問題一覧
1
排水の工場内対策に関する記述として、誤っているものはどれか。 ⑴設備を改良して製品の歩留りを向上させることにより、排水の汚濁負荷を減少できる。 ⑵排水の濃度が時間的に変動する場合は、調整槽を設け排水濃度を平均化すれば、排水処理は容易になる。 ⑶重金属を不溶性の物質に変えて水と分離する場合は、濃厚排水を希釈して処理するほうがよい。 ⑷排水量を減少させる手段として、生産プロセス制御の高度化などがあげられる。 ⑸製品の洗浄に向流多段洗浄を採用することで、洗浄用水量を減少させることができる。
⑶
2
無機性の工場排水の処理法の選択に関する記述として、最も不適切なものはどれか。 ⑴浮遊物質を含む場合は静置沈降試験を行い、数時間以内で目標水質が得られれば、普通沈殿法の採用を検討する。 ⑵浮遊物質を含む排水で、普通沈殿法で目標水質が得られない場合は、凝集沈殿処理を検討する。 ⑶浮遊物質を含む排水で、普通沈殿法や凝集沈殿法で目標水質が得られない場合は、活性汚泥処理を検討する。 ⑷浮遊物質を除去しても、有害物質が残留している場合は、pH調整、硫化物添加、酸化、還元などの化学的方法による不溶化や分解を検討する。 ⑸沈殿処理や化学的処理で目標水質が得られない場合は、吸着処理やイオン交換処理を検討する。
⑶
3
水量1200m3/日のSS含有排水を沈殿池(水深3m)で沈降分離する。水面積負荷30m3/(m2・日)で処理する場合、沈殿池の水理学的滞留時間(h)はいくらか。
2.4
4
凝集沈殿装置に関する記述として、誤っているものはどれか。 ⑴水平流形の凝集沈殿装置は、原水と凝集剤を混合するフラッシュミキサー、フロックを成長させる攪拌(かくはん)を行うフロキュレーター、成長したフロックを分離する沈殿池から構成される。 ⑵水平流形の凝集沈殿装置のフロック成長では緩い攪拌を加えるが、粒子濃度が低く、水温が低いときは攪拌時間を短くすることができる。 ⑶接触凝集沈殿装置では、フロック形成の場において既成フロックを懸濁(けんだく)させ、粒子の接触による凝集反応の速度を上げる。 ⑷接触凝集沈殿装置の攪拌方法は、機械攪拌式、水流式及び空気攪拌式などに分類される。 ⑸接触凝集沈殿装置は、水平流形の凝集沈殿装置に比べて、設置面積当たりの処理水量が大きい。
⑵
5
清澄ろ過に関する記述として、正しいものはどれか。 ⑴ろ過抵抗を表すコゼニー-カルマンの式では、清浄ろ層のろ過抵抗はろ過速度に比例する。 ⑵逆流洗浄の効果は、ろ材層を流動化させずにろ材粒子同士を衝突させないときに効果が大きくなる。 ⑶砂の有効径とは、ろ材試料をふるい分けして、全質量の50%が通過するふるい目の大きさに相当する粒子径をいう。 ⑷砂とアンスラサイトを用いて二層ろ過とする場合、砂を上層にアンスラサイトを下層とする。 ⑸マイクロフロック法では、原水に凝集剤を添加せずに直接ろ過池に水を通して処理する。
⑴
6
pH調節による排水中の金属イオン除去に関する記述として、誤っているものはどれか。 ⑴一般に、金属イオンを含む排水にアルカリを加えてpHを上げていくと、水酸化物イオンと反応して水酸化物の沈殿を生じる。 ⑵鉄やマンガンは、高いpHにおいては過剰の水酸化物イオンと反応して金属錯イオンとなって再溶解するので注意が必要である。 ⑶排水処理に用いられるアルカリ剤には、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化カルシウムなどがある。 ⑷Fe2+はpH10程度まで上げないと十分に水酸化物として除去されないが、中和時に空気を吹き込んでFe2+をFe3+にすると、pH4付近でほぼ完全に除去される。 ⑸一般に、金属水酸化物のスラッジは沈降速度が小さく、含水率が高いが、スラッジの一部を中和反応槽に返送することで、沈降濃縮脱水特性を改善する方法がある。
⑵
7
