問題一覧
1
堀 病院で患児の死を看取る10歳の姉への対応で最も適切なのはどれか
姉が気持ちを表現することを助ける
2
A 君(15歳、男子)は、病院に併設された院内学級に通いながら骨肉腫に対する治療を続けていた。現在、肺に転移しており終末期にある。呼吸困難があり、鼻腔カニューラで酸素(2L/分)を投与中である。A君の食事の摂取量は徐々に減っているが、意識は清明である。1週間後に院内で卒業式が予定されている。A 君は「卒業式は出席したい」と話している。 看護師のA君への対応として最も適切なのはどれか。
出席できるように準備しようと話す
3
A ちゃん(8歳、女児)は、白血病の終末期で入院しているが、病状は安定している。両親と姉のB ちゃん(10歳)の4人家族である。 Aちゃんの家族へ看護師が伝える内容として適切なのはどれか。
Aちゃんが食べたいものを食べていいです
4
Aちゃん(5歳、女児)は、インフルエンザ脳症の終末期である。Aちゃんに意識はなく、付き添っている母親は「私がもっと早く病院に連れて来ればこんなことにならなかったのに」と病室で泣いている。 Aちゃんの母親への対応で適切なのはどれか。
母親がAちゃんに対してできるケアを提案する
5
A 君(小学6年生)は病院に併設された院内学級に通いながら骨肉腫の治療を続けていた。現在、肺転移があり終末期にある。呼吸障害のため鼻腔カニューレで酸素(2L/分)を吸入中である。A 君の食事摂取量は減っているが意識は清明である。1週後に院内で卒業式が予定されている。A君は「卒業式に出席したい」と話している。 看護師のA君への対応として適切なのはどれか。
出席できるように準備しようと話す
6
80歳の男性が終末期を迎えた70歳の妻を介護している。 今後、必要となるグリーフケアで適切でないのはどれか。
グリーフケアは妻の死亡後に開始する
7
死の恐怖を訴える終末期の高齢者へのケアで適切なのはどれか。
いつでも家族と会えるように配慮する
8
高齢者が自身の終末期における生き方や死の迎え方の意向を表示する方法としてのアドバンスディレクティブ〈事前指示〉について正しいのはどれか。
口頭や文書で意思表示できる
9
Aさん(79歳、女性)は、癌の化学療法を受けていたが、脳出血を起こし意識不明の状態になった。Aさんの家族は回復する見込みはないと医師から説明を受けた。家族はAさんの延命を望んでおり、医師と今後の治療方針を決定する前に看護師に相談した。 Aさんの家族への対応で最も適切なのはどれか。
Aさんのアドバンスディレクティブ〈事前指示〉を確認するよう伝える
10
Aさん(102歳、女性)は、重度の廃用症候群のために5年前から発語が少なく体を動かすことができない。誤 嚥性肺炎で入退院を繰り返し、終末期である。同居している家族は積極的な治療をしないことを希望し、自宅で Aさんを看取ることを決めた。 Aさんの家族への退院時の指導で最も適切なのはどれか。
Aさんが食べたければ食べさせてあげましょう
11
日本の平成24年(2012年)の高齢者の健康に関する意識調査において最期を迎える場に関する希望で最も多いのはどれか。
自宅
12
終末期の患者の妻は患者の死期が近いことを受け入れがたい状態である。 妻の気持ちを受容する看護師の言動として最も適切なのはどれか。
今がつらい時ですね
13
現在の日本の終末期医療において、患者の将来の自己決定能力の低下に備えて、患者・家族と医療者が今後の治療・療養についての気がかりや価値観を定期的に話し合って共有し、患者の意向に沿った医療を提供することが望ましいとされている。 この内容を示すのはどれか。
アドバンス・ケア・プランニング
14
Aさん(63歳、男性)は妻と2人暮らしで、肺癌の終末期で在宅医療を受けて医療用麻薬を使用中である。看護師が訪問したとき、Aさんは椅子に座って咳をしながら苦痛に耐えている様子であった。妻は「レスキュー薬が効くまでは苦しそうなので、何か私にできることはありますか」と訪問看護師に尋ねた。 このときの訪問看護師の妻への対応で適切なのはどれか。
Aさんの背中をさすりながら傍にいるよう勧める
15
