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こころ検定2級 精神医科学基礎
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    問題一覧

  • 1

    精神医学とは医学の一分野であり、以下のような現象事柄を対象とすると定義されている。 1,()の機能異常を主な原因として、精神の機能異常という形で現れた疾患症状 2,脳及び患者を取り巻く社会的な状況との相互作用の結果として、()()などの本来担っている社会適応のための調整機能に発生している障害 3,脳そのものが()的な要因によって影響を受けた結果、精神的な機能に発生している障害

    脳, 感情, パーソナリティ, 外

  • 2

    精神医学的なアプローチは主に(1)療法と心理カウンセリングがある。(1)療法は主に脳や神経(神経伝達物質)などの()神経系に作用する薬物を使用した治療支援の方法である。

    薬物, 中枢

  • 3

    ()学は主として精神疾患の予防・早期発見・社会復帰を中心として、地域社会全体のメンタル維持増進まで幅広い分野をカバーするものとなっている。また、()学的な観点から、各年齢層のメンタルヘルス上の「発生しやすい問題」への対応についても検討するものである。

    精神衛生, 発達心理

  • 4

    精神疾患患者は日常生活上の困難()を抱えていることが多く、これは精神疾患そのものの症状障害とは区別して対応する必要がある。

    生活障害

  • 5

    ()リハビリテーションは、精神疾患患者の一人の「生活者」として捉え、精神疾患患者個人の自立と能力向上()を図ることを目標としている。

    精神医学的, エンパワメント

  • 6

    精神医学的リハビリテーションでは日常生活と仕事労働におけるスキルの改善獲得、日常生活や社会的活動への適応のサポート、適切な生活環境や社会的状況の提供調整などを進めていく。精神医学的リハビリテーションの最終目標は精神疾患患者が「人間らしく生きる権利の獲得()」を獲得することである。代表的な指標として()を活用することが多く、主観と客観の両側面から評価する。

    全人間的復権, QOL(クオリティ・オブ・ライフ)

  • 7

    人間の認知感情行動などに影響を及ぼす薬物の総称が(1)だが、この1の薬理作用や臨床効果を研究する分野を()という。

    向精神薬, 精神薬理学

  • 8

    1700年代、病院の制度を改革して精神疾患患者へ適切な治療支援をフランスの精神科医である()が開始した。この活動は()に位置づけられており、近代精神医学の創始者と呼ばれている。

    フィリップ・ピネル, 精神医学における第一の革命

  • 9

    1900年代初頭、()による()の創始とそれを応用した()の確立がなされた。これは()に位置づけられており、精神疾患患者と精神科医が対話形式で話をする・話を聞くという現在の心理カウンセリングの基本的なスタイルが確立された。主に精神疾患患者の過去と無意識にアプローチするという手法を用いた。

    ジグムント・フロイト, 精神分析, 精神分析療法, 精神医学における第二の革命

  • 10

    1940年代に()が(1)を創始し、精神疾患患者の現在と意識へアプローチする手法が確立された。精神分析療法や1は現在でも心理カウンセリングの現場で実施されており、特に1は心理カウンセリングの基礎となっている。

    カール・ロジャーズ, 来談者中心療法

  • 11

    1930年代に精神科医であるエガス・モニスによって()という手法が開発された。それは()とよばれる手法で、精神疾患患者の前頭葉をアルコールによる焼却切断、またはメスにより切断するというものであった。

    精神外科, ロボトミー

  • 12

    精神外科のような手法を()、薬物療法のような手法を(1)とよぶが、精神医学を始めとする多くの医学や科学の分野において、対象者に与える影響がある程度コントロール可能な1の手法が望ましいとされる。

    侵襲性, 非侵襲性

  • 13

    1960年代に精神科医や心理カウンセラーが地域社会に介入して、精神疾患の支援予防を実践するという(1)が確立された。この1の確立が()として位置づけられている。日本では1の概念が()の活動の基礎となっている。

    コミュニティ心理学, 精神医学における第三の革命, スクールカウンセラー

  • 14

    1900年代初頭までは精神科医によって診断が異なるというケースが多く見受けられた。そこで、精神疾患に関する科学的で客観的な指標に基づいた診断マニュアルが作成された。それが()であり、()と略される。

    精神疾患の診断・統計マニュアル, DMS

  • 15

    DSM-5においては、学術団体や医療関連団体からの要望により、疾患名が変更となったものもある。これまで()という名称であったものが、日本児童青年精神医学会からの要望により、()へ変更された。

    精神遅滞, 知的能力障害

  • 16

    DSM-5では、科学的根拠に基づいた診断基準が確立されている。これは主に2つの特徴を持つ診断基準である。1つは、患者を観察することに基づいて、確認される症状に焦点を当てるというものである。もう1つは、()とよばれるもので、精神疾患の診断において一定の診断基準項目に該当するかを評価し、決められた項目数を満たしているかを具体的基準に従って診断するものである。