活性炭吸着装置に関する記述として、誤っているものはどれか。 ⑴固定層吸着における圧力式の吸着槽では、鋼板製の圧力容器には、エポキシ系塗料でコーティングするかゴムライニングなどを施す。 ⑵固定層吸着における活性炭層内では微生物が繁殖しやすい。 ⑶固定層吸着においては、破過点に達したら塔内の活性炭を全量取り出して、新炭あるいは再生炭と交換する。 ⑷固定層吸着は移動層吸着に比べ、装置が複雑になる、運転操作が煩雑になる、活性炭の性能劣化が早いなどの欠点がある。 ⑸攪拌槽吸着において、吸着剤の使用量を節減し、処理水の濃度を低くするためには、向流多段吸着が用いられる。
⑷
8
逆浸透膜を用いる多段式の膜分離プロセス(二段)を用いたときのフローとして、適切なものはどれか。ただし、図中の※は膜モジュールの高圧側を、*は膜透過側を表す。
⑴
9
汚泥の焼却及び処分、有効利用に関する記述として、正しいものはどれか。 ⑴焼却の際のダイオキシン類の発生を抑制するためには、適正な焼却温度管理(400℃程度)などに留意する。 ⑵流動焼却炉における下方からの高温ガス送入の空塔速度は、流動媒体の流動化開始速度を超えないように設定する。 ⑶階段式ストーカーでは、高含水率汚泥に対しては予備乾燥が必要となる。 ⑷焼却灰の有効利用方法として、炭化してボイラー用固形燃料や発電用燃料としての利用がある。 ⑸下水汚泥を肥料として取り扱う場合は、鉄、アルミニウムなどの有害成分の許容量に留意する。
⑶
10
汚泥容量指標SVIに関する記述として、最も不適切なものはどれか。 ⑴SVIは、曝気(ばっき)槽内汚泥混合液を1Lのメスシリンダーに入れ、60分間静置して活性汚泥を沈降させた場合に、1gの活性汚泥が占める容積である。 ⑵活性汚泥のSVIが200mL/gを超えると沈殿池で汚泥界面が上昇し、SSが処理水中に流出するおそれがある。 ⑶正常な活性汚泥のSVIは50~150mL/gの範囲にある。 ⑷バルキングの原因にはいろいろあるが、特に炭水化物系の基質(有機物)を多量に含む排水では、糸状性微生物などが異常に増殖して起こる場合が多い。 ⑸SVIはBOD負荷とも密接な関係がある。
⑴
11
BOD容積負荷0.8kgBOD/(m3・日)、BOD汚泥負荷0.4kgBOD/(kgMLSS・日)、BOD除去率95%で運転している活性汚泥処理施設(曝気槽容積10m3)がある。この施設の1日当たりの必要酸素量(kg/日)はいくらか。 ただし、必要酸素量は次式により求めるものとして、a’は0.5、b’は0.1とする。 X = a’Lr + b’Sa ここに、 X:必要酸素量(kg/日) Lr:除去BOD量(kgBOD/日) Sa:曝気槽内汚泥量(kgMLSS) a’:除去BODのうちエネルギー獲得のために利用される酸素の割合 b’:汚泥の内生呼吸に利用される酸素の割合(1/日)
5.8
12
各種活性汚泥法に関する記述として、最も不適切なものはどれか。 ⑴ステップエアレーション法は、流入負荷に応じ曝気量を変え運転する省エネ型の運転方法である。 ⑵オキシデーションディッチ法は、曝気槽が環状で浅く、汚泥混合液は回転ブラシなどの機械曝気装置により曝気と流動が同時に行われ、常に槽内を循環している。 ⑶回分式活性汚泥法は、単一の槽で反応槽と沈殿槽の機能をもたせ、排水の流入、反応、沈殿、処理水の排出を1サイクルとして繰り返し処理を行う方法である。 ⑷酸素活性汚泥法は、通常の空気の代わりに酸素を使用する方法で、酸素分圧が空気に比べ高いことから酸素移動速度を大きくできる。 ⑸ポンプ循環式深層曝気法は、水深を10~15mと深くし、ポンプ循環式曝気装置などと組み合わせ、汚泥濃度を高めて運転する方法である。
⑴
13
生物膜法に関する記述として、誤っているものはどれか。 ⑴散水ろ床法は、除去効率の低さ、ハエや臭気の発生という問題があり、現在、国内での使用例は少ない。 ⑵微生物を支持体に膜状に固定して処理を行うため、バルキングが起きにくい。 ⑶微生物が支持体に固定されているため、活性汚泥法と比較して流入負荷変動に対し抵抗力が強いケースが多い。 ⑷支持体からはく離した汚泥は沈降性がよいため、処理水の透視度が活性汚泥法よりも良好である。 ⑸高負荷運転を行うと、固定床でははく離汚泥により支持体の閉塞が起こりがちであるが、担体添加法では閉塞の心配はない。
