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民法総則

問題数100


No.1

民法第1条第2項は、枝番号を用いた条文である。

No.2

法の分類に関する次のアーエの記述のうち、その内容が適切なものを○、適切でないものを×とした場合の組み合わせを1~4の中から1つだけ選びなさい。〔ビジネス実務法務検定試験Ⓡ 3級 公式問題集より〕 ア.法の適用領域が限定されず、一般的なものを一般法といい、対象となる事柄や人または地域など法の適用が限定されている法律を特別法という。例えば、取引については、民法と商法とでは民法が特別法となり、民法が商法に優先して適用される。 イ.私法は法律の規律を受ける当事者の双方が私人の場合に適用される法であり、公法はその双方または一方が国・地方公共団体などの国家機関である場合に適用される法である。 ウ.権利・義務などの法律関係の内容を定める法律を実体法といい、実体法の内容を実現するための手続を定める法律を手続法という。

No.3

民法と借地借家法は、前者が一般法、後者が特別法という関係にある。したがって、両者の規定がそれぞれ適用される余地がある場合には、民法の規定が優先して適用される。

No.4

法律とは、判例法、慣習法など様々な法があるなかで、国会により制定されたものをいう。

No.5

民法の沿革に関する以下の記述のうち、誤っているものを1つ選びなさい。〔法学検定試験問題集 ベーシックコース〕 1. 民法の制定・施行は、いわゆる不平等条約改正問題を解決するための前提として、19世紀後半に進められた。 2. 民法の起草にあたっては、外国法も参考にされた。 3. 民法の第1編・第2編・第3編は、施行以来、内容に変更が加えられることはなかった。 4. 民法の第4編・第5編は、第2次世界大戦後、大きな改正がなされた。

No.6

「旧民法」(明治23年4月21日公布)と「明治民法」(明治31年7月16日施行)に関する以下の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。〔法検中級テキストより〕 1. 旧民法が、拙速な法典編纂であるとの批判を受け、公布から2年後の明示25年に廃止されると、その翌年に設置された法典調査会が、新民法典の起草に着手した。 2. 明治民法の起草においては、東京大学の研究・教育にドイツ法を導入することに尽力した穂積陳重が、富井正章や梅謙次郎と共に多大の寄与を果たした。 3. 旧民法起草の際には、司法官、政治家、実業家など多彩な委員が関与したことが混乱を招いたため、明治民法起草時には、海外で学んだ学者のみが作業に携わった。 4. 明治民法の起草にあたっては、当時起草中であったドイツ民法典が範とされ、債権法と物権法の諸規定の前に総則を置くインスティテュティオネス方式が採用された。

No.7

現在の通説的理解によると、所有者の侵害による損失が軽微で、しかも侵害の除去が著しく困難で多大な費用を要する場合に、土地所有者が不当な利益を得る目的で、その除去を求めることは許されない。

No.8

単独で有効に契約などの法律行為をなし得る能力を権利能力といい、権利能力のない者が行った法律行為は取り消しうるものとなる。

No.9

民法3条1項に「私権の享有は、出生に始まる」とあり、権利能力の始期は出生であるが、出生とは胎児が母体から全部露出することであるとするのが通説である。

No.10

判例の趣旨に照らすと、胎児を受贈者として死因贈与をすることはできない。

No.11

判例の趣旨に照らすと、胎児を受遺者として遺贈をすることはできない。

No.12

Aは、Bが運転する自動車にひかれて死亡した。Aの妻であるCは、妊娠しており、そのお腹にAの子である胎児Dがいた。Dは、その出生後、Bに慰謝料の支払いを請求することができる。

No.13

Aは、Bが運転する自動車にひかれて死亡した。Aの妻であるCは、そのお腹にAの子である胎児Dがいる場合、Bに対する損害賠償請求において、Dの代理人として、Dの出生前にBと和解をすることができるとするのが判例である。

No.14

民法に規定する失踪宣告に関する記述として、妥当なのはどれか。〔地方上級(特別区)H22〕 1. 生死が7年間わからなかった者が失踪宣告によって死亡したとみなされるのは、当該宣告がなされた時である。 2. 戦地に臨んだ者または沈没した船舶の中に在った者が生死不明となり、失踪宣告によって死亡したとみなされるのは、その危難が去った後1年の失踪期間が満了した時である。 3. 失踪宣告は、利害関係人の請求により行い、その利害関係人は法律上の利害関係を有する者を意味するが、不在者が死亡するまで定期の給付を負担する終身定期金債務者は、利害関係人に該当しない。 4. 失踪宣告を直接の原因として財産を得た者は、その取消しにより権利を失うが、その者が善意の場合は、現に利益を受けている限度においてのみ、その財産を返還する義務を負う。 5. 失踪宣告は、一定の要件の下に人を死亡したものとみなし、被宣告者の権利能力を消滅させるもので、被宣告者が行った行為はすべて無効である。

