問題一覧
1
死因贈与の取扱い (遺贈と同様に取扱う)
相続税の課税対象, 課税される金額 → 相続開始時の価額
2
納税義務者の区分と課税財産の範囲
1. 居住無制限納税義務者 → 取得した全ての財産に課税, 2. 非居住無制限納税義務者 → 取得した全ての財産に課税, 3. 居住制限納税義務者 → 取得した国内財産のみに課税, 4. 非居住制限納税義務者 → 取得した国内財産のみに課税
3
相続税の納税義務者の区分
相続人・国内住所で居住者 → 1.居無納義, 相続人・国内住所だが一時居住者 + 被相続人・外国人被相続人又は非居住被相続人 → 3.居制納義, 相続人・国外住所だが相続の開始前10年以内の住所が国内にあり + 日本国籍 → 2.非無納義, 相続人・国外住所で相続の開始前10年以内の住所が国内になし + 日本国籍 + 被相続人・外国人被相続人又は非居住被相続人 → 4.非制納義, 相続人・国外住所だが相続の開始前10年以内の住所が国内になし + 日本国籍 → 2.非無納義, 相続人・国内住所だが一時居住者 → 1.居無納義, 相続人・国外住所 + 外国国籍 → 2.非無納義, 相続人・国外住所 + 外国国籍 + 被相続人・外国人被相続人又は非居住被相続人 → 4.非制納義
4
国外勤務者等の住所の判定 (その者の住所が明らかに国外にあると認められる場合を除く) ・留学生は、国内にいる者の扶養親族である留学生の場合。 ・国外勤務は、国外勤務の期間がおおむね1年以内の者。
一時的に国内を離れている者・国外出張 → 国内住所, 一時的に国内を離れている者・国外興業 → 国内住所, その他・留学生 → 国内住所, その他・国外勤務 → 国内住所
5
財産の種類に応じた各所在 無制限納税義務者は取得したすべての財産について相続税又は贈与税が課税されるが、制限納税義務者は取得した法施行地にある財産にのみ相続税又は贈与税が課税される。つまり、その取得した財産が法施行地にあるかどうかによって課税対象の範囲が異なることとなる。
動産・不動産等 → その動産、不動産の所在, 預貯金等 → 預貯金等の受入れをした営業所又は事業所の所在, 保険金 → その保険契約に係る保険会社等の本店等 (法施行地に本店等がない場合は、法施行地にある契約事務を行う営業所等) の所在, 退職手当金等 → 退職手当金等を支払った者の住所又は本店等の所在 (法施行地に本店等がない場合は、法施行地にある契約事務を行う営業所等) , 貸付金債権 → その債務者の住所又は本店若しくは主たる事務所の所在, 営業上・事業上の権利 → 営業所又は事業所の所在, 社債・株式又は出資 → 発行法人の本店又は主たる事務所の所在, 国債・地方債 → 法施行地, 外国債・外国地方債 → 外国
6
生命保険金等の課税要件等 ・課税要件 ① 被の死亡 ② 生命保険契約又は損害保険契約の死亡保険金を取得した場合 ・課税対象者 → 保険金受取人 ・課税財産 保険金 × (被 負担 保料 ÷ 被 死亡時 全保料) ・取得原因 相続又は遺贈により取得したものとみなす
◯
7
生命保険金等の非課税 (1) 対象者 → 相続人のみ (2) 非課税 500万円 × 法定相続人の数 (3) 各人の非課税金額 ① 非課税以下 → 全額非課税 ② 非課税を超える → あん分した額を各相の取得金額から引く。 非課税 × (各相 ÷ 全相)
◯
8
退職手当金等の課税要件等 ・課税要件 (1) 被の死亡 (2) 被の死亡後3年以内に支給が確定した退職手当金等を取得した場合 ・課税対象者 → 退職手当金等を取得した者 ・課税財産 → 退職手当金等として支給を受けた金額 ・取得原因 → 相続又は遺贈により取得したものとみなす
◯
9
死亡退職と生前退職 被の死亡後3年以内に支給が確定した退職手当金等とは、被の死亡後3年以内に支給額が確定したものをいい、実際の支給時期がその死亡後3年以内であるかどうかは問わない。 なお、課税対象となる退職金は原則として「死亡退職金」だが、生前退職金であっても支給額の確定が被の死亡後3年以内であるものは、みなし相続財産として課税される。
◯
10
退職手当金等の非課税 (1) 対象者 → 相続人のみ (2) 非課税 500万円 × 法定相続人の数 (3) 各人の非課税金額 ① 非課税以下 → 全額非課税 ② 非課税を超える → あん分した額を各相の取得金額から引く。 非課税 × (各相 ÷ 全相)
◯
11
弔慰金等 企業の福利厚生制度の一環として、従業員が亡くなった場合に、その遺族に対して企業から支給されるお金のこと。支給金額は企業や団体、勤続年数など、それぞれの規定によって定められている。
・弔慰金等 (弔慰金、花輪代、葬祭料等) → 退職手当金等として課税する。, ・弔慰金等でも実質的に退職手当金等に該当するもの → 退職手当金等として課税する。, ・弔慰金等は一部非課税枠がある。(非課税金額の計算) ① 業務上の死亡 → 普通給与 × 3年, ・弔慰金等は一部非課税枠がある。(非課税金額の計算) ② 業務上以外の死亡 → 普通給与 × 6ヶ月, 退職手当金等 + (弔慰金等 − 非課税金額)
12
非課税財産 ・皇室経済法の規定により皇位とともに皇嗣が受けた物
相続税の非課税財産
13
