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臨床病理 鎌田気球
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  • 1

    動物の血糖値の「基準値」は?

    イヌ:65〜100mg/dl ネコ:70〜110mg/dl ヒト:60〜100mg/dl

  • 2

    インスリンの正常作用を説明

    インスリンが細胞の受容体に結合(開扉)→TKが活性化→細胞質内情報伝達が行われ、Glut4が活性化→GluおよびK(カリウム)を血中から取り込み血糖値を低下させる

  • 3

    インスリン不足で起きる現象を2つ述べよ(理由も)

    1.血糖の上昇:細胞での取込および利用が抑制され、肝臓での糖新生が亢進→蛋白質や脂肪が分解される→アミノ酸、グリセロール供給の増加→糖新生補助→高Glu血症 2.尿糖の出現:血糖が腎閾値(犬200、猫300mg/dl)を超えると出現する。浸透圧利尿による多尿とそれに伴う多飲が生じる

  • 4

    インスリンの出来かた

    1. ランゲルハンス島β細胞でプレプロインスリンが生成 2. プロインスリンに転換 3. インスリンとC-peptideとに切断

  • 5

    糖尿病の病型

    1型:自己免疫疾患、自己抗体により生じるβ細胞の破壊によるインスリン産生の途絶、高度な不足。糖尿病全体の「5%」ほどで「犬」に多い。 2型:自己免疫疾患以外でのβ細胞の破壊や障害→インスリン抵抗性。インスリン低分泌、標的細胞のインスリン受容体の感受性低下などが要因である(これをインスリン抵抗性と呼ぶ)。糖尿病全体の「95%」ほどで猫ではβ細胞破壊型のNIDDMが多い

  • 6

    イヌのIDDM(インスリン依存性糖尿病)発症年齢の特徴

    診断時4〜14歳、最多の年齢層は7〜9歳 若年層の発症は稀だが1歳未満での発症は「稀にある」 メスで多く、オスの「2倍」 猫ではオスの方が多く、メスの1.5倍

  • 7

    猫でβ細胞破壊型NIDDMが多い理由

    1. 猫でのインスリン分泌はプロアミリンからのアミリン化とその分泌とが伴う 2. アミリン分泌はインスリンの分泌の低下後も時速し、プロアミリンも過剰に産生されがちになる 3. その結果過剰なプロアミリンは集合し、不溶性のアミロイドとなる 4. アミロイド沈着によるβ細胞の破壊(部分的)でインスリン分泌が低減する

  • 8

    妊娠性糖尿病の臨床病理

    妊娠し「妊娠黄体」の形成が起こり、PG(プロスタグランジン)分泌が促進→GH(成長ホルモン)分泌促進→インスリンとGHが結合→拮抗作用によるインスリン機能の低下

  • 9

    1型病原性ケトアシドーシスの説明

    β細胞のインスリン非産生が細胞のブドウ糖不足を起こす→脂肪の代謝分解の促進→遊離脂肪酸の増加→肝で遊離脂肪酸が処理→ケトン体が生成され、ケトン尿やケトアシドーシス症状を引き起こす

  • 10

    糖尿病での主な臨床検査項目を6個

    1. 多飲多尿:イヌは110ml/dayで多尿(イヌ20〜40、猫10〜12ml/kg/day) 2. 白内障:ソルビトール、フルクトースの水晶体内蓄積が要因 3. 食欲不振・嘔吐:体重減少、被毛粗剛 4. 脱水:高血糖による浸透圧利尿のため 5. 活動性の低下:細胞のブドウ糖取込不良のため 6. 昏睡:重度の時に起こる