松野 ①(死への準備教育) 生きることの尊さや喜び、生命の大切さを小児に伝えることは、小児が抱いている死への誤解を解き、いじめや自殺について考える機会を提供するであろう
エスエデュケーション
16
痛みのある幼児への援助で適切でないのはどれか
自立訓練
17
小児の痛みについて正しいのはどれか
遊びは痛みに対する非薬物療法の1つである, 3歳ごろから痛みの自己申告スケールの使用が可能である
18
子ども自身の意見を表明する権利 子どもがどうしたいと考えているか、それが尊重されているかをアセスメントし①としての役割を果たす。 「こどもにとっての最善」を共に考え、支援していく
アドボケイト
19
兄弟への援助 ・兄弟の存在にも配慮し、親と共に兄弟へのかかわりを話し合いながら、①を行う ・兄弟姉妹の面会などは家族と相談し、②援助をする
家族全体への看護, 感情表出を促す
20
古田 社会的苦痛とはなにか
社会との関係が大きく変化することによって生じる不安・苦悩・苦痛
21
社会的苦痛によって、十分に働けない、失業してしまう、家庭の役割ができない、これからの先が見えないことから→①
喪失体験
22
社会的苦痛に対する看護介入4つ
在宅復帰支援, 就労支援, 就学支援, 経済的支援
23
社会的苦痛に対する看護介入 例))訪問看護(介護)、家族との生活調整、何かあった時の連絡場所・方法
在宅復帰支援
24
社会的苦痛に対する看護介入 例))職場復帰のアドバイス、職場との連絡・調整(必要時)
就労支援
25
社会的苦痛に対する看護介入 例))特別支援教育⋯中学まで 高校・大学では制度がない
就学支援
26
社会的苦痛に対する看護介入 例))社会保険制度、医療保険、年金保険、雇用保険、労働者災害補償保険、介護保険
経済的支援
27
飯沼 Aさん(52歳、男性)は、妻と2人で暮らしている。妻は末期の肺癌で、今朝自宅で亡くなった。 主治医が死亡診断を行った後のAさんへの訪問看護師の対応で最も適切なのはどれか。
Aさんの希望に沿って、死後の処置を行う
28
在宅療養中の終末期の患者を担当している介護支援専門員に対し、訪問看護師が提供する情報で最も優先度が高いのはどれか。
今後予想されるADL低下
29
Aさん(75歳、女性)は、終末期のがんの夫を自宅で介護している。Aさんと夫は自宅での看取りを希望している。 Aさんへのケアで最も適切なのはどれか。
臨死期に起こる身体徴候について説明しておく
30
Aさん(70歳、男性)は、肺癌で骨転移がある。現在、Aさんは入院中であるが、積極的な治療は望まず「家で静かに暮らしたい」と在宅療養を希望し、24時間体制の訪問看護を利用する予定である。介護者であるAさんの妻と長男夫婦は「不安はあるが本人の希望をかなえたい」と話している。 退院前に、訪問看護師が行うAさんの家族への支援で優先度が高いのはどれか。
相談にいつでも対応することを伝えている
31
Aさん(60歳、男性)は、1年前に膵癌と診断されて自宅で療養中である。疼痛管理はレスキューとして追加注入ができるシリンジポンプを使用し、オピオイドを持続的に皮下注射している。 訪問看護師のAさんへの疼痛管理の指導で適切なのはどれか。
レスキューとしてのオピオイドの追加注入はAさんが行う
32
次の文を読み問題1に答えよ。 Aさん(78歳、男性)は、76歳の妻と娘の3人で暮らしている。Aさんは、大腸癌と診断され、手術を受けてストーマを造設した。その後、再発し、治療を行ったが効果がなく、在宅で緩和ケアを行うことになった。Aさんは腹部の癌性疼痛を訴え、オキシコドン塩酸塩徐放錠を1日2回内服している。Aさんは食べたいときに食べたいものを少量ずつ食べているが、摂取量が減少してきている。妻は腰痛があり、娘は日中、仕事に出ている。 問題1 Aさんは退院後、訪問看護を利用することになった。 病棟看護師による家族への退院指導の内容で最も適切なのはどれか。
食事摂取量を継続的に観察する
33
問題2 退院後、Aさんは痛みが強くなってきた。外来でオキシコドン塩酸塩徐放錠が増量されていた。その後、全身状態が悪化し傾眠傾向がみられるようになった。そのため、確実に疼痛がコントロールできるよう、フェンタニル貼付剤に切り替えることになった。AさんのADLは低下しており、介護している妻は腰痛の増強を訴え始めている。 訪問看護師による家族への指導で適切なのはどれか。