非課税財産 ・墓所、霊びょう及び祭具並びにこれらに準ずるもの (墓地、墓石、神体、神具、仏像、仏具、仏壇等)
相続税の非課税財産
14
非課税財産 ・公益事業用財産 【幼稚園教育用財産 (園舎・運動場等) 等】
相続税・贈与税の非課税財産
15
非課税財産 ・心身障害者共済制度に基づく給付金の受給権
相続税・贈与税の非課税財産
16
非課税財産 ・生命保険金等及び退職手当金等の非課税
相続税の非課税財産
17
債務控除 ・債務控除の適用対象者 ① 債務 → 相続人・包括受遺者 ② 葬式費用 → 相続人・包括受遺者 + 相続放棄者 ・債務控除の範囲 ① 無制限納税義務者 → ・被の債務 (公租公課を含む) ・葬式費用 ② 制限納税義務者 → ・取得した国内財産に係る債務 ・被の国内事業上の債務
◯
18
債務控除 債務の範囲 ・相続財産に関する費用 (相続財産の管理費用、登記費用、遺言執行費用、弁護士や税理士への報酬)
控除不可
19
債務控除 債務の範囲 ・非課税財産に係る債務 (墓地購入未払金)
控除不可
20
債務控除 債務の範囲 ・保証債務 (原則) ・保証債務 (例外) (求償して返還を受ける見込みがない部分)
・原則 → 控除不可, ・例外・主たる債務者が弁済不能で、主たる債務者に求償しても返還を受ける見込みがない場合 → 控除可
21
債務控除 債務の範囲 ・連帯債務 (原則) (被の負担すべき金額) ・連帯債務 (例外) (被の負担すべき金額 + 負担しなければならないと認められる部分の金額)
・原則 → 自己負担部分は控除可, ・例外・他の連帯債務者が弁済不能で、その債務者に求償しても返還を受ける見込みがない → 他の連帯債務者の負担部分も控除可
22
債務控除 債務の範囲 ・相続開始時において既に消滅時効の完成した債務 (消滅時効完成の飲食代未払金)
控除不可
23
債務控除 債務の範囲 ・公租公課・所得税、消費税、贈与税 (準確定申告に係る所得税等)
控除可
24
債務控除 債務の範囲 ・公租公課・賦課期日が1月1日のもの (住民税、固定資産税など)
控除可
25
債務控除 債務の範囲 ・公租公課 ・附帯税 (被の責め) (相続開始の前年以前の所得税等に係る附帯税)
控除可
26
債務控除 債務の範囲 ・公租公課・附帯税 (相続人の責め) 【相続開始年分の所得税等 (準確定申告) に係る附帯税】
控除不可
27
葬式費用控除 葬式費用の範囲 ・通夜費用 (葬式又は葬送に要した費用)
控除可
28
葬式費用控除 葬式費用の範囲 ・本葬式費用、仮葬式費用 (葬式又は葬送に要した費用)
控除可
29
葬式費用控除 葬式費用の範囲 ・納骨費用 (葬式又は葬送に要した費用)
控除可
30
葬式費用控除 葬式費用の範囲 ・お布施 (葬式に際し施与した金品)
控除可
31
葬式費用控除 葬式費用の範囲 ・戒名料(葬式に際し施与した金品)
控除可
32
葬式費用控除 葬式費用の範囲 ・通夜葬儀会場設置費用(その他葬式の前後に生じた出費で通常葬式に伴うもの)
控除可
33
葬式費用控除 葬式費用の範囲 ・香典返戻費用(香典の返戻のために要した費用)
控除不可
34
葬式費用控除 葬式費用の範囲 ・墓地未払購入費(墓碑及び墓地の買入費並びに墓地の借入料)
控除不可
35
葬式費用控除 葬式費用の範囲 ・初七日法会費用、四十九日法会費用(法要に要する費用)
控除不可
36
葬式費用控除 葬式費用の範囲 ・遺体解剖費用(医学上又は裁判上の特別の処置に要した費用)
控除不可
37
法定相続人の数に算入する養子の数 養子の数の制限 ・法定相続人の数を用いる計算項目 ① 遺産に係る基礎控除額 (3000万円 + 600万円 × 法定相続人の数) ② 生命保険金等、退職手当金等の非課税限度額 (500万円 × 法定相続人の数)
被相続人に実子がいる場合 → 1人, 被相続人に実子がいない場合 → 2人
38
法定相続人の数に算入する養子の数 みなし実子の取扱い (実子とみなす) ・法定相続人の数を用いる計算項目 ① 遺産に係る基礎控除額 (3000万円 + 600万円 × 法定相続人の数) ② 生命保険金等、退職手当金等の非課税限度額 (500万円 × 法定相続人の数)
特別養子縁組による養子となった者, 被の配偶者の実子で被の養子となった者, 被との婚姻前に配偶者の特別養子縁組による養子となった者で婚姻後に被の養子となった者, 実子又は養子の代襲相続権を有する者
39
あん分割合 (例) (各人の算出相続税額) ① あん分割合 (1.00) 各課 ÷ 全課 = 0.4887 → 0.49 ② 各相の算出税額 全税 × あん分割合 (0.49) = 各相の算出税額 ・端数を調整しないパターン 全税 × 各課 ÷ 全課 = 各相の算出税額 (円未満切捨)
◯
40
相続税額の加算額
算出相続税額 × 100分の20
41
相続税額の加算対象者
被相続人が養子縁組をした者 (直系卑属), ・配偶者 ・一親等の血族 以外の者
42
配偶者の税額軽減額 (控除額) 【基本算式】 (1) 算出相続税額 (2) 軽減額 ① 配偶者の法定相続分相当額 課税価格の合計額 × 配偶者の法定相続分 (1億6千万円未満の場合には、1億6千万円とする) ② 配偶者の課税価格 (千円未満切捨) ③ ①と②のいずれか低い金額 ④ (相続税の総額 × ③) ÷ 課税価格の合計額 (3) 控除額 (1) と (2) のいずれか低い金額