    操作的診断

  • 17

    ()は(1)と(2)いう全く異なる2つの症状が単一の精神疾患において発症するという特徴がある。1とは主に妄想・幻覚・支離滅裂で脱線の多い会話・支離滅裂な行動などを指し、2は主に感情の平板化・思考の貧困・意欲の低下・活動性の低下などを指す。

    統合失調症, 陽性症状, 陰性症状

  • 18

    統合失調症のクライエント全般に共通する特徴として、病識の欠如がある。そのため、能動的に病院などの医療機関を受診することが少なく、家族などに付き添われる形で来院したり、何らかの問題を起こした結果、()となった後に診断を受けるということがある。

    措置入院

  • 19

    精神医学には(1)衛生という分野が存在する。1とは、精神科・心療内科における精神医療を()衛生とよぶのに対して、地域社会の中で精神障害を抱えるクライエントを対象として行う精神医療活動を指す包括的な分野である。

    地域精神, 病院精神

  • 20

    地域精神衛生において病院とはまた別の形で重要となっているのがデイケア施設である。()とは、精神障害のクライエントを主な対象とする通院形式の治療プログラムのことであり、通常は週4日以上、1日6時間前後、医学的・心理学的・社会的治療・支援を提供するものである。

    精神科デイケア

  • 21

    精神科デイケアのような通院式の治療・支援プログラムは()ともよばれており、デイサービスの他、夕方夜間週末のプログラムなどもある。アメリカなどでは、診断や急性期治療を行う医学モデルの色彩の強い()、精神医学的リハビリテーションを目的とする()、慢性期の維持療法を行う()のように細かな区分がある。

    部分入院, デイ・ホスピタル, デイ・トリートメント, デイケア

  • 22

    日本では1958年から導入されたデイケアであるが、現在では()による経済的支援もあり、民間精神病院や診断所、総合病院、精神保健センターなどで幅広く実施されている。デイケアによって、慢性的な長期入院の弊害を減少させていくことが、地域精神医療の中心となっていくことが期待されている。日本各地の保健所でもデイケア及びそれに準じたプログラムを取りいてているところが90%以上となっている。

    社会保険診療報酬

  • 23

    精神科デイケアでは、最近は職業リハビリテーションや()など、能力障害を直接の標的とした治療プログラムが取り入れられるようになっている。治療効果として、社会復帰の改善・陰性症状の改善・再発率・再入院率の低下が報告されており、入院治療や外来治療と比較して社会的機能の改善の点でデイケアが優れているとされている。

    社会的スキル訓練(SST)

  • 24

    健康心理学は心理学の応用であり、基礎的な心理学の実験・調査の結果をより日常生活に反映させており、以下のような研究がされている。 1.ストレスの発生源とそのコントロールについて 2.食行動の習慣やその異常について 3.()(非行など)や()(感情障害など)の背景としての、文化的経済的要因について 4.心理学・精神医学的な観点からの生命倫理について 5.健康や医療に対する人間の態度について 6.健康の指標と健康概念の再定義について 7.医療従事者・メディカルな組織における人間関係について 8.患者・クライエントや心身障害に対する態度や対応の方法について 9.()な職業に対する教育や組織体制について

    反社会的行動, 非社会的行動, 準医療行為(パラメディカル)

  • 25

    妄想性障害の被愛型においては、自分が他者から愛されているという妄想を中心に持つ。()よりもむしろ利己的な()や心の拠り所を求める。

    性的妄想, 思想的恋愛

  • 26

    妄想性障害においての誇大型では、自分は素晴らしい能力で功績を残した、自らこの研究を開発させたなどの()による他者が認めていない妄想を中心に持つ。

    誇大妄想

  • 27

    (1)の症状は統合失調症と似ている点がいくつかあるが、1の場合は病名が示す通り、妄想が主な症状であり、統合失調症の陽性症状で顕著な幻覚や支離滅裂な言動などは認められず、陰性症状もない。

    妄想性障害

  • 28

    (1)は様々な身体疾患や精神疾患と併発して起こることが多い。DSM-5では1を独立した疾患として分類はしていないが、以前のように統合失調症にのみ深く関連しているという考え方から、統合失調症を含む様々な身体精神の異常に伴って起こるという考え方に変更されている。

    緊張病

  • 29

    緊張病の基準Aとして、以下のうち3つ以上が認められるとある。 (1)心身ともに能動的な活動が見られず、外部刺激にも反応しない状態。 (2)他者にとらされた姿勢をそのまま崩さずに維持し続ける態度のことを指す。 (3)他者が何らかの姿勢を取らせようとすることに無反応で、場合によっては抵抗する状態を指す。 (4)発話が殆どない状態を指す。 (5)他者から働きかけられる行動を一切拒否し続ける状態を指す。 (6)無理な姿勢を自発的に取り、その状態を維持することを指す。 (7)自ら奇妙に芝居がかった行動をすることを指す。 (8)椅子の周りを回る、階段を上がったり下がったりするなどの意味のない行動をすることを指す。 (9)他者が話した言葉を、意味もなくオウム返しに話すことを指す。 (10)他者が行った行動を、意味もなくオウム返しに行動することを指す。

