問題一覧
1
芥川龍之介の文学の特徴は
芸術至上主義。実人生に距離を置いて見下ろすスタイルに特徴。一方で、私小説を書き始めるなど苦悩。
2
芥川龍之介の代表作は
羅生門、地獄変
3
大正期教養主義とは
古今東西の古典を渉猟し、孤独な読書と思索、日記による内省で人格を陶冶していくというイメージが根底。
4
大正期教養主義の根本をなしたのは
漱石山房と呼ばれた弟子たち
5
人格陶冶の実験記録として知られる作品は
阿部次郎の三太郎の日記
6
松井須磨子が上演して話題になったのは
人形の家
7
青鞜が喚起したことで時代の標語となったのは
新しい女
8
新しい女に刺激されて明治40年前後からジャーナリズムに目立った論説は?
若い女性の堕落を非難するもの
9
青鞜で活躍した女性作家を複数挙げよ
伊藤野枝、野上弥生子、岡本かのこ
10
大正期を代表する自然主義作家は
広津和郎、宇野浩二、葛西善蔵など。
11
広津和郎、宇野浩二、葛西善蔵らによる同人誌は
奇蹟
12
宇野浩二の文学の特徴は
独自の饒舌体。後の高見順、太宰治に通ずる新しさ。
13
関東大震災後の3つの文学の勢力
心境小説、プロレタリア文学、新感覚派
14
心境小説とは
私小説をより純化させたもの。
15
大正10年に創刊された、左翼文学の中心となる雑誌は
種蒔く人
16
種蒔く人の後継誌は
文芸戦線
17
文芸戦線が分裂してできた2つの雑誌は
文芸戦線、戦旗。
18
日本プロレタリア文芸連盟に反発して結成されたのは
労農芸術家連盟
19
労農芸術家連盟を結成したのは
葉山嘉樹
20
左翼文学の大同団結を目指して昭和3年に結成されたのは
ナップ
21
ナップが発刊したのは
戦旗
22
プロレタリア文学内での対立を説明せよ
大学出のマルキストと労働者作家との対立
23
大学出のマルキストの中心人物は
中野重治、林房雄
24
若い知識人がプロレタリア文学に傾倒した理由は
大正7年の大学令以降、知識人が大量生産。しかし、震災後の恐慌後には「大学は出たけれど」という言葉に象徴されるように知識人の役割が揺らぐ。その背景から知識人の若者の間で革命理論が熱狂的に信奉。
25
戦旗派としてプロレタリア文学運動全体に最も大きな影響を及ぼしたのは
小林多喜二
26
小林多喜二の文学の特徴は
社会主義とリリシズム(抒情的な趣)が簡潔な自然描写、情景描写の中に融合している点。組織を重視する点。
27
小林多喜二の虐殺をきっかけにプロレタリア文学者の中で起こったことは
転向
28
新感覚派の中心人物は
横光利一、川端康成
29
横光利一、川端康成らが集まった雑誌は
文藝時代
30
モダニズムの影響の結果、作家たちはどのような行動を起こした?
同人雑誌ブーム
31
同人誌青空を活動舞台にしたのは
梶井基次郎や三好達治など。
32
驢馬が輩出したのは
芥川龍之介、室生犀星が顧問。中野重治、堀辰雄を輩出。
33
辻馬車を活躍場所とした作家は
藤沢桓夫
34
主潮でデビューしたのは
尾崎一雄
35
朱門が輩出したのは
船橋聖一
36
青銅時代を活動場所としたのは
小林秀雄
37
葡萄園が輩出したのは
吉行エイスケ
38
新感覚派の特徴は
人とものを等価なものとして置き換え、奇抜な比喩や視点の大胆な変換によって写実的な描写の枠を超えた主観を描くなど、日本語の文体に大きな影響を与えた。アヴァンギャルド(欧州の前衛芸術運動)が背景。
39
川端康成の文学の大きなテーマは
輪廻転生思想。死や流転のうちに「日本の美」を表現した。清潔な少女への憧憬。孤児という作者自身の生い立ちの克服。
40
青鞜の後継誌は
女人芸術
41
女人芸術を主宰したのは
長谷川時雨
42
女人芸術で活躍した作家を複数挙げよ
林芙美子、大田洋子、尾崎翠、岡本かのこ、円地文子
43
新戯作派の中心人物は
坂口安吾、太宰治、石川淳
44
新戯作派の特徴は
時局に迎合せず、パロディ・劇画などを駆使
45
プロレタリア文学の衰退により起こったのことは
文芸復興、大家復活
46
大家復活で再び活躍した作家を複数挙げよ
島崎藤村、谷崎潤一郎、永井荷風、志賀直哉
47
大正期、大衆文学の隆盛を担った雑誌は
キング
48
キングが発行されたのは
1925年(大正14年)
49
キングのキャッチコピーは
面白くて、為になる
50
キングと同じく大衆文学の隆盛を支えたのは
円本ブーム
51
円本の代表作は
現代日本文学全集
52
探偵小説の流行を支えた雑誌は
新青年
53
新青年で活躍した作家は
江戸川乱歩、夢野久作。
54
探偵小説の特徴は
単なる推理小説ではなく、怪奇•幻想的な要素を織り込んだもの。
55
大衆文学の4つの起源は
講談の系譜(講釈師•講談師による敵討ちやお家騒動、侠客伝などの口述筆記が書く講談になっていった)、時代もの(中里介山など。私小説を中心とする日常のリアリズムを中心に推移していった文壇文学を批判的に相対化)、探偵小説、一般通俗小説。
56
現代家庭を題材にした一般通俗小説として挙げられるのは
不如帰、金色夜叉
57
一般通俗小説の発表舞台となったのは
大新聞の文芸欄
58
昭和初頭、プロレタリア文学に対抗する形で結成されたのは
新興芸術家派倶楽部。(新潮系の反左翼文学の若手作家が集う場)
59
新興芸術派倶楽部の特徴は
モボ、モガ、ダンスなど震災後の東京の最新風俗を描いた。アンチヒューマニズムの流れを汲むもの。
60
芥川龍之介の晩年の課題は
見る自分と見られる自分の対立
61
見る自分と見られる自分の対立という課題は誰に引き継がれた?