No.15

Aについて失踪宣告がされたという事例に関するア~オの記述の正誤の組合せとして妥当なのはどれか。 ア.失踪宣告の効力は失踪者の死亡の推定であり、失踪宣告を取り消す判決がされていなくても、Aは、生存していることを証明して、相続人Bに対し相続により取得した財産の返還を請求することができる。 イ.失踪宣告が取り消された場合に、相続人Bは、相続により取得した財産について、すでに消費した分を含め、すべて返還しなければならない。 ウ.失踪宣告が取り消された場合に、相続人Bが相続により取得した土地をCに売却していたとしても、Cが善意でさえあれば、CはAに土地を返還しなくてもよいとするのが判例である。 エ.Aの失踪宣告がいわゆる普通失踪宣告である場合、Aが死亡したものと扱われる時点は、失踪宣告がされた時である。 オ.失踪宣告の取消しは、Aが生存していることが明らかになった場合にのみ行うことができる。   ア イ ウ エ オ 1 正 正 正 誤 誤 2 正 誤 正 正 正 3 誤 正 誤 正 正 4 誤 誤 正 誤 誤 5 誤 誤 誤 誤 誤

No.16

後見開始の審判を受ける前の法律行為については、制限行為能力を理由として当該法律行為を取り消すことはできないが、その者が当該法律行為の時に意思能力を有しないときは、意思能力の不存在を立証して当該法律行為の無効を主張することができる。

No.17

未成年者Aは、Bの単独親権に服している。この場合に関する以下の記述のうち、誤っているものを1つ選びなさい。〔法学検定〔中級〕問題集 p200〕 1. Aが、Bの同意を得ずに、日常生活で使用する自転車を購入した場合、Bは、この売買契約を取り消すことができる。 2. Aが、学費に当てるためとしてBからもらった50万円で、Bの同意を得ずにバイクを購入した場合、Bは、この売買契約を取り消すことができる。 3. Aが、自由に使ってよいとして祖父Cからもらった10万円で、Bの同意を得ずにパソコンを購入した場合、Bは、この売買契約を取り消すことができる。 4. Aが、Bの許可を得て食品の販売業を営んでいる場合において、Bの同意を得ずに販売用の商品を仕入れる売買契約を締結したときは、Bは、この売買契約を取り消すことができる。

No.18

行為能力に関する以下の記述のうち、正しいものを選択せよ。〔法学検定ベーシック 問題集〕 1. 行為能力は、家庭裁判所の審判がなければ制限されない。 2. 行為能力を制限されるのは、意思能力のない者である。 3. 制限行為能力者には、この者を保護するための機関が付される 4. 制限行為能力者のした行為は、すべて、取消可能な行為となる。

No.19

制限行為能力制度に関するア~オの記述のうち、未成年者制度と成年後見制度の両方について妥当するものをすべて挙げているのはどれか。〔地方上級(全国型) H29〕 ア.この制度は本人保護を目的としている。 イ.この制度が開始されるためには、家庭裁判所の審判が必要である。 ウ.この制度で保護される者が制限される行為は個別に定められている。 エ.この制度で保護される者は、法定代理人の選任手続について関与することができない。 オ.この制度で保護される者が行為の相手方に対して詐術を用いたときには、当該行為を取り消すことができない。 1. ア、イ 2. ア、オ 3. イ、ウ 4. イ、エ 5. ウ、オ

No.20

民法に規定する制限行為能力者に関する記述として、通説に照らして、妥当なのはどれか。〔地方上級(特別区) H20改〕 1. 未成年者が法律行為をするには、必ずその法定代理人の同意をえなければならないが、同意を得ないで行った法律行為を後で取り消すことはできない。 2. 成年後見人の同意を得て行った成年被後見人の法律行為は、取り消すことができないが、日用品の購入その他日常生活に関する行為については、取り消すことができる。 3. 保佐人の同意を得なければならない行為について、保佐人が被保佐人の利益を害するおそれがないにもかかわらず同意をしないときは、家庭裁判所は、被保佐人の請求により、保佐人の同意に代わる許可をすることができる。 4. 家庭裁判所は、被補助人の補助開始の審判を、本人、配偶者、4親等内の親族等の請求によりすることができるが、本人以外の者の請求により補助開始の審判をする場合に、本人の同意を得る必要はない。

No.21

成年後見、保佐又は補助に関する次の1から4までの記述のうち、正しいものはどれか。〔土地家屋調査士 H26改〕 1. 成年被後見人は、意思能力のある状態で日常生活に関する法律行為をした場合であっても、その法律行為を取り消すことができる。 2. 本人以外の者の請求により後見開始、保佐開始又は補助開始の審判をする場合には、いずれの場合も本人の同意がなければならない。 3. 成年被後見人が事理を弁識する能力を欠く常況にないこととなった場合には、後見開始の審判は直ちに失効し、成年被後見人は行為能力を回復する。 4. 成年後見人は財産に関する法律行為一般について代理権を有し、保佐人及び補助人は家庭裁判所の審判により付与された特定の法律行為について代理権を有する。

