問題一覧
1
骨折の定義は?
骨の連続性が一部または全部断たれた状態
2
外傷性骨折とは?
正常な骨に強いエネルギーが加わって生じる
3
病的骨折は?
骨強度低下が基盤となって、軽微なエネルギーによって生じる
4
疲労骨折とは?
通常は骨折を起こさない程度の負荷が繰り返し加わって生じる
5
遷延治癒とは?
予測された治癒時期までに骨折が癒合しないこと
6
偽関節とは?
骨折がまだ存在しているのに、骨癒合のプロセスが停止した状態をいう
7
温熱療法の禁忌は?
・出血の恐れのある部位 ・急性炎症 ・開放創 ・重度の循環障害 ・強い浮腫 ・悪性腫瘍 ・感覚障害 ・皮膚疾患
8
超音波療法の禁忌は?
・悪性腫瘍 ・妊娠時の腰部骨盤帯 ・椎弓切除後の中枢神経への施行 ・深部静脈血栓部 ・発育期の骨端線
9
寒冷療法の禁忌は?
・呼吸器循環器疾患への広範な寒冷 ・末梢循環障害 ・寒冷過敏症 ・開放創 ・寒冷耐性の低い患者
10
水治療法の禁忌は?
・急性炎症 ・出血傾向のある患者 ・悪性腫瘍 ・浮腫 ・感覚障害 ・皮膚疾患 ・循環障害
11
電気療法の禁忌は?
・ペースメーカー ・重篤な不整脈 ・心疾患 ・血栓症 ・血栓性静脈炎 ・皮膚の創傷
12
上腕骨骨幹部骨折において橈骨神経麻痺が発生しやすい解剖学的理由は?
三角筋粗面から3-4cm遠位には、その後上方から前下方にかけて橈骨神経溝が斜走し、溝内には骨に密着して橈骨神経が走行しているから。
13
上腕骨骨幹部骨折で三角筋付着部より近位の骨折での転位と関与する筋は?
近位骨片:大胸筋、大円筋、広背筋の作用により、内転転位 遠位骨片:三角筋、上腕二頭筋、上腕三頭筋、烏口腕筋の作用により外上方転位
14
上腕骨骨幹部骨折の三角筋付着部より遠位の骨折の転位と関与する筋は?
近位骨片:三角筋の作用により、前外方転位 遠位骨片:上腕二頭筋、上腕三頭筋の作用により、後上方転位
15
拘縮とは?
関節周囲組織が原因で関節可動域が制限されたもの、改善する可能性あり
16
強直とは?
関節構成体が原因で関節可動域が制限されたもの、改善しない
17
鎖骨骨折の症状を述べよ
患者は頭部をやや患側に傾け胸鎖乳突筋を弛緩させて、疼痛を緩和し、患側の肩は下垂し、肩幅は減少する。鎖骨は皮膚直下に接しているので、変形が著名で、肩関節運動の検査に伴い、異常可動性や軋轢音が触知しやすい。
18
上腕骨外科頚骨折外転型と内転型の固定肢位は?
外転型:肩30°外転、30-40°水平屈曲、肘90°屈曲、前腕回内回外中間位 内転型:肩70-90°外転、30-40水平屈曲、肘90°屈曲、前腕回内回外中間位
19
高齢者骨折の好発部位は?
・上腕骨外科頸骨折 ・コーレス骨折 ・大腿骨頸部骨折 ・椎体圧迫骨折
20
筋持久力を向上させる方法は?
筋持久力は同一運動を行うことで、最大筋力の30%以内の弱い収縮を連続して行うことで、筋の酸素消費量が増加し、毛細血管が発達することにより強化される。
21
上腕骨顆上伸展型骨折の固定肢位、固定範囲、固定期間は?
肘関節90-100°屈曲、前腕回内位 肩関節からMP関節手前まで 4週間
22
橈骨頭骨折の症状は? 腫脹、疼痛、機能障害、変形
腫脹: 橈骨頭部周辺に腫脹がみられるが、他の骨折よりは軽度である、関節内骨折のため、関節血腫もみられる。 疼痛: 橈骨頭部及び頚部の圧痛、前腕回内回外運動痛、橈骨長軸方向からの圧迫や回外強制により疼痛が増強する。とくに肘伸展位での回外運動で増強する。 機能障害:前腕回内回外運動障害、肘関節の屈伸障害、とくに肘伸展での回外運動が制限される。 変形: 肘外反変形
23
肘頭骨折において伸展機構の状態を見るための検査方法と手術適応の状態について述べよ
患者に重力に抗して、肘関節を伸展してもらう。できなかった場合は、肘関節伸展機構の障害があるので、手術的な修復が必要である。
24
円回内筋付着部よりも 近位・遠位の骨折の転位方向の関与する筋肉
近位の骨折 近位骨片: 屈曲外転回外位 上腕二頭筋、回外筋の牽引による 遠位骨片: 回内位 円回内筋、方形回内筋の牽引による 遠位の骨折 近位骨片: 前腕回内回外中間位 上腕二頭筋と回外筋の牽引、円回内筋の牽引の拮抗作用 遠位骨片: 回内位 方形回内筋の牽引による
25
前腕両骨骨折の後遺症は?
・変形癒合による角状変形 ・偽関節 ・橈尺骨の癒合 ・遷延癒合 ・前腕回内、回外運動障害 ・阻血性拘縮
26
コーレス骨折の続発症は?