残ったオキシコドン塩酸塩徐放錠は医療機関に返却する
34
問題3 Aさんの傾眠傾向が強まり、時々無呼吸がみられるようになった。食事や水分の摂取量は少ないが、疼痛を訴えることはない。妻は「できればこのまま自宅でみていきたい」と話している。 自宅で看取るための体制として必要なのはどれか。
訪問診療の導入
35
次の文を読み問題1に答えよ。 Aさん(58歳、男性)は、3年前に直腸癌と診断され、手術を受けてストーマを造設した。その後Aさんは直腸癌を再発し、治療を行ったが効果がなく、腹部の癌性疼痛を訴えたため、疼痛をコントロールする目的で入院していた。Aさんは「自宅で療養したい。痛みは取り除いてほしいが、延命治療は望まない」と在宅療養を希望した。現在、Aさんはオキシコドン塩酸塩を1日2回内服し、食事は食べたいものを少量ずつ食べているが、摂取量が減少している。Aさんの家族は56歳の妻と他県で仕事をしている長女である。 問題1 Aさんは退院後、訪問診療と訪問看護を利用することになった。 訪問看護師が、Aさんと家族に説明する内容で適切なのはどれか。
ストーマのパウチの交換をお手伝いします
36
問題2 退院後、Aさんは痛みが強くなってきた。医師はオキシコドン塩酸塩を増量したが、Aさんは眠気が強くなり「薬を飲みたくない」と訴えた。そのため、フェンタニル貼付剤に切り替え、レスキューとしてモルヒネ塩酸塩が処方された。 訪問看護師によるAさんの家族への指導で適切なのはどれか。
残ったオキシコドン塩酸塩は医療機関に返却する
37
問題3 Aさんの傾眠傾向が強まり、時々無呼吸がみられるようになった。Aさんは食事や水分の摂取量は少ないが、疼痛を訴えることはない。Aさんの妻は「できればこのまま自宅でみていきたい」と話している。 Aさんを自宅で看取るための訪問看護師の対応として適切なのはどれか。
今後起こりうる身体症状の変化をAさんの家族へ説明する
38
次の文を読み問題1に答えよ。 Aさん(50歳、女性)は、子宮頸癌の終末期で入院し緩和ケア治療を行っている。倦怠感は強いが食事は摂れている。麻薬を使用し疼痛のコントロールはできており、ふらつきはあるがトイレ歩行はできる。医師からは余命2か月と告知されており、退院して自宅で最期を迎えたいと希望している。主な介護者となる夫は58歳で、5年前の脳梗塞の後遺症で不全麻痺がある。経済的には安定している。子どもはいない。 問題1 病棟看護師はAさんと夫とを交えてカンファレンスを行った。夫は「妻は体力がとても落ちて、見ているのがつらいです。病気が進行すると動けなくなると聞きました。私は介護に自信がありません」と不安を訴えた。 Aさんと夫への今後の不安に対する対応として最も適切なのはどれか。
要介護認定の申請手続きをするよう促す
39
問題2 看護師が退院に向けて最も連携すべき職種はどれか。
介護支援専門員
40
問題3 退院後1か月。訪問看護ステーションの看護師が訪問した際、夫から「妻は痛みで苦しんでいる様子はない。トイレと食事以外は眠っていることが多く、このまま死んでしまうのでしょうか。家で看取ることができるか不安です」と相談を受けた。 夫への支援で最も適切なのはどれか。
Aさんが希望する看取りの場について再度話し合う
41
次の文を読み問題1に答えよ。 39歳の女性。専業主婦。会社員である夫と16歳の長男との3人暮らし。子宮頸癌(ステージⅣ)で化学療法を繰り返してきたが、効果がなく疼痛コントロール目的で入院となった。本人は治療しないなら家に帰ることを強く希望している。臥床している時間が多いが、排泄時はベッドサイドのポータブルトイレを自力で利用可能である。 問題1 病院から訪問看護ステーションに訪問の依頼があり、夫と面接することになった。夫は「私が介護をするので、家に帰るという本人の希望をかなえたい」と相談した。 夫に確認する情報で優先度が高いのはどれか。
家族の介護力
42
問題2 1週後、在宅療養を開始した。在宅療養支援診療所の医師が週1回、訪問看護師は日曜日以外毎日訪問することとなった。下腹部痛と膨満感に対して、フェンタニル貼付剤と臨時追加投薬の速効性オキシコドン塩酸塩水和物との内服で病状は安定している。 訪問看護師の対応で適切なのはどれか。