No.22

補助開始の審判がなされる場合においても、補助人は当然に代理権を付与されるわけではない。

No.23

被保佐人Aは、保佐人Bの同意を得ずに、Aが所有する土地をCに売却する契約をCとの間で締結したが、その際、Aは、自分が被保佐人であることをCに告げなかった。この場合、被保佐人であることを黙秘することをもって直ちに民法第21条の「詐術を用いた」といえるため、Aは、その契約を取り消すことができないとするのが判例である。

No.24

成年後見人の同意を得て行った成年被後見人の法律行為は、取り消すことができないが、日用品の購入その他日常生活に関する行為については、取り消すことができる。

No.25

後見や保佐の場合と異なり、補助の場合には本人に相当程度の判断能力があり、補助人が代理権を付与されただけのときには、被補助人の行為能力は制限されない。

No.26

民法は、法人の設置、組織、運営および管理についてはこの法律の定めるところによると規定しており、法人制度全体の原則規定だけでなく、法人の管理、解散等に係る一般的な規定はすべて同法で定められている。

No.27

法人は、その定款に記載された目的に含まれない行為であっても、その目的遂行に必要な行為については、権利能力を有する。

No.28

社員に残余財産の分配を受ける権利を与える旨の一般社団法人の定款の定めは、その効力を有しない

No.29

法人に関する以下の記述のうち、誤っているものを1つ選びなさい。〔法学検定〔中級〕問題集〕 1. 法人は、法律の規定によってのみ成立する。 2. 設立手続を要せずに成立する法人が存在する。 3. 不法な行為は法人の「目的の範囲内」の行為になりえないから、法人が不法行為責任を負うことはない。 4. 法人の社員に対して債権を有する者は、その債権に基づいて法人の財産を差し押さえることができない。

No.30

一般社団法人に関する次のアからオまでの各記述のうち、正しいものを組み合わせたものは、後記1から5までのうちどれか。 ア.代表理事その他一般社団法人を代表する者を定めていない場合には、各理事は、単独で一般社団法人を代表する。 イ.一般社団法人は、代表者でない者が職務を行うについて第三者に加えた損害を賠償する責任を負うことはない。 ウ.一般社団法人に理事が複数ある場合には、必ず理事会を置かなければならない。 エ.一般社団法人が代表理事を定めた場合には、必ず理事会を置かなければならない。 オ.一般社団法人が理事会を設置した場合には、必ず監事を置かなければならない。 〔司法試験 H25〕 1. ア、イ 2. ア、オ 3. イ、エ 4. ウ、エ 5. ウ、オ

No.31

権利能力のない社団に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。〔市役所 H27〕 1. 権利能力のない社団といえるためには、団体としての組織を備え、多数決の原則が行われていることに加え、構成員が変動しないことが要件となる。 2. 権利能力のない社団の代表者が社団の名において取得した財産について、各構成員は持分権を有するので、分割請求をすることができる。 3. 権利能力のない社団の代表者が社団の名においてした取引上の債務について、各構成員は無限責任を負う。 4. 権利能力のない社団が不動産を有する場合、社団名義での不動産登記はできないが、代表者の肩書を付した代表者名義での登記であればできる。 5. 権利能力のない社団は当事者能力があり、社団の名において訴えまたは訴えられることができる。

No.32

法律行為は、意思表示を不可欠の要素として含む。

No.33

契約は、法律行為の一種である。

No.34

意思表示の効力は、相手方に到達したときに生じるので、契約は、承諾の意思表示が相手方に到達したときに成立する。

No.35

AのBに対する契約の解除の意思表示に関する次の1から4までの各記述のうち、誤っているものはどれか。〔司法試験 R3改〕 1. Aが未成年者であるBに対して契約を解除する旨の通知書を発送したところ、Bがその通知書を受け取り、Bの法定代理人がその解除の意思表示を知るに至った。この場合、Aは、その意思表示をもってBに対抗することができる。 2. Aは、Bに対して契約を解除する旨の通知書を何度も発送したが、Bは、正当な理由なく、その受取を拒んだ。この場合、Aがした解除の意思表示は、到達したものとみなされる。 3. Aは、Bに対して契約を解除する旨の通知書を発送した後に死亡し、その後、その通知書がBのもとに到達した。この場合、Aがした解除の意思表示は、その効力を妨げられない。 4. Aは、Bに対して契約を解除する旨の通知を電子メールで発信したが、通信システムの不具合によりその通知はBに到達しなかった。この場合、Aがした解除の意思表示は、その効力を生ずる。

No.36

建物は、土地の一部であるから、売買契約によって土地の所有権が買主に移転した場合に、当該土地上に存在している建物の所有権も買主に移転する。

No.37

物に関する以下の記述のうち、誤っているものを1つ選べ。〔法学検定試験問題集 スタンダードより〕 1. 民法において、物とは、有体物をいう。 2. 物は、不動産と動産に二分される。 3. 不動産は、土地と建物に二分される。 4. 従物は、主物と別に処分することができる。 5. 木から収穫される木の実は、天然果実とよばれる。

