問題一覧
1
国際予備審査機関の最小限の要件は?
●審査を行うために十分な技術的資格を備えた100人以上の常勤の従業者を有して いること ●最小限資料を「容易に利用できる」こと ●所要の技術分野の審査能力と語学力を有する職員を有していること ●調査の質の管理制度及び内部の検討制度が設けられていること ●国際調査機関として選定されていること
2
管轄国際予備審査機関以外へ国際予備審査請求があった場合の場合の(1)手続き、(2)効果は?
(1)手続き ●当該官庁等は、請求書に受理の日付を付し、規則59.3(f)に基づく決定をする場合を除き、国際事務局に当該請求書を送付する(同規則(a))。 国際事務局は、請求書を国際予備審査機関に送付し、出願人にその旨を通知する(同規則 (c)(i))。 ●当該官庁等は、当該請求書を管轄国際予備審査機関に直接送付することを決定することもできる。 (2)効果 送付された請求書は、当該日付に当該国際予備審査機関が受理されたものとみなされる(同規則(e))。
3
国際予備審査の基準となる日は?
(i)国際出願日 (ii)国際出願が優先権の主張が有効な場合、優先日(先の出願の出願日) (iii)優先権の回復により優先権の主張が有効であると判断された場合には、国際予備審査機関が、国際出願日が当該優先期間の満了日後であるという理由以外でその優先権の主張が有効でないと判断しない限り、先の出願日
4
国際予備審査機関を(1)特定するのはどこ?(2)選定するのはどこ?
(1)特定 ●受理官庁:第2章に拘束される国の居住者又は国民が行った国際予備審査の請求について特定 ●総会:PCT非締約国又は第2章に拘束されない国であって、総会が国際予備審査請求を認めた国の居住者又は国民がした国際予備審査の請求について特定 (2)選定は、総会がする。
5
国際予備審査の請求人適格は?
原則:以下の2つの要件を満たした者 (a) 第2章の規定に拘束される締約国の居住者又は国民 (b) 上記の締約国の受理官庁等に国際出願したこと 例外:PCTの非締約国又は第2章に拘束されない締約国の居住者又は国民であっても、国際出願をする資格を有する者であれば、総会の決定により国際予備審査の請求をすることができる。
6
出願人が2人以上の場合は、(1)どのような場合に国際予備審査請求が可能で、(2)どのような手続きが必要か?
(1)そのうち少なくとも1人が所定の請求人適格を有していれば足りる。 (2)国際予備審査の請求をしたすべての出願人が署名をする(規則53.8)。 →要件を満たしていない場合、国際予備審査機関は、出願人に対し、事情に応じて相当の期間内に欠陥の補充をすることを求める。 →規則53.8の規定の適用上、国際予備審査の請求が出願人のうちの1人により署名されているときは、十分なものとされる。
7
国際出願がされる言語及び国際出願が国際公開される言語のいずれもが国際予備審査機関が認める言語でない場合には、請求人はどのような手続きが必要か?
原則、国際予備審査の請求書とともに、所定の翻訳文を提出する(同規則(a))。
8
国際予備審査請求の(1)請求先、(2)請求後の国際事務局と国際予備審査機関の手続き、(3)締約国の選択は?
(1)管轄国際予備審査機関 (2) 国際予備審査機関は、請求書に受理の日を表示し、当該請求書を国際事務局に送付する。また、受理の日を出願人に速やかに通知する。 国際事務局は、各選択官庁に対し自己が選択官庁とされた旨を通知する。 (3)指定された国であって第2章の規定に拘束さ れる全締約国の選択を構成する = みなし全選択 なお、自動的な選択から特定の国を除外することはできないが、選択を取り下げることはできる(37条(1)、規則90の2.4)。
9
国際予備審査の請求に必要な(1)手数料、(2)請求先?
(1) ●取扱手数料:国際事務局のための手数料 ●予備審査手数料:国際予備審査機関のための手数料 (2)国際予備審査機関に支払う
10
国際予備審査請求に必要な「取扱手数料」の支払時期は?
●国際予備審査の請求書が提出された日から1月以内又は優先日から22月の期間のうちいずれか遅く満了する期間内 ●管轄国際予備審査機関以外への請求があった場合には、国際予備審査機関が請求書を受理した日から1月以内又は優先日 から22月の期間のうちいずれか遅く満了する期間内 ●国際調査と同時に国際予備審査を開始することを希望するときは、取扱手数料を求めの日から1月以内に支払うよう出願人に求める。
11
国際予備審査請求に必要な「取扱手数料」が払い戻される場合とは?