患者の主観的な訴えを尊重する
43
問題3 終末期が近づき医師から家族に病状が説明された。夫から「家で看取ってあげたいが、今後どうしたらいいかわからない」と相談があった。 夫への対応で適切なのはどれか。2つ選べ。
家族にできるケアを行っていくことを勧める, 死に至るまでの予想される妻の様子を夫に伝えておく
44
次の文を読み問題1~3に答えよ。 Aさん、65歳の男性。妻との2人暮らし。S状結腸癌が転移しているが自宅で療養している。病名を知っており、残された時間を妻と過ごすことを希望している。かかりつけ医によって碗酸モルヒネ徐放錠60mgが処方され、修痛は緩和されている。 問題1 訪問看護・がAさんに今後の療養について確認したところ「入院はしたくない。妻には迷惑をかけるがこのまま自宅で過ごしたい」と言っている。 数日前から呼吸困難を訴えるようになった。訪問看護・がかかりつけ医に相談する内容で優先度が低いのはどれか。
病院の確保
45
問題2 1週後、意識レベルが低下し会話が困難となった。 麦が「夫はこのまま死んでいくのでしょうか」と不安を訴えた。訪問看護への対応で適切なのはどれか。
Aさんの状態を説明し、見通しについて話す。, 妻が今の気持ちを表現することができるよう支える
46
問題3 2日後、Aさんは自宅で死を迎えた。その1週後、妻から連絡を受けて訪問した看護の対応で適切なのはどれか。
今までの妻の介護について慰労する, Aさんとの思い出を語り合う
47
在宅療養中の末期癌患者。癌性疼痛に対して経口モルヒネ薬が処方された。指導内容で適切なのはどれか
痛みについての記録を勧める, 薬は定時に服用する
48
次の文を読み問題2~3に答えよ。 Cさん、60歳の女性。定年退職した夫と2人暮らし。仲の良さは評判の夫婦で、夫は「妻が自分の生きがいだ」と周囲に話している。2年前にCさんの乳癌が肺に転移した状態で発見され治療を試みたが有効ではなかった。その後2回ほど入退院を繰り返し、今回の入院では骨にも転移しており医師はCさんと夫に余命半年くらいと伝えた。現在は経ロモルヒネ薬を服用し夜間はよく眠っている。夫・とも痛みさえコントロールできれば退院し最後まで自宅で過ごしたいと話しており、退院に向けて準備を始めた。 問題2 Cさんが退院して2週が過ぎた。夫は食事や入浴介助のことなど一通り経験し、夫場でゆっくりした時間をもてるようになった。Cさんは「もしかしたらこのまま癌がなくなっちゃうかもしれないわね」と言い、時折台所で軽食を作ったりしている。また、高校時代のアルバムを見て故郷に是非一度帰ってみたいと話している。看護師の対応で適切でないのはどれか。
日常生活動作の拡大に向けて歩行訓練を計画する
49
問題3 3か月の在宅療養の後、Cさんは自宅で亡くなった。その後1か月が過ぎ、訪問看護師が夫に手紙を出したところ「妻が亡くなってから食欲もなく、ただただ妻の日記を見ては涙する自分が情けない」と書かれた返事が送られてきた。看護師は近隣に訪問に出かけた際、Cさん宅を訪問した。対応で最も適切なのはどれか。
Cさんと過ごした日々について語ってもらう
50
在宅ターミナルケアで正しいのはどれか
24時間対応の訪問看護が受けられる
51
入院ちゅの妻を亡くした直後の夫へのグリーフケアで最も適切なのはどれか
夫が希望する場合は死後の処置を一緒に行う
52
80歳の男性が終末期を迎えた70歳の妻を介護している。今後、必要となるグリーフケアで適切でないのはどれか
グリーフケアは妻の死亡後に開始する
53
ターミナル期にある療養者の家族に対する予期的悲嘆への援助で適切なのはどれか
感情を表出することが良いと伝える
54
終末期の癌患者の在宅ケアで正しいのはどれか。2つ選べ
家族の悲嘆のケアも含まれる, 夜間・休日を含めた連絡体制を整える
55
Aさん(50歳、男性)は、心筋梗塞で病院に緊急搬送されたが、2時間後に死亡した。Aさんの家族は突然の出来事で混乱している。 Aさんの家族への対応で最も適切なのはどれか。
Aさんと家族だけの時間をつくる
56