No.38

表意者が真意でないことを知りながらした意思表示は、原則として有効であるが、相手方がその真意を知っている場合や知ることができた場合は無効となる。

No.39

Aは甲土地を「1,000万円で売却する」という意思表示を行ったが当該意思表示はAの真意ではなく、Bもその旨を知っていた。この場合、Bが「1,000万円で購入する」という意思表示をすれば、AB間の売買契約は有効に成立する。

No.40

心裡留保の場合、相手方が表意者の真意を知らなかったとしても、知らないことについて重大な過失がなければ、その意思表示は有効である。

No.41

強力な権利である物権については、その変動を登記または引渡しによって示すという公示の原則が採用されている。さらに、不動産については、権利の外形である登記を信頼して取引した者を保護するという公信の原則が採用されている。

No.42

売買や贈与のように、直接的には債権・債務を生じさせる法律行為であるが、終局的には物権の移転を目的とする法律行為を行う場合は、物権の移転を生じさせる法律行為の成立には、当事者の意思表示のみでは足りず、不動産については登記、動産については引渡しが必要である。

No.43

契約自由の原則から、物権は民法その他の法律に定めるもののほか、契約によって自由に創設することができるが、物権法定主義により、物権の内容を民法その他の法律に定められているものとは違ったものとすることはできない。

No.44

売買においては、目的物の所有権は、契約成立時に移転することが原則であるが、これと異なる時期に所有権が移転するものと定めることができる。

No.45

AB間の売買契約が、AとBとで意を通じた仮装のものであったとしても、Aの売買契約の動機が債権者からの差押えを逃れるというものであることをBが知っていた場合には、AB間の売買契約は有効に成立する。

No.46

Aが、強制執行を免れるため、Bと通じて、A所有の土地についてAB間の売買を仮装して、Bへの所有権の移転登記をしたところ、BはCにもこの土地を売り渡した。Cは、AB間の売買契約が仮装であることを知らず、知らないことについて過失があったが、それは重大な過失ではなかった。この場合、Aは、Cに対して、AB間の売買契約の無効を主張することができない。

No.47

Aは、その所有する甲土地を譲渡する意思がないのに、Bと通謀して、Aを売主、Bを買主とする甲土地の仮装の売買契約を締結した。この場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。なお、この問において、「善意」又は「悪意」とは、虚偽表示の事実についての善意又は悪意とする。 1. 善意のCがBから甲土地を買い受けた場合、Cがいまだ登記を備えていなくても、AはAB間の売買契約の無効をCに主張することができない。 2. 善意のCが、Bとの間で、Bが甲土地上に建てた乙建物の賃貸借契約(貸主B、借主C)を締結した場合、AはAB間の売買契約の無効をCに主張することができない。 3. Bの債権者である善意のCが、甲土地を差し押さえた場合、AはAB間の売買契約の無効をCに主張することができない。 4. 甲土地がBから悪意のCへ、Cから善意のDへと譲渡された場合、AはAB間の売買契約の無効をDに主張することができない。

No.48

虚偽表示に関するア~エの記述のうち、判例に照らし、妥当なもののみをすべて挙げているのはどれか。 ア:建物の所有者AがBと通謀して、当該建物をB名義で登記していたところ、Bは当該建物をCに譲渡し、さらにCはDに譲渡した。Bが無権利者であることにつきCが善意、Dが悪意であるとき、Dは当該建物の所有権取得が認められる。 イ:建物を新築したAが、当該建物の所有権を移転する意思がないのに、Bの承諾を得た上、当該建物をB名義で保存登記したところ、Bは当該建物をCに譲渡した。Bが無権利者であることにつきCが善意であるときでも、Cは当該建物の所有権取得が認められない。 ウ:Bが、建物の所有者Aに無断で、Aの実印等を利用して当該建物をB名義で登記した。その直後、Aはその事実を知ったが、長期にわたりB名義の登記を放置し黙認していたところ、Bは当該建物をCに譲渡した。Bが無権利者であることにつきCが善意であるときでも、Cは当該建物の所有権取得が認められない。 エ:建物の所有者AがBと合意して、当該建物につき売買予約をしたと仮装し、当該建物をB名義で仮登記していたところ、Bは、真正に成立したものではない委任状によって、当該建物をB名義で本登記した。その後、Bは当該建物をCに譲渡した。Bが無権利者であることにつきCが善意・無過失であるとき、Cは当該建物の所有権取得が認められる。 〔国家II種 H22改〕 1. ア、イ 2. ア、エ 3. イ、エ 4. イ、ウ、エ

No.49

AがBと通謀してA所有の甲土地につきAB間で売買予約がされた旨仮装し、Bへの所有権移転登記請求権保全の仮登記をした後、Bが偽造書類を用いて仮登記を本登記にした上で、善意無過失のCに甲土地を売却し、Cへの所有権移転登記をした場合、Cは、Aに対し、甲土地の所有権をCが有することを主張することができる。

