問題一覧
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【脳梗塞-脳血栓】 ・脳血管に血栓を生じて血管閉塞をきたすもの。 ・「1」が先行することが多い。 ・死因の第「2」位。 ・症状は「3」に進行し、数時間から数日のうちに症状が完成したり、一旦改善傾向を示した症状がのちに増悪することがある。 ・危険因子: 高血圧、糖尿病、高脂血症 《分類》 ①アテローム血栓性脳梗塞 ・脳の主幹動脈あるいはその分枝の皮膚枝に生じるアテローム硬化による血栓。 ・一過性脳虚血発作を経験している症例がある。意識障害は軽度。 ・症状: 「4」、「5」+大脳皮質症状 大脳皮質症状→ 優位半球障害による「6」、失認、失算など 劣位半球障害による「7」など ②ラクナ梗塞 脳穿通枝(脳深部動脈)の局在性虚血性病変で、一過性の虚血発作が前駆することは少ない。 ・危険因子: 高血圧、糖尿病 ・症状: 80%が無症状で意識障害は通常認めない。 脳深部動脈閉塞のため、大脳皮質症状はない。
一過性脳虚血発作, 3, 階段状, 片麻痺, 片側感覚障害, 失語, 着衣失行
2
【脳梗塞 - 脳血栓】 《脳血管の閉塞部位による症状の違い》 a.内頸動脈閉塞: 反対側の片麻痺、知覚障害。 大脳皮質症状→優位半球の場合は失語、失認、失算を生ずる。 b.前大脳動脈閉塞: 反対側の下肢の強い麻痺。感覚障害を生ずる。 c.中大脳動脈閉塞: 反対側の片麻痺、知覚障害、反対側の「1」や1/4半盲(視放線が障害されるため)を呈することがある。 大脳皮質症状→優位大脳半球では失語 劣位半球症状→病態失認。「2」などを生ずる。 d.後大脳動脈閉塞: 反対側の「3」(後頭葉が障害されるため )。 e.椎骨脳底動脈系閉塞 脳底動脈遠位端部閉塞が多く、意識障害、自発性低下、同名半盲、眼球運動異常、回転性めまい、小脳症状などが多彩な組み合せで出現する。 《診断》 ・CT:発作直後は異常なし。3~6時間後から軽度低吸収域を示す。3日目になると低吸収域ははっきりし、通常圧排像も最大となる。 《治療》 ・意識障害がある例: 呼吸管理、血圧コントロールが大切 ・急性期は降圧薬を使用しない ・慢性期には再発予防のため抗血小板薬(アスピリン)を使用する。 《予後》 ・主幹動脈閉塞による大梗塞では脳浮腫も加わり、脳ヘルニアによる二次的脳幹圧迫により死亡する。 ・片麻痺についてはリハビリによってある程度の回復が期待できる。
同名半盲, 半側空間無視, 同名半盲
3
【脳梗塞-脳塞栓】 ・もっとも急激な症状の発現を呈し、発症後数分で症状が完成する。 ・主として心臓内や頚動脈、大動脈弓の血栓が剥離し、塞栓子となって脳内に入り血管を閉塞する。 ・大梗塞が多く、発症時の意識障害は軽くても、脳浮腫の進行とともに意識レベルは低下する。 《原因》 ・「1」、心筋梗塞、僧帽弁狭窄症、感染性心内膜炎がある場合は発症しやすい。 ・出血性梗塞: 塞栓部が再開通→血流再流→脆弱になった梗塞巣に出血を起こすことがある。 《症状》 ・「2」、「3」などの大脳皮質症状を伴うことが多い。 ・脳ヘルニアの徴候に注意: 意識状態の変化、病巣側の瞳孔散大、対光反射消失など→生命の危険がある ・発症後3~4日目が「4」はもっとも強い 《診断》 ・CT、MRI検査:中等大以上の梗塞 ・塞栓源の検査:心エコー、心電図など 《治療・予後》 ・抗凝固療法:塞栓を溶かす ・脳浮腫に対する治療 ・予後は脳血栓と同様
心房細動, 失語, 病態失認, 脳浮腫
4
【一過性脳虚血発作(TIA)】 ・短時間の局所脳機能障害であり、障害部位は単一の脳血管灌流量域(左または右の頸動脈、椎骨動脈)に限局し、脳虚血以外の原因が考えにくいもので、発症は「1」未満のものとする。 ・一般的に発作は5分(多くは2分)以内に極期に達し、持続時間は2~15分である。 《原因》 ・微小塞栓とされている。 《症状》 ・大部分の患者は「2」を認めることが多い。 ・一回の発作中、身体の一部分のみに感覚障害が認められ、他の症状を伴わないとき、障害部位の判定は困難。 ・一過性黒内障(単眼性失明)や失語は単独症状としてみられる。 ・大部分は同じ症状を繰り返すことが多く、発作はしばしば「3」するが、持続する「4」を残すことは無い。 《診断》 ・CT、MRIで責任病巣の検索 ・一過性脳虚血発作は臨床症候から診断する 《治療・予後》 ・抗血小板薬投与 ・一過性脳虚血発作は脳血栓症の前兆となることが多いとされ、脳梗塞への移行率は「5」%以上。
24時間, 運動障害, 反復, 神経脱落症状, 30
5