◯
43
未成年者控除 ・納付すべき相続税額 算出税額 (配偶者の税額軽減までを計算した金額) − 未成年者控除額 = 納付税額
【適用対象者】 相続又は遺贈により財産を取得した者で、次のすべての要件を満たすもの (1) 居住無制限納税義務者、非居住無制限納税義務者 (2) 法定相続人 (3) 18歳未満の者, 【控除額】 10万円 ×【18歳 − その者の年齢 (1年未満切捨) 】
44
障害者控除
【適用対象者】 相続又は遺贈により財産を取得した者で、次のすべての要件を満たすもの (1) 居住無制限納税義務者 (2) 法定相続人 (3) 障害者, 【控除額】 ・一般障害者 10万円 ×【85歳 − その者の年齢 (1年未満切捨) 】, 【控除額】 ・特別障害者 20万円 ×【85歳 − その者の年齢 (1年未満切捨) 】
45
相続税の計算過程 1〜10
1. + ① 遺贈財産 + ② 相続財産 + ③ みなし相続財産 + ④ 相続時精算課税適用財産 − ⑤ 債務及び葬式費用 + ⑥ 生前贈与加算 (暦年課税分) = 課税価格, 2. = 課税価格の合計額, 3. − 遺産に係る基礎控除額, 4. = 課税遺産額 , 5. 課税遺産額 × 法定相続分, 6. = 各相の法定相続分取得額, 7. 各相の法定相続分取得額 × 税率 (速算表), 8. = 各相の税額, 9. = 税額の合計額, 10. 税額の合計額 × (各課 ÷ 全課) (あん分), 11. = 各相の算出税額, 12. + ① 2割加算額 − ② 贈与税額控除額 (暦年課税分) − ③ 配偶者の税額軽減額 − ④ 未成年者控除額 − ⑤ 障害者控除額 − ⑥ 相次相続控除額 − ⑦ 外国税額控除額 − ⑧ 贈与税額控除額 (相精課税分) = 各相の最終納税額
46
みなし贈与財産 ・生命保険金等 例 ・保険事故 → 父の相続 ・保険契約者 → 父 ・被保険者 → 父 ・受取人 → 子 ・保険金額 → 2000万円 (一時金として受取) ・保険料負担者 → 父、母、子 ・払込保険料 → 父500万円、母300万円、子200万円 ・法定相続人 → 母、子
・課税要件 (1) 生命保険契約又は損害保険契約の保険事故 (偶然な事故に基因する保険事故で死亡を伴うものに限る) が発生した場合 (2) 契約に係る保険料の全部又は一部が保険金受取人以外の者 (母) によって負担されているとき, ・課税時期 → 保険事故が発生した時, ・課税対象者 → 保険金受取人 (子), ・課税財産 取得保険金 (2000万円) ×【保険金受取人以外の者 (母) が負担した保険料 (300万円) ÷ これらの保険事故が発生した時までに払い込まれた保険料の全額 (1000万円) 】 ( = 600万円), ・贈与者 → 保険料を負担した者 (母), ・取得原因 → 贈与により取得したものとみなす
47
生命保険金等・返還金等 生命保険契約又は損害保険契約について返還金等の取得があった場合には、贈与税の課税される生命保険金等の規定を準用する。 (みなし贈与として贈与税が課税される) 返還金等 = 契約の定めるところにより生命保険契約の解除または失効によって支払を受ける金額又は払戻金をいいます。
◯
48
みなし贈与財産 ・低額譲受益 贈与契約による財産の無償移転がなくても、低額譲渡があった場合には、その財産の価額と対価の差額について実質的な贈与があったとみなし、課税の公平を図る。
・課税要件 → 著しく低い価額の対価で財産の譲渡を受けた場合, ・課税時期 → その財産の譲渡の時, ・課税対象者 → その財産の譲渡を受けた者, ・課税金額 → 譲渡時の時価 − 対価, ・贈与者 (遺贈者) → その財産を譲渡した者, ・取得原因 → 贈与又は遺贈により取得したものとみなす
49
みなし贈与財産 ・低額譲受益 課税されない場合
・要件 譲渡を受ける者が資力を喪失して債務を弁済することが困難である場合で、その者の扶養義務者からその債務の弁済に充てるためになされた譲渡であるとき, ・課税されない金額 次の①と②のうちいずれか少ない金額 ① 贈与又は遺贈により取得したものとみなされた金額 ② その債務を弁済することが困難である部分の金額
50
みなし贈与財産 ・債務免除益等 債権者による債権の放棄又は第三者による債務の引き受け若しくは弁済は、債務者にとってみれば債務の金額に相当する経済的利益を債権者又は第三者から受けたことに等しいため、これらの行為があった場合には、その債務の金額について実質的な贈与があったものとみなし、課税の公平を図ることとしている。
・課税要件 → 対価を支払わないで又は著しく低い価額の対価で債務の免除・引受・弁済による利益を受けた場合, ・課税時期 → その債務の免除・引受・弁済があった時, ・課税対象者 → その債務の免除・引受・弁済により利益を受けた者, ・課税金額 → 債務金額 − 支払対価, ・贈与者 (遺贈者) → その債務の免除・引受・弁済をした者, ・課税原因 → 贈与又は遺贈により取得したものとみなす
51
みなし贈与財産 ・債務免除益等 課税されない場合