No.50

意思表示の相手方が表意者の錯誤を認識していた場合であっても、表意者において錯誤に陥ったことについて重大な過失があったときは、表意者は、錯誤による取消しを主張することができない。

No.51

AとBとの間で締結された売買契約に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、売買契約後、AがBに対し、錯誤による取消しができるものはどれか。〔宅建 本試験 2020年10月〕 1. Aは、自己所有の自動車を100万円で売却するつもりであったが、重大な過失によりBに対し「10万円で売却する」と言ってしまい、Bが過失なく「Aは本当に10万円で売るつもりだ」と信じて購入を申し込み、AB間に売買契約が成立した場合 2. Aは、自己所有の時価100万円の壺を10万円程度であると思い込み、Bに対し「手元にお金がないので、10万円で売却したい」と言ったところ、BはAの言葉を信じ「それなら10万円で購入する」と言って、AB間に売買契約が成立した場合 3. Aは、自己所有の時価100万円の名匠の絵画を贋作だと思い込み、Bに対し「贋作であるので、10万円で売却する」と言ったところ、Bも同様に贋作だと思い込み「贋作なら10万円で購入する」と言って、AB間に売買契約が成立した場合 4. Aは、自己所有の腕時計を100万円で外国人Bに売却する際、当日の正しい為替レート(1ドル100円)を重大な過失により1ドル125円で計算して「8,000ドルで売却する」と言ってしまい、Aの錯誤について過失なく知らなかったBが「8,000ドルなら買いたい」と言って、AB間に売買契約が成立した場合

No.52

詐欺または強迫による意思表示の取消しに関する以下の記述のうち、誤っているものを1つ選びなさい。〔法学検定〔中級〕問題集 p214〕 1. 詐欺を理由とする取消権が発生するためには、詐欺者に、表意者を錯誤に陥れようとする故意のみならず、それを利用して一定の意思表示をさせようとする故意のあったことを要する。 2. 強迫を理由とする取消権が発生するためには、強迫行為が社会通念上許される限度を超えた違法なものであることが必要である。 3. 当事者以外の第三者が詐欺を行った場合に、詐欺を理由とする取消権が発生するためには、意思表示の相手方が詐欺について知り、または知ることができたことが必要である。 4. 当事者以外の第三者が強迫を行った場合に、強迫を理由とする取消権が発生するためには、意思表示の相手方が強迫について知り、または知ることができたことが必要である。

No.53

民法の規定する意思表示に関する記述として、妥当なのはどれか。〔地方上級(特別区) H30改〕 1. 表意者が真意でないことを知ってした意思表示は、表意者の内心を考慮して無効となるが、相手方が表意者の真意を知り、または知ることができたときは、その意思表示は無効である。 2. 相手方と通じてした虚偽の意思表示は、無効であるが、その意思表示の無効は、当該行為が虚偽表示であることを知らない善意の第三者に対抗することができない。 3. 詐欺による意思表示は、取り消すことができるが、相手方に対する意思表示について第三者が詐欺を行った場合においては、相手方がその詐欺の事実を知っていたときに限り、取消しができるものとはならず、当然に無効となる。 4. 強迫による意思表示は、意思表示の相手方以外の第三者が強迫した場合に取り消すことができるが、強迫を理由とする取消しの効果は善意・無過失の第三者に対抗することができない。

No.54

詐欺又は強迫による意思表示に関する次の1から5までの各記述のうち、正しいものを2個選びなさい。〔司法試験 H23〕 1. 強迫が認められるためには、表意者が、畏怖を感じ、完全に意思の自由を失ったといえなければならない、 2. 第三者によって強迫がされた場合において、意思表示の相手方がその事実を知らないときは、表意者は、その意思表示を取り消すことができない。 3. 表意者が相手方による虚偽の説明を信じて意思表示をした場合において、相手方に詐欺の故意がないときは、表意者は、民事上の救済を受けることはない。 4. 表意者が相手方の詐欺により意思表示をして契約が成立した場合、その契約によって生ずる相手方の債務が未履行であっても、表意者は、その意思表示を取り消さない限り、詐欺を理由として自らの債務の履行を拒絶することができない。 5. 買主が売主を欺罔して土地の所有権を譲り受けた場合、売主が詐欺による意思表示の取消しをする前に、詐欺の事実を知らないでその土地について抵当権の設定を受けた者がいるときであっても、売主は、その意思表示を取り消すことができる。

No.55

取り消した法律行為は、取り消したときから無効となる。

No.56

条文、判例の趣旨に照らすと、Aは、Bの詐欺により、その所有する土地をBに売り渡し、所有権移転登記をした場合、Aが売買契約を取り消す意思表示をした後、BがこれをCに転売し登記を経由したとしても、Cは、Aに対し、所有権の取得を対抗することができない。

No.57

Aは、Bの強迫により、Bに土地を安価で売り、第三者Cは、そのことを知らずにBからその土地を買い受けた。この場合、Aは、Bとの契約を取消し、Cに対しその土地に対する自らの所有権を主張することはできない。