  • 11

    糖尿病での有用なチェック項目を3つ

    ・HbA1c  →赤血球の寿命(1〜3ヶ月)の間で血糖と結合したHbをもつ赤血球の比率。基準値6.2〜6.8%、境界値6.9〜8.3%、高値≧8.4% 猫のHbA1c測定値は血糖値との安定した相関性に乏しい。FRA測定の併用に用いる   ・FRA(フルクトサミン)  →フルクトースとアルブミン中のアミンとの化合物で「過去2〜3週間の血糖値の指標」となる ・1,5-AG(1,5-アンヒドログルシトール)  →生体内で代謝されず、血中や組織中に基準値で貯留する(≧14μg/dl)。この基準値は糸球体での濾過後の再吸収で保持。尿糖レベルが高いほど血中濃度が低下するので糖尿病の指標になる

  • 12

    負荷試験とは何か

    グルコース(50%Glu 0.5g/kg)を正確に30分かけて静脈に投与し、注射開始15秒後で採血を開始(その時点を0分)。注射開始5、15、25、35、45、60分後または15、30、60、120、180分後で採血し経時的に血糖値を測定→「血糖値曲線」を作ること。 健常犬では最初高血糖(300mg/dl)後、約1.55%/分の割合で血糖値は降下し「26±9分後に半減期を迎える」 糖尿病犬ではその時間が伸びる

  • 13

    糸球体の毛細血管の基底膜の構造

    画像

  • 14

    近位尿細管について説明

    ヘンレループの下降脚に接続する尿細管。主に水分、NaClの75〜80%やブドウ糖やアミノ酸のほとんど全てを再吸収する機能を持つ。 再吸収機能以外にも血液中から異物分子、薬物分子などを積極的に排泄する「分泌」機構も持つ

  • 15

    遠位尿細管について説明

    アルドステロン(副腎皮質球状帯:ミネラル調節ホルモン)の指令により残余の電解質、水分、塩分およびこれらに関連する物質を細かく再吸収する。再吸収の他にも体内で多い場合はK+などを分泌する

  • 16

    集合管について説明

    水分を再吸収、さらに濃縮し最終的な尿を作出する。

  • 17

    ADHとは何か

    近位尿細管、遠位尿細管、集合管などの全てを調節する抗利尿ホルモン

  • 18

    猫とイヌの尿量と原尿量

    イヌ:尿1L/day、原尿16L/day 猫:尿0.5L/day、原尿8L/day

  • 19

    尿から得られる情報と尿検査について

    腎の働き、身体の働きを反映する様々な情報が含まれる。 尿検査では中間尿を検体に用いる:外尿道や膣由来の雑菌や皮膚の汚れが混入しないように最初に出てくる尿を捨てて使用する。 採取最低量:10ml(生化学検査、比重測定などに要する最低量である)

  • 20

    尿の正常なpHと酸性に傾いた時の病名を2つ

    正常:4.5〜7.5pH 尿は血液のpH恒常性維持のために非尿路系細胞がH+を尿中に排泄するため 病名 ・代謝性アシドーシス:代謝による酸の産生過剰、排泄低下や重炭酸の低下により生じる。軽度では無症状、重度では嘔吐、呼吸困難など ・呼吸性アシドーシス:基本的に上記の機構と同じ。H+は尿中、HCO3-は血中に排泄される

  • 21

    尿の正常な比重とそれが多すぎたり少なすぎたりする場合の病名も

    1.010<正常≦1.040 ≦1.008で尿崩症、>1.040で脱水、糖尿病

  • 22

    尿タンパクについて

    基準値:40〜80mg/dl 試験紙法では健常なら陰性 生理的タンパク尿:若齢動物の活動中や温浴後など 病的タンパク尿 ・アルブミン尿、IgG尿:ネフローゼ、骨髄腫、糸球体腎炎などに起因

  • 23

    尿糖の測定法

    測定:グルコースオキシダーゼ 計測時間延長、尿pH>8:偽陽性 アスコルビン酸:偽陰性

  • 24

    顕微鏡的血尿の定義

    定義:倍率×400でRBC≧5個 究明を要する事態である 尿沈渣での正常な細胞数  →RBC 3個未満で糸球体由来はバラバラ、下部尿路由来は形揃う  →WBC 4個未満  →細菌 4個未満

