問題一覧
1
瓜食めば子ども思ほゆ栗食めばましてしぬはゆ いづくよりきたりしものそまなかひにものかかりて安眠しなさぬ
山上憶良
2
銀も金も玉も何せむに勝れる宝子にしかめやも
山上憶良
3
五月待つ花たちばなの香をかげば昔の人の袖の香ぞする
よみ人知らず
4
人はいさ心も知らずふるさとは花ぞ昔の香ににほいける
紀貫之
5
心なき身にもあはれは知られけり鴫たつ沢の秋の夕暮れ
西行法師
6
春過ぎて夏来たるらし白たへの衣干したり天の香具山
持統天皇
7
父母が頭かきなで幸くあれて言ひし言葉ぜ忘れかねつる
防人の歌
8
山里は冬ぞさびしさまさりける人目も草もかれぬと思へば
源宗于
9
田子の浦ゆうち出でてみれば真白にそ富士の高嶺に雪は降りける
山部赤人
10
思ひつつ寝れば人の見えつらむ夢と知りせば覚めざらましを
小野小町
11
熟田津に船乗りせむと月待てば潮もかなひぬ今は漕ぎ出てな
額田王
12
玉のよ絶えなば絶えねながらへば忍ぶることの弱りもぞする
式子内親王
13
茜さす紫野行き標野行き野守は見ずや君が袖振る
額田王
14
新しき年の初めの初春の今日降る雪のいやしけ吉事
大伴家持
15
防人に行くはたが背と問い人を見るがともしさ物思もせず
防人の歌
16
君待つと吾が恋ひをれば我がやどのすだれ動かし秋の風吹く
額田王
17
秋来ぬと目にはさやかに見えねども風の音にぞおどろかれぬる
藤原敏行
18
多摩川にさらす手作りさらさらになにそこの児のここだかなしき
東歌
19
うたた寝に恋しき人を見てしより夢てふものは頼みそめてき
小野小町
20
いとせめて恋しき時はむばたまの夜の衣をかして着る
小野小町
21
駒とめて袖うちはらふ陰もなし佐野のわたりの秋の夕暮れ
藤原定家