No.58

賭博により負担した債務の弁済のために締結した貸金契約は、賭博をするために貸金契約を締結する場合とは異なり、その目的は債務の弁済により賭博を清算するためであるから、公序良俗に反せず有効である。

No.59

妻子ある男性が半同棲の関係にある女性に対し遺産の3分の1を包括遺贈した場合、当該遺贈が、不倫な関係の維持継続を目的とせず、もっぱら同女の生活を保全するためにされたものであり、当該遺贈により相続人である妻子の生活の基盤が脅かされるものとはいえないときであっても、そのような遺贈を有効にすることは、不倫に対して法が容認したとみられ、不倫を増長しかねないから、公序良俗に反して無効である。

No.60

判例の趣旨に照らすと、就業規則における男女別定年制を定める部分は、憲法14条の法の下の平等によって直ちに無効と解される。

No.61

民法第90条の目的は公序良俗違反の行為の実現を許さないことにあるから、契約が公序良俗に反するものであるとして無効になるかどうかは、当該契約の締結時ではなく履行時における公序良俗に照らして判断すべきである。〔国家総合職 H30より〕

No.62

食品衛生法に違反して有毒物質を含むアラレ菓子を販売しても、それだけで当該アラレ菓子の販売が無効となるものではないが、その販売が食品衛生法違反であることを知りながらあえて製造のうえ、同じ販売業者に継続的に売り渡した場合には、一般大衆の購買のルートに乗せたものといえ、その販売は、公序良俗に反して無効である。

No.63

公の秩序に関しない規定と異なる意思が表示された場合には、その意思が優先する。

No.64

詐欺又は強迫による意思表示に関する次の1から5までの各記述のうち、正しいものを2個選びなさい。〔司法試験 H23〕 ※春学期の復習も含む。 1. 強迫が認められるためには、表意者が、畏怖を感じ、完全に意思の自由を失ったといえなければならない、 2. 第三者によって強迫がされた場合において、意思表示の相手方がその事実を知らないときは、表意者は、その意思表示を取り消すことができない。 3. 表意者が相手方による虚偽の説明を信じて意思表示をした場合において、相手方に詐欺の故意がないときは、表意者は、民事上の救済を受けることはない。 4. 表意者が相手方の詐欺により意思表示をして契約が成立した場合、その契約によって生ずる相手方の債務が未履行であっても、表意者は、その意思表示を取り消さない限り、詐欺を理由として自らの債務の履行を拒絶することができない。 5. 買主が売主を欺罔して土地の所有権を譲り受けた場合、売主が詐欺による意思表示の取消しをする前に、詐欺の事実を知らないでその土地について抵当権の設定を受けた者がいるときであっても、売主は、その意思表示を取り消すことができる。

No.65

代理行為の効果は、代理してなされた法律行為から生ずる法律的な効果が、直接本人に帰属することである。

No.66

任意代理に関して、代理人が相手方と通謀して売買契約の締結を仮装した場合、相手方は、本人がその通謀虚偽表示を知っていたか否かにかかわらず、当該売買契約の無効を主張することができる。

No.67

任意代理に関して、代理人が相手方と売買契約を締結した後、その代理人が制限行為能力者であったことが判明した場合であっても、本人は当該売買契約を行為能力の制限によって取り消すことができない。

No.68

Aの代理人として土地を購入する権限を与えられたBが、Cとの間で甲土地の売買契約を締結する際に、Bの従業員Dに命じて甲土地の売買契約書に「Aの代理人B」という書名をさせた場合でも、AC間に売買契約の効力が生ずる。

No.69

Aの代理人として土地を購入する権限を与えられたBが、Aのためにすることを示さずにCとの間で甲土地の売買契約を締結した場合、BがAのために売買契約を締結することをCが知ることができたときは、AC間に売買契約の効力が生ずる。

No.70

代理権は、代理人が後見開始の審判を受けたときは消滅する。

No.71

代理人が保佐開始の審判を受けたときは、代理権は消滅する。

No.72

任意代理に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。〔市役所 H28〕 1. 本人と代理人との間で委任契約が締結されるのでなければ、代理人に任意代理権は認められない。 2. 代理人には、意思能力と行為能力の双方が必要である。 3. 代理権の範囲が不明確な場合には、代理人の権限は、保存行為または代理の目的である物や権利の性質を変えない範囲内での利用・改良行為に限られる。 4. 代理人は、やむをえない事由があるときでなければ復代理人を選任できない。 5. 代理権は、代理人の死亡によって消減するが、本人の死亡によっては消滅しない。

No.73

復代理人に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。ただし、争いのあるものは判例の見解による。〔地方上級(特別区) H23改より〕 1. 法定代理人は、本人の許諾を得たとき、またはやむをえない事由があるときでなければ、復代理人を選任することができないが、任意代理人は、自己の責任で復代理人を選任することができる。 2. 法定代理人が自己の責任で復代理人を選任した場合において、やむをえない事由があるときは、法定代理人は本人に対して復代理人の選任および監督についての責任のみを負う。 3. 復代理人は、代理人の代理人ではなく、本人の代理人であるから、代理人の有する代理権が消滅した場合でも、復代理人は本人の代理人として地位を失わない。 4. 復代理人は、代理人の代理人ではなく、本人の代理人であるから、復代理人の代理権が、復代理人を選任した代理人の代理権の範囲を超えることもできる。