    昏迷, カタレプシー, 蠟屈症(ろうくつしょう), 無言症, 拒絶症, 姿勢保持, わざとらしさ, 常同症, 反響言語, 反響動作

  • 30

    ()障害とは、()エピソード、()エピソード、()エピソードを交互に繰り返す精神疾患である。どのエピソードをどの程度の期間示すかによって、()障害、()障害、()障害に分類される。

    双極性障害, 躁病, 軽躁病, 抑うつ, 双極Ⅰ型, 双極Ⅱ型, 気分循環性

  • 31

    双極性障害における躁病エピソードの基準Bについて、 ()とは必要以上に会話をすることであり、その際には異常に会話を続けようとする切迫感が伴っていることがある。 ()とは、考えが次々と方向も決まらずにほとばしり出る状態のことであり、この状態になると複数の思考が葛藤しているという主観的な感覚を持つことがある。 ()とは、落ち着いていられない、たえず体を動かしている、話に脈絡がない、的はずれな返答をするなどである。 また、()な状態は主観的にも客観的にも観察可能であることが多い。

    多弁, 観念奔逸, 精神運動焦燥, 注意散漫

  • 32

    双極性障害における抑うつエピソードにおける基準について、対象者が未成年の場合は()を伴うことがある。些細なことで怒りを感じたり、イライラしている状態のことである。

    易怒性

  • 33

    双極Ⅰ型障害は()エピソードと()エピソードの両方が交互に示されることが基準となる。 また、双極Ⅱ型障害は()エピソードと()エピソードの両方が交互に示されることが基準となる。 いずれも、各種症状の発症原因が他の身体疾患・精神疾患では説明できないということも基準になる。

    躁病, 抑うつ, 軽躁病, 抑うつ

  • 34

    双極性障害はどのエピソードをどの程度の期間示すかによって、双極()障害、双極()障害、()障害に分類される。

    Ⅰ型, Ⅱ型, 気分循環性

  • 35

    これまで大うつ病性障害という名称だったが、DSM-5からは()もしくは単にうつ病と表記することになっている。うつ病とは気分の落ち込みや、主業の意欲低下、やる気が出ないなどの無気力、不眠、食欲の減退、()念慮を持つなどが主症状である。

    うつ病(DSM-5), 希死

  • 36

    うつ病(DSM-5)の診断基準は抗うつエピソードを示すことと、各種症状の発症原因が他の身体疾患・精神疾患では説明できないということが基準となる。また、抗うつエピソードの間欠期間と回数によって()エピソードと()という分類がある。

    単一, 反復

  • 37

    ()は気分循環性障害と同じく、症状の発症期間が少なくとも2年間という基準があるが、クライエントが未成年者(例:6歳から19歳くらい)の場合は、この基準が1年間という設定になっている。

    持続性抑うつ障害(気分変調症)

  • 38

    ()に関しては学術団体において専門用語が存在せず、科学的に十分な検討がされていない。主な特徴においても、脳・神経・神経伝達物質の異常という()障害の区分からも逸脱している。

    新型うつ病, 内因性精神

  • 39

    パニック症の判断基準の以下基準Aのような症状をまとめて()発作という。 基準A:動悸、心拍数増加、発汗、震え、息切れ感、息苦しさ、窒息感、胸痛不快感、吐気不快感、めまい、ふらつき、気が遠くなる、寒気もしくは熱っぽさ、麻痺感覚、うずき感、現実感の消失、離人感覚、抑制力の消失や精神状態に異常が生じることへの恐怖、死への恐怖

    パニック

  • 40

    ()恐怖症は一人きりの状況、その場からすぐ別の場所への移動が困難な状況、周囲に他者はいるが、それが知人友人ではない状況などが含まれる。

    広場

  • 41

    ()は一人きりの状況、その場からすぐ別の場所への移動が困難な状況、周囲に他者はいるが、それが知人友人ではない状況などが含まれる。

    広場恐怖症

  • 42

    (1)不安症は生活を送る上で関係するあらゆる物事・出来事に対して、過剰な不安や心配を抱く。心配や不安という感情は未来に注意が向いている状態で、「もし〇〇だったらどうしよう」などのように、まだ起きていない、これから起こるであろうことに対するものである。このような未来に対する不安や心配を()とよび、1不安症の特徴的な症状になっている。また、基準Cは6個のうち3個以上が基準となっているが、子供の場合は1個以上で基準を満たす。

    全般, 予期憂慮

  • 43

    (1)恐怖症は基準D(クライエントが感じている特定の対象や状況への恐怖や不安は現実的な危険や社会文化的背景に釣り合わない。)にあるように診断の際には()を考慮する必要がある。また、1恐怖症で恐怖や不安の引き金になる対象・状況を()とよび、いくつかの分類がある。1恐怖症のクライエントの約75%が複数の恐怖刺激を持っている。

    限局性, 社会文化的背景, 恐怖刺激

  • 44

    ()のクライエントが不安や恐怖を感じる社会的状況には、他者との雑談や初対面の他者と会うこと、自分が飲食している様子を他者に見られる状況、仕事や学業におけるプレゼンテーションなどである。また、パニック発作が併発する場合もある。重度になると心理カウンセラーとの対面自体が苦痛になることもあり、まず薬物療法によって強い不安や恐怖を抑制することから始まることもある。