  • 25

    尿中細菌検査とは、亜硝酸試験とは

    尿路感染症の検査法。健常尿は産生直後は無菌である 基準値は<4個/視野 尿白血球反応:白血球の放出するエステラーゼをEST染色で検出する(赤色) 亜硝酸試験:尿中の細菌の化学的立証に用いる。主に「グラム陰性桿菌」を対象とする 尿中の硝酸塩が細菌により亜硝酸塩に還元することを利用する。菌数が≧10^5の場合、高い確率で陽性になる。

  • 26

    尿円柱の基準値と成り立ち

    基準値:<2個/視野 成り立ち:尿細管上皮由来のムコタンパクが少量のアルブミンの存在下で、尿細管腔内で凝固沈殿したもの

  • 27

    便潜血とは何か

    大腸からの出血を意味する。

  • 28

    髄液について述べよ(色とその特徴)

    健常:無色 細菌感染:濁り 血性:赤 キサントクロミー:黄色(時間の経過で黄色になる)

  • 29

    酵素の触媒活性について

    40℃程度まで10℃上昇する毎に触媒活性は2倍に高まる。 40℃以上の温度では活性を失いやすい  →56℃、30分:補体の非働化。生体タンパク変性  →60℃、30分:低温殺菌の温度。M.tuberculosisは死滅する

  • 30

    逸脱酵素についてその機序と特定の酵素から推定できる疾病を述べよ

    逸脱酵素:臓器細胞の崩壊により細胞内から血中に漏れ出た酵素のこと 機序:細胞膜透過性の亢進→膜ポンプ機能の減弱化→水分流入による細胞の膨隆→「細胞膜の網目状化」→酵素の逸脱 LD1、AST、CK:心筋破壊や心筋梗塞が推定 LD5、AST、ALT:肝細胞由来の障害が推定 ・CK(クレアチンキナーゼ):クレアチン、クレアチンリン酸間のリン酸基転移に作用。  →「心疾患」の早期発見の指標になる  →サブユニットM、BとLD1の両方があれば確定診断  →サブユニットBが増加すると脳中枢系疾患、平滑筋疾患の疑い ・アミラーゼ:膵、唾液腺には多量、小腸には少量。  →基準値:200〜800単位  →急性膵炎では発症後24〜30hまで持続的に上昇し、2〜4日程度で下降。急性膵疾患疑診では「血中」アミラーゼ測定  →慢性膵炎では「上昇しない」

  • 31

    誘導酵素の特徴、具体例3つ

    特徴:臓器細胞への物理的、化学的障害により産生(産生誘導)され、酵素新生の際本来の酵素以外に付随的に合成される酵素。 これも逸脱して血中に移行し得る 具体例 1. γ-GT(グルタミントランスペプチダーゼ):γ-グルタミルペプチドを加水分解。他ペプチドにγ-グルタミル基を転移  →肝、膵、脾、脳、心筋に分布し胆道系疾患の診断に利用 2. LAP(ロイシンアミノペプチダーゼ):ペプチド鎖からロイシンを切り離す酵素  →肝実質疾患(肝癌、肝膿瘍など)、妊娠で上昇する。 3. ChE(コリンエステラーゼ):肝臓で合成され、ACh分解に働く。  →偽性ChE:ブチリルコリンエステラーゼ(血性ChE)で肝や血清中にある。生理機能は不明だが血清ChEは疾患指標に使用される

  • 32

    Na+、Cl-はどこに多く含まれる?

    細胞外液

  • 33

    K+はどこに多く含まれる?