No.74

民法に規定する代理に関する記述として、通説に照らして、妥当なのはどれか。〔地方上級(特別区) R1〕 1. 代理は、本人の意思で他人に代理権を授与する場合に限り始まるものであるから、本人から何らの権限も与えられていない者が行った代理行為は、無権代理行為となる。 2. 代理人が本人のためにすることを示さないでした意思表示は、代理人が本人のためにすることを相手方が知り、または知ることができたとき、代理人に対して直接にその効力を生じる。 3. 権限の定めのない代理人は、保存行為および代理の目的である物または権利の性質を変えない範囲内において、その利用または改良を目的とする行為をする権限を有する。 4. 無権代理人と契約を締結した相手方は、本人に対し、相当の期間を定めて、追認をするかどうかを確答すべき旨の催告をすることができるが、この場合において、本人がその期間内に確答をしないときは、追認したものとみなす。 5. 本人の完成した意思表示を相手に伝えるために、本人の意思表示を書いた手紙を届けたり、本人の口上を伝えたりする行為は代理行為であり、本人のために自ら意思を決定して表示する者は使者である。

No.75

無権代理人が契約をした場合において、相手方は、代理権のないことを知らなかったときに限り、相当の期間を定め、当該期間内に追認するかどうか確答することを本人に対して催告することができる。

No.76

無権代理行為につき、相手方はこれを取り消すことができるが、この取消しは本人が追認しない間に行わなければならない。

No.77

子が父から何らの代理権も与えられていないのに、父の代理人として相手方に対し父所有の不動産を売却した場合、相手方において、子に売買契約を締結する代理権があると信じ、そのように信じたことに正当な理由があるときは、表見代理が成立する。

No.78

第三者に対して他人に代理権を与えた旨を表示した者は、その他人が代理権を与えられていないことを当該第三者が知り又は過失により知らなかったことを証明して、表見代理の責任を免れることができる。

No.79

Aは、Aと直接関係のないBに「A株式会社福利厚生部」という名称の使用を許諾していたところ、Bはこの名称を使用してCから品物を購入したが、代金を支払わない。このとき、Aについて、表見代理責任をの余地がある。

No.80

AはBに対し、Cの債務につき保証人となることについての代理権を与えていたが、その代理権消滅後、BはAの代理人として再び保証契約を結んだ。このとき、Aについて、表見代理責任をの余地がある。

No.81

代理権授与の表示による表見代理(民法第109条)においては、授権の表示が要件とされており、他人に代理権を与えた旨の表示をしたことが必要である。 これに関し、積極的に本人が自己の名称の使用を認めたのではなく、他人が本人の営業の一部と誤認されかねない表示をして取引をした場合は、本人がそれを知りつつ容認または放置していたときであっても、民法第109条は適用されず、本人は責任を負わない。

No.82

代理権消滅後の表見代理(民法第112条)においては、代理権消滅後、本人がその外観を除去した場合は、かつての代理人が無権代理行為をし、相手方が信頼したとしても、民法第112条は適用されない。 これに関し、社会福祉法人の理事が退任し、その退任の登記がされた場合は、その後その者が当該法人の代表者として第三者と取引を行ったときであっても、特段の事情のない限り、同条は適用されない。

No.83

代理権授与の表示による表見代理が成立するためには、相手方が、代理人と称する者が代理権を有すると信じ、かつ、そのように信じたことについて無過失であったことを、その相手方において主張立証しなければならない。

No.84

判例の趣旨に照らすと、本人から登記申請を委任された者が、その権限を越えて、本人を代理して第三者と取引行為をした場合において、その登記申請の権限が本人の私法上の契約による義務を履行するために付与されたものであり、第三者が代理人に権限があると信ずべき正当な理由があるときは、委任された登記申請の権限を基本代理権とする表見代理が成立する。

No.85

権限外の行為の表見代理の規定は、本人から一定の代理権を授与された者が本人自身であると称して権限外の法律行為をした場合に類推適用することができる。

No.86

権限外の行為の表見代理(民法第110条)においては、基本代理権は私法上の代理権でなければならないが、公法上の行為を委託する代理であっても、その行為から私法上の効果が生じる場合は、基本代理権となる。  これに関し、実印の保管の依頼も、実印は私法上の重要な行為に用いられる可能性があるので、基本代理権となる。

No.87

民法第110条の表見代理においては、第三者が代理人の権限があると信ずべき正当な理由があることが要件である。  これに関し、少なくとも第三者の善意・無過失が必要であるが、さらに、本人に責任を負わせるためには、本人側の事情として、実印を長期間にわたり代理人に預けたままにしておくなど、正当な理由が本人の過失によって生じたことが必要である。