・要件 債務者が資力を喪失して債務を弁済することが困難である場合 ① その債務の全部又は一部の免除を受けたとき ② その債務者の扶養義務者によって、その債務の全部又は一部の引受・ 弁済がなされたとき, ・課税されない金額 次の①と②のうちいずれか少ない金額 ① 贈与又は遺贈により取得したものとみなされた金額 ② その債務を弁済することが困難である部分の金額
52
みなし贈与財産 ・その他の利益の享受益 相続税法第8条までに規定されているみなし贈与に該当しない行為によって利益を受けた場合には、その利益金額について贈与があったものとみなし、課税の公平を図ることとしている。
・課税要件 → 対価を支払わないで又は著しく低い価額の対価で利益を受けた場合, ・課税時期 → その利益を受けた時, ・課税対象者 → その利益を受けた者, ・課税金額 → 利益の金額 − 支払対価, ・贈与者 (遺贈者) → その利益を受けさせた者, ・課税原因 → 贈与又は遺贈により取得したものとみなす
53
みなし贈与財産 ・その他の利益の享受益 課税されない場合
・要件 利益を受ける者が資力を喪失して債務を弁済することが困難である場合で、その者の扶養義務者からその債務の弁済に充てるためになされた行為であるとき, ・課税されない金額 次の①と②のうちいずれか少ない金額 ① 贈与又は遺贈により取得したものとみなされた金額 ② その債務を弁済することが困難である部分の金額
54
非課税財産 ・法人からの贈与により取得した財産
贈与税の非課税財産
55
非課税財産 ・扶養義務者相互間における生活費又は教育費の贈与
贈与税の非課税財産
56
非課税財産 ・公益事業用財産
相続税・贈与税の非課税財産
57
非課税財産 ・特定公益信託から交付される金品 (学術の研究に対する助成金又は学生等に対する奨学金の支給を行うことを目的とする特定公益信託から交付される金品)
贈与税の非課税財産
58
非課税財産 ・心身障害者共済制度に基づく給付金の受給権
相続税・贈与税の非課税財産
59
非課税財産 ・公職選挙法に基づき報告された金銭等
贈与税の非課税財産
60
非課税財産 ・特定障害者扶養信託契約に基づく信託受益権
贈与税の非課税財産
61
非課税財産 ・香典、花輪代、年末年始の贈答、祝物又は見舞いなどのための金品で社交上必要と認められるもの
贈与税の非課税財産
62
・特定障害者扶養信託契約に基づく信託受益権
・特定障害者 → 3,000万円まで非課税, ・特別障害者 → 6,000万円まで非課税, 【 計算式 】 (信託受益権の価額 − (3,000万円、6,000万円) + その他の財産の価額 − 110万円)× 税率 = 贈与税額, ※ 信託受益権の価額 (> ≦) (3,000万円、6,000万円) ∴ 低い方を採用 ※ 過去に非課税の適用を受けている場合 信託受益権の価額 (> ≦) (3,000万円、6,000万円) − 既控除額 = 残額 ∴低い方を採用
63
贈与税額の計算
・一般贈与財産 その年の課税価格 − 基礎控除額 (110万円) = 差引課税価格 → 差引課税価格 × 一般税率 = 贈与税額 (百円未満切捨) , ・特例贈与財産 その年の課税価格 − 基礎控除額 (110万円) = 差引課税価格 → 差引課税価格 × 特例税率 = 贈与税額 (百円未満切捨) , ・一般贈与財産と特例贈与財産がある場合 その年の課税価格 (一般) + その年の課税価格 (特例) − 基礎控除額 (110万円) = 差引課税価格 ① 一般に係る贈与税額 差引課税価格 × 一般税率 × 【一般 ÷ (一般 + 特例) 】 = 贈与税額 ② 特例に係る贈与税額 差引課税価格 × 特例税率 × 【特例 ÷ (一般 + 特例) 】 = 贈与税額 ③ 納付すべき贈与税額 ① + ② = 最終贈与税額 (百円未満切捨), ・特例贈与財産 要件 平成27年1月1日以後に直系尊属からその年1月1日において18歳以上の者が贈与により取得した財産
64
贈与税の配偶者控除
・適用対象者 → 婚姻期間が20年以上の配偶者 (同一配偶者間では1回のみだが、配偶者が異なる場合には、複数回の適用が可能), ・居住用不動産 → 専ら居住用にする土地・土地の上に存する権利又は家屋で国内にあるもの, ・金銭 → 居住用不動産を取得するための金銭, ・使途、期限 → 贈与税の申告期限までに取得・居住し、かつ、その後も継続して居住の見込みがあること (贈与年の翌年3月15日まで), ・控除額 課税価格から次の①と②のうちいずれか少ない金額を控除する ① 2000万円 ② 居住用不動産の価額と居住用不動産の取得のための金銭の額との合計額
65
贈与税の配偶者控除2
【計算式】 (その年分の贈与税の課税価格 − 2000万円 − 110万円) × 税率 = 贈与税額, ・婚姻期間の計算 (1) 婚姻期間は、婚姻の届出日から財産の贈与日までの期間 (配偶者でなかった期間を除く) (2) 計算した婚姻期間に1年未満の端数がある場合でも、端数切上げは行わない。 , ・居住用不動産の取得 (1)「取得」には、家屋の増築が含まれる。 (2) 配偶者から贈与により取得した金銭とそれ以外の資金をもって、居住用不動産とそれ以外の財産を取得した場合 → 配偶者からの金銭をまず居住用不動産の取得に充当したものとして取扱う。, ・使途、期限 → 贈与税の申告期限までに取得・居住し、かつ、その後も継続して居住の見込みがあること (贈与年の翌年3月15日まで), ・控除額 課税価格から次の①と②のうちいずれか少ない金額を控除する ① 2000万円 ② 居住用不動産の価額と居住用不動産の取得のための金銭の額との合計額, ・居住用不動産等の使途と期限 (1) 居住用不動産 贈与年の翌年3月15日までにその者が居住し、かつ、その後引き続き居住する見込みであること。 (2) 居住用不動産取得のための金銭 贈与年の翌年3月15日までにその金銭で居住用不動産を取得し、これをその者が居住し、かつ、その後引き続き居住する見込みであること。