    社交不安症

  • 45

    ()の主症状に(1)観念と(2)行為がある。1観念とは、繰り返される持続的な思考・衝動・イメージであり、侵入的で不適切なものとしてクライエント本人に体験されているものであり、ほとんどのクライエントにとって不安と苦痛を生じさせるものである。またそれらを無視したり押さえ込もうとしたり、他の思考や行為によって中和しようとするなどの活動を伴うものである。1行為とは、繰り返しの行動であり、例えば手を洗う、何かを順番に並べるなどの外的な行動や、祈る、声を出さずに数えるなどの内的な行動の両方を指す。

    強迫症, 強迫, 強迫

  • 46

    ()は以下のような体験・経験を直接する、もしくは直接目撃することによって発症する場合がある。また、親しい間柄に限定されるが、近しい関係者が以下のような出来事を体験したという話を聞いたという場合も発症する可能性がある。 ()⋯死と隣合わせの恐怖、長時間に及ぶ極度の緊張、拷問、略奪、戦争犯罪など ()⋯性的暴行、強盗、障害、殺人(未遂)など ()⋯台風、竜巻、落雷、地震、火災、災害など ()⋯交通事故、身体機能及び内臓器官の重度な病など

    心的外傷後ストレス障害(PTSD), 戦争, 犯罪, 災害, 予期せぬ災い

  • 47

    心的外傷後ストレス障害(PTSD)は、対象が6歳以下の子供かそうでないかによって診断基準が若干異なっている。6歳以下という区分で考えると対象者は子どもなので、各種症状について大人のように正確な言語報告ができない場合が多い。その代わり、人形や積み木を使った遊びなどの中に()に関連する内容が含まれることがある。

    心的外傷後出来事

  • 48

    心的外傷後ストレス障害(PTSD)の特有な症状に()があるが、これは心的外傷後出来事を再体験しているような感覚に襲われ、知覚や感情・意識が一部失われたように感じる解離状態のことを指す。

    フラッシュバック

  • 49

    ()は心的外傷後ストレス障害と非常によく似た症状を示す。相違点として“急性”の名が示すとおり心的外傷後出来事を経験してからすぐに症状が発生するが、最短で3日、長くても1ヶ月以内に状態が改善することが挙げられる。しかし改善の兆しがなく1ヶ月以上経過した場合は、心的外傷後ストレス障害に移行したと考えるのが適切であり、そういったケースも少なくない。

    急性ストレス障害(ASD)

  • 50

    変化の激しい現代社会においてストレッサーが発生すること自体は異常なことではなく、多少の不快さや苦痛は日常的で、他者の目から見ても了解可能である。しかし、()はストレッサーの程度とそれに付随する苦痛が明らかに不釣り合いであり、単にストレスを感じている以上のものである。

    適応障害

  • 51

    ()は主に精神の発達を対象として、時間経過に従って生じる変化に関する特徴や法則性、変化を推し進める要因について検討する心理学の分野である。

    発達心理学

  • 52

    一般的に発達とは、子供が生まれ大人になる過程での変化を指す。学習心理学における“学習”もある種の“変化”を扱うものだが、発達はより長期の変化・獲得であり、遺伝的な規定と環境の影響の交互作用として定式化されるものである。()はより基本的な発達に関わるものであるとされており、より個人的な細やかな発達は環境要因によるものであるとされる。()には、家族・家庭なども含まれるが、それらに加え社会的・文化的な影響も含まれる。

    遺伝要因, 環境要因

  • 53

    発達心理学はアメリカの心理学者である()が19世紀末に()として創設し、それまであまり理解されていなかった児童の権利を擁護しようという運動と合わさりながら発展した。日本を含む世界中で高齢化社会が到達し、老年期の精神発達に関する知見への社会的要請も高まってきている。

    スタンレー・ホール, 児童心理学

  • 54

    児童心理学においては研究の方法論として、人間と動物の発達過程を比較する()的な方法や、異文化間の発達過程の相違や共通点を検討する比較文化的な方法など、多様な広がりを見せており、心理学に限らず行動の発生学的説明を試みる学問領域を包括する総合的な発達科学として成長している。

    比較行動学(エソロジー)

  • 55

    発達心理学は最近では(1)と呼ばれており、誕生から死に至るまでの、幅広い年代層の精神的発達に関する分野となっている。1とは人間の誕生から老年までの生涯のライフイベントを通じて、どのような恒常的な心理特性が存在するか、どのような量的変化や質的変化を生ずる心理的特性が作用しているかなどを研究するものである。

    生涯発達心理学

  • 56

    生涯発達心理学は、一般的な発達に関する危機や発達課題の把握という視点に留まらず、人間の発達を社会文化的文脈の中で、社会的ストレスに対して積極的な対処行動をとり、()を目指して常に自らの力を発揮し続ける過程として捉えるという大きな目的を持ったものとなっている。