    細胞内液

  • 34

    高Na+血症とは、そしてその原因を3つ

    高Na+血症:体内のNa+量に比べて水分が不足している状態 原因 ・細胞外液量の不足:下痢、水分不足、発汗過多など ・細胞外液の増加に伴うNa+濃度の上昇:鉱質コルチコイド過剰(クッシング症候群など)、医原性原因(過剰輸液など) ・細胞外液量が通常:口渇中枢(視床下部)異常(腎外性水分喪失)、浸透圧受容器の機能異常

  • 35

    低Na+血症における真性低Na+血症、偽性低Na+血症とは?要因を前者は4つ、後者は1つ

    真性低Na+血症:細胞外液の減少に伴うNa+欠乏症  →腎性:副腎不全(低アルドステロン症、アジソン病など)  →腎外性:嘔吐、下痢、熱傷、発汗など  →細胞外液の増加(希釈型):ネフローゼ症候群、心不全、腎不全、肝硬変など  →細胞外液の正常な場合での低Na+血症:甲状腺機能低下症、下垂体前葉機能低下症など 偽性低Na+血症:水分量の変化は少ない〜正常  →高タンパク血症、高脂血症など

  • 36

    高K+血症とは何か

    腎不全に起因することが多く、タンパク質の異化亢進によりH+が多量発生し細胞内に移動することでK+が細胞外に移動することで起こる

  • 37

    低K+血症とは何か

    腎、消化管からのK+喪失により細胞内へのK+移動が起こる。上部消化管からアルカローシス、下部消化管からアシドーシスを起こしやすい 腎臓は強いK+保持機能を持つので、尿細管障害を来す腎疾患ではK+喪失が強く低K+血症が起こる(糸球体腎炎、間質性腎炎、敗血症、腎毒性薬剤など)

  • 38

    高Cl-血症はなぜ起きるか5通り

    ・高Na+血症に対してバランスを取るために起きる ・Cl-の過剰投与 ・腎からのCl-排泄量の減少 ・重炭酸イオン(HCO3-)喪失に伴う代償的なCl-増加 ・呼吸性アルカローシス:CO2の過剰排出を原因として体内がアルカリ性に傾いた状態。過剰にCO2を排出した血球は血中からHCO3-を取り込み、その代償にCl-を放出するので高Cl-血症化する

  • 39

    血清中のタンパクの種類とその役割

    ・約100種類 ・それぞれ一定の半減期で更新  →体内運搬  →貯蔵  →調節、維持  →緩衝作用

  • 40

    血清タンパクの基準値とその増減による高/低タンパク血症について

    ・基準値:6.5〜8g/dl ・高タンパク血症 ≧8.5g/dl :主にグロブリンの増加により発症。膠原病、自己免疫疾患、多発性骨髄腫など ・低タンパク血症 ≦6g/dl :消化器疾患による低栄養、肝疾患によるAlb合成能低か、腎の濾過異常などにより発症  →血清タンパク1gの減少=組織タンパク30gの消耗を示す

  • 41

    アンモニア処理について

    画像

  • 42

    BUN(Blood Urea Nitrogen)血中尿素窒素とは何か、基準値は、高値/低値を示すとどうなるか、測定方法は?

    ・BUN=血中の尿素に含まれる窒素量。これの測定は「腎機能の指標」となる ・基準値  →イヌ:10〜25mg/dl  →ネコ:10〜30mg/dl ・測定方法:ウレアーゼ法(尿素の直接測定法でもある) ・高値:急性/慢性腎炎、腎盂腎炎、腎不全、腎癌、尿毒症、心不全、脱水など ・低値:肝障害、尿崩症、低タンパク状態、妊娠など

  • 43

    尿酸とは何か、基準値は、尿酸が溜められている場所の名称は、そして上昇する要因と高値化した時の疾患を3個以上

    尿酸:核酸(プリン体:アデニン、グアニン)の最終産物。ウリカーゼ法により測定する(尿酸=アラントイン+CO2+H2O2のH2O2を測定) 基準値:0〜2mg/dl ・溜められている場所:尿酸プールといい、55〜75%が毎日交換されている ・上昇:動物性タンパクの過剰摂取や腎機能の低下による  →高値化疾患:白血病、多発性骨髄腫、妊娠中毒症、腎炎、尿毒症など

