問題一覧
1
問題1:講義中に示した令和3年度の心肺機能停止傷病者の疫学について正しいのはどれか。2つ選べ。 1.年齢区分で最も多いのは80~89歳である。 2. 男女別では男性のほうが多い。 3. 最近10ヵ年の集計で、最も顕著に増加傾向にあるのは80~89歳である。 4. 発生場所で最も多いのは一般道路上である。 5. 非心原性が心原性よりも多い。
1, 2
2
問題2:講義中に示した令和3年度の心肺機能停止傷病者の疫学で、1ヶ月後の社会復帰率が最も高いのはどれか。1つ選べ 1. 一般市民が目撃した心原性心肺機能停止のうち、初期心電図波形がVF/VTである傷病者。 2. 一般市民が目撃した心原性心肺機能停止のうち、一般市民により心肺蘇生が実施された傷病者。 3. 一般市民が目撃した心原性心肺機能停止のうち、一般市民により除細動が実施された傷病者。 4. 一般市民が目撃した心原性心肺機能停止のうち、救急隊により除細動が実施された傷病者。 5. 一般市民が目撃した非心原性心肺機能停止のうち、一般市民により心肺蘇生が実施された傷病者。
1
3
問題3:ウツタイン様式について正しいのはどれか。2つ選べ。 1. ウツタイン様式は、あらゆる院外心停止例を対象とした報告様式である。 2. ウツタイン様式で収集されたデータは、医療機関の質を評価する目的に利用されている。 3. 目撃のある心停止とは、居合わせた人が傷病者の倒れた瞬間を直接目撃した場合に限られる。 4 心原性心停止とは、心停止の原因として心疾患以外の疾患が特定された例を除いたものと定義される。 5. 転帰の指標として、我が国では1か月後の生存の有無のみが用いられている。
1, 4
4
問題4:グラスゴー・ピッツバーグ脳機能・全身機能カテゴリーについて正しいのはどれか。2つ選べ。 1. QOLの評価に使用される。 2. OPC は脳機能、CPCは全身機能に関するカテゴリーである。 3. CPC1、OPC1は障害が全くないことを意味している。 4. 蘇生後の傷病者が社会復帰したと評価されるのは、CPC、OPCともに1または2の場合である。 5、昏睡状態は、CPC、OPCともに5と判定される。
1, 4
5
問題5:急性中毒による心肺停止のうち、不整脈や心筋障害が原因となるのはどれか。2つ選べ。 1. 睡眠薬 2. 麻薬 3. ふぐ毒 4. 三環系抗うつ薬 5. 覚醒剤
4, 5
6
問題6:以下の病態のうち、心室細動の原因とならないのはどれか。2つ選べ。 1. 高カリウム血症 2. 低カリウム血症 3. 低カルシウム血症 4. 交流電流による電撃症 5. 直流電流による電撃症
3, 5
7
問題7:心停止時の全身の組織酸素化が比較的良好な場合に見られる心電図所見はどれか。2つ選べ。 1. 徐脈性の無脈性電気活動 2. 頻脈性の無脈性電気活動 3. QRS幅の狭い無脈性電気活動 4. QRS幅の広い無脈性電気活動 5. 心静止
2, 3
8
問題8:心肺停止の主な原因について正しいのはどれか。2つ選べ。 1. 欧米では心疾患の占める割合が高いが、我が国では心原性心肺停止は過半数に満たない。 2. 心肺停止の大半は心疾患で、そのなかでも心筋梗塞が最も多い。 3. 急性心筋梗塞後早期の完全房室ブロックは前壁梗塞でみられることが多い。 4. 急性大動脈解離による死亡のうち半数以上は病院前で発生する。 5. 慢性腎不全患者で見られる心肺停止の原因のほとんどは高カリウム血症である。
2, 4
9
問題9:心停止時の4つの心電図所見のうち除細動の適応となるもの2つを、各々日本語、英語(略語でもよい)で 書きなさい。
心室細動, 無脈性心室頻拍, VT, VF
10
問題10:無脈性電気活動を心静止と区別する心電図上のQRSの数はいくつか。正しいものを1つ選べ。 1. QRS波形が1個/分以上あれば無脈性電気活動とする。 2. QRS波形が2個/分以上あれば無脈性電気活動とする。 3. QRS波形が3個/分以上あれば無脈性電気活動とする。 4. QRS波形 が4個/分以上あれば無脈性電気活動とする。 5. QRS波形が6個/分以上あれば無脈性電気活動とする。