    自己実現

  • 57

    発達心理学には最新の研究結果の礎となった様々な理論が存在し、心理学・教育学・心理カウンセリング・メンタルヘルスなどの分野で活かされている。これらは、生涯発達における普遍的なモデルであり、()期や()期まではカバーしていないものの、主に乳幼児期から成人期までの精神発達に関する理論・仮説である。

    幼児, 老年

  • 58

    スイスの発達心理学者である()は認識論の研究を続け、この分野を科学的なものとして確立したあと、人間の精神発達に関する研究に従事した。その過程で、物理学者や論理学者など他分野の専門家との共同研究による理論的検討と実験的分析を同時に進めていった。

    ジャン・ピアジェ

  • 59

    スイスの発達心理学者であるジャン・ピアジェは、子供が外界の事象への積極的な興味・関心・探索の結果として、(1)を確立すると考えた。1とは自分自身の経験に基づいた「自分なりの理解」のシステムである。

    スキーマ

  • 60

    子供は新しい現象や事物と遭遇するたびに、確立したスキーマと照らし合わせながら理解しようとする。このような外界の現象・事物などを自分の中に取り込むことを()とよぶ。一方で遭遇する新しい現象や事物のすべてが、既存のスキーマで理解できるわけではない。その場合、子供は(1)という働きかけをする。1は新しい現象や事物との遭遇から得られた経験に基づいて、自分自身のスキーマを修正することである。

    同化, 調節

  • 61

    ピアジェの認知発達に関する理論として、感覚運動期(0〜2歳ごろ)には自分自身と“モノ”を区別することができるようになる。また、事物が視界から見えなくなっても存在し続けるという認識である()を獲得する。

    対象物の永続性の概念

  • 62

    ピアジェの認知発達に関する理論として、前操作期(2〜7歳ごろ)は、例えば人形を父親や母親に見立てて話しかけたりなどのように、(1)を活用できるようになる。 ただし、これらの1はまだ論理的な体制化がなされておらず、情報を分類・統合するなどの精神的な操作はできない(前操作の段階)。 またこの段階では()の概念や()の概念が理解できず、(2)の強い状態である。2とは、自分以外の視点の存在を理解できず、周囲のすべての他者が自分と同じように外界の現象・事物を知覚していると思い込んでいる状態である。

    シンボル, 質量保存, 数の保存, 自己中心性

  • 63

    ピアジェの認知発達に関する理論として、()期(7〜11歳ごろ)は、質量保存の概念や数の保存の概念について理解できるようになる。また、具体的な事物のみ、認識し活用することができる。

    具体的操作

  • 64

    ピアジェの認知発達に関する理論として、()期(11歳以上)は、仮設や推論などを用いて「もし⋯なら、〇〇になるかもしれない」などのような思考ができるようになる。この段階で、ほぼ成人と同様の認知能力を獲得する。

    形式的操作

  • 65

    発達心理学者の(1)は自身の経験から「自分とは何者なのか、何になりたいのか?」という観点から精神発達について研究を行った。1は精神分析の創始者である(2)の娘であり、精神分析家である()から指導を受け、精神分析学や児童精神分析についてさらに拡大した発達理論を提唱した。そして2の()に社会・歴史的発達感を統合させ、さらに拡大した発達発達理論を提唱した。

    エリク・エリクソン, ジグムント・フロイト, アンナ・フロイト, 心理=性的発達理論

  • 66

    エリク・エリクソンが提唱した発達理論の中で重要視したのは青年期(12〜20歳)である。青年期では()を確立することが課題となる。しかし、青年期の段階では精神発達の段階としては自立出来ても社会的な自立は難しく、「大人になるまでの準備期間」であると定義されており、()であると述べている。

    自己同一性(アイデンティティ), 心理社会的モラトリアム

  • 67

    エリク・エリクソンは各段階における発達課題をクリアしていくことは、その課題をクリアするために必要な能力を自らの中に取り入れる作業だと考えた。そのため、精神発達とともにパーソナリティ(性格・人格)も成長・発達していくこととなる。しかし、()がクリアできないまま成長してしまうと、その部分がパーソナリティ特性になることがある。

    発達課題

  • 68

    ()とは母親などの特定の対象との間に密接な結びつきを求め、安心感を抱く傾向のことを指す。 当初、母親に対して愛着が形成される理由は、母親が乳児期の食欲を満たす存在であるからだと考えられていた。しかり、この考え方は発達心理学者の()が行ったアカゲザルの子どもを使った実験によって否定されることとなった。