50歳の女性。末期がんで疼痛管理のため入院しているが在宅療養を希望している。 看護師の家族への退院指導で適切なのはどれか。
訪問看護のサービス内容を説明する
57
次の文を読み問題1に答えよ。 Aさん(74歳、女性)は、右肺尖部癌と診断され、外科的治療は困難で、外来で抗癌化学療法を実施していた。半年後、胸壁への浸潤が進行したため、抗癌化学療法目的で入院した。Aさんは5年前に夫を亡くしてからは1人暮らしをしており、入院前は、近所に住むAさんの娘が毎日訪問していた。 問題1 入院後、呼吸苦と前胸部の痛みに対して、緩和ケアチームが関わることを主治医がAさんに提案した。その後、Aさんは病棟看護師に「私は末期ではないのになぜ緩和ケアを受けるのですか」と尋ねた。 病棟看護師の説明で適切なのはどれか。
緩和ケアは病気の段階とは関係なくつらい症状を緩和するものです
58
問題2 Aさんは抗癌化学療法を開始したが、副作用が強かったため、「治療をやめて家で過ごしたい」と希望し、退院した。退院後3日、訪問看護が開始された。 訪問看護師が今後注意すべきAさんの症状はどれか。
上肢の強い痛み
59
問題3 Aさんは現在、在宅酸素療法2L/分に加えて定期薬としてオキシコドン塩酸塩水和物徐放薬10mgを1日2回内服し、臨時追加薬としてオキシコドン塩酸塩水和物を使用している。 訪問看護師がAさんに対して行う疼痛管理の指導として適切なのはどれか。
臨時追加薬を内服した日付と時刻とを記録する
60
次の文を読み問題1に答えよ。 Aさん、46歳の男性。脳腫瘍で放射線治療を受け退院した。医師から本人と妻に余命半年であることが告げられた。Aさんは自宅で静かに最期を迎えたいと希望している。軽度の右片麻痺があり、トイレ歩行時は妻が介助している。日中はソファーに腰掛けて過ごすことが多い。訪問診療と訪問看護を利用している。 問題1 Aさんは最近「庭の植木を見ていると気持ちが落ち着く。無理してでも少し庭に出てみたいな」と繰り返し話す。妻は「転ぶと大変だから、なるべく家の中にいましょう」と、Aさんと訪問看護師に話す。 訪問看護師の対応で最も適切なのはどれか。
庭に出る時は訪問看護師が付き添います
61
問題2 Aさんは日中傾眠していることが多くなってきた。妻は「最期はどうなるのかしら。苦しむのでしょうか。今のうちにもう一度入院した方がいいんじゃないかしら」と訪問看護師に相談した。 対応で最も適切なのはどれか。
Aさんの予測される状態と対処方法を説明する
62
問題3 Aさんの意識が低下し下顎呼吸が始まった。医師から死が近いことを知らされた妻は、訪問看護師に「夫はこのまま死んでしまうのですね。私はもっと何かできたのではないかしら」と訴え涙を流している。 妻にかける言葉で適切なのはどれか。
そういう気持ちになるのもよくわかります
63
次の文を読み問題1に答えよ。 Aさん(55歳、女性)は、昨年10月に腹痛と腹部膨満のため受診し、膵癌、腹膜播種と診断された。手術の適応はなく、化学療法を受けていた。今回、腹水貯留があり経口摂取量も減少したため入院した。排泄は自立しているが、臥床していることが多い。事務職員をしていたが、現在は休職中である。夫とは離婚し25歳の長女と2人で暮らしている。23歳の長男は結婚し、遠方で暮らしている。今回の入院時から積極的治療が困難であることは、Aさんと長女へ医師から説明され、Aさんは自宅での療養を希望している。長女は就労しているため、あまり来院していない。 問題1 退院調整看護師から、訪問看護ステーションにAさんの情報提供と訪問看護の依頼が入った。訪問看護師は、在宅療養ができるかを確認するため来院した。 訪問看護師が、Aさんと会う前に退院調整看護師に確認すべき情報で優先度が高いのはどれか。
長女の在宅療養への意向
64
問題2 退院後、介護支援専門員、訪問看護師、在宅療養の主治医および訪問介護事業所管理者がAさんの自宅に集まり、Aさんと長女が同席し、サービス担当者会議を開催した。Aさんは「おなかが張ってあまり食べられないけれど、家で過ごせるようになってうれしいです」と話した。 訪問看護師が、会議で発言する内容で優先度が高いのはどれか。
腹部膨満へのケアの必要性
65