【脳出血】 ・長年の高血圧や生まれつきの脳の血管の病気のために、血管のもろい部分が破れ、脳内に出血するもの。 ・頭蓋内圧亢進症状は脳梗塞に比べて高度であり、「1」は出現しやすい。 ・好発部位:被害>視床>小脳>橋 《高血圧性脳出血の典型的な症状》 ・高血圧、突然発症する「1」、「2」、「3」、「4」、嘔吐など。 《診断・治療・予後》 ・正確な診断はCT検査で行われる。 ・保存療法: 軽症・重症の被殻出血、視床内に限局した小血腫、橋出血、脳幹への圧迫が強い小脳出血 ・予後良好: 被殻出血軽症、視床内に限局した小血腫、橋内に限局した橋出血、脳幹圧迫をきたさない小脳出血
意識障害, 片麻痺, 項部硬直, 共同偏視
6
【脳出血-被殻出血-】 ・高血圧性脳出血の中で最も頻度が高く、レンズ核線条体動脈からの出血が多い。 ・症状: 反対側の「1」、知覚障害など 優位半球側の出血→「2」 非優位半球側の出血→「3」、「4」 共同偏視→「5」をにらむ。 重症例では意識障害を生じる。
片麻痺, 失語, 失行, 失認, 病巣側
7
【脳出血-視床出血-】 ・後大脳動脈の枝である視床膝状体動脈、視床穿通動脈からの出血が多い。 ・症状: 反対側の「1」、感覚障害など 共同偏視→「2」あるいは「3」をみつめるようなものとなる。 優位半球側の出血→「4」
片麻痺, 下方, 鼻先, 失語
8
【脳出血-小脳出血-】 ・上小脳動脈分枝の破綻によるものが多い。 ・症状: 初発→嘔気嘔吐、回転性めまい、激しい後頭部痛が多い その他→「1」障害、運動失調、失調性言語などを認める。 ・共同偏視:「2」をみる
歩行, 健側
9
【脳出血-橋出血-】 ・脳幹出血としては橋出血が大半を占める。顔面の痛みなどで発症することがある。 ・症状:「1」、眼球運動障害、反対側の「2」、感覚障害→出血量が多いと四肢麻痺、呼吸障害、意識障害 痛み刺激を加えると「3」となる。
縮瞳, 片麻痺, 除脳硬直
10
【脳出血-皮質下出血-】 ・他の部位の出血と違い、高血圧が原因となるのは半数くらいであり、その他は脳動静脈奇形、海綿状血管腫、アミロイドアンギオパチーなどによる。 ・症状は出血した部位(葉)によって様々である。 ・症状: 頭痛、嘔気嘔吐、痙攣、意識障害など 前頭葉皮質下の出血→ 一過性精神症状(自発性の欠如など) 頭頂葉・側頭葉皮質下の優位半球での出血→ 「1」 後頭葉皮質下の出血→ 半盲、失書、失読
失語
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【クモ膜下出血】 ・原因の90%以上が「1」によるものであり、出血がクモ膜下腔に広がり、激しい頭痛を引き起こす。脳動脈瘤は動脈分枝部の内弾性板、中膜欠損部に「2」の影響も加わり、嚢状に膨らんだものである。 《脳動脈瘤以外の原因》 ・脳動静脈奇形、高血圧性脳内血腫、もやもや病など 《症状》 ・それまで経験したことのない「3」が突然生じ、「4」を伴う。来院時に意識があれば、頭痛の出現時刻を正確に言えるほど突然であるのが特徴であり、「5」痛みと表現されることが多い。 ・「6」が約半数に認められる。通常は片麻痺などの局所神経症候を「7」。ただし、脳内血腫を合併した場合は伴う場合もある。 《診断》 ・画像検査:CT、確定のために脳血管撮影 ・腰椎穿刺:血液髄液および「8」を認める。 《治療・予後》 ・破裂脳動脈瘤は原則として出血後できるだけ早期に手術を行う。 ・脳動脈瘤破裂によるクモ膜下出血の半数は初回出血により死亡あるいは重篤な機能障害を残し、適切な治療を行わなければ25~30%が再出血で死亡する。治療成績は術前の重症度にほぼ比例する。 ・合併症:「9」(クモ膜下出血によるクモ膜下腔の血腫→クモ膜顆粒を障害→髄液の吸収障害)⇒三大症状:歩行障害、尿失禁、「10」
脳動脈瘤破裂, 高血圧, 激しい頭痛, 嘔気嘔吐, ハンマーで後頭部を殴られたような, 意識障害, 示さない, キサントクロミー, 正常圧水頭症, 認知症
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【膜性硬膜下血腫】 ・軽微な頭部外傷による微量の出血などが原因で、被膜を伴う血腫が硬膜下に形成され、徐々に拡大する。アルコール多飲者、高齢者に多く(外傷の記憶が無いことも多い)、受傷後「1」以降(多くは2~3ヶ月)に発症するが、穿頭ドレナージで完治する。 ・外傷が原因である場合が最も多いが、発生に関しては不明な点が多い。 ・高齢者に多く、記憶障害により外傷の既往を忘れている可能性があるため、本人以外にも受傷歴を確認することが望ましい。 ・乳幼児にも多いが、病態生理が成人とは異なる。 ・外傷以外の原因:抗凝固薬、抗血小板薬の使用、癌の硬膜転移など 《症状》 ・頭痛、認知障害、歩行障害、片麻痺など 《診断》 ・頭部CTにて三日月型の低~高吸収域を認める。 《治療》 ・穿頭ドレナージ術にて血腫の除去を行う。 ・漢方薬の五苓散に効果があるという意見もある。