●国際予備審査の請求書を国際事務局に送付する前に、国際予備審査の請求が取り下げられた場合 ●出願人が国際予備審査の請求をする資格を有しないときに、国際予備審査の請求が行われなかったものとみなされた場合 ●国際予備審査の請求をすることができる期間を経過した後に国際予備審査の請求がなされたときに、国際予備審査の請求が行われなかったものとみなされた場合
12
国際予備審査請求に必要な「取扱手数料」が支払われなかった場合の(1)手続き、(2)効果は?
(1)国際予備審査機関は、求めの日から1月以内に支払うよう出願人に求める (2)求めに応じない場合、国際予備審査の請求は、所定の場合を除くほか、行われなかったものとみなされる
13
19条補正をしている場合、出願人はどのような手続きをすることが望ましいか?
国際予備審査の請求書における補正に関する記述にその補正を考慮することを希望する旨の表示をしたときには、国際予備審査の請求書とともに補正書の写し等を提出することが望ましい。
14
国際予備審査請求の(1)請求時期、(2)期間経過後の請求の効果は?
以下の期間のうちいずれか遅く満了する期間までにすることができる (a) 出願人への国際調査報告又は17条(2)(a)の宣言及び国際調査見解書の送付の日から3月 (b) 優先日から22月
15
予備審査請求の(1)取下げ可能な時期、(2)通告先、(3)取下げの効果は?
(1)時期:優先日から30月以内 (2)通告先:国際事務局 (3)効果: ●すべての選択国の選択の取下げ → 国際予備審査請求の取下げとみなされる ●選択国の一部についての取下げ又は国際予備審査請求の取下げ (a) 原則 → 関係締約国に関しては、「国際出願」の取下げとみなされる。 (b) 例外 (i)選択国の国内法令に別段の定めがある場合 (ii)優先日から30月前に行った場合 → 締約国は条件を満たした場合にのみ当該規定を適用することを定めることができる。 → 30月よりも遅い期間を国内法令により定めているときは、その期間の経過前となる。
16
国際予備審査開始の条件として、何を受領したことが条件?
(1)国際予備審査の請求書 (2)取扱手数料及び予備審査手数料の支払うべき額の全額(該当する場合には、後払手数料も含まれる) (3)国際調査報告又は17条(2)(a)に基づく宣言のいずれか及び国際調査見解書 (4)上記(1)〜(3)の要件に加え、所定の期間(国際調査機関から出願人への国際調査報告等の送付から3月又は優先日から22月を経過するまで)の満了が必要 → 出願人が明示的に早期の開始を請求した場合を除く
17
単一性違反の場合、国際予備審査機関はどのような手続を請求可能か?
●請求の範囲の減縮 ●追加手数料の支払い(追加手数料の支払いとともに異議を申し立てることができる)
18
国際予備審査機関は、単一性違反の場合、国際予備審査を進めることができるか?
できる。 国際予備審査機関は、「請求の範囲の減縮」も及び「追加手数料の支払い」のいずれも求めることなく、国際出願の全体について国際予備審査を進めることができる。 国際予備審査機関は、書面による見解及び国際予備審査報告において発明の単一性の要件を満たしていないと認めた旨を表示し及びその理由を明記する。
19
請求の範囲の減縮を選択した場合の選択国の措置は?
減縮の結果、国際予備審査の対象外となった部分について選択国の国内官庁に特別手数料を支払った場合を除き、選択国の国内法令は、当該部分を取り下げられたものとみなすことを定めることができる(34条(3)(b))。
20
単一性違反の場合において、国際予備審査機関の求め(請求の範囲の減縮、追加手数料の支払い)に応じない場合、国際予備審査機関による措置は?
国際予備審査機関は、「主発明であると認められる発明に係る部分について」予備審査報告を作成する。 → いずれの発明が主発明であるか疑わしい場合には、請求の範囲に最初に記載されている発明が主発明とみなされる(規則68.5)。
21
単一性違反の場合において、国際予備審査機関の求め(請求の範囲の減縮、追加手数料の支払い)に応じない場合、選択国による措置は?
