問題一覧
1
花も散りたるのちは、 うたて ぞ見ゆる
いやな感じに
2
二の宮におはすらんと目とどむれば、御髪のかかり なべてならで、
並ひととおりでなく
3
やがて末まではあらねどもすべて つゆ たがふことなかりけり。
少しも
4
わざとならぬ 匂ひしめやかにうち薫りて、
ことさらではない
5
人をやりて見するに、 大方 あへるものなし。
まったく
6
そこばく の捧げ物を木の枝につけて、堂の前に立てたれば、
たくさん
7
そこら の人のほめ感じて
たくさん
8
同じ心に、かやうに言ひかはし、世の中の憂きもつらきもをかしきも、 かたみに 言ひかたらふ人、筑前にら下りて後、
互いに
9
必ず さ おぼす故はべらむかし。
そのように
10
木の葉をかきのけたれど、 つやつや 物も見えず
まったく
11
なべて 心やはらかに、情けあるゆゑに、人のいふほどのこと、けやけくいなびがたくて
一般に
12
さ な せ そ。 ↑ ↑
してはならない
13
唐の、大和の、珍しく えならぬ 調度ども並べ置き
言いようもなくすばらしい
14
千余日に力を尽くしたること、少なからず。 しかるに 禄いまだ𧶽はらず。
そうであるのに
15
俊寛僧都一人、憂かりし島の島守になりにけるこほ うたてけれ 。
嘆かわしい
16
なかなかに 寝も寝られず。これは夢かとのみ覚ゆ
かえって
17
空をあふぎて、 よに 心得ぬけしきにて帰りてけり。
まったく
18
名を聞くより やがて 面影は推しはらるる心地するを、
すぐに
19
几帳の片つかたにうちかけて、人の臥したるを、奥の方より やをら 覗いたるもいとおかし。
そっと
20
世の中に たえて 桜のなかりせば春の心はのどけからまし
まったく
21
女君の心苦しき御気色を とかく 慰め聞こえ給ふ。
あれこれと
22
わざと めでたき冊子ども、硯の箱の蓋に入れて遣せたり。
特に
23
や、 な 起こしたてまつり そ 。幼き人は寝入りたまひにけり。
な
24
春は曙。 やうやう 白くなりゆく山際
しだいに
25
なかなか 返事して、門たてられ、錠されては悪しかりなんと思ひて、
中途半端に
26
さらに まだ見ぬ骨のさまなり。
まったく
27
薬も食はず やがて 起きてもあがらで、病みふせり。
そのまま
28
かかる 目見むとは思はざりけむ。
このような
29
梨の花、 よに すさまじきものにして、
実に
30
今は よも 烏に取られじ。
まさか
31
かかる忘れ形見を給はり置き候ひぬる上は、 ゆめゆめ 粗略を存ずまじう候ふ。
決して
32
祇王もとより思ひまうけたる道なれども、 さすがに 昨日今日とは思ひよらず
そうはいってもやはり
33
女御・更衣 あまた さぶらひ給ひけるなかに、
たくさん
34
ここら 悲しきさまざまの愁はしさはさし置かれて
たいそう
35
あなかしこあなかしこ 、人に語りたまふな。
決して決して
36
かく うつくしうおはする御髪を
このように
37
草萌え出づるころより、 やや 春深く霞渡りて、
しだいに
38
と 言ひ かく 言ひ、恨み給ふ。
ああ, こう
39
忘れてもあるべきものを なかなか 問ふにつらさを思い出でつる
かえって
40
物語は、 ここら あるが中にも、この源氏のは一きはふかく心を入れて作れる物にして
たくさん
41
おほかた 、振る舞ひて興あるよりも、興無くて安らかなるが、まさりたることなり。
だいたい
42
昔の若人は さる 好ける物思いをなむしける。
そのような
43
わざとの 御学問はさるものにて、琴笛の音にも
正式な
44
この玉たはやすく え 取ら じ を
ことはできないだろうに
45
「歌仕うまつれ」と仰せられければ、 すなわち 詠みたてまつりける。
すぐに
46
和歌一つづつ仕うまつれ。 さらば 許さむ。
そうしたら
47
角生ひたり。頭も えもいはず 恐ろしげなる物どもなり
なんとも言えないほど
48
物に襲はるる心地して、驚き給へれば、灯も消えにけり。 うたて 思さらければ、太刀を引き抜きて、
異様に怪しく
49
大将も しか 見奉り給ひて、ことわりに思す。
そのように
50
ゆめ この雪落とすな。
決して
51
冬枯れの気色こそ秋には をさをさ おとるまじけれ。
ほとんど
52
男君も、 さすがに 貴人の子なれば、けはひも貴やかに
なんといってもやはり