66
生前贈与加算 生前贈与加算の目的は、亡くなる直前で相続税逃れのためだけに行われる駆け込みでの贈与を防止するため。
・たとえば贈与者が令和5年8月20日に死亡した場合、その3年前である令和2年8月20日から死亡日までの間に行われた贈与が生前贈与加算の対象となる。 (令和6年1月1日以後の贈与), ・生前贈与加算によって相続財産に加算すべき金額は贈与時の時価となる。 (相続時の時価ではない) (将来値上がりする財産を贈与した場合は、節税効果がある), ・生前贈与加算によって贈与時に既に納めた贈与税額がある場合は、二重課税防止の観点から、その贈与税額を相続税から控除できる。 (贈与税の払い損にはならない), ・贈与を受けた日から (3年、 7年) 以内に贈与者が亡くなった場合には、その生前贈与はなかったものとみなされるため、相続財産に加算され、相続税の課税対象となる。(生前贈与加算), ・生前贈与加算の対象とならない人 法定相続人でも、相続や遺贈によって財産を取得しなかった場合には、死亡日前3年以内に贈与を受けていたとしても生前贈与加算の対象とならない。 したがって、暦年贈与によって財産を取得した孫、子の配偶者、相続放棄によって一切財産を取得しなかった法定相続人のうち、みなし相続財産の受取人や相続時精算課税制度の適用者に該当しない人は生前贈与加算の対象から外れる。, ・生前贈与加算の対象となる人 ① 相続や遺贈により財産を取得した人 ② みなし相続財産の受取人 ③ 相続時精算課税制度の適用者, ・相続が発生する前 (3年 7年) 以内に行った贈与は、贈与税の有無 (基礎控除額以下) にかかわらず、生前贈与加算の対象となる。同様に、相続が発生する年に行った贈与も生前贈与の範囲に含まれる。
67
生前贈与加算額の整理
贈与税の非課税財産 → 加算しない, 相続開始年分の贈与財産 → 加算する, 特定贈与財産 (贈与税の配偶者控除額) → 加算しない, 基礎控除額以下の贈与財産 → 加算する, 千円未満の端数 → 加算する
68
贈与税の配偶者控除と生前贈与加算 (特定贈与財産の取扱い) 相続開始前7年以内に被から配偶者が贈与により取得した居住用不動産又は金銭で、特定贈与財産に該当するものの価額は生前贈与加算の対象とならない。
◯
69
贈与税額控除 (暦年課税分) 贈税額控除とは、贈与税と相続税を二重に課すこと (二重課税) が無いように作られている仕組みのことで、相続税を計算するときに、自分の相続税の金額から支払った贈与税の金額を決められたルールの範囲内で引くことができる。 生前の贈与には、「暦年贈与」と「相続時精算課税」の2種類がある。それぞれ贈与税額控除のルールが異なる。 ・暦年贈与の場合は、(3年、7年) 以内の贈与で納めた贈与税の金額を自身の相続税の金額から引ける。 ・相精課の場合は、相精課を選択した後に納めた贈与税の金額を引くことができる。なので、(3年、7年) といった期間の制限はなく、10年前に相精課で納めた贈与税も引くことができる。 ・贈与税額控除で引くことができる金額 (贈与税額控除) → 贈与を受けたその年分の贈与税の金額 × (相続税の計算時に足し戻した贈与財産の価格 ÷ 贈与を受けた年分の贈与財産の合計額)
◯
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相続放棄まとめ
・生命保険金受取人が相続を放棄していても、保険契約により生命保険金を受け取れるが、この場合は「みなし遺贈」として課税される。, ・相続放棄の期限は、原則として相続開始を知った時から3ヵ月以内だが、被の遺産の状況 (積極財産や消極財産がどれだけあるか) を知った時から3ヵ月を経過していない等「相当の理由」がある場合には、同期限を経過した後でも相続の放棄ができる場合もある。, ・生命保険金受取人が相続を放棄した場合でも、保険契約に基づいて保険会社からその相続放棄者に対し、保険金は支払われるが、相続人ではないため、非課税の適用を受けることはできない。 (非課税の適用がないことについて、解答にコメントを付す), ・生命保険金の非課税限度額の計算は、本来の相続人である相続の放棄者を含めて計算を行う。 (税法上の法定相続人の数を用いる), ・生命保険金の非課税金額の計算上、相続放棄者の取得した保険金額は「全ての相続人が取得した生命保険金の合計額」には含めない。 (非課税の適用がないため、当然含めない), ・相続放棄者であっても、葬式費用を負担した場合は、その負担額を控除することができる。 (債務は控除できない。葬式費用のみ), ・「遺産に係る基礎控除額」の「 × 法定相続人の数」は、相続放棄者を含める。 (税法上の公平のため、相続放棄をすると法定相続人の数か増える場合があるから), ・相続放棄者であっても、被の一親等の血族であれば、2割加算の対象外となる。, ・配偶者が相続の放棄をした場合でも「相続税の配偶者控除」の適用がある。, ・未成年者が相続の放棄をした場合でも法定相続人に該当すれば、「相続税の未成年者控除」の適用がある。, ・障害者が相続の放棄をした場合でも法定相続人に該当すれば「相続税の障害者控除」の適用がある。