    愛着, ハリー・ハーロウ

  • 69

    発達心理学者の()は人間の愛着の形成に関する研究を実施した。研究の結果、母親に対する愛着の形成・発達には4つの段階を経て発達していくと述べた。

    ジョン・ボウルビィ

  • 70

    ジョン・ボウルビィの愛着に関する理論にはいくつかの重要な要素が含まれている。 ()⋯乳幼児は母親や父親などに対してはポジティブな反応を示すものの、それ以外の人間には懐かないという時期がある。愛着が特定の人物との間にのみ形成されることで、同じ他者でも明確な区別が行われていることを示す。 ()⋯大きく分けて2つの種類があり、1つは対象者への接近・接触・後追いのように、子ども自身が移動することで身体的接近や接触を能動的に求める行動である。もう1つは、微笑・発声・泣きのようなコミュニケーションのきっかけとなる信号を通して、母親など接近や相互作用を働きかけていく行動である。 ()⋯愛着を示す他者との関係の中で、子供が安心感を得るというものである。もし仮に外界でネガティヴな出来事を経験したとしても、ひとたび安全基地(母親など)に戻りさえすれば安心だという感覚があることで、積極的に他者と関わったり、自分の世界を広げていくことができる。

    人見知り, 愛着行動, 安全基地

  • 71

    子供一人一人に個性があるように、愛着の形成や愛着行動にも個人差があることが判明している。ボウルビィの共同研究者でもあった発達心理学者の()は、生後12〜18ヶ月の子どもを対象として、愛着の安定性を評価する()という実験手法を考案した。

    メアリー・エインズワース, ストレンジ・シチュエーション法

  • 72

    メアリー・エインズワースの考案したストレンジ・シチュエーション法の実施により、合計4つの愛着タイプが確認されている。 ()型⋯母親に対して一貫して愛着を示すタイプ。母親が部屋に戻ってくると満足感を示したり、母親に接触を求めたりする。また、母親が部屋から出ていこうとすると、激しい苦痛を示し、泣き出す赤ちゃんもいた。 ()型⋯母親との愛着が不安定であり、回避行動をとるタイプ。母親が部屋に戻って来た際に、母親を避けたり無視したりする。母親か部屋から退室する際もネガティヴな様子はなく、母親が部屋にいる場合も、あまり母親に関心を示さないことが多い。仮に泣きだしても、見知らぬ女性があやせばすぐ泣きやんだ。 ()型⋯母親に対して愛着と抵抗の両方を示す。例えば、母親が抱き上げようとすると泣き出すが、離そうとすると怒りだして体にしがみつくなどの両価的な反応を示す。 ()型⋯頻繁に矛盾した反応・行動を示すタイプ。例えば、母親への身体的接触を求めるものの、その際に母親の目を見ようとせずに顔をそらす。また、静かにしていたと思うと、突然なんの前触れもなく泣きだしたりする。さらに、注意力が散漫であり、抑うつ的な傾向も認められた。虐待を受けている赤ちゃんや、養育者が精神疾患に罹患していたり、治療中であったりするケースが多いという特徴が認められる。

    安定愛着, 不安定愛着型・回避, 不安定愛着型・両価, 無秩序

  • 73

    ()とは、これまで()と呼ばれていたものである。遺伝などの様々な要因により、先天的に各種症状や知覚・認知・感情・行動に異常が認められるものであり、例えばうつ病や強迫症などの他の精神疾患やインフルエンザなどの身体的疾患のように、病気でない状態である「発症以前」という概念がない。神経発達症の場合は発症というよりも、発見という考え方が正確であり、知能検査や発達検査の実施、もしくは養育者を含むコミュニケーションの状態や学校・企業における態度・行動などを観察することで確認される。

    神経発達症, 発達障害

  • 74

    ()は社会的コミュニケーション及び対人関係全般において持続的な問題がある。 例えば、通常会話を超近接距離でのみ実施する、他者と興味・感情を共有する頻度が非常に少ない、対人関係を発展・維持することができず、その重要性や必要性を理解する能力が欠如している。 また、行動・興味・活動が非常に限定的であり、さらにその限定された様式を繰り返す傾向が認められる。 重症度はコミュニケーション面と行動面の二側面から検討した結果に応じて、3つのレベルに分けられる。

    自閉スペクトラム症

  • 75

    注意欠如・多動症(AD/HD)の判断基準において重要な()()()に関する各種症状や行動は、対象者が子供であれば、両親や教師、同級生に対する反抗的行動、挑戦的行動、敵意の表明のように見えるかもしれない。単に、課題や指示が分からなくなっただけとも思えるかもしれない。しかしこのような各種症状や行動が場面を変えても複数回繰り返されるのであれば、それは単なる反抗や挑戦、理解不足ではないと判断できる。

    不注意, 多動症, 衝動性

  • 76

    ()は下位分類として『混在して存在』『不注意優勢に存在』『多動・衝動優勢に存在』の3つが存在する。症状としては注意という認知的側面と多動という行動的側面の症状を併せ持つものだが、クライエントによってはどちらか一方の症状が顕著であるという場合もある。

    注意欠如・多動症(AD/HD)

  • 77

    ()の診断基準としては、読字が困難、言葉の理解が困難、数字の概念や計算が困難など特定のケースで確認される。軽度の場合は年齢や環境が変わり社会的要求が高まる状況になり初めて確認されることもある。

    限局性学習症

  • 78

    限局性学習症は何らかの義務教育を受ける事ができなかったなどの教育の不足や、日本人が英語を勉強するというような第二言語による学習における状態とは明確に区別され、()(IQ70±5)とも知能検査・発達検査の結果から判断して明確に区別する。