5
11
問題11:胸骨圧迫による循環発生の機序と考えられている説はどれか。2つ選べ。 1. 胸郭ポンプ説 2. 胸壁ポンプ説 3. 胸腔ポンプ説 4. 心筋ポンプ説 5. 心臓ポンプ説
3, 5
12
問題12:胸骨圧迫中の全身循環に関する以下の記述のうち正しいのはどれか。1つ選べ。 1. 胸骨圧迫で生じる心臓からの血流量は、理想的な条件下では正常安静時とほぼ等しい。 2. 心肺蘇生中に心臓から送り出される血液量は肺血流量に等しい。 3. 心肺蘇生中の酸素化の評価にはSpO2の測定が有用である。 4. 心肺蘇生中に薬剤を投与する場合、筋肉内や皮下に投与しても静脈内投与と同等の効果が期待できる。 5. 心肺蘇生中でも上肢に確保した静脈路から薬剤を投与することで、正常時と同様の効果が期待できる。
2
13
問題13:胸骨圧迫中の冠循環、脳循環について正しいものはどれか。2つ選べ。 1. 脳動脈の血流発生の原動力となる脳灌流圧は、大動脈圧-内頸動脈圧であらわされる。 2. 冠動脈の血流発生の原動力となる冠灌流圧は、大動脈圧一右房圧であらわされる。 3. 冠動脈の血流発生の原動力となる冠灌流圧は、大動脈圧-左房圧であらわされる。 4. 胸骨圧迫中の冠灌流は、胸骨圧迫時に生じる。 5. 胸骨圧迫中の脳循環は、胸骨圧迫時に生じる。
2, 5
14
問題14:心肺蘇生中の胸骨圧迫の効果に影響する因子について、正しいものはどれか。2つ選べ。 1. 血管収縮薬により全末梢血管抵抗が増加することで大動脈圧は低下する。 2. 血管収縮薬を投与できれば、胸骨圧迫の質は問われない。 3. 1回換気量や換気回数が増えるほど、平均胸腔内圧は上昇する。 4. BVM換気による胃膨満は胸腔内圧上昇の原因となる。 5. 心肺蘇生中は、肺胞換気量と肺血流量のバランスから 、自己心拍のある時よりも多い換気量を必要する。
3, 4
15
問題15:2番目に虚血による影響を受けやすい臓器はどれか。1つ選べ。 1. 脳 2. 肺 3. 心臓 4. 血管 5. 膵臓
3
16
問題16:医療用 BLSについて正しいのはどれか。1つ選べ。 1. 気道確保は、頸椎損傷が疑われる場合は下顎挙上とし、頭部後屈を加えることは絶対禁忌である。 2. 人工呼吸をする場合、2回目の送気後、呼気(胸が下がる)を待ってから胸骨圧迫を行う。 3. 人工呼吸をする場合、2回の送気のうち1回うまく送気できなかった場合は、3回目の送気を行う。 4. 胸骨圧迫中に手指などに装着したパルスオキシメータが数値を示した場合、それは動脈血の酸素飽和度を示している。 5. 胸骨圧迫中に血管の拍動を触知する場合、血管の拍動の有無や強弱で胸骨圧迫の質を評価することはできない。
5
17
問題17:BVM換気が良好な場合、器具を用いた気道確保実施の優先度が相対的に高くなる心肺停止例はどれか。2つ選べ。 1. 心原性心肺停止 2. 呼吸原性心肺停止 3. 医療機関までの搬送時間が短い 4. 医療機関までの搬送時間が長い。 5. 小児
2, 4
18
問題18:小児・乳児の心肺停止に関する以下の記述のうち正しいのはどれか。2つ選べ。 1. テキストにある平成30年の人口動態統計では、我が国の乳児の死因の第1位は不慮の事故である。 2. 市民によるBLSでは成人と小児を共通のアルゴリズムとしたが、乳児を持つ保護者に対しては、小児により効果的なPBLS を修得することを奨めている。 3. 小児乳児の特徴として心原性心停止が多いことが指摘されている。 4. 小児が救急隊員の目の前で突然の心停止となった場合は呼吸原性心停止を疑って対応する。 5. 小児と成人の区切りは、思春期以前を広く小児とされており、思春期以前とは中学生までの時期をいう。
2, 5
19
問題19:JRC蘇生ガイドライン 2020の医療用 BLS アルゴリズム(別紙)の空欄に適当な語句、数字を入れなさい。
