問題一覧
1
やむごとなき人のかくれ給へるもあまた聞こゆ 「やむごとなき」
高貴な
2
この大臣の御おぼえいとやむごとなきに、 「やむごとなき」
並々でない
3
(春宮は)十一になりたまへど、ほどより大きに大人しうきよらにて、 「大人しう」
大人びていて
4
上人なほゆかしがりて、おとなしく物知りぬべき顔したる神官を呼びて 「おとなしく」
思慮分別があり
5
おとなしく、もどきぬくべくもあらぬ人のいひ聞かするを、 「おとなしく」
主だっていて
6
(天野香久山は)年ごろゆかしう思ひわたりしところなりければ 「ゆかしう」
見たいと
7
山路きてなにやら「ゆかし」すみれ草
心惹かれる
8
(村上天皇は)「なつかしう」なまめきたる方は、延喜にはまさりもうさせたまへり。
親しみ深く
9
「はずかしき」人の歌の本末問ひたるに、ふとおぼえたる、我ながらうれし
立派な
10
(身分が高く教養がある人の住まいというものは)うちある調度も昔覚えてやすらかなるこそ「心にくし」と見ゆれ
奥ゆかしい
11
ただ文字ひとつに「あやしう」、あてにもいやしうもなるは、いかなるにかあらむ。
不思議に
12
「あやし」の身には得がたきものにて、
身分が低い
13
「あやしき」舟共に芝刈積み、
粗末な
14
帝、「さうざうし」とや思し召しけむ、殿上にいでさせおはしまして、
もの足りない
15
(勝負にまけたほうが必ず仕返ししようとビリピリしているのも面白いが、)いと「つれなく」、何とも思ひたらぬ様にて、たゆめ過ぐすも、またをかし
平然としている
16
昔、をとこ、「つれなかり」ける女にいひやりける
冷淡だっ
17
文ことば「なめき」ひとこそいとにくけれ
無礼な
18
夜いたくふけて、門をいたう「おどろおどろしう」たたけば、
大げさに
19
いと「おどろおどろしく」かきたれ雨の降る夜、
気味悪く
20
(新しい妻得た男は全家財道具を運び出した。元からの妻は言う。)今日よりは「うき」世の中をいかでわたらむ
つらい
21
若き女房などは、「心うし」と耳とどめけり
いや(な感じ)だ
22
女君は、暑く「むつかし」とて、御髪すまして、
うっとうしい
23
奥の方は暗うもの「むつかし」と、女は思ひたれば、
気味が悪い
24
「すさまじきもの」。ひるほゆる犬、春の網代
興醒めな
25
冬の夜の月は、昔より「すさまじき」ものの例にひかれて侍りけるに、
殺風景な
26
小さき屋ども作り集めて奉り給へるを、「ところせき」まで遊び広げ給へり
窮屈な
27
かかる有様もならひ給はず、「ところしき」御身にて、珍しう思されけり。
窮屈な
28
いとはかなうものし給ふこそ、あはれに「うしろめたけれ」。
気がかりだ
29
(平中=平貞文は大臣に言う) 御前にて申すは「かたはらいたき」ことにも候へども
きまり悪い
30
すべていとも知らぬ道の物がたりしたる、「かたはらいたく」聞きにくし
苦々しく(みっともない)
31
すのこは「かたはらいたけれ」ば、南のひさしにいれ奉る
気の毒な
32
「わりかく」ものうたがひする男にいみじう思はれたる女
ひどく
33
「わりなう」おぼし乱れぬべし
どうしようもなく
34
一昨日より腹を病みて、いと「わりなけれ」ば
苦しい
35
人の語りいでたる歌物語の、歌のわろきこそ「ほいなけれ」
残念だ
36
このいたる犬のふるひわなな来て、涙をただ落としに落とすに、いと「あさまし」
驚くほどだ
37
かく「あさましき」そらごとにてありければ
あきれるほどの
38
もののあわれも知らずなり行くなん「あさむしき」
情けない
39
はじめより我はと思ひ上がり給へるお方々、「めざましき」のにおとしめそねみ給ふ
気に食わない
40
気高きさまして「めざましう」もありけるかな
すばらしい
41
世は定めなきこそ、「いみじけれ」
すばらしい
42
あな「いみじ」。犬を蔵人2人してうち給ふ。死ぬべし
ひどい
43
風の音も「いみじう」心細し
とても
44
「ゆゆしき」身にはべれば、
不吉な
45
「ゆゆしかり」ける者共の心の大きさ広さかな
すばらしっ
46
各々拝みて、「ゆゆしく」信おこしたり。
はなはだしく
47
昨日今日御門ののたまはむことにつかむ、人聞き「やさし」
恥ずかしい
48
いと若やかに愛敬づき、「やさしき」ところそひたり
上品な
49
あな「やさし」
殊勝だ
50
東よりの使ひ帰り来たる気色「しるけれ」ど
はっきりと分かる
51
世と共にいひけるも「しるく」、男もせで、29にてなむ、うせたまひにける
とおりに
52
梅は白き、うす紅梅、一重なるが「とく」咲きたるも、重なりたる紅梅の、匂ひめでたきも、みなをかし
早く
53
眺めつつ来る間に、「ゆくりなく」風邪吹きて
突然に
54
小町が盛りなる事、その後のことにや、なほ「おぼつかなし」
はっきりしない
55
やや久しく者もいはでありければ、人ども「おぼつかなく」思ひけるほどに
気がかりに
56
都の音づれは、いつしか「おぼつかなき」ほどにしも、
待ち遠しい
57
花びらの端にをかしきにほひこそ、「こころととなう」つきためれ
かすかに
58
「こころもとなき」日数重なるままに、白河の関にかかりて、度心定まりぬ
不安な
59
わづかに見つつ心も得ず「こころもとなく」思ふ源氏を1の巻よりして、
じれったく