保険が対象とする3つのリスクのうち、「人的リスク」とは、個人や企業経営者・従業員の死亡、傷害、病気等によって、個人や企業等が経済的損失を被るリスクであり、生存中に資金が枯渇してしまうかもしれないという「長生きリスク（生存リスク）」も高齢社会における大きなリスクとなっています。

損害保険は、個人や企業に対して補償機能を提供し、リスクに対する経済的損失のおそれをなくしたり減らしたりすることにより、経済社会を安定化・活性化させる役割を果たしています。

保険は「保険事故が発生した場合に保険金を支払う」ことを約束するものであるため、代理店（保険募集人）が顧客の意向やニーズを的確に把握・喚起し、そのニーズに応じた保険商品を提供することが重要であり、そのため、代理店（保険募集人）が願客から高い信頼を得ることが何よりも重要といえます。

保険料は、保険による補償の対価として、危険度の高低を反映して決めており、これを「収支相当の原則」といいます。

保険契約者とは、保険金支払いの対象となる事故（保険事故）が生じた場合に、保険金の支払義務を負う者のことをいいます。

保険約款には、普通保険約款と特約があり、特約が普通保険約款に優先して適用されます。

契約締結時に告知を求めた事項のうち保険会社が定めた事項（通知事項）について、契約締結後に変更（危険の増加等）があった場合、保険契約者または被保険者は、遅滞なく保険会社にその旨を通知しなければなりません。

保険会社が保険契約者等の通知義務違反により保険契約を解除した場合、契約解除前に発生した損害に対しては、原則として、保険金は支払われません。

被保険利益とは、保険事故の発生によって被保険者が損害を被るおそれのある経済的な利益のことをいい、被保険利益が存在しなければ、火災保険などの損害保険契約は有効に成立しません。

自賠責保険は、自動車事故により、歩行者、同乗者、他の自動車の搭乗者など、他人を死傷させ、法律上の損害賠償責任を負担する場合の損害を補償する保険であり、運転者自身のケガに対しては補償されません。

対物賠償責任保険の被保険者は、記名被保険者のみであり、記名被保険者の承諾を得て被保険自動車を使用する者は被保険者とはなりません。

火災保険では、火災などにより建物や家財に生じたのほか、その損害に伴う焼け跡の整理や近所のお詫びに係る費用などについても、保険金支払いの対象となります。

地震保険では、地震が発生した日の翌日から起算して10日を経過した後に生じた損害に対しては、保険金が支払われません。

海外旅行保険では、細菌性食中毒およびウイルス性食中毒によって被った損害については、保険金支払いの対象となります。

個人賠償責任保険では、飼い犬が人を噛んでケガをさせた場合、保険金支払いの対象となりません

代理店（保険募集人）が守らなければならないールは基本的に「保険業法」と「代理店委託契約書」のみで、「代理店事務処理規定」および各種「契約規定」などの保険会社が定めた規定等を代理店（保険募集人）が守る必要はありません。

代理店（保険募集人）は、保険会社の委託を受けて、保険会社に代わり様々な保険商品を販売するという重要な役割を担っており、保険会社と委託契約を締結することにより、基本的に、「保険契約の締結権』、「保険料の領収権』、「告知の受領権」という3つの権限が与えられます。

保険募集とは、保険契約の締結の代理または媒介を行うことをいい、その保険契約は、新規契約、継続契約を問いません。

損害保険の募集を行うことができる者は、損害保険募集人に限られています。

代理店主は、使用人に保険募集に関し適切な教育を行っていれば、その使用人の募集人届出を行うことができます。

代理店は、保険募集に従事している役員または使用人の届出事項に変更が生じた場合のほか、それらの者が保険募集を行わなくなった場合にも、その旨を内閣総理大臣に届け出なければなりません。

代理店（保険募集人）は、保険募集を行おうとするときは、あらかじめ、顧客に対して、所属保険会社等や保険募集人の商号・名称または氏名などを明らかにしなければなりません。

代理店（保険募集人）は、保険募集における意向・意向確認を行う際、顧客が示した意向を書面（これに代替する電磁的方法を含みます）に記録したうえで、保険商品と意向の関係性をわかりやすく説明し、顧客の意向と保険契約の内容が合致しているかを確認すれば、その意向確認書面を保険契約者に交付する必要はありません。

代理店（保険募集人）は、自動車保険契約の締結にあたり、保険契約者に対して、保険料を安くするために、過去の事故歴を偽るように勧めてはなりません。

代理店（保険募集人）が、保険契約の締結にあたり、保険契約者から、保険料の端数を切り捨ててほしいとの申し出に対して、切り捨てることはできないことを説明することは、禁止行為に該当しません。