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相続税・贈与税の非課税財産比較 ・相続税 (①〜⑤) ① 皇室経済法の規定により皇位とともに皇嗣が受けた物 ② 墓所、霊びょう及び祭具並びにこれらに準ずるもの ③ 公益事業用財産 ④ 心身障害者共済制度に基づく給付金の受給権 ⑤ 生命保険金等及び退職手当金 ・贈与税 (①〜⑧) ① 法人からの贈与により取得した財産 ② 扶養義務者相互間における生活費又は教育費の贈与 ③ 公益事業用財産 ④ 特定公益信託から交付される金品 ⑤ 心身障害者共済制度に基づく給付金の受給権 ⑥ 公職選挙法に基づき報告された金銭等 ⑦ 特定障害者扶養信託契約に基づく信託受益権 ⑧ 香典、花輪代、年末年始の贈答、祝物又は見舞いなどのための金品で社交上必要と認められるもの
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相続時精算課税制度
・贈与者 → 60歳以上の者 , ・受贈者 → ・18歳以上の者 ・贈与者の推定相続人である直系卑属 ・贈与者の孫, ・贈与税額の計算 → ・基礎控除額 110万円 ・特別控除額 2500万円 ・定率 (20%), ・還付制度 → あり, 相続税の課税価格 → 相続時精算課税選択届出書を提出した年分以後のすべての贈与財産, ・特徴 → 相続税と同等の税負担
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相続時精算課税制度 ・相精課の適用を受けようとする者は、贈与を受けた年翌年3月15日 (贈与税の申告書の提出期限) までに相精課選択届出書を提出しなければならない。 ・相精課適用者は、届出に係る年分以後は特定贈与者からの贈与については特定贈与者の死亡の年まで相精課が継続適用される。選択届出後の撤回はできない。 ・贈与者である直系尊属ごとに選択可能。 ・ 特定贈与者が2人以上いる場合の基礎控除額110万円は、特定贈与者ごとの贈与税の課税価格であん分する。
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贈与税額の計算 (相続時精算課税) 【基本算式】 (1) 相続時精算課税分 特定贈与者ごとに、かつ、受贈者ごとに合計して計算する。 【1暦年中に特定贈与者から取得した贈与財産の価額の合計額 − 基礎控除額 (110万円) − 特別控除額 (2500万円) 】× 税率 (20%) = その年分の贈与税額 (注) 既控除額がある場合には、残額 (2500万円 既控除額) となる。 (2) 暦年課税分 (他の者からのその年中における贈与財産の価額の合計額 − 110万円)× 超過累進税率 = その年分の贈与税額 (3) (1) + (2) = その年分の納付すべき贈与税額
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1. 相続税額の計算 (相続時精算課税) (1) 特定贈与者に相続が発生した場合には、相続税の課税価格に相精課を適用した贈与財産 (相精課適用財産) の贈与時の価額を加算して相続税額を計算する。 (2) 相精課を適用した贈与財産に係る贈与税額については、相続税額 (税額控除後の差引税額から控除する。この場合に、相続税額から控除しきれない金額がある場合には還付される。 2. 相続税額の計算方法 ・相続税の課税価格 (1) 相精課適用財産を贈与時の特別控除前の価額で加算 (2) 債務控除前に加算 ・贈与税額控除 (相精課分) (1) 課せられた贈与税額 (相続税の概算払い) を控除 (2) 差引税額 (全ての税額控除後の税額) から控除
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相続税額の加算 (相精課) 相精課適用時は一親等の血族であった場合 (養子が相精課に係る贈与を受けた後、養子縁組を解消し、相続開始時においては一親等の血族ではなくなっている場合) 【基本算式】 ① 算出相続税額 × (一親等の血族であった期間内にその特定贈与者から取得した財産 ÷ 相続税の課税価格に算入された財産の価額) ② (算出相続税額 − ① ) × 100分の20 = 2割加算額
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みなし相続財産2 保険金とともに支払を受ける剰余金等 保険事故の発生により保険金とともに保険金受取人が取得する「剰余金・割戻金、前納保料」は、保険金等として課税される。 保険金等 (剰余金、 割戻金、 前納保料を加算) × (被が負担した保険料の金額 ÷ 払込保険料の全額) = 相続税の課税対象