安全, 反応, AED/除細動器, 正常な, 脈拍, 気道, 回復, 10, 頸, 上腕, 死戦期, 強, 約5, 6, 速, 100~120, 絶え間, 中断, 完全な圧迫解除, 30, 2, 約1/3, 15, 2, 胸骨圧迫, 2, 目的の
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46A28 「胸が苦しい、痛い」と呻いていた傷病者が、突然声を発しなくなった。まず行うのはどれか。1つ選べ。 1. 胸骨圧迫 2. 脈拍測定 3. 反応の確認 4. 呼吸の確認 5. AEDの準備
3
21
46B9: 心肺蘇生において2分ごとのリズムチェックを待たずに胸骨圧迫を中止する所見はどれか。1つ選べ。 1. 死戦期呼吸 2. 払いのけ動作 3. 胃内容物の逆流 4. 心電図波形の変化 5. パルスオキシメータの数値の変化
2
22
46B20: 救急蘇生統計において院外心停止の原因として最も多いのはどれか。1つ選べ。 1. 窒息 2. 溺水 3. 心原性 4. 交通事故 5. 脳血管障害
3
23
46D10: 60歳の女性。自宅で卒倒したため、家族が救急要請した。救急隊到着時、傷病者は自宅居室内で仰臥位でおり 家族が見守っていた。傷病者の反応を確認したところ、返答や仕草は認められなかった。この傷病者に行う対応として正しいのはどれか。2つ選べ。 1. 脈拍の確認 2. 直ちに人工呼吸 3. 直ちに胸骨圧迫 4. 直ちに AED 装着 5. 呼吸の有無の確認
1, 5
24
46D17:91歳の男性。餅を食べている際に発声不能となり、家族が救急要請した。救急隊到着時、意識なく頸動脈、 触知せず心肺蘇生を開始した。喉頭展開しマギール鉗子で餅を除去し頸動脈は触知可能となったが、自発呼吸は認めない。心電図モニター波形(別冊 No.5)を示す。直ちに行うべき処置はどれか。1つ選べ。 1. 気管挿管 2. 胸骨圧迫 3. 静脈路確保 4. バッグ バルブ・マスク換気 5. 声門上気道デバイスによる気道の確保
4
25
45A30:新型コロナウイルス感染症流行下において成人に対する市民の一次救命処置として行うのはどれか。1つ選べ。 1. 胸骨圧迫のみ 2. 人工呼吸のみ 3. AED使用のみ 4. 胸骨圧迫とAED使用のみ 5. 胸骨圧迫、人工呼吸およびAED使用
4
26
45A34:心肺蘇生において胸骨圧迫の質が推測できるのはどれか。1つ選べ。 1. SpO2値 2. 口唇の色調 3. 心電図の基線の振幅 4. 鼠径部で触知する血管拍動 5. PETCO2値(呼気終末二酸化炭素分圧)
5
27
45A41:10歳の傷病者に対して救急隊員2名で行う一次救命処置で適切なのはどれか。1つ選べ。 1. 小児用バッドを貼付する。 2. 上腕動脈で脈拍確認を行う。 3. 2本指圧迫法で胸骨圧迫する。 4. 両肩を叩いて反応を確認する。 5. 胸骨圧迫と人工呼吸は30対2で行う。
4
28
45A47:心肺蘇生において、主として胸骨圧迫解除時に血流が発生する臓器はどれか。1つ選べ。 1. 脳 2. 腎臓 3. 心臓 4. 腸管 5. 骨格筋
3
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45A48:心拍再開が困難なのはどれか。2つ選べ。 1. 心静止 2. 無脈性心室頻拍 3. 振幅の大きいい心室細動 4. 頻脈でQRSI幅の狭い無脈性電気活動 5. 徐脈でQRS幅の広い無脈性電気活動
1, 5
30
ボーナス問題1:JRC 蘇生ガイドライン2020の市民用BLS アルゴリズム (別紙)の空欄①~③に適当な語句、数字を入れなさい。 (全て正解すれば10点)
AED, 通信, 普段どおりの
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ボーナス問題2:代表的な心停止の原因病態 (5H)のうち、救急救命士が現場で是正できる可能性が最も高いと思われる病態を書きなさい(英語または日本語で)。(5点)
低酸素症