3週間
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【髄膜炎】 ・ウイルス、細菌が他臓器の感染巣から血行性にあるいは副鼻腔の感染巣から直接に髄膜腔に侵入、炎症を惹起し、炎症が髄膜腔に限定しているもの。 脳に炎症が及び、局所症状を呈すれば「1」とする。
髄膜脳炎
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【ウイルス性髄膜炎(無菌性髄膜炎)】 ・「1」に好発する。「2」が主な原因。 《症状》 ・発熱、頭痛で急性に発症し、「3」(項部硬直など)があり、意識障害や痙攣、脳局在症状、発疹などの随伴徴候を伴うことがある。 ・脳炎型: 単純ヘルペス脳炎では発熱、髄膜刺激症状、「4」(せん妄を含む意識障害、痙攣、異常行動、幻視など)を呈する。 《診断》 ・髄液所見:「5」上昇、リンパ球主体の「6」を認め、「7」のが特徴 《治療・予後》 ・対症療法が主体だが、一般に予後良好。単純ヘルペス脳炎の場合、治癒しても精神症状などの後遺症を残す。
小児, エンテロウイルス, 髄膜刺激症状, 側頭葉症状, 髄液圧, 細胞数増多, 糖の減少が少ない
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【細菌性髄膜炎】 ・細菌が他臓器の感染巣から血行性に、あるいは副鼻腔の感染巣から直接に髄膜腔へ侵入、炎症を惹起する。抜歯後に起こることもある。「1」に好発する。 《原因菌》 ・インフルエンザ菌、肺炎球菌、髄膜炎菌、大腸菌など 《感染経路》 ・菌血症による血行性感染や心肺などの他臓器の感染からの血行性感染、中耳炎、副鼻腔炎のように隣接する感染巣からの直接の細菌の侵入など。 《症状》 ・急性発症で激しい頭痛、高熱(39~40℃)、髄膜刺激症状、せん妄などの意識障害も出現する。 《診断》 ・髄液所見:「2」上昇、「3」主体の細胞数増多、「4」、「5」 《治療・予後》 ・抗生物質の投与。早期に適切な化学療法を行えば治癒させることができる。
乳幼児, 髄液圧, 白血球, タンパク増加, 糖の著明な低下
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【結核性髄膜炎(脳底髄膜炎)】 ・亜急性または慢性の経過をたどる。6歳以下に好発するが1歳以下には少ない。他の結核病巣からの血行性播種による。原因は「1」が70%。成人では外傷、疲労など。 《症状》 ・発症は比較的ゆっくりで頭痛、嘔吐、発熱、項部硬直を認め、進行とともに水頭症、意識障害、動眼神経、外転神経などの脳神経麻痺がみられる。 《診断》 ・ツベルクリン反応陽性。 ・髄液所見で髄液圧上昇、タンパク増加、糖減少 《治療・予後》 ・抗結核薬、重症例ではステロイド。 死亡率約30%、30%に後遺症が残る。
肺結核
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【真菌性髄膜炎】 ・肺の感染巣から血行性に髄膜腔に播種し、ときに脳実質内に肉芽腫を形成する。 ・亜急性、慢性髄膜炎の形をとることが多い。 ・全身状態が悪化した例におきやすく、白血病、ホジキン病、エイズなどの基礎疾患を有する。 《原因菌》 ・「1」が最多。抗生物質やステロイドの長期大量投与が誘因。 《症状》 ・発症は比較的ゆっくりで頭痛、嘔吐、発熱、項部硬直、脳実質内に肉芽腫が形成されれば、巣症状も呈する。 《診断》 ・髄液所見: 髄液圧上昇。リンパ球、単核球を主体とした細胞数増加、タンパク増加、糖減少など結核性髄膜炎と同様。 《治療・予後》 ・抗真菌薬。適切な治療が行われれば治癒。
クリプトコッカス
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【神経梅毒】 ・梅毒スピロヘータの中枢神経系の感染によって起こる。 《症状(第4期梅毒→感染して10年以降)》 ・「1」: 脊髄に進行性の変性→後根の炎症により電撃性の疼痛、後索の障害によりロンベルグ徴候(失調性歩行、深部感覚障害)、その他に、ウェストファール徴候(膝蓋腱反射消失)、アーガイルロバートソン徴候(縮瞳、対光反射消失、輻輳反射正常)がみられる。 ・「2」: 記憶障害、人格変化→反社会的行動、多幸症などの精神症状→進行性の認知症(「3」) 《治療》 ・ペニシリン
