問題一覧
1
シアン化水素
極めて猛毒で、希薄な蒸気でもこれを吸入すると呼吸中枢を刺激して、ついで麻痺させる。
2
ピクリン酸
粉や蒸気を吸入して、眼、鼻、口腔などの粘膜、気管に障害をおこして、皮膚に湿疹を生ずることがある。多量に服用すると、嘔吐、下痢などをおこし、諸器官は黄色に染まる。
3
アニリン
血液毒であり、かつ神経毒であるので、血液に作用してメトヘモグロビンをつくり、チアノーゼをおこさせる。
4
クロロホルム
現性質毒である。脳の節細胞を麻痺させ、赤血球を溶解する。
5
四塩化炭素
揮発性蒸気の吸入などにより、はじめ頭痛、悪心などをきたし、また、黄疸のように角膜が黄色となり、次第に尿毒症様を呈し、はなはだしいときは死ぬこともある。
6
モノフルオール酢酸ナトリウム(有機弗素化合物)
哺乳動物並びに人間にははなはだしい毒作用を呈するが、皮膚を刺激したり、皮膚から吸収されたりすることはない。主な中毒症状は激しい嘔吐が繰り返され、胃の疼痛を訴え、次第に意識が混濁し、てんかん性痙攣、脈拍の遅緩が起こり、チアノーゼ、血圧下降をきたす。死因は心臓障害による。TCAサイクル(アコニターゼ)を阻害する。
7
ニコチン(硫酸ニコチン)
猛烈な神経毒である。急性中毒では、よだれ、吐気、悪心、嘔吐があり、ついで脈拍緩徐不整となり、発汗、瞳孔縮小、人事不省、呼吸困難、痙攣をきたす。慢性中毒では、咽頭・喉頭等のカタル、心臓障害、視力減弱、めまい、動脈硬化等をきたし、時として神経異常を引き起こすことがある。
8
砒素および砒素化合物
慢性中毒には二型あり、1つは麻痺型で意識喪失、昏睡、呼吸血管運動中枢の急性麻痺をおこし、もう1つは胃腸型で、咽頭、食道等に熱灼感をおこし、腹痛、嘔吐、口渇などがあり、症状はコレラに似ている。
9
セレンおよびセレン化合物
急性中毒では、胃腸障害、神経過敏症、くしゃみ、肺炎、肝臓及び脾臓の障害、低血圧、呼吸の衰弱等が見られる。慢性中毒では、著しい蒼白、息のニンニク臭、指・歯・毛髪等を赤くし、鼻出血、皮膚炎、うつ病、著しい衰弱等が見られる。
10
クロルピクリン
吸入すると、分解しないで組織内に吸収され、各器官に障害を与える。血液に入ってメトヘモグロビンをつくり、また、中枢神経や心臓、眼結膜をおかし、肺にも相当強い障害を与える。
11
ホルマリン(HCHOの水溶液)
蒸気は粘膜を刺激し、鼻カタル、結膜炎、気管支炎などをおこさせる。高濃度のものは、皮膚に対し壊疽をおこさせ、しばしば湿疹を生じさせる。
12
アクロレイン
目と呼吸器を激しく刺激し、催涙性がある。また、皮膚を刺激し、気管支カタルや結膜炎をおこさせる。
13
塩素
吸入により、窒息感、喉頭および気管支筋の硬直をきたし、呼吸困難におちいる。
14
沃素
皮膚に触れると褐色に染め、その揮発する蒸気を吸入すると、めまいや頭痛を伴う一種の酩酊をおこす。
15
キシレン
吸入すると、目、鼻、のどを刺激する。高濃度で興奮、麻酔作用がある。
16
弗化水素酸
皮膚に触れると激しい痛みを感じて著しく腐食される。1〜2%の低濃度であっても皮膚に付着するとその場では異常がなくても数時間後に痛みだす。特に指先の場合が激しく、数日後に爪が剥離することもある。
17
硝酸
蒸気は眼、呼吸器などの粘膜および皮膚に強い刺激性をもつ。高濃度のものが皮膚に触れるとガスを発生して、組織ははじめ白く、次第に深黄色となる。
18
硫酸
人体に触れると激しい火傷をおこさせる。
19
水酸化ナトリウム
腐食性が極めて強いので、皮膚に触れると激しくおかし、また、濃厚溶液を飲めば、口内、食道、胃などの粘膜を腐食して、死に至らしめる。
20
フェノール
皮膚や粘膜につくと火傷を起こし、その部分は白色となる。内服した場合には口腔、咽頭、胃に高度の灼熱感を訴え、悪心、嘔吐、めまいをおこし、失神、虚脱、呼吸麻痺で倒れる。尿は特有の暗赤色を呈する。