  • 44

    黄疸の種類を3つ

    ・肝前性黄疸(溶血性黄疸):何らかの理由で溶血し、赤血球内の間接ビリルビンが多量に血液中に放出→肝での代謝が間に合わず間接ビリルビンが増加することで発症  →尿中ビリルビン:陰性(間接ビリルビンは水に不溶性で尿中に出ない)  →尿中ウロビリノーゲン:弱陽〜陽性(間接ビリルビンは変化しない) ・肝性黄疸(肝細胞性黄疸):肝細胞の広範な障害によりビリルビン代謝障害や胆汁(直接ビリルビン)を胆管へ運搬する機能が低下することで血中に胆汁が増加して発症  →尿中ビリルビン:陽性(直接ビリルビンは尿中にも出現)  →尿中ウロビリノーゲン:陽性(肝のウロビリノーゲン排泄障害による) ・肝後性黄疸:胆汁の鬱滞により血中に直接ビリルビンが溢れ出し、高ビリルビン血症が起こる  →尿中ビリルビン:陽性(直接ビリルビンが胆汁から肝、血液に逆流し尿中に出現するため)  →尿中ウロビリノーゲン:陰性(直接ビリルビンは腸管に出ない)

  • 45

    血糖の不足を補填するためにブドウ糖に変換、糖新生に関与、そして血糖上昇作用をもつホルモンを答えよ

    アドレナリン、グルカゴン:肝の解糖系に働きグリコーゲン分解→ブドウ糖に変換 グルカゴン、糖質コルチコイド:糖新生に関与し血糖値上昇 チロキシン、成長ホルモン:血糖上昇作用をもつホルモン

  • 46

    ブドウ糖の基本測定方法を1つ

    グルコースオキシダーゼ測定方法:グルコースを分解してグルクロン酸+H2O2にし、H2O2を測定する。濃度に応じて青色に発光する

  • 47

    主な抗凝固剤5つとその用途

    1. EDTA-2K:血液学検査、血球計数、血液塗沫標本に使用  →濃度:1.1〜1.7mg/ml血液  →Ca2+のキレート除去による強力な抗凝固作用 2. クエン酸ナトリウム:凝固系検査に使用  →濃度:3.2%  →クエン酸カルシウム生成によるキレート作用で血中Ca2+を除去して抗凝固作用を示す。作用はEDTAより弱い。  →検査において「血液:クエン酸=9:1」は正確性保持に重要  →赤沈検査時は「血液:クエン酸=4:1」 3.ヘパリン heparin:電解質、血液pH、血液ガス、染色体分析、リンパ球培養などに使用  →濃度:400〜500単位/100ml血液  →血中のアンチトロンビンと複合体を形成し、トロンビン活性阻害により凝固阻止  →ヘパリンロック:血管に挿入したカテーテル先端が血液逆流凝固により閉鎖しないよう、ヘパリン加生理食塩水をカテーテル内に充填しておくこと 4.フッ化ナトリウムNaF:血糖検査に使用  →濃度:1〜5mg/ml血液  →Ca2+をCaF2形成によりキレート除去する  →解糖系酵素(エノラーゼ)に対する阻害作用も持つので血糖検査の際には抗凝固剤として単独orEDTA等と混合して用いる。解糖阻止効果発現には3時間を要するのがネック 5. ワーファリン Warfarin :ビタミンKの阻害で血液凝固を阻止。経口薬として投与された初めての抗凝固剤。in vitroでの抗凝固活性はないので血液検査用の抗凝固剤としては用いない

  • 48

    血糖値の臨床的意義(高低どちらとも)

    ・高血糖:糖尿病、慢性肝疾患、甲状腺機能亢進、クッシング症候群、グルカゴン分泌増、脳腫瘍/脳血管障害 ・低血糖:膵島腺腫、下垂体前葉機能低下症

  • 49

    脂質(トリグリセリド)について

    脂質:脂肪酸三分子がグリセロールにエステル結合した状態のもの。皮下脂肪、食事中の脂肪の大半。血中では「リポタンパク」として存在  →比重(小さい順):キロミクロン、VLDL、IDL、LDL、HDL  →飢餓時にリポタンパクはリパーゼで分解され、脂肪酸+グリセロールとなりエネルギー源として使用。脂質は9kcal/g