問題3 在宅療養が開始されてから1か月が経過した。Aさんの病状は進行し、主治医は、長女と帰省した長男に対して、死が近づいていることを説明した。衰弱している母親を見た長男は「病院へ入院させたほうがいいのではないか」と言い、長女は、訪問看護師にどうしたらいいかと相談した。 長女への訪問看護師の対応で適切なのはどれか。
Aさんの意思を弟さん(長男)と一緒に聞いてみましょう
66
終末期の高齢者と家族の看護で適切でないのはどれか
食欲がないときは非経口的栄養法を優先する
67
死の恐怖を訴える終末期の高齢者へのケアで適切なのはどれか
いつでも家族と会えるように配慮する
68
次の文を読み問題1に答えよ。 90歳の男性。1人暮らし。肺癌末期で病状の説明はされている。食欲不振と呼吸困難とで1週前に入院し、酸素2L/分と塩酸モルヒネを投与したが、食事がとれなくなり傾眠状態が続いていた。本日朝、脈拍100/分、血圧80/46mmHg、動脈血酸素飽和度(SpO2)85%となった。 問題1 患者は今回の入院直後に「終末期には何も処置しないでほしい」とリビングウィルを医師に提出している。遠方から駆け付けた弟が「1秒でも長く生かしてもらいたい」と言った。 今後のケア方法の決定で最も優先されるのはどれか。
本人のリビングウィル
69
問題2 弟への対応で適切でないのはどれか。
誰か会わせたい人がいるか尋ねる
70
問題3 患者の意識が少し戻り「水が飲みたい」と言った。
弟とともに水に口に含ませる
71
次の文を読み問題1に答えよ。 Aさん(89歳、女性)は、息子夫婦と3人暮らし。障害高齢者の日常生活自立度判定基準A-2。腹部膨満感とふらつきを自覚したため受診したところ、原発不明の癌による多臓器への転移と腹水貯留が認められ、入院した。入院時に、医師からAさんと家族に、回復の見込みが低いことが伝えられた。看護師に、Aさんは「もう十分長生きできましたから、自然に最期を迎えたいです」と話した。 身体所見:身長148cm、体重43kg、腹囲80cm。体温36.8℃、血圧128/80mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉97%。意識レベル清明。 検査所見:Hb 6.9g/dL、総蛋白4.5g/dL、アルブミン2.9g/dL、AST〈GOT〉45IU/L〈U/L〉、ALT〈GPT〉60IU/L〈U/L〉、Na 130mEq/L、K 4.2mEq/L。 問題1 Aさんは昼間も寝ていることが多くなった。Aさんは「食事はいらないけど冷たいものはほしい」と言い、看護師か準備した氷を少量食べることがある。維持輸液を行っている。医師から家族にAさんの臨終が近いとの説明があった。家族は看護師に「食事をとらないと体力がなくなってしまう。苦痛なく最期を迎えさせてあげたいけれど、少しでも長く生きていて欲しい」と言っている。 家族に対する看護師の説明で最も適切なのはどれか
Aさんが食べたいものを持ってきてください
72
問題3 1週後、Aさんは反応がなくなり、尿量の減少、血圧の低下、下顎呼吸、チアノーゼがみられるようになり、家族が病室に集まった。「最期に何かしてあげたいけれど、何ができるのかわかりません」と看護師に話した。 家族に対する看護師の対応で最も優先順位が高いのはどれか。
Aさんに話しかけるように勧める
73
終末期がん患者にみられる悪液質の徴候はどれか。2つ選べ
食欲不振, 体重減少
74
次の文を読み問題1に答えよ。 Aさん(57歳、男性)は、妻(55歳)と長女(28歳)の3人暮らし。4年前に直腸癌と診断され、手術を受けてストーマを造設した。その後、Aさんは直腸癌を再発し、治療を行ったが効果がなく、腹部のがん疼痛を訴えたため、疼痛をコントロールする目的で入院した。主治医からAさんと家族に余命4か月程度と告知され、Aさんは「痛みは取り除いてほしいが、延命治療は望まない。自宅で好きなことをして過ごしたい」と話している。現在、Aさんはオキシコドン塩酸塩を1日2回内服し、痛みがなければ日常生活動作〈ADL〉は、ほぼ自立している。 問題1 Aさんは退院後に訪問診療と訪問看護を利用することになり、今後の支援の方向性を確認するため、退院前にAさんと家族も参加するカンファレンスを開催した。 カンファレンスで確認する内容で最も優先度が高いのはどれか。