主発明以外の部分については、選択国に特別手数料を支払った場合を除き、当該選択国の効果に関しては取下擬制可能。
22
国際予備審査請求をした出願人は、どのような権利を有する?
●国際予備審査機関と「口頭」及び「書面」で連絡する権利 ●34条補正 ●少なくとも1回示される「書面」による見解を受ける権利 ●書面による見解に対し答弁する権利
23
34条補正をすることができる(1)時期、(2)対象、(3)範囲、(4)提出先、
(1)時期 国際予備審査報告の作成される前の所定期間内であって、具体的には、 (a) 国際予備審査の始まる前 (b) 最初の書面による見解が示された後 (c) 追加の書面による見解が示された後 (d) 出願人の請求により与えられ得る追加の補正書提出の機会 (2)対象 請求の範囲・明細書・図面 (3)範囲 出願時における国際出願の開示の範囲内 → 当該開示範囲を超えてされた場合には、その補正がされなかったものとして作成される(指定国の国内法令が許容することも不可) (4)提出先 国際予備審査機関に対して行う。
24
34条補正の形式は?
【請求の範囲の補正】 →請求の範囲の全用紙を差替え用紙として提出しなければならない 【明細書又は図面の補正】 (原則) ●補正によって変更が生じた用紙のみを差替え用紙として提出する →差替え用紙には、差し替えられる用紙と差替え用紙との相違について注意を喚起する書簡を添付することが望ましい。 当該書簡においては、補正の理由を説明することが望ましい。 (例外) ●34条補正が一部の箇所の削除又は軽微な訂正若しくは追加である場合には、国際出願の関係する用紙の明瞭さ及び直接複製に悪影響を及ぼさないことを条件として、その用紙の写しに訂正又は追加したものを差替え用紙とすることができる ●補正により一の用紙の全体が削除されることとなる場合には、当該補正は、書簡によって通知し、また、その書簡において当該補正の理由を説明することが望ましい
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新規性・進歩性・産業上利用可能性について、(1)検討を行わない場合とは? (2)検討を行わない場合の手続・効果は?
(1) ●国際出願の対象が規則により国際予備審査を要しないとされているものと認め、 かつ、国際予備審査を行わないと決定した場合 ●明細書等が明瞭でないため又は請求の範囲が明細書により十分な裏付けをされて いないため、新規性等について有意義な見解を示すことができないと認めた場合 (2) 手続:出願人に対し、その旨の見解及び根拠が通知される。 効果:国際予備審査報告には、その旨の見解とその根拠が記述される。しかし、新規性等の基準に適合していると認められるかどうかについては記述されることはない。
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(1)書面による見解を示される場合3つは? (2)書面による見解を示されない場合は?
(1) ①新規性、進歩性(自明のものではないもの)及び産業上の利用可能性の3要件を満たしていない場合 ②国際出願が当該国際予備審査機関の点検した範囲内でこの条約及び規則に定める要件を満たしていない場合 ③当該国際予備審査機関が35条(2)の末文の意見(請求の範囲、明細書及び図面の明瞭性又は請求の範囲が明細書により十分な裏づけをされているかいないかの問題についての意見)を述べることを意図している場合 (2)通常の審査において直ちに特許するべきだと判断するような場合には、出願人の 見解を質すことなく直ちに国際予備審査報告が作成されることになる。
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国際調査見解書が「国際予備審査機関の書面による見解」とみなされないために必要な(1)手続き、(2)効果は?
(1)国際予備審査機関は、当該擬制がされないことを国際事務局に通告することができる → 通告した場合は、国際事務局は、その通告を速やかに公報に掲載する → 国際予備審査機関は、出願人にその旨を書面で通知する (2)国際調査見解書は、当該擬制がされない場合であっても、国際予備審査機関の書面による見解の作成において考慮される
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書面による見解に対し答弁可能な期間は?
通常、通知の日後2月。 いかなる場合にも通知の日の後1月未満とはされない。 ※出願人は、請求により、補正書又は抗弁を提出する1又は2以上の追加の機会を与 えられる場合がある
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トップアップ調査は(1)誰が行う、(2)どのような目的の調査?
(1)国際予備審査機関 (2)「国際調査報告を作成した日の後に発行された」又は「国際予備審査機関が調査のために利用可能となった」文献を発見するための調査
30
国際予備審査報告の作成期間は?