・長母指伸筋腱の断裂 ・手根管症候群 ・変形癒合 ・指、手、肘、肩関節の拘縮 ・変形性関節症 ・橈骨遠位骨端軟骨損傷による成長障害 ・前腕回内回外運動障害 ・正中・尺骨・橈骨神経麻痺 ・反射性交感神経性ジストロフィー
27
前腕両骨骨折の症状を述べよ
1. 患側の肘関節伸展または軽度屈曲位で来院 2. 種々の転位による骨折部の変形、転位が大きい場合は開放性骨折もありえる 3. 前腕部の高度な腫脹 4. 異常可動性、軋轢音 5. 限局性圧痛、運動痛著名、受傷直後は自発痛もある 6. 前腕回内・回外運動障害
28
前腕両骨骨折の危険性を示す所見として7P徴候を述べよ
1. 疼痛 2. 蒼白 3. 運動麻痺 4. 錯感覚 5. 冷感 6. 脈拍消失 7. Passive extension test 陽性🧚♀️
29
コーレス骨折のフォーク状変形と銃剣状変形について述べよ 背側転位、橈側転位
背側転位 ⇒背側転位が高度になり、近位骨片に騎乗、短縮するとフォーク状変形を呈する 橈側転位 ⇒橈側転位が高度になり、遠位橈尺関節が離開し、尺骨頭が尺側に突出すると銃剣状変形を呈する
30
橈骨頭骨折の合併症を述べよ
1. 上腕骨小頭骨折 2. 上腕骨内側上顆骨折 3. 肘頭骨折 4. 肘関節後方脱臼
31
小児の上腕骨顆上伸展型骨折の受傷3ヶ月後のシェーマから考えられる肘関節の運動制限とその理由を述べよ
上腕骨顆上伸展型骨折は遠位骨片が後上方に転位しているので、前方傾斜角が健側(正常45°)に比べて、患側は減少しているので、肘関節の屈曲制限がある。
32
舟状骨骨折の症状は?
1. 手関節とくにスナッフボックスに腫脹・疼痛を認める 2. 手関節運動で運動制限や運動痛が伸展かつ撓屈に際して著名である 3. スナッフボックス及び舟状骨結節に圧痛を認める 4. 第1.2中手骨の骨軸からの軸圧痛がある 5. 握手をすると手根部に疼痛を訴える 6. 陳旧例では手関節の運動痛、可動域制限、脱力感などがみられる。(腕立て伏せができないなど)
33
舟状骨骨折が難治である理由は?
1. 手関節運動とくに撓屈、尺屈に際して骨折部に常に剪断力が働いている 2. 近位骨片の血液供給が絶たれやすく、壊死となる 3. 関節内骨折のため、骨膜性仮骨形成が期待できない
34
大腿骨頸部骨折の症状は? 機能障害、下肢の短縮、骨折後の肢位、腫脹、疼痛
機能障害 ⇒起立不可、背臥位での膝関節伸展で下肢の挙上ができない 下肢の短縮 ⇒内転型骨折は棘果長が健側と比べて短縮している。内転転位が大きいほど、短縮は著名(大転子高位)で、外転型骨折は脚長差はみられない 骨折後の肢位 ⇒内転型骨折は股関節外旋位をとり、外転型骨折は外旋位はみられない 腫脹 ⇒関節内骨折のため、高度な腫脹はみられない 疼痛 ⇒股関節のスカルパ三角に圧痛を認める。愛護的に大転子部を叩打するか、踵骨を大腿骨長軸方向に軸圧を加えると、スカルパ三角に疼痛がある。その際に大転子部に疼痛、圧痛はみられない。
35
大腿骨頸部骨折の治癒困難な理由は?
1. 大腿骨頸部は骨膜性仮骨に欠ける 2. 大腿骨頭を養う血管が骨折により絶たれる 3. 骨癒合に不利な力学的影響:骨折線が荷重軸に対して平行に近くなりやすく骨折部に剪断力が加わりやすい 4. 高齢者に好発する
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大腿骨頸部骨折の合併症は?
1. 阻血性大腿骨頭壊死 2. 偽関節 3. 遷延治癒 4. 認知症 5. 沈下性肺炎 6. 褥瘡 7. 深部静脈血栓症 8. 尿路感染
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ガーデン分類は?
Ⅰ . 不完全な骨頭下骨折、いわゆる外転骨折、陥入骨折の形をとる Ⅱ. 転位のない完全骨頭下骨折 Ⅲ. 部分的に転位のある完全骨頭下骨折、遠位骨片は外旋位をとり、骨頭は外転・内旋位をとる Ⅳ. 完全に転位した完全骨頭下骨折、両骨片は完全に分かれている
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大腿骨転子部骨折の症状は?
1. 起立歩行が不能である 2. 下肢が著名に短縮し、外旋する 3. 股関節が内反を呈することが多い 4. 腫脹は大転子部を中心に著名(頚部骨折は関節包内骨折のため緩徐) 5. 皮下出血斑は大腿、臀部にまで波及する 6. 介達痛は大転子部に著名である 7. 異常可動性は認めるが、股関節運動と区別しにくい
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ラウゲ・ハンセンの分類とそれぞれの損傷部位は?
回内・外転損傷 回外・内転損傷 回内・外旋損傷 回外・外旋損傷 回内⇒内果、内側靭帯損傷 回外⇒外果、外側靭帯損傷 内転⇒脛骨 外転⇒腓骨 外旋⇒遠位脛腓関節