地方公共団体の事務とは、自治財政権に基づき、財政を自主的・自律的に運営するために処理する予算及び決算、収入及び支出、契約、財産等に関する事務及びこれらに付帯する事務を包括する概念である。

会計年度の終了は3月31日で、4月1日から5月31日までが出納整理期間であるが、この期間内であっても旧年度の調停や支出負担行為を行うことは可能である。

会計年度独立の原則とは、「各会計年度における歳出は、その年度の歳入をもって、これに充てなければならない。」というものである。

会計年度独立の原則の　例外として「継続費の逓次（ﾃｲ ｼﾞ）繰越」、「繰越明許費」、「債務負担行為」、「事故繰越し」、「過年度収入・過年度支出」、「歳計剰余金の繰越」、「翌年度歳入の繰上げ充当」の7つが設けられている。

会計の区分は一般会計と事業会計の2種類に分けられている。

普通地方公共団体の予算は「歳入歳出予算」、「継続費」、「債務負担行為」、「地方債」、「一時借入金」及び「歳入歳出予算の各項の経費の金額の流用」の６つからなる。

長は調整権を有しており、予算案を調整し、議会の議決を経て成立するが、議会も調整権を有している。

条例、その他議会の議決を要すべき事件が予算を伴う場合、必要な予算上の措置がなされていなくても議会に提案できる。

予算の成立は出席議員の半数以上、同数の場合は議長の決するところによる。

予算科目は「款」・「項」・「目」・「節」に区分される。また、節の区分は自治法施行規則で定められている。

自治体の収入は自主財源と依存財源に分類される。また、どの経費にも自由に充当できる財源を一般財源、性質により、使途が特定される収入を特定財源という。

地方税は依存財源、地方交付税は自主財源である。

支出とは行政目的を推進するため歳出予算を執行することを言うが、生活保護費や給与など、法令の規定により、その支出が義務付けられているものを義務的支出、補助金や貸付金など任意の判断にゆだねられているものを任意的支出という。

支出は予算の配当がなくても必要なものは支出できる。

支出負担行為は地方公共団体の支出の原因となる一切の行為が含まれるが、省略することも可能である。

長は、毎会計年度歳入歳出予算について決算を調製しなければならない。

決算の調製は出納整理期間終了後3ヶ月以内すなわち8月31日までに行い、当該市町村の長へ提出することとなる。

地方自治体の財政指標の一つである財政力指標が1を下回る団体は普通交付税が交付されない。

人件費、扶助費、公債費など経常的に支出する経費に一般財源がどの程度充当されているかを表す指標である経常収支比率は数値が高いほど財政構造の弾力性がうしなわれる。

契約締結権限は長にあるため、契約金額にかかわらず、議会の議決は不要である。

指定金融機関とは、地方公共団体がその公金の収納及び支払いの両方の事務を取り扱わせるものとして指定する金融機関であり、津山市の指定金融機関は中国銀行である。

一時借入金とは、既定の歳出予算の範囲内の支出現金の不足を補うために、金融機関等から一時的に預かるお金をいう。

地方公共団体の財産は「公有財産」「物品」「基金」の3種類である。

公有財産は行政財産と特別財産に分類する。行政財産は行政目的を達成するための物的手段であるので、行政目的以外の使用については特例を除き禁止されている。

基金とは特定の目的のために財産を維持したり、資金を積み立てたり、又定額の資金を運用する目的で設けられたもので、条例で定めることが必要である。