  • 50

    リポタンパクについて

    リポタンパク:血中の脂質でタンパク質と結合し親水化している。細胞膜通過が可能で血清脂質として血清中にも存在可能。構造は写真で

  • 51

    三種の内分泌系による情報伝達について

    画像で

  • 52

    ホルモンの測定はどのようにして行われるか

    「イムノアッセイ」を用いて測定する。既知抗体(酵素、蛍光色素など)に標識をつけて「負荷試験」を行う

  • 53

    視床下部-下垂体系でホルモン機能検査を行う重要なホルモンを3つと検査方法も

    1. 成長ホルモン(GH):成長促進作用を持ち、タンパク、糖、脂質、電解質代謝に広く関与している。肝よりソマトメジン産生誘導も行う  →アルギニン負荷試験:アルギニンはGHの他にもインスリン、グルカゴンの分泌を刺激 2. プロラクチン(PRL):乳汁分泌作用と性腺抑制作用をもつ。前者においては最も大きな役割を果たす。視床下部より抑制的に調節され、促進されると分泌  →調節   →授乳期:ドパミン抑制によりPRL分泌増   →発情期:発情前期Est上昇によりPRL分泌増   →妊娠〜分娩期:妊娠初期Est上昇、黄体ホルモン上昇、分娩でのEst上昇でPRL分泌増  →ドパミン負荷試験:負荷後にPRL分泌「抑制」の程度を判定  →LHRH•TRH負荷試験:負荷後にPRL「促進」の程度を判定 3. 抗利尿ホルモン(ADH):血圧上昇ホルモンともいい、遠位尿細管透過性を高めて水分再吸収亢進。尿濃縮作用がある。多尿疾患の時の量は画像  →基準値:1〜8pg/ml  →測定方法:ELISA(酵素結合免疫吸着検定法)  →神経分泌:視床下部の血管付近神経細胞で合成、必要に応じて血中に分泌  →分泌促進因子:血液浸透圧上昇、血圧低下やβアドレナリン作動性線維の興奮、ストレス、体位(立位だと臥位の2倍)、運動など

  • 54

    下垂体-甲状腺系の作用や作られるホルモンなど

    T4:サイロキシン。甲状腺のみで生成 T3:トリヨードサイロニン。甲状腺で20%+肝腎で80%(T4分解により)生成  →大部分のこいつらはTBGと結合し不活化する。ごく少数の結合しなかったFreeT3、Free T4(FT3、FT4)がホルモン活性する。作用はFT3>FT4。

  • 55

    副甲状腺から作られるホルモンとその作用、測定法など

    濾胞細胞:パラソルモン(PTH)が分泌。  →作用:骨から血中へCa•Pの濃度上昇、尿細管でのCa2+再吸収とP吸収促進、腎でVD活性化し腸管からのCa2+吸収促進  →負のフィードバックあり  →測定方法:RIA法など PTH高値化:原発性副甲状腺機能亢進症、VD欠乏、慢性腎不全、続発性副甲状腺機能亢進症など PTH低値化:特発性副甲状腺機能低下症、低Mg2+血症、悪性腫瘍、サルコイドーシス、術後性副甲状腺機能低下症

  • 56

    下垂体-副腎皮質のホルモンを2つ、作用やどこで作られるかなど

    1. 鉱質コルチコイド:画像 2.糖質コルチコイド:画像

  • 57

    血中コルチゾールの値が変動するとどのような変化が見られるか。高低値どちらとも

    ・高値化:腹部膨満、徐々に脱毛(左右対称)、多飲多食、頻尿、甲状腺機能低下症、糖尿病、免疫力低下 ・低値化:消化器症状、体重減少、食欲廃絶、易疲労性、多飲多尿、無気力/無関心、筋力低下