脊髄癆, 進行性麻痺, 麻痺性認知症
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【ポリオ(急性灰白髄炎)】 ・ポリオウイルスの接触感染による「1」をいうが、他のエンテロウイルスでも類似の麻痺を起こすことがある。 ・感染者の90~95%が「2」感染で、1%未満で「3」が破壊されて四肢の弛緩性麻痺を生じる。 ・予防接種:「4」 【症状】 ・発熱、咽頭痛、胃痛などの症状から1週間以内に筋肉痛や麻痺へ移行。 ・主として「5」の「6」を呈し、麻痺肢の腱反射減弱や消失する。 ・知覚低下や認識力低下は伴わない。 ・重症例では呼吸筋の筋力低下、麻痺を起こす。 【治療・予後】 ・抗ウイルス薬がないため、対症療法と安静臥床を行う。 ・発症早期の疼痛が収まればリハビリを始める。しかし、約半数の症例で麻痺が残る。
急性弛緩性麻痺, 不顕性, 脊髄前角細胞, 4種混合ワクチン, 下肢, 弛緩性麻痺
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【プリオン病(別名:「1」)】 ・中枢神経のグリア細胞の細胞膜に存在するプリオン蛋白が、何らかの原因で感染性をもつ異常プリオン蛋白になり、脳内に蓄積して発症すると考えられている、極めて稀な脳疾患。多くは原因不明で、50~60歳代の初老期に好発する。 《症状》 ・歩行障害、視覚障害、精神症状などで発症し、その後急速に進行する認知症や四肢のミオクローヌスが出現する。 《診断》 ・MRI:大脳の進行性萎縮が認められる。 《治療・予後》 ・治療法はない。無動性無言となり1~2年で死亡する。
クロイツフェルト・ヤコブ病
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【脳腫瘍】 ・脳腫瘍とは、頭蓋内に発生するすべての腫瘍の総称で原発性と転移性に大別される。原発性の80%は①神経膠腫②髄膜腫③下垂体腺腫④神経鞘腫の4種類によって占められている。 ・脳腫瘍の15~20%は小児が占め、小児腫瘍の中で白血病(42%)に次ぎ第2位(24%)を占める。 ・病理学的に良性と悪性に分けられるが、頭蓋という限られた空間の中では増大すると致命的になる。 ・悪性でも頭蓋外に転移することは稀。 《好発年齢と腫瘍の種類の関係》 ・脳腫瘍全体:60歳以上・2歳以下に少なく40~50代にもっとも多い。 ・神経膠芽腫(悪性の神経膠腫):30~60代に多い。 ・髄膜腫、下垂体腺腫:30~50代に多い。 《性差》 ・髄膜腫、神経鞘腫では男性より女性に多い。 《好発部位と年齢の関係》 ・成人腫瘍: 80~85%→小脳テント上(大脳) 15~20%→小脳テント下(小脳・脳幹)に発生 ・小児腫瘍: 小脳テント下の腫瘍で髄芽腫、上衣腫がみられる。 《共通の症状》 ・腫瘍が増大: 頭蓋内圧亢進症状→「1」、「2」、「3」 ・局所神経症状: 前頭葉の運動野に腫瘍→「4」 前頭葉の運動性言語中枢に腫瘍→「5」(別名:「6」) 側頭葉の感覚性言語中枢に腫瘍→「7」(別名:「8」) 側頭葉の視放線を障害する部位に腫瘍→「9」 優位側の頭頂葉に腫瘍→「10」(「11」「12」「13」「14」などがみられる) 後頭葉に腫瘍→「15」 下垂体腺腫→視交叉を圧迫→視力・視野障害→「16」 《診断》 ・頭部X線、CT、MRI、脳血管撮影 《治療・予後》 ・脳圧亢進に対して:脳圧降下薬、ステロイド ・手術、放射線療法、化学療法 ・予後: 良性の髄膜腫や聴神経鞘腫→5年生存率90% 悪性の膠芽腫→5年生存率10%
頭痛, 嘔吐, うっ血乳頭, 反対側の片麻痺, 運動性失語, ブローカー失語, 感覚性失語, ウェルニッケ失語, 1/4半盲, ゲルストマン症候群, 手指失認, 左右失認, 失書, 失算, 同名半盲, 両耳側半盲