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保険事故発生時における契約者貸付金の課税関係 ・受取人 → 保険金額 − 契約者貸付金 ・契約者 → 契約者貸付金 ・契約者 (被相続人) → なし
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保険事故発生時における契約者貸付金の課税関係2 ・受取人 → 保険金額 − 契約者貸付金 ・契約者 → 契約者貸付金 ・契約者 (被相続人) → なし 保険料負担者が誰であるかは考慮しない。 保険事故発生時に契約者貸付金がある場合に保険会社は、契約者貸付金を控除した残額を受取人に支払う。契約者にとっては、契約者貸付金につき保険会社への返済・支払い義務が消滅したことによる経済的利益となるため課税される。 契約者が受取人である場合には、契約者としての課税金額と受取人としての課税金額との合計額になるため、結果として契約保険金額がそのまま課税金額となる。
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みなし相続財産2 生命保険金等・退職手当金等、雇用主が保険料を負担している場合 ・会社 → 契約者、保険料負担 ・被保険者 → 従業員 ・保険金受取人 → その従業員又はその遺族 雇用主が負担した保険料は、その従業員 (被相続人) が負担したものとして全額相続税の課税対象となる。
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みなし相続財産2 生命保険金等の取得者が未確定の場合 本来の受取人が死亡したことに伴う受取人の指定変更を失念していたこと等により、保険金の取得者が未確定である場合には、本来の受取人の各相続人が均等に取得したものとして取り扱う。
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みなし相続財産2 退職手当金等の取得者が未確定の場合 申告期限まで退職手当金等の受給者が未定の場合は、被相続人のすべての相続人が均等に取得する。
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みなし相続財産2 退職手当金等の取得者が未確定の場合等の課税対象者
・退職給与規程等により受給者が定められている場合 (原則) → 支給を受けた者, ・現実に取得者があるとき → 現実に取得した者, ・相続人全員の協議により受給者を定めたとき → その定められた者, ・申告期限まで受給者未定 → 被相続人のすべての相続人が均等に取得
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生命保険契約に関する権利の課税関係 (解約返戻金) 生命保険契約の契約者は、保険法で「解約に伴う解約返戻金の取得」 が認められている。しかし、契約者以外の者 (被) が保険料を負担している場合に、保険事故発生前にその者が死亡したときは、保険契約者が保険契約を解約した場合に取得するであろう解約返戻金相当額のうち、被たる保険料負担者の負担部分を被の財産とみなして保険契約者に課税する。 その経済的利益に対する課税が 「生命保険契約に関する権利 」 「生命保険契約に関する権利の価額」= 「相続開始時において契約を解除する場合に支払われることになる解約返戻金の額」
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生命保険契約に関する権利の課税関係 (解約返戻金)
課税要件 ① 被相続人と被保険者が違う (保険事故未発生) ② 被相続人と保険料負担者が同じ ③ 被相続人と契約者が違う, 課税対象者 → 契約者, 課税財産 生命保険契約に関する権利 × (被が負担した保険料 ÷ 相続開始時までに払い込まれた保険料の全額), 取得原因 → 相続又は遺贈により取得したものとみなす。, 評価額 相続開始時の解約返戻金の額 (剰余金等がある場合は、加算する) − 源泉徴収される所得税等の額
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みなし相続財産2 被相続人 (子) の被相続人 (父) が負担した保険料 被相続人 (子) の被相続人 (父) が負担した保険料は、被相続人 (子) が負担した保険料とみなす。
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寄附税制による相続税の非課税財産 国等に寄附 (贈与) した場合
⚪適用財産 → 相続又は遺贈により取得した財産 ・留意事項 贈与により取得した財産は適用不可, ⚪適用期限 → 相続税の期限内申告書の提出期限 (申告期限) ・留意事項 申告期限後の贈与の場合は適用不可, ⚪贈与先 → 国、地方公共団体、特定の公益法人等、認定NPO法人 ・留意事項 宗教法人は適用不可, ⚪行為 → 贈与をした場合 ・留意事項 設立のための提供の場合は適用不可, ⚪適用除外 → 贈与者やその親族等の税負担が不当に減少する結果となると認められる場合 ・留意事項 最初から非課税の適用不可, ⚪非課税の取消し → ① 贈与日から2年経過日までに特定の公益法人等に該当しなくなった場合 ② 贈与により取得した財産を同日において公益用にしていない場合 ・留意事項 非課税取消しとなった場合は納付税額の増額分について修正申告書の提出が必要
