなり
心ひかれ
27
猫は、まだよく人にも(なつか)ぬにや
なれ親しんで
28
ねびゆかむさま(ゆかしき)人かな、と目とまりたまふ
見たい
29
琵琶久しく聞かず。(ゆかしく)こそ
聞きたい
30
山路来て何やら(ゆかし)すみれ草
心ひかれる
31
いかなることならんなど、(ゆかしげなり)
知りたそうだ
32
(よろしう)詠みたると思ふ歌を、人のもとにやりたるに、返しせぬ
悪くはなく
33
(よき)人はあやしきことを語らず
身分教養の高い
34
昨日今日帝のたまはむことにつかむ、人聞き(やさし)
恥ずかしい
35
じやうらふはなほも(やさしかり)けり
優美だ
36
あな(やさし)
けなげだ
37
いかのどかに(心にくく)住みなしたまへり
奥ゆかしく
38
「なぞ、なぞ」と言うほど心憎し
心ひかれる
39
(はづかしき)人の、歌の元末問ひたるに、ふとおぼえたる、我ながらうれし
立派な
40
ほど経て見るは、(はづかしから)ぬかは
きまりが悪く
41
(あやしく)おもしろき所々多かりけり
不思議で
42
遣戸を荒くたてあくるも、いと(あやし)
不都合だ
43
(あやしき)げらふなれども、聖人こ戒めにかなへり
身分が低い
44
(あやしき)家の見所もなき梅の木などには
みすぼらしい
45
昼など、けざやかに渡らむも(びんなき)を、夜の間に忍びてとなむ思ひ待る
不都合な
46
いと(便なし)
困った
47
足形付きて、いと(ふびんに)汚くなり侍りなむ
具合が悪く
48
なほ(憂し)と思ひつつなむありける
つらい
49
死出の山ふもとを見てぞ帰りにし(つらき)人よりまづ越えじとて
薄情な
50
命長さのいと(つらう)思ひたまへ知らるるに
苦痛に
51
文ことば(なめき)人こそ、いとにくけれ
無礼な
52
見すべきことありて、呼びにやりたる人の来ぬ、いと(くちをし)
残念だ
53
あだ心付きなば、後(くやしき)事もあるべきを
悔やまれる
54
女君は、暑く(むつかし)とて、御髪すまして、少しさはやかにもてかなしたまへり
うっとうしい
55
ただあな(むつかし)と思ひける心地みなさめて、
恐ろしい
56
夜いたくふけて、門をいたう(おどろおどろしう)たたけば
おおげさに
57
雨(おどろおどろしく)降りて、
不気味に
58
かへすがへす(ほいなく)こそおぼえはべれ
残念に
59
人の上言ふを腹立つこそいと(わりなけれ)
道理に合わない
60
なほ(わりなく)恋しうのみおぼえけへば
どうしようもなく
61
一昨日より腹を病みて、いと(わりなけれ)ば
つらい
62
(わりなく)ものうたがひする男にいみじう思はれたる女
ひどく
63
かぎりなく(わびしかり)けり
つらかった
64
「など、かう音もせぬ。物言へ。(さうざうしき)に」と仰せらるれば
心さびしい
65
火のなきは今少し(すさまじけれ)
興ざめだ
66
山里の風(すさまじき)夕暮れに木の葉乱れてものぞ悲しき
寒々としている
67
上げぐれの空に、雪の光見えて(おぼつかなし)
ぼんやりしている
68
いと(おぼつかなく)、「いかがあらむ」とのみ思ひやりけり
気がかりで
69
朝の間も恋しく(おぼつかなく)
待ち遠しく
70
をかしき匂ひこそ、(心もとなう)つきためれ
かすかに
71
(心もとなき)日数重なるままに、白河の関にかかりて、旅心定まりぬ
落ち着かない
72
夜の明くるほど、いと(心もとなし)
待ち遠しい
73
いとはかなうものしたまふこそ、あはれに(うしろめたけれ)
気がかりだ
74
黄ばみたる単衣など着たる人は、いちじう(心づきなし)
気に入らない
75
人のほめなどしたるよし言ふも、(かたはらいたし)
聞き苦しい
76
御前にて申すは、(かたはらいたき)ことにはさぶらへども
きまりが悪い
77
(あさましう)、犬などもかかる心あるものなりけり
意外に
78
(あさましき)そらごとにてありければ、はや返したまへ
あきれるほどの
79
つつみなく言ひなるは、(あさましき)わざなり
情けない
80
(めざましき)ものにおとしめそねみたまふ
気にくわない
81
(めざましう)ありけるかなと、見棄てがたく口惜しうおぼさる
すばらしい
82
世は定めなきこそ、(いみじけれ)
すばらしい
83
(いみじき)雨いやまさりなば、いふかひもなし
ひどい
84
人間にも、月を見ては、(いみじく)泣きたまふ
たいそう
85
海はなほいと(ゆゆし)と思ふに、まいて海女のかづきしに入るは、憂きわざなり
恐ろしい
86
おのおの拝みて、(ゆゆしく)信おこしたり
はなはだしく
87
(ゆゆしき)城郭にてぞありける
すばらしい
88
帝の召してこ、たまはむこと、(かしこし)とも思はず
おそれ多い
89
(かしこき)行ひ人侍る
すぐれた
90
これかれ、(かしこく)嘆く
たいそう
91
異人々のもありけれど、(さかしき)もなかるべし
優れている
92
ある限り(さかしき)人なし
しっかりしている
93
痴れたる者、それしも(さかしう)て
利口ぶっていて
94
いといたうやつれたまへれど、(しるき)御様なれば
はっきりわかる
95
のたまひしも(しるく)、十六夜の月をかしきほどにおはしたり
とおりに
96
のたまひしも(しるく)、十六夜の月をかしきほどにおはしたり
とおりに
97
(はしたなき)もの。異人を呼ぶに、我ぞとさし出でたる
間が悪い
98
侍どもは、(はしたなく)言ひければ、泣きつつ帰りて、屈まりゐたり
無愛想に
99
ある夜野分(はしたなう)吹いて、紅葉みな吹き散らし
ひどく
100
(やむごとなき)物持たせて人のもとにやりたるに、おそく帰る
大切な