次の期間のうち最も遅く満了する期間 (a) 優先日から28月 (b) 国際予備審査開始の時から6月 (c) 提出された翻訳文を国際予備審査機関が受理した日から6月
31
国際予備審査報告において陳述不可のものは?
いずれかの国内法令によって特許になるか否か、なると思われるか否かについては陳述不可
32
新規性、進歩性及び産業上の利用可能性の基準に適合しているか否かの(1)記述内容、(2)記述に付される記載3つは?
(1)記述は「是」、「否」等の表現でなされる (2)記述には以下のものを付す (i)記述の結論を裏付けると認められる文献 (ii)必要な説明 (iii)他の意見
33
国際調査報告がされていない発明に関する請求の範囲は、国際予備審査報告の対象とすることを必要とするか?
必要としない。
34
作成された国際予備審査報告の表題は?
「特許性に関する国際予備報告(第2章)」と併称される。
35
締約国は33条に規定されている基準以外を適用することが可能か?
はい、可能です。
36
国際予備審査報告に際して考慮すべき資料は?
●国際調査報告に列記された文献はすべて考慮に入れる。 ●19条補正、34条補正、抗弁、明白な誤記の訂正は、原則として考慮に入れる。 →例外:国際予備審査の請求書の提出前にする19条補正であって、34条補正により差し替えられ又は取り消されたものとみなされる場合 国際予備審査の請求書の提出後にする19条補正及び34条補正であて、書面による見解又は国際予備審査報告の作成を開始した後に当該補正書が受理される場合 ●国際調査見解書は、国際予備審査機関の書面による見解とみなされない場合であっても考慮される ●上記以外の関連文献も考慮に入れることができる。
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国際予備審査の一見書類の秘密保持の(1)原則、(2)例外は?
●国際予備審査の一件書類(ファイル) (1)原則 いかなる時においても、いかなる者又は当局に対しても知得されるようにしてはならない。 (2)例外 (a) 国際予備審査報告の作成後の選択官庁 (b) 出願人の請求による場合、その承諾を得た場合 ●予備審査報告の作成の有無、審査の請求又は選択の取下げの有無、についても秘密を保持しなければならない
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選択官庁にだけ与えられる国際予備審査に関する情報とは?
●「予備審査報告」の送達 ●「選択」のあった旨の通知 → 通知は、国際事務局が行う。 ●「取下げ」があった旨の通知
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国際予備審査報告の送付・送達先は?
●送付 「 国際予備審査機関」が、国際予備報告及び附属書類を、「国際事務局」及び「出願人」に、各1通同一の日に送付する。 ●送達 「国際事務局」が「各選択官庁」に、所定の翻訳文及び原語の附属書類とともに送達する。
40
国際予備審査報告の翻訳文の(1)作成主体は?(2)選択国と出願人とが翻訳について要求できることは?
(1) ●国際予備審査報告の翻訳文 →国際事務局により又はその責任において作成 ●附属書類の翻訳文 →出願人が作成 →出願人が所定の翻訳文を、所定の期間内に「選択官庁」に送付 (2) ●選択国:自国の国内官庁の公用語以外の言語で作成された国際予備審査報告を「英語」に翻訳することを要求することができる。 ●出願人:国際予備審査報告の翻訳文の正確性について「書面による意見」を作成することができる。その書面による意見の写しを「各関係選択官庁」及び「国際事務局」に各一通送付する。
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国際予備審査の請求又は選択の一部又は全部が取り下げられた場合であっても、国際予備審査報告が送達される場合とは?
国際予備審査の請求又は選択の一部又は全部が取り下げられた場合であっても、 国際事務局が国際予備審査報告を受領していたときは、送達される。
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国際予備審査機関に文献の写しを請求できる(1)請求人適格、(2)文献の対象、(3)期間は?
(1)選択官庁又は出願人の請求 (2) 請求できる :国際予備審査報告に列記された文献であって、国際調査報告に列記されていないものの写し 請求できない:国際調査報告に列記された文献 (3)国際出願日から7年の間
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国際予備審査報告を受領した選択官庁は、「誰に」に対して他国の国内審査の結果に関する書類、情報の提供を要求することができるか?
「出願人」に要求することはできない。 「他の選択官庁」に直接要求するのは自由である。