  • 58

    副腎髄質で作られるホルモンの作用と基準値など

    副腎髄質:クロム親和性細胞でチロジンを原料にカテコラミンを生合成する ・血漿カテコラミン基準値  →アドレナリン:≦0.12ng/dl、心拍数/心収縮力増加、グリコーゲン/脂質分解などに作用  →NA:0.06〜0.5ng/dl、血圧上昇に作用  →ドパミン:≦0.3ng/dl、運動制御に関与 ・尿中カテコラミン基準値:これの異常は褐色細胞腫、神経芽細胞腫の診断に有効  →アドレナリン:ca. 15μg/day  →NA:ca. 100μg/day  →ドパミン:ca. 500μg/day

  • 59

    生化学的性状検査の例を2つ

    ・TSI(Triple sugar Iron agar):ブドウ糖、乳糖、白糖 ・Kligler Iron agar:ブドウ糖、乳糖

  • 60

    微生物検査に関わる主な発展を年数と一緒に2012までのを答えよ

    画像

  • 61

    βラクタム系の種類と特徴、欠点など

    βラクタム系:ペニシリン系、セフェム系、モノバクタム系、カルバベネム系  →半減期:短いので頻回投与の必要性あり  →殺菌作用。ペプチドグリカン合成酵素(PBP)に結合し細胞壁合成を抑制する(細胞壁にペプチドグリカンのないクラミジアには無効)  →抗菌剤の付着できないPBP2'(PBPツープライム)を産生し「耐性化」が起きる

  • 62

    抗菌薬の作用形式で2大別できるが、何と何か

    ・濃度依存型:MICの数倍以上の血中濃度を維持する必要あり。アミノグリコシド、キノロンなど  →一回で大量に投与し濃度を十分に上げる ・時間依存型:MICより高い血中濃度を長時間維持する必要あり(極めて高い濃度を維持する必要はない)。βラクタム、マクロライド、グリコペプチドなど  →投与頻度を確保する

  • 63

    薬物動態PKについて、それとPKを確認するための値を4つ

    PK:抗菌薬の投与量、投与方法と生体内薬物濃度、時間推移の関係を示す。血中濃度推移と血中濃度半減期に注目 ・Cmax(Peak値):投与後の最大血中濃度。濃度依存型抗菌薬の有効性指標   ・AUC:血中濃度曲線下面積。薬物血中濃度の時間経過のグラフと時間軸との囲む面積のこと。濃度依存型抗菌の有効性指標 ・Trough値:最低血中濃度。薬物投与後、次回投与直前の血中濃度の最低値。時間依存型抗菌薬の有効性指標 ・T1/2:血中の薬物濃度が半分に減少するまでの時間

  • 64

    薬力学PDについて、それとPDに有用な値を3つ

    PD:抗菌薬濃度暴露と薬効強度の関係を表す。抗菌薬の安全性、有効性の指標になる ・MIC:最小発育阻止濃度。最近の増殖阻止に必要な抗菌薬の最小濃度。MPC(Mutant Bactericidal Concentration)ってのがあってこれは耐性菌の発育も阻止する濃度 ・MBC:最小殺菌濃度。低い濃度ほど殺菌力高い ・PAE:MIC以下でも抗菌薬の感作が持続する効果。血中から抗菌薬消失後も菌の増殖が抑制される。具体例は画像

  • 65

    主な対象疾病とそれの原因自己抗体を5セット

    ・全身性紅斑性狼瘡:抗DNA抗体 ・免疫介在性溶血性貧血:抗赤血球自己抗体、抗-抗赤血球自己抗体-抗体 ・甲状腺機能低下症:抗サイログロブリン抗体 ・関節リウマチ:抗IgG抗体 ・重症筋無力症:抗Ach-receptor抗体