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【脳腫瘍-神経膠腫-】 ・脳実質から発生する腫瘍の総称 《分類》 ①星状細胞腫 ・大脳半球に発生し、浸潤性に脳実質を侵す。原発性脳腫瘍の8%を占める。 30~54歳に後発し、特に前頭葉に多い。比較的発育は緩徐だが、悪性変化もみられる。 ②神経膠芽腫 ・もっとも「1」の神経膠腫。原発性脳腫瘍の9%も占める。45~64歳に多発し、前頭葉、側頭葉、頭頂葉に好発する。発育が急速でしかも浸潤性であるため、腫瘍組織周辺に著明な脳浮腫を伴う。 ③髄芽腫 ・「2」の代表であり、男児(14歳以下)に好発するが、まれに成人にも発生することがある。通常小脳虫部に発生するが、小脳半球にも発生する。髄液を介して大脳、頭蓋底、脊髄の髄腔内に播種する。5年生存率は約50%。 ④上衣腫瘍 ・脳室壁を構成する上衣細胞由来の腫瘍で、脳室内に好発する。約40%が小児(10歳未満)に生じ、悪性型が約25%にみられる。 《症状》 ・初発症状:頭痛が多く、痙攣、麻痺、性格変化などがみられる ・腫瘍の局在により様々な神経症状がある 《診断》 ・造影、CT、ガドリニウム造影MRI 《治療・予後》 ・手術ではできるだけ切除するが、脳実質から発生しているため全摘出は不可能であり、放射線療法、化学療法を併用する ・星状細胞腫は良性とされるが、5年生存率は50~80%であり、再発の場合は悪性化することが多い。 ・神経膠芽腫の5年生存率は10%
分化度が低く悪性, 小児悪性腫瘍
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【脳腫瘍-髄膜腫-】 ・クモ膜の表層細胞から発生する。 ・腫瘍の増大により、脳を圧迫して神経症状を出すが、脳に浸潤することはない。 ・主として成人にみられる良性腫瘍。 ・原発性脳腫瘍の26%を占め、30歳以降に多く、「1」に好発(2.7倍)する。 ・好発部位として、傍矢状洞、大脳鎌、大脳半球蓋部、蝶形骨縁、鞍結節部がある。 《症状》 ・良性腫瘍でゆっくり大きくなるので、頭蓋内圧亢進症状も脳局所症状も出現するのは腫瘍がかなり大きくなってから。 《診断》 ・単純X線:骨肥厚像や骨破壊像が半数にみられる。 《治療・予後》 ・原則として手術で摘出。予後良好。
女性
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【脳腫瘍-下垂体腺腫-】 ・下垂体前葉に発生する良性腫瘍。 ・悪性となることは極めて稀。 ・成人(20~50歳)に好発し、原発性脳腫瘍の17%を占める。 ・「1」に多い。 ・ホルモン分泌の有無により分泌性腺腫と非分泌性腺腫に分けられ、分泌性は産生されるホルモンによりさらに分類される。 《症状》 ・成長→視交叉を圧迫して視力、視野障害(「2」) ・分泌腺腫: 乳腺刺激ホルモン分泌腫瘍(プロラクチノーマ) →女性では無月経、乳汁分泌で早期発見されることが多い。 →高齢者や男性では大腺腫となることが多い。 成長ホルモン分泌腫瘍 →骨端線が存在する成長期では「3」 →成人では「4」 副腎皮質刺激ホルモン分泌腫瘍 →「5」(中心性肥満、満月様顔貌、赤紫色の皮膚線条) ・非分泌性腺腫: 大腺腫として発見され、視力、視野障害、下垂体機能低下を呈する。 《診断》 ・X線:トルコ鞍の風船状の拡大、破壊 《治療・予後》 ・手術が原則。良性なので全摘出できれば完治。
女性, 両耳側半盲, 巨人症, 先端巨大症, クッシング病
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【脳腫瘍-神経鞘腫-】 ・小脳橋角部に70~80%発生し、「1」(「2」)鞘腫がもっとも多く、96%が前庭神経から発生する。原発性脳腫瘍の11%を占め、30~70歳に好発し、「3」に多い(約1.3倍) 《症状》 ・初発症状:「4」を伴う難聴 ・腫瘍増大:「5」、歩行障害などの「6」、水頭症、ブルンズ眼振 《診断・治療・予後》 ・CT、MRI ・手術による摘出が主だが、無理せず全摘せず、顔面神経の機能を温存する。 最近はガンマナイフによる治療も行われる。予後良好。
聴神経, 第Ⅷ内耳神経, 女性, 耳鳴り, 同側顔面神経麻痺, 小脳症状
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【脳腫瘍-転移性脳腫瘍-】 ・原発巣として「1」が最も多く半数を占め、60~70%が「2」である。 ・次いで乳癌が多く、胃癌、結腸癌がこれに次ぐ。転移経路は主として血行性。 《症状》 ・脳圧亢進症状+発生部位による局所神経症状 《診断》 ・CT→造影剤投与によってしばしばリング状に増強。腫瘍周囲に著明な浮腫 《治療・予後》 ・脳転移は癌の第4病期(ステージ4)であり、治癒は望めないが、治療(ガンマナイフなど)により少しでも有意義な生活が送られる期間を伸ばすことは可能である。
肺癌, 男性