No.88

表見代理は取引の安全を保護する制度である。  これに関し、民法第110条の表見代理において、代理人と称する者と直接に取引した者が同条の要件を満たさなくとも、その後の当該取引の目的物の転得者は、同条の要件を満たせば、保護される。

No.89

代理権消滅後にその代理権を越えて代理行為を行った場合には、表見代理は成立しない。〔司法試験 H21〕

No.90

Aは、Bの代理人と称して、Cとの間でBの所有する土地をCに売却する旨の売買契約を締結したが、実際にはその契約を締結する代理権を有していなかった。AがCに対する無権代理人の責任を負う場合、Aは、売買契約の履行をするか、又は損害賠償の責任を負うかを自ら選択することができる。

No.91

Aは、Bの代理人と称して、Cとの間でBの所有する土地をCに売却する旨の売買契約を締結したが、実際にはその契約を締結する代理権を有していなかった。Bが売買契約を追認した場合、AはCに対する無権代理人の責任を負わない。

No.92

Aは、Bの代理人と称して、Cとの間でBの所有する土地をCに売却する旨の売買契約を締結したが、実際にはその契約を締結する代理権を有していなかった。代理権を有しないことを知らないことにつきCに過失がある場合、Aは、自己に代理権がないことを知っていたときであっても、Cに対する無権代理人の責任を負わない。

No.93

乙が、何らの権限がないのに、甲の代理人として丙と売買契約を締結した。乙が自己に代理権があると信じたことについて過失がない場合には、丙に対して損害賠償の義務を負わない。

No.94

代理に関するアーオの記述のうち、判例に照らし、妥当なもののみをすべて挙げているのはどれか。 ア:本人が無権代理行為の追認を拒絶した場合には、その後に本人が死亡し無権代理人が本人を相続したとしても、無権代理行為は有効とはならない。 イ:本人が無権代理行為について追認も追認拒絶もせずに死亡し、無権代理人が本人を相続した場合には、無権代理人は本人の資格で無権代理行為の追認を拒絶することができる。 ウ:無権代理人が本人を他の相続人とともに相続した場合には、無権代理行為を追認する権利は相続人全員に不可分的に帰属するので、共同相続人全員が共同してこの権利を行使しない限り、無権代理行為は有効とはならない。 エ:本人が無権代理人を相続した場合には、本人は無権代理行為の追認を拒絶しても、なんら信義に反するところはないので、被相続人の無権代理行為は、一般に本人の相続により当然有効とはならない。 オ:無権代理人を本人とともに相続した者が、その後さらに本人を相続した場合には、当該相続人は本人の資格で無権代理行為の追認を拒絶することができる。 〔国家II種 H18〕 1. ア、イ、オ 2. ア、ウ、エ 3. ア、ウ、オ 4. イ、ウ、エ 5. イ、エ、オ

No.95

Aは、B所有の甲不動産を売却するための代理権をBから授与されており、Bの代理人であることを明らかにして、Cとの間で甲不動産をCに譲渡する旨の契約を締結したが、Aは、当初から、Cから受け取った売買代金を着服するつもりであった。このとき、CがAの意図を知っていた場合でも、Bは甲不動産の所有権をCに移転する義務を負う。

No.96

自己契約および双方代理は原則として禁止されているが、本人があらかじめ許諾している行為や債務の履行については例外とされており、たとえば、登記申請行為における登記権利者と登記義務者の双方を代理することは、債務の履行に当たり、許される。

No.97

自己契約及び双方代理は、債務の履行行為及び本人があらかじめ許諾した行為を除き原則として効力を生じないが、本人保護のための制度であるから、無権代理行為として、本人が追認すれば有効となる。

No.98

Aは、B及びCからあらかじめ許諾を得た場合、B及びCの双方を代理してBC間の契約を締結することができる。

No.99

制限行為能力者は、行為能力の制限を理由として行為が取り消されたため履行を受けたものを返還する義務を負う場合には、たとえ悪意であっても現存利益の限度で返還すれば足りる。

No.100

民法に規定する無効または取消に関する記述として、通説に照らして、妥当なのはどれか。〔地方上級(特別区) H13〕 1. 法律行為の内容の一部が無効とされる場合においては、その無効の効果は全体に及ぶため、法律行為の全部が常に無効となる。 2. 無効な法律行為は、追認によってもその効力を生じることはないが、当事者がその法律行為が無効であることを知って追認をしたときは、新たな法律行為をしたものとみなされる。 3. 行為能力の制限によって取り消すことができる法律行為について、制限行為能力者がこれを取り消す場合には、必ず法定代理人または保佐人の同意が必要である。 4. 取り消すことができる法律行為について、相手方が確定している場合には、その法律行為の取消しは、相手方に対する書面による通知によって行わなければならない。 5. 法律行為の取消しの効果は、将来に向かってのみ生ずるものであるから、取り消された法律行為が初めから無効であったとみなすことはできない。