退院後の生活でAさんが行いたいこと
75
問題2 退院後、Aさんは痛みが強くなってきたため、主治医はオキシコドン塩酸塩を増量したが、Aさんは眠気が強くなり「薬を飲みたくない」と訴えた。そのため、フェンタニル貼付剤に切り替え、レスキュー薬としてフェンタニルクエン酸塩舌下錠が処方された。 訪問看護師によるAさんの家族への疼痛緩和のための薬物療法の指導で適切なのはどれか。
フェンタニル貼付剤の交換時に家族が貼付面に触れないようにする
76
問題3 退院後3か月。Aさんの食事や水分の摂取量は減り、徐々に傾眠傾向になってきた。Aさんの妻は訪問看護師に「少し怖いが、できればこのまま自宅で看ていきたい」と話した。 Aさんを自宅で看取るための訪問看護師の対応で適切なのはどれか。
今後起こりうるAさんの状態の変化を妻に説明する
77
キューブラー・ロス, E.による死にゆく人の心理過程で第5段階はどれか。
死の受容
78
緩和ケアの説明で適切なのはどれか
家族もケアの対象である
79
Aさん(63歳、男性)は、右肺癌で化学療法を受けていたが、右腕を動かしたときに上腕から肩にかけて痛みが生じるようになった。検査を行ったところ骨転移が認められ、疼痛の原因と判断された。WHO3段階除痛ラダーに基づいてがん疼痛のコントロールを開始することになった。 この時点でAさんに使用する鎮痛薬で適切なのはどれか。
非オピオイド鎮痛薬
80
Aさん(38歳、女性)は、大腸癌の終末期である。癌性腹膜炎による症状緩和の目的で入院し、鎮痛薬の静脈内注射と高カロリー輸液が開始された。Aさんは自宅で過ごしたいと希望したため、医師と看護師で検討し、症状緩和をしながら自宅退院の方向で退院支援カンファレンスを開催することになった。 退院支援カンファレンスの参加者で適切なのはどれか。2つ選べ。
薬剤師, ソーシャルワーカー
81
次の文を読み問題1に答えよ。 Aさん(92歳、女性)は、脳梗塞の後遺症のため要介護4で、2年前から特別養護老人ホームに入所している。入所時は、日常生活は全介助で、話しかけるとうなずいたり首を振るなど自分の意思を伝えることができた。Aさんは歌が好きで、歌に関するレクリエーションには車椅子で参加し、笑顔がみられていた。家族は週1回、面会に来ていた。入所時に、Aさんは「延命処置を望まない」、家族は「できるだけ長生きしてほしい」と言っていた。 最近、ほとんど食事を摂らなくなり、閉眼していることが多く、看護師や施設職員の声かけに対する反応が徐々に鈍くなってきた。家族が面会時に声をかけると、目を開け、うなずくなどの意思表示がある。Aさんの状態から、医師と相談し看護師は看取りの準備が必要であると判断した。 問題1 Aさんの死の迎え方を決めるために優先されるのはどれか。
現在のAさんと家族の意思
82
Aさんは、食事を全く食べず、水分も取らなくなり、皮膚も乾燥してきた。家族は毎日面会にきて声をかけているが、反応がなくなってきた。 Aさんが死に向かう中で、穏やかに過ごすための援助で適切なのはどれか。
好きな音楽をかける
83
3日後、Aさんは声掛けに全く反応しなくなったため、看護師は死期が迫っていると判断した。看護師が観察するAさんの状態はどれか
下顎呼吸の出現
84
現在の日本の終末期医療において、患者の将来の自己決定能力の低下に備えて、患者・家族と医療者が今後の治療・療養についての気がかりや価値観を定期的に話し合って共有し、患者の意向に沿った医療を提供することが望ましいとされている。 この内容を示すのはどれか。
アドバンス・ケア・プランニング
85
Aさん(55歳、男性、会社員)は胃癌の終末期である。 Aさんの訴えのうちスピリチュアルペインの表出はどれか。
これまでの自分の人生が意味の無いものに思えます
86
多発性骨転移がある終末期の大腸癌患者(53歳、女性)が、外科病棟から緩和ケア病棟に夫に付き添われ転棟してきた。 転棟時の申し送りについて、緩和ケア病棟の看護師が外科病棟の看護師から収集する情報で最も優先すべきなのはどれか。
疼痛コントロールの状況
87