保険募集にあたり、代理店（保険募集人）が、誹謗・中傷する目的で、顧客が現在契約をしている保険会社は経営状態が悪化していると説明することは、禁止行為に該当しません。

代理店の体制整備にあたっては、その規模や特性に応じた社内規則を策定したり、内部管理態勢を確立したりするなど、業務の健全かつ適切な運営を確保するための措置を、代理店（保険募集人）が主体となって講じる必要があります。

個人情報保護法の規定により、個人情報取扱事業者は、個人情報を取り扱う場合、利用目的をできる限り特定しなければなりません。

犯罪収益移転防止法の規定により、代理店(保険募集人)は、取引時確認が必要な取引において、顧客等が法人の場合に限り、公的証明書等により顧客等の本人特定事項等の確認をしなければなりません。

消費者契約法における「消費者契約」とは、消費者と事業者との間で締結される契約をいいますが、保険契約はこれに含まれません。

金融サービス提供法では、金融商品販売者等は、金融商品の販売が行われるまでの間に、顧客に対して「重要事項」を説明しなければならないので、顧客が金融商品販売業者等（いわゆるプロ）であっても「重要事項」を説明しなければなりません。

アンダーライティングとは、保険会社が、申込みのあった保険契約のリスク状況を調査し、「契約引受けの可否」および「契約条件と保険料率」を決定する契約引受判断全般のことをいいます。

保険募集人（代理店）は、宝石・貴金属や美術品などの高額な物を保険の対象とする保険契約の引受けにあたっては、その物が実在するかどうか、保険金額が過大でないかどうかを確認することが大切です。

保険募集人（代理店）は、保険契約の引受けにあたり、保険契約申込書の記載内容に誤りがないことを保険契約者に十分に確認してもらったうえで、申込みの意思表示の証として、保険契約者から同意の記録（署名または記名・押印等）を取り付けます。

保険募集人（代理店）は、現金、小切手または振込み等により保険料を領収することとし、手形または先日付小切手による領収は認められていません

保険募集人（代理店）は、通知義務が課されている事項について、あらかじめ保険契約者等に十分に説明しておく必要があります。

保険募集人（代理店）は、保険契約者に無保険状態が発生しないように適切に満期管理を行う必要があり、特に自動車保険契約において、ノンフリート等級別料率が適用されている場合は、次契約の等級にも影響を及ぼすことがあるため一層の注意が必要です。

保険募集人（代理店）は、保険契約の締結時に保険契約者等に対して事故通知の重要性について十分に説明しておく必要があります。

保険募集人（代理店）は、保険契約者等から苦情を受け付けた場合、その申し出の内容を正確に把握し真摯に受け止めるとともに、例えば、申出人だけを特別扱いするようなことのないよう、公正な対応を心掛ける必要があります。

｢顧客満足」とは、顧客のニーズを充足することによって得られる顧客の満足のことをいい、保険商品の販売にあたっては、顧客が認識していないものも含め、多様化する願客のニーズを正しく把握し、それらに的確に応えられる保険商品を提供することにより、顧客満足を得ることができるといえます。

事故・災害が発生するのを未然に防いだり、少しでも損害を軽減したりするような損害の防止・軽減のための取組みをロス・プリベンションといいます。

不法行為責任において、被害者が加者に対して損害賠償を請求する場合、加害者は、自らに責任がないことを立証しない限り、その責任を負うことになります。

債務不履行責任は、契約など債権・債務の開係にある者の間で成立します。

失火により隣家を延焼させてしまった場合、失火者に重大な過失がなくても、失火者は被災者に対して、失火責任法に基づく損害賠償責任を負うことになります。

健康保険では、被保険者だけでなくその被扶養者の病気やケガについても保険給付の対象となります。

被災者生活再建支援制度は、市町村に50世帯以上の住宅全壊被害をもたらした自然災害や、都道府県に100世帯以上の住宅全壊被害をもたらした自然災害などが対象となります。

自己や自己と生計を一にする配偶者その他の親族の所有する家屋で常時その居住の用に供するもの、または生活用動産を保険の対象とする地震保険契約の保険料を支払った場合、保険契約者は、支払った保険料の一定額を所得金額から控除することができます。

個人に支払われる傷害保険や自動車保険（人身傷害保険）における死亡保険金は、相続税や贈与税等の課税対象となります。

相続において、死亡した人（被相続人）に配偶者、直系尊属および兄弟姉妹がいる場合、法定相続分は、配偶者が3分の2、直系尊属が3分の1となり、兄弟姉妹はゼロとなります。

生命保険は、人の死亡や病気による入院、通院、老後の所得喪失などに備える保険で、保険事故により、「死亡保険」と「生存保険」の2つに分類され、また、保険金額の決定方法により、「定額保険」と「変額保険」とに分類されます。