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【脊髄腫瘍】 ・好発年齢は40~60歳で男性に多い。 ・発生部位は胸髄部に多い。 ・脊椎の横断面上では、脊髄の後側方部にほとんどが発生する。 《脊髄横断面での腫瘍の発生部位からの分類》 ①髄内腫瘍(約15%): 上衣腫、星状細胞腫 ②髄外腫瘍(約80%): 硬膜内髄外腫瘍、硬膜外腫瘍(悪性リンパ腫、転移性) ※転移性腫瘍の原発巣→肺癌、乳癌、前立腺癌が多い ③砂時計腫: ①②が連続して発生する腫瘍(硬膜管の内外、あるいは椎間孔にまたがり脊柱管内外に存在する腫瘍) 《病理学的分類》 ・神経鞘腫:約50%。「1」に多く、しばしば砂時計腫の形態をとる。 ・髄膜腫:約15% 《症状》 ・初発症状は疼痛(脊髄後根の刺激による根性痛)がもっとも多く、緩徐であるが進行性に悪化する「2」や「3」がある。 ・「3」の範囲は侵された神経根、脊髄における高位レベルの決定に重要である。 ・脊髄圧迫による痙性麻痺では「4」(特に「5」)が強い。 《診断・治療・予後》 ・X線、MRIなど。CT像は破壊像、石灰化病変を示す。 ・手術、放射線治療など。良性腫瘍は全摘できれば完治。
上位頸椎, 運動麻痺, 感覚障害, 歩行障害, 階段昇降時
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【パーキンソン病 Part1】 ・中更年期(50~60歳)に好発し、手足のふるえや体のこわばりを特徴とする、緩徐に進行する神経変性疾患。 ・「1」に多い。 ・神経病理学的には「2」緻密層・青斑核のメラニン含有細胞の変性と、残存細胞内に「3」が出現する。 ・「2」緻密層の変性→基底核の運動統御機構の破綻→「4」、「5」、「6」(軽度「7」)、姿勢反射障害を呈するパーキンソニズム(パーキンソン症候群)と呼ばれる特有の運動障害を発症。
女性, 中脳黒質, レビー小体, 筋固縮, 安静時振戦, 無動, 寡動
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【パーキンソン病Part2】 《症状》 ・通常、左右一側の「1」、「2」、動作緩慢で始まり、「3」や「4」、「5」など両側性障害に移行する。 ・「1」: 規則的なふるえで、随意運動により減弱、消失する→「6」運動 ・姿勢反射障害: 歩き出すと途中から小走りになったり、軽く押されるとその方向へ突進したりする。→「3」、「4」、「7」 ・錐体外路徴候: 「8」、「9」、「2」(「10」、「11」) ・自律神経症状: 脂顔、流涎、「12」、「13」、四肢循環障害による「14」 ・精神症状:自発性低下、抑うつ気分、「15」など ・その他:マイアーソン徴候 《治療・予後》 ・「16」などの薬物療法が主体→予後は改善された。
安静時振戦, 筋固縮, 小刻み歩行, 前傾姿勢, 仮面様顔貌, 丸薬まるめ様, 突進現象, 無動, 寡動, 鉛管現象, 歯車様抵抗, 多汗, 便秘, 冷え性, 不眠, レードーパ
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【ハンチントン舞踏病】 ・「1」で、進行性の舞踏病、精神症状、認知症(痴呆)を生じる変性疾患。30~50代の成人に発症する。 ・線条体(尾状核、被殻)の変性により舞踏病が生じ、大脳皮質の神経細胞変性により精神症状が生じる。 《症状》 ・舞踏病様不随意運動: 不随意運動(不規則で目的のない、非対称性の迅速で多様性の運動)→これが出るのが舞踏病で、遺伝によるものをハンチントン舞踏病と呼ぶ。 ・錐体外路徴候: しかめ面、舌の不随意運動、口すぼめ、肩すくめ、腰ゆすりなど ・その他:「2」、性格変化(易刺激性、易怒性、自殺企図など)があれば専門対応が必須 《診断》 ・遺伝子検査:異常遺伝子(第4染色体短腕にあるハンチントン遺伝子) 《治療・予後》 ・対症療法にとどまる ・成人発症例: 15年以上生存するが、末期には認知症、寝たきり状態となり、合併症で死亡 ・若年発症例: 進行が早く、10年以内に死亡
常染色体優性遺伝, 認知症
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【脳性小児麻痺】 ・「1」から「2」(生後「3」以内)までの間に生じた、脳の「4」に基づく「5」な運動及び姿勢異常をいう。 《原因》 ・出産前: 脳形成異常、体内感染、先天性水頭症など ・周産期、新生児期: 仮死(低酸素性虚血性脳症)、高ビリルビン血症(核黄疸)、髄膜炎など 《症状→2歳までに発現》 ・定頸(頸すわり)や座位などの運動発達の遅れ、ミルクの飲み方が下手、反りやすいなど ・運動障害: 屈筋群と伸筋群の協調運動障害で、姿勢異常、筋トーヌス異常(筋トーヌス(緊張)低下、痙直、強剛(固縮))、反射異常などが特徴 ・姿勢異常: 自発運動減弱、顔を一方に向け頭を背屈したり、物をつかもうとすると口を開いて体がねじれたり、抱き抱えると手を硬く握り四肢を伸展・回内したりする ・異常運動: 「6」→体幹・四肢近位筋をねじるようなゆっくりした不随意運動 「7」→四肢遠位部優位に全身に生じる、ゆっくりとねじるような奇妙な不随意運動 「8」→ハンチントン舞踏病参照 《治療・予後》 ・生後6ヶ月以内に診断し、機能訓練をできるかぎり早く開始する。変形の矯正や拘縮の除去には整形外科的療法を要する。 ・随意運動は次第に改善する傾向がある。痙直、アテトーゼ様運動の強い例では運動の改善は困難