    知的能力障害

  • 79

    ()の判断基準における適正体重は()によって規定されている。しかし、あくまで判断基準の一つであり、これだけで診断されるものではない。 体重増加や肥満への恐怖が強く、たとえ体重が減少してもその恐怖は緩和されず、むしろ増大することもある。 自身の体重・体型に関する歪んだ知覚・認知がそのまま自尊心に反映されることが多く、些細な体重増加によって自尊心が低下してしまう場合もある。自尊心の低下は自殺という行動につながる場合があり、神経性やせ症の自殺率は高い。

    神経性やせ症, BMI

  • 80

    ()は(1)エピソードとよばれる状態が認められることが重要な基準となる。 1エピソードとは、ある特定の時間帯に他者が通常その時間内に食べるよりも明らかに大量に食べること、食べる量や種類を抑制できないという感覚があることの2点で規定される。 クライエントのBMIは18.5〜30未満で極端な肥満体型であることは少ない。なぜならば、過食と同じレベルで排出や過剰な運動による体重減少のための行動を実施するからである。 そのため、重症度は不適切な代償行動の頻度によって規定される。

    神経性過食症, 過食 

  • 81

    ()は各種睡眠に関連する問題の持続期間によって、主に2つの下位分類がある。 【一時性】⋯各種症状が1ヶ月持続するが、3ヶ月は超えない。 【持続性】⋯各種症状は少なくとも3ヶ月持続している。 基準Aにある()とは、ベッドに横になるが、なかなか眠ることができないなどの状態。 ()とは、例えば夜11時に眠り始めて2時頃に一旦起きてしまうなどの状態。 ()とは、必然性やきっかけが無いにもかかわらず、朝5時に目が覚めるなどの状態。

    不眠障害, 入眠困難, 覚醒, 早期覚醒

  • 82

    ()は各種睡眠に関連する問題の持続期間によって、3つの下位分類がある。 【急性】⋯各種症状の持続が1ヶ月未満 【亜急性】⋯各種症状の持続が1〜3ヶ月 【持続性】⋯各種症状の持続が3ヶ月以上

    過眠障害

  • 83

    睡眠に関する障害は『個人における睡眠の必要性が満たされているかどうか』『睡眠に対して何らかのネガティヴな感情態度を持っているかどうか』が重要となる。 この概念は()群に分類される他の疾患の多くに当てはまる。 睡眠-覚醒障害群の診断と重症度の特定には()が使用されることが多い。これは睡眠中の脳波・呼吸・脚の運動・顎の運動・眼球運動・心拍などを測定し、生理学的な根拠に基づいた診断をするためである。

    睡眠-覚醒障害群, ポリソムノグラフィ(睡眠ポリグラフ検査)

  • 84

    ()とは、抑制困難な睡眠欲求があり、同日中に何度も深い眠りに落ちてしまったり、うたた寝をしてしまったりするという症状を主とする睡眠-覚醒障害群の疾患である。 睡眠に関連する障害以外にも、喜び・怒り・驚き・恐怖などの感情の生起によって突然脱力状態になり、全身の筋肉に力が入らなくなる()や、不随意的なしかめ面・開口・舌の突出などの行動面の障害も顕著である。

    ナルコレプシー, 情動性脱力発作(カタレプシー)

  • 85

    ナルコレプシーの診断基準には脳脊髄液内の()の欠乏も含まれており、明らかな脳機能の異常を伴うものである。 また、通常は()睡眠を経てから(1)睡眠に移行する睡眠段階に異常があり、入眠直後に1睡眠になるという特徴がある。従って、睡眠中に脳そのものが休息する機会が無いまま、朝になって起床するという状態が続くことになる。

    ヒポクレチン, ノンレム, レム

  • 86

    睡眠-覚醒障害群の中に()という分類があり、睡眠中の呼吸に関する異常が顕著な3つの疾患が代表的である。

    呼吸関連睡眠障害群

  • 87

    ()とは、睡眠1時間あたり5回以上の()もしくは低呼吸が発生し、いびき・鼻鳴らし・喘ぎ・呼吸停止などが認められる。これらの呼吸に関する異常は喉や気道が極度の肥満や加齢の影響で塞がってしまうことによって発生する。 正常な睡眠が阻害されるため、日中に眠気・疲労感などが強く現れる。

    閉塞性睡眠時無呼吸低呼吸, 閉塞性無呼吸

  • 88

    ()とは、睡眠1時間あたり5回以上の無呼吸が発生し、それに伴って日中に眠気・疲労などの各種症状が発生するというもので、閉塞性無呼吸低呼吸と非常によく似ている。ただし、閉塞性無呼吸低呼吸と異なるのは無呼吸の原因が呼吸を制御している脳幹の異常によるものであるという点である。 診断の際はポリソムノグラフィによる測定が必要となる。

    中枢性睡眠時無呼吸

  • 89

    ()とは、睡眠時に何らかの原因により肺で酸素と二酸化炭素の交換が困難になるものである。酸素と二酸化炭素の交換が不十分な状態を低換気といい、低換気により身体全体に様々な障害が発生し、睡眠にも影響を及ぼす。 診断の際はポリソムノグラフィにより測定が必要となる。