Aさん(63歳、男性)は妻と2人暮らしで、肺癌の終末期で在宅医療を受けて医療用麻薬を使用中である。看護師が訪問したとき、Aさんは椅子に座って咳をしながら苦痛に耐えている様子であった。妻は「レスキュー薬が効くまでは苦しそうなので、何か私にできることはありますか」と訪問看護師に尋ねた。 このときの訪問看護師の妻への対応で適切なのはどれか。
Aさんの背中をさすりながら傍にいるよう勧める
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臨死期の身体的変化はどれか
不規則な呼吸が出現する
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エンドオブライフ・ケア
最後までその人らしく生きること、支援するケア 用途→治癒が望めない時期から終末期
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アドバンスケアプランニング
患者本人が家族、医療者、介護者などと話し合い、あらかじめ意思決定能力が低下した場合に備え、医療や介護の方針などについて決めておくプロセス 用途→自身が意思無能力状態や話すことができなくなった場合に使用する
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〈事前指示〉アドバンスディレクティブ
将来自分が判断能力を失った際に、自分に行われる医療行為に対する意向をあらかじめ意思表示しておくこと 用途→自身が意思無能力状態や話すことができなくなった場合に使用する
92
シェアード・ディシジョン・メイキング(SDM)
医療者と患者が様々な治療選択肢の中から、最適と思われる選択を相談しながら決めていくこと
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リビング・ウィル
将来自分が判断能力を失った際に、自分に行われる医療行為に対する意向をあらかじめ書面で自分の意思を示しておくこと。 用途→自身が意思無能力状態や話すことができなくなった場合に使用する
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人工的水分・栄養補助法(AHN)
経口による自然な摂取以外の仕方で水分・栄養を補給する方法 用途→健康が害すると予測される状況が続くとき
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FASTスケール
認知症患者さんの日常生活動作の障害程度に応じて、認知症の進行度を7段階に分類したもの
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自立尊重の原則
患者自身の決定や意思を大切にして、患者の行動を制限したり、干渉したりしない
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認知症の人の日常生活・社会生活における意思決定 支援ガイドライン
認知症の人であっても、その能力を最大限活かして、日常生活や社会生活に関して自らの意思に基づいた生活を送ることができるようにするために行う
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高齢者ケアの意思決定プロセスに関するガイドライン 人工的水分・栄養補給の導入を中心として
高齢者ケアのプロセスにおいて、本人・家族とのコミュニケーションを通じて、AHN導入をめぐる選択をしなければならなくなった場合に、適切な意思決定 プロセスをたどることができるように、ガイドする ものである
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四分割法
「医学的適応」「患者の意向」「QOL」「周囲の状況」の4つの視点から患者の情報を出し合い、最終的にチームで最善策を考える手法
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パーソン・センタード・ケア
認知症をもつ人を一人の「人」として尊重し、その人の立場に立って考え、ケアを行うこと