受胎, 新生児, 4週, 非進行性病変, 永続的, ジストニア, アテトーゼ様運動, 舞踏病様運動
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【ウィルソン病】 ・肝レンズ核変性症 ・「1」形式を示し、基底核を中心とする特異な神経症状に「2」を伴う。男性に多く、20歳までに発症し、11~15歳に多い。 《原因》 ・「3」の膜輸送を担うたんぱくの先天的異常により、体内各組織への「3」の蓄積が起こる。「3」の蓄積がもっともひどいのは肝臓で、肝細胞壊死と線維化を生じ、大脳基底核への蓄積により神経症状を呈する。 《症状》 ・神経症状: 70%が初発とする。 「4」、「5」、「6」(別名:「7」)、「8」などの錐体外路徴候 ・精神症状: 学業成績低下、感情や性格変化など ・腹部症状: 下痢、腹痛、横断、肝や脾腫大など ・「9」: 角膜炎に緑色の色素沈着を認める。 《診断》 ・錐体外路徴候、肝硬変、「9」がある+低下→血清セルロプラスミン。血清銅 ・尿中銅排泄量増加 《治療・予後》 ・薬物療法: 銅の体内排泄を促すため ・食事制限: 銅を多く含む食品(貝類、甲殻類など)の摂取を避ける ・早期発見し治療を開始することで、肝障害や中枢神経障害などの重い症状を回避できるため、早期診断が望ましい。
常染色体劣性遺伝, 肝硬変, 銅, 構音障害, 羽ばたき振戦, ジストニア, ジストニー, アテトーゼ, カイザーフライシャー角膜輪
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【パーキンソニズム(パーキンソン症候群)】 ・安静時振戦、筋固縮、無動、姿勢反射障害などの症状をいい、パーキンソニズムをきたす疾患でパーキンソン病「1」のものをパーキンソン症候群という。 ・同じパーキンソニズムでも、同じパーキンソン病の症状(あるいは病態)と、パーキンソン症候群とでは様々な違いがみられる。 ・原因によって治療法が異なるため、まずパーキンソン病との鑑別、そしてパーキンソン症候群の原因の検索が重要である。 ・薬剤性パーキンソニズム、脳血管性パーキンソニズム、変性疾患によるパーキンソン症候群等がある。 《脳血管性パーキンソニズム》 ・大脳基底核や白質などの血行障害で出現するパーキンソニズムである。 ・具体的には多発性脳梗塞(ラクナ梗塞)、ビンスワンガー病があげられる。
以外
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【パーキンソン病と脳血管性パーキンソニズムの違い】 《パーキンソン病》 ・安静時振戦:本症例に特徴的にみられる ・症状の左右差:あり ・歩行障害:前かがみで小刻みに歩く ・L-dopaの効果:あり ・その他の特徴: 錐体外路症状に加えて、自律神経症状、抑うつ、認知症がみられることがある。 《脳血管性パーキンソニズム》 ・安静時振戦:「1」 ・症状の左右差:目立たない ・歩行障害:「2」して小刻みに歩く ・L-dopaの効果:少ない ・その他の特徴: 「3」の症状(特に歩行障害)が強い 錐体路兆候、偽性球麻痺、認知症、尿失禁の合併がしばしばみられる
ほとんどない, 開脚, 下肢
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【脊髄小脳変性症 Part1】 ・徐々に発症し、ゆっくりと進行性の経過をとり、小脳性もしくは脊髄後索性の運動失調を主症状とする神経変性疾患の総称。 ・60%が非遺伝性で、40%が遺伝性である。 ・原因不明で、小脳や脊髄の神経核や伝導路の萎縮が生じる。 《よくみられる症状》 ・運動性失調症状: 「1」、四肢の失調、構音障害など。 歩行はスタンスが広く不安定で、千鳥足のような歩き方(「2」歩行)になり、歩行のリズムも失われる(失調性歩行)。 ・錐体路徴候:病的反射など ・錐体外路徴候:「3」(「4」「5」など) ・脊髄後索性失調の場合: 位置覚や振動覚などの深部知覚障害が強い。 ・その他:「6」、眼球運動症状(眼振、外眼筋麻痺など)が加わることがある