    睡眠関連低換気

  • 90

    睡眠-覚醒障害群には()という分類があり、これは人間の脳波や体温、血圧などが24時間のサイクルで規則的に変化が発生するという()に異常が生じるものである。 主な症状としては、持続的で繰り返される睡眠の分断があり、その原因は身体的・環境的・社会的活動状況と睡眠-覚醒スケジュールとの著しい不一致によるものである。 睡眠の分断により過剰な眠気や不眠が生じており、苦痛を感じたり、日常生活に支障をきたしている。5つの病型分類がある。

    概日リズム睡眠-覚醒障害群, 概日リズム(サーカディアンリズム)

  • 91

    睡眠-覚醒障害群には()という分類があり、睡眠中の行動や夢などに主な症状が認められるというもので、以下の3つが代表的である。 ()⋯睡眠時遊行症型や睡眠時驚愕症型などがある。 ()⋯長期に渡って非常に不快な夢を見る。 ()⋯睡眠中に複雑な運動を伴って覚醒する状態が繰り返し起こる。

    睡眠時随伴症群, ノンレム睡眠からの覚醒障害, 悪夢障害, レム睡眠行動障害

  • 92

    ()に分類される疾患は、神経発達症群に分類される疾患と同様に先天的なものであることが多く、発症というよりも発見されるというニュアンスが適切であると考えられる。パーソナリティの名が示すとおり、性格特性に関する様々な問題が主症状である。また、他者とのコミュニケーションや学校・職場などの社会的場面において、特有の性格傾向に伴う問題が顕著となる。 パーソナリティ障害群はA.B.Cに分類される10個の疾患からなる。

    パーソナリティ障害群

  • 93

    ()は別名()とも呼ばれ()、()、()の3つが該当する。 特徴として、奇異な認知・感情・行動や閉じこもりがちな性質が挙げられる。

    A群パーソナリティ障害, クラスターA, 猜疑性パーソナリティ障害, シゾイドパーソナリティ障害, 統合失調型パーソナリティ障害

  • 94

    ()は他者の発言・行動・態度を悪意あるものと解釈するなどの広範な不信と疑い深さが4つ以上示される。 統合失調症や妄想性障害と似ていると感じられるかもしれないが、妄想や幻覚・幻聴が認められないので、明確に区別することができる。

    猜疑性パーソナリティ障害

  • 95

    ()は、他者とのコミュニケーション上の問題や感情・行動の希薄さが特徴であるため、自閉スペクトラム症と似ているように感じるかもしれないが、常同的な同一性への固執が認められない点で明確に区別される。 “ジソイド”とは、統合失調症の英語表記である()が基になっており()と表記し、()と訳されることがある。 “Schizophrenia”を()と音読する場合もあるが、()と音読する場合もある。従って、「シゾイド」と音読する場合と()と音読する場合があるが、本テキストでは「シゾイド」で統一表記している。

    シゾイドパーソナリティ障害, Schizophrenia, Schizoid, 統合失調質, シゾフレニア, スキゾフレニア, スキゾイド

  • 96

    統合失調症を()の概念で考えるという形式がDSM-5から導入されたことで、統合失調型パーソナリティ障害は統合失調症の中の一つの状態であると考えられるようになった。従って、統合失調型パーソナリティ障害と診断されたクライエントが、その後の症状の推移によっては、統合失調症と診断が変わる場合もある。

    スペクトラム(連続体)

  • 97

    ()は別名()ともよばれ、()()()()の4つが該当する。特徴として、感情面の激しい混乱と他者を巻き込む傾向が挙げられる。

    B群パーソナリティ障害, クラスターB, 反社会性パーソナリティ障害, 境界性パーソナリティ障害, 演技性パーソナリティ障害, 自己愛性パーソナリティ障害

  • 98

    反社会性パーソナリティ障害は基本的に18歳以下には診断されない。18歳以下に診断がされるのは15歳以前に(1)が認められたときのみである。 1とは()()()に分類される精神疾患の一種で、他者や動物に対する攻撃性、他者の所有物や建造物の破壊、虚偽性、窃盗、夜間外出や学業の怠慢などの特徴が認められる場合に診断される。

    素行症, 秩序破壊的, 衝動制御, 素行症群

  • 99

    B群パーソナリティ障害において()は、対人関係上の問題を顕著に示す。 また()は、過度な感情表現と他社の注意を引こうとする行動が特徴として示される。 ()は空想や行動における誇大性が強く、他者から賛美されたい欲求、他者への共感性の欠如が示される。

    境界性パーソナリティ障害, 演技性パーソナリティ障害, 自己愛性パーソナリティ障害

  • 100

    ()は別名()とも呼ばれ、()()()の3つが該当する。特徴として、不安や恐怖が強いという傾向が挙げられる。

    C群パーソナリティ障害, クラスターC, 回避性パーソナリティ障害, 依存性パーソナリティ障害, 強迫性パーソナリティ障害