  • 66

    炎症のマーカーとは何か、そしてサイトカイン産生細胞にはどんなものがあるか

    炎症で血中に増加する物質で「急性相反応タンパク」ともいう。炎症性サイトカインに反応した細胞により肝で産生。 ・サイトカイン産生細胞  →免疫系細胞:マクロファージ、Bリンパ球、Tリンパ球、肥満細胞  →非免疫系細胞:内皮細胞、線維芽細胞、間葉系細胞 間葉系細胞:中胚葉から発生した未分化の疎性結合組織の一種。骨、軟骨、リンパ系、循環器系などに発展できる

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    サイトカインの主な二種類は何か

    ・炎症誘発性サイトカイン:分泌細胞、Th-1、CD4+、樹状細胞  →細胞媒介性の免疫絵応答調節に不可欠(特に重要):IL-1、IL-2、TNF-α  →概してウイルス、細胞内病原体の制御や根絶に機能  →免疫細胞の増殖、細胞活性化、分化、感染部位へのホーミング制御を担う ・抗炎症性サイトカイン

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    獣医療での炎症マーカー5つ

    ・C反応性タンパク:犬や人の炎症。  →疑診:細菌性感染症、免疫介在性疾患、腫瘍性疾患など  →基準値:≦0.7mg/dl 、軽度:1〜5、中程度:≧5〜<10、重度:≧10  →発症後6hから出現し、最高値は24時間後 ・血清アミロイドA:ネコ、ウシの炎症  →疑診:甲状腺機能亢進症、免疫介在性溶血性貧血、伝染性腹膜炎  →基準値:≦2.5μg/ml、最高値:24〜48時間後 ・α1酸性糖タンパク:主に犬、猫の炎症  →疑診:炎症性疾患  →基準値:≦516μg/mL(犬)、≦736μg/mL  →最高値:7日目 ・ハプトグロビン:主に犬、猫の炎症、溶血、肝障害、不適合輸血時など  →疑診(減少):肝・脾実質疾患、溶血性疾患、薬物投与  →疑診(増加):ネフローゼ、悪性腫瘍、感染症、薬物投与  →基準値:≦8〜10U/mLserum 最高値:24時間後 ・フィブリノーゲン:犬、猫の炎症  →基準値:≧150〜≦400mg/dLserum、上昇:5〜6時間後、最高値:24時間後  →DIC傾向:100〜150mg/dLserum  →血栓形成傾向:≧700mg/dLserum  →疑診(減少):DIC線溶系亢進、慢性肝疾患、低フィブリノーゲン  →疑診(増加):運動後、高齢、妊娠、感染症、悪性腫瘍、糖尿病など  

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    輸血上の注意点

    ・初輸血は血液型不問で通常可能:抗体を欠くため ・輸血2回目以降は血液適合試験を要する:抗体保持の可能性があるため

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    犬の血液型

    他犬個体血球に対する抗体形成はDEAに対する抗体に集約される DEAの種類は八種類

  • 71

    猫の血液型

    傾向  →A型≧90%  →B型<10%  →AB型1%程度

  • 72

    骨格筋関連での主な自己抗体を2つ

    ・抗咀嚼筋抗体:咀嚼筋炎 大型犬に好発 ・抗咀嚼筋受容体抗体:重症筋無力症(犬でしばしば発生)

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    骨の検査に利用されるものは

    アルカリホスファターゼ ALP:肝・骨に多く存在

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    臨床検査における基準値の定め方

    画像

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    臨床判断値を3つ

    1. 診断閾値、カットオフ値:特定の疾病/病態があると判断する検査の限界値。カットオフ値は疾病/非疾病の検査値分布より決定(画像) 2. 治療閾値:緊急検査で治療介入の必要性を示す限界値。症例集積、経験則で決定。  →例:腎不全で措置すべきクレアチ二ン値、補正K、Ca量など   3. 予防医学閾値:特定の疾病の発症リスクの高さが予想され、予防医学の見地からの対応の必要の有無をみなす判定値。健診基準値ともいう