体幹失調, 酩酊, パーキンソニズム, 無動, 筋固縮, 自律神経症状
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【脊髄小脳変性症 Part2】 《分類とそれぞれの特徴や症状》 ①晩発性小脳皮質萎縮症 ・別名:皮質性小脳萎縮症 ・遺伝性でなく、中年以降に発症し、小脳皮質、オリーブ核が萎縮する ・症状:ゆっくりと歩行障害や構音障害が進行する ・CT、MRI検査:小脳皮質の萎縮がみられる ②ホルムズ型失調症 ・別名:現在はSCA-6、脊髄小脳変性症6型 ・遺伝性で、40歳前後にゆっくり発症し、小脳皮質、オリーブ核の変性を生じる進行性の病気 ・症状:小脳症状(酩酊歩行など)のみを呈する ③オリーブ橋小脳萎縮症 ・脊髄性小脳変性症の中では「1」 ・遺伝性ではなく、中年以降に発症する ・症状:歩行失調から動作緩慢、振戦などの錐体外路徴候を呈する ・CT、MRI検査:小脳、脳幹の萎縮が特徴であるが、脳幹については特に橋底部の萎縮が強い(十字サイン) ④歯状核赤核淡蒼球レビ(ルイ)体萎縮症 ・遺伝性で、小児から老年期まで幅広く、発病年齢によって症状が異なる。 ・症状: 成人→運動失調、舞踏病、アテトーゼ、認知症 小児→運動失調、ミオクローヌス、てんかん、進行性知能低下認知症を呈する ⑤シャイドレーガー症候群 ・遺伝性でなく、40~60歳に好発し、黒質、青斑核、星状神経節、迷走神経背側核が萎縮する。 ・症状:「2」、排尿障害、EDなどの「3」を主症状とする。 ⑥フリードライヒ(運動)失調症 ・遺伝性で5~15歳に好発し、脊髄後索、脊髄小脳路が萎縮する。 ・症状:深部感覚低下や失調性歩行(踵打歩行)がみられる 《総合的な治療・予後》 ・抜本的な治療法は確立されていない。 ・病型によって差はあるが、罹病期間は5~35年である。 《多系統萎縮症》 ・「4」「5」「6」という3疾患を包括する概念。
最多, 起立性低血圧, 自律神経症状, オリーブ橋小脳萎縮症, 線条体黒質変性症, シャイドレーガー症候群
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【脊髄空洞症】 ・空洞は主に脊髄灰白質に発症し徐々に周囲に拡大していくため、臨床症状は髄内腫瘍をはじめとする他の髄内病変に似ている。 ・幅広い年齢層にみられ、原因不明に脊髄中心管以外に長軸に沿って空洞形成がみられる。 《症状》 ・初期は片側性の「1」で、上肢の脱力の自覚とともに徐々に筋萎縮が起こってくる。 この際、患側上肢の「2」が障害されるが「3」と「4」は正常→「5」 《診断・治療・予後》 ・MRI:確定診断に必須 ・外科的治療。手術により症状の改善が見込まれる。
宙ブリ型温痛覚障害, 温痛覚, 深部感覚, 精細触圧覚, 感覚解離
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【進行性核上麻痺】 ・中高年以降(50~60代)に発症し、核上性眼球運動麻痺とパーキンソニズムを特徴とする原因不明の進行性神経変性疾患。 ・男性に多い。 《症状》 ・初発症状は歩行障害がもっとも多く「1」、核上性眼球運動障害(「2」の注視麻痺)がみられる。 ・頸部の伸展傾向を伴う体幹の筋固縮、「3」(「4」障害「5」障害)も認められる。 ・パーキンソン病と異なり、体幹・四肢の屈曲傾向はなく、直立姿勢で肘関節や膝関節も伸びている。 ・「6」の障害が著明で、立位では後方に転倒する傾向を示す。 ・無動のみが認められる(純粋無動)症例もある。 《診断・治療・予後・》 ・臨床的にパーキンソン病に似ているが、核上性眼球運動麻痺などの特徴的症状がみられる。 ・MRI検査:中脳被蓋の萎縮(蜂鳥サイン)や第3脳室拡大がみられる。 ・薬物療法 ・最終的には認知症が高度になって寝たきりとなり、肺炎などで死亡する。
認知症, 下方, 仮性球麻痺, 構音, 嚥下, 立ち直り反射
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【多発性硬化症】 ・原因不明に中枢神経系の白質のいたるところに炎症性の脱髄性病変が発生し、再発と寛解を繰り返しながら進行する疾患。末梢神経系は障害されない。 《症状》 ・視力障害、腱反射亢進、有痛性強直性痙攣、レルミット徴候、排尿障害など。 《診断・予後》 ・髄液検査で「1」 、生命予後は悪くない。
髄液タンパク増加