JensenとMecklingはこう考えた。
もし経営者自身が完全な会社の所有者(100%株主)だったら, ①を優先した分の株式価値の減少分がすべて自分の財産に跳ね返ってくる。
そうすると,よほど①の獲得による効用が大きい場合でない限り, 経営者は②を優先することを選択するだろう。
しかし… 現代的な株式会社では,株主が分散しており,経営には関与しないことが多い
その場合,株主利益を犠牲にしても,経営者の財産は株主価値の減少分 × 持株比率分 か影響を受けない
この場合,経営者は価値の減少を他の株主に負担させることができるため, ②を害する①を優先した行動を取りやすくなる 。
この問題は③と呼ばれ,所有と経営が分離する現代的 な企業の一般的な問題として認識されるようになった。