梶井基次郎、堀辰雄ら1930年代に活躍する作家
62
戦時下の文学の特徴は
戦争文学、古典賛美の文学、抵抗する作家、沈黙する作家、帝国の文学
63
戦争文学を代表する作品は
生きている兵隊、麦と兵隊
64
兵隊3部作として知られるのは
麦と兵隊、土と兵隊、花と兵隊
65
時局に批判的だった作家の多くが国体賛美に転じた出来事は
昭和16年の日米開戦を伝えるラジオ放送
66
日本文学報国会が設立されたのは
昭和17年
67
戦争美化として悪評高い林芙美子の作品は
戦線
68
戦後に起こった3つの特徴は
既成大家の復活、風俗小説の流行、旧プロレタリア文学の復活
69
旧プロレタリア文学のことを戦後はなんと呼んだか
民族主義文学
70
民族主義文学を支えた2つの雑誌は
新日本文学、近代文学
71
民族主義文学で起こった論争は
戦争責任論、政治と文学論争
72
元新戯作派で、戦後に活躍した作家たちをなんと呼ぶ?
無頼派
73
心境小説を説明せよ
外の世界と自分を断ち切って、自分の内側を対象・素材にした小説である。関東大震災のような天災に対するある種老荘思想的な諦念から形成されたものである。
74
プロレタリア文学とは
社会主義文学の流れを汲むものであり、大正デモクラシーの影響から労働者自身が執筆し始めた文学のことである。
75
モダニズムとは
大衆消費文化が背景にある。反伝統的、現代風。
76
新興芸術派とは
エログロナンセンスの世相を拝啓に震災後の東京の最新風俗を題材として開拓した点に特徴。
77
大衆文学はいつから一般化した
大正の末頃
78
芥川と谷崎の論争の概要は
筋の面白さ、構造的な美観を小説の本質と捉える谷崎に対して、芥川は筋がなく、限りなく詩に近い小説が存在しうるとした。
79
大衆文学の背景にあるのは
第二次産業革命や大正デモクラシーに基づく大衆消費社会の出現
80
無頼派の特徴は
反俗・反骨の精神。時局に迎合せず、パロディや戯画を駆使する手法。
81
前後の風俗小説の代表的作家
船橋聖一、丹羽文雄、石坂洋次郎など
82
戦後派に共通するテーマは
死を前にした極限状態の中の生を問うこと。
83
原爆文学の代表的な作品は
原民喜の夏の花、大田洋子の屍の街。
84
安部公房の文学の特徴は
戦後のアヴァンギャルドの担い手。日常的な現実と超現実的な世界との反転を追求し続けた。
85
安部公房の代表作
壁ーS.カルマ氏の犯罪、砂の女。 壁はある朝自分の名前を喪失してしまった男が味わう不条理を描いたもので、1951年に芥川賞を受賞。 砂の女は1962年刊行で、高度経済成長期時代の日本社会の閉塞感を表したもの。
86
大岡昇平の代表作は
俘虜記、野火、レイテ戦記
87
第三の新人とは
1953年〜1955年ごろに芥川賞を受賞した作家たち。小市民的、非政治的、日常的、私小説的という特徴を持つ。
88
第三の新人の代表的作家
小島信夫、庄野潤三、遠藤周作
89
中間小説が流行したのは
昭和30年代 1955年以後
90
才女の時代を代表する作家は
瀬戸内寂聴、曽野綾子、田辺聖子
91
内向の世代とは
昭和40年代に登場した作家たちのこと。学生運動の退潮や嫌悪感から政治的なイデオロギーから距離を置き始めた作家たち