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寄附税制による相続税の非課税財産 (特定公益信託に金銭を支出した場合)
・適用財産 → 相続又は遺贈により取得した財産に属する金銭 (留意事項) 贈与により取得した財産に属する金銭は適用不可, ・適用期限 → 相続税の期限内申告書の提出期限 (申告期限) (留意事項) 申告期限後の支出の場合は適用不可, ・支出先 → 特定公益信託, ・行為 → 支出をした場合, ・適用除外 → 支出者やその親族等の税負担が不当に減少する結果となると認められる場合, ・非課税の取消し → 支出日から2年経過日までに特定公益信託に該当しなくなった場合 (留意事項) 非課税取消しとなった場合は納付税額の増額分について修正申告書の提出が必要
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寄附税制による相続税の非課税財産 生命保険金等の非課税と措置法70条の非課税 相続人等が取得した保険金等の一部を相続税の申告期限までに国等に贈与した場合には、生命保険金等の非課税と措置法70条の非課税の両方が適用される。この場合には、措置法の非課税を優先適用し、その残額について生命保険金等の非課税を適用する。
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未成年者控除 (控除不足額がある場合の扶養義務者からの控除) 控除不足額がある場合は、その不足額はその者の扶養義務者で今回の被から財産を取得した者の算出相続税額 (配偶者の税額軽減適用後の金額) から控除する。 扶養義務者の数に応じた控除額 ・扶養義務者の数1人 → 扶養義務者の算出相続税額から全額控除する。 ・扶養義務者の数2人以上 (1) 扶養義務者全員の協議により控除額を定め、申告書を提出した場合 → 申告書に記載した金額を控除する。 (2) (1)以外の場合 → 控除不足額 × (その扶養義務者の算出相続税額 ÷ 各扶養義務者の算出相続税額の合計額)
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未成年者控除 既控除者の控除限度額 以前の相続で既に未成年者控除を受けていた場合に今回の相続で未成年者控除を受けることができる金額は、前回までの控除不足額の範囲内に限られる。 ・控除限度額 → 前回の相続時の残った控除額 (前回の相続時に全額の控除を受けていた場合は、今回の相続では控除を受けられない) 【基本算式】 (1) 原則控除額 10万円 × (18歳 − 今回の相続時の年齢) (2) 控除限度額 10万円 × (18歳 − 最初に控除を受けた時の年齢) − 既控除額 (3) (1)と(2)のいずれか低い金額
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障害者控除 (控除不足額がある場合の扶養義務者からの控除) 控除不足額がある場合には、その不足額はその者の扶養義務者で今回の被から財産を取得したものの算出相続税額 (未成年者控除後の金額) から控除し、その控除後の金額がその扶養義務者の納付すべき相続税額となる。 扶養義務者の数に応じた控除額 ・扶養義務者の数1人 → 扶養義務者の算出相続税額から全額控除する。 ・扶養義務者の数2人以上 (1) 扶養義務者全員の協議により控除額を定め、申告書を提出した場合 → 申告書に記載した金額を控除する。 (2) (1) 以外の場合 → 控除不足額 × (その扶養義務者の算出相続税額 ÷ 各扶養義務者の算出相続税額の合計額)
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障害者控除 既控除者の控除限度額 障害の程度に変化がない場合 ・一般障害者 (前回) → 一般障害者 (今回) ・特別障害者 (前回) → 特別障害者 (今回) ・控除限度額 → 前回の相続時の残った控除額 (前回の相続時に全額の控除を受けていた場合は、今回の相続では控除を受けられない) 【基本算式】 (1) 原則控除額 10万円 (20万円) × (85歳 − 今回の相続時の年齢) (2) 控除限度額 10万円 (20万円) × (85歳 − 最初に控除を受けた時の年齢) − 既控除額 (3) (1)と(2)のいずれか低い金額
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障害者控除 既控除者の控除限度額 障害の程度が変わった場合 ・一般障害者 (前回) → 特別障害者 (今回) 【基本算式】 ① 原則控除額 20万円 × (85歳 − 今回の相続時の年齢) ② 控除限度額 ① + 10万円 × 前回の相続から今回の相続までの既経過年数 − 既控除額 ③ ① と ② のいずれか低い金額
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