⑷
14
嫌気処理において、酢酸(CH3COOH)が全量バイオガス(CH4とCO2の混合気体)になった場合、酢酸60gから生成する20℃、1気圧でのバイオガス量(L)はいくらか。 ただし、20℃、1気圧での気体のモル体積は24Lとする。また、原子量はH=1、C=12、O=16とする。
48
15
各種の嫌気処理装置に関する記述として、誤っているものはどれか。 ⑴イムホフ槽は、消化と沈殿を兼ねた単槽式の処理装置である。 ⑵嫌気ろ床は、付着汚泥及び充塡(じゅうてん)材間隙に捕捉された汚泥を用いる押し出し流れ形の処理装置である。 ⑶嫌気流動床は、粒状担体に付着した汚泥を用いた完全混合形に近い処理装置である。 ⑷上向流式嫌気汚泥床は、自己造粒したグラニュール汚泥による上向流の排水処理装置である。 ⑸二相発酵槽システムは、加水分解や酸生成の反応相とガス生成の反応相を同一槽内で同時に行うメタン発酵システムである。
⑸
16
循環式硝化脱窒素法に関する記述として、最も不適切なものはどれか。 ⑴硝化工程において、アンモニウムイオンを硝酸イオンへ酸化するのに必要な酸素分子数は、アンモニウムイオン数の2倍である。 ⑵アンモニアの硝化工程において水素イオンが生じるが、脱窒素工程において同じモル数の水酸化物イオンが生じるため、プロセス全体としてpH低下は起こらない。 ⑶硝化工程は水温低下の影響を受けやすく、特に15℃以下では硝化能力が大きく低下する。 ⑷脱窒素工程で硝酸呼吸を行う通性嫌気性細菌は、好気条件では酸素呼吸を優先して行う。 ⑸排水中BOD成分を利用して脱窒素反応を起こさせるために、脱窒素槽は硝化槽の前に設置される。
⑵
17
アナモックスプロセスに関する記述として、誤っているものはどれか。 ⑴アナモックス細菌は嫌気性の独立栄養細菌である。 ⑵窒素濃度に対して有機物濃度が低い排水の処理に適している。 ⑶循環式硝化脱窒素法に比べて汚泥発生量が少ない。 ⑷循環式硝化脱窒素法と比較して、曝気動力の削減に有効である。 ⑸アンモニア態窒素と亜硝酸態窒素が反応し、すべての窒素原子は窒素ガスに変換される。
⑸
18
生物的脱りん法では、嫌気条件を経験したポリりん酸蓄積細菌が、引き続く好気条件下で正りん酸を過剰に取り込む現象を利用し、りん含有量の高い余剰汚泥として系外に排出することでりん除去を達成している。 りんを含む有機性排水を生物的脱りん法で処理したとき、処理に伴うりん濃度の低下幅(mg/L)はおよそいくらか。 ただし、正りん酸の過剰取り込み前の活性汚泥中りん含有率を1%、過剰取り込み後の活性汚泥中りん含有率を4%、流入下水1L当たりの余剰汚泥生成量を60mgとする。
2.4
19
工場排水の物理化学前処理装置の維持管理に関する記述として、誤っているものはどれか。 ⑴未処理排水と接触する水中の可動部分は腐食しやすいので、定期的な点検、注油、部品交換などの維持管理が重要である。 ⑵貯留槽で曝気による攪拌を行う場合、後段の活性汚泥曝気槽などとブロワーを共用にすることは経済的であり、運転上の問題も減らすことができる。 ⑶貯留槽で起こりやすい障害は、汚泥の堆積(たいせき)とスカムの発生による有効容量の減少で、水量と水質の均一化が不十分になる。 ⑷貯留槽で排水が嫌気的になると硫化水素が発生し、これがスラブや壁面で酸化されて硫酸になり、コンクリートを腐食する。 ⑸作業のため貯留槽内に入るときは、十分な換気を行い、酸欠や硫化水素による中毒に注意する。
⑵
20
フレーム原子吸光分析装置に関する記述中、下線を付した箇所のうち、誤っているものはどれか。 試料原子化部は、バーナーと(1)中空陰極ランプ で構成される。バーナーには、予混合バーナーと全噴霧バーナーがある。 予混合バーナーでは、(2)助燃ガス によって(3)試料溶液 がチャンバー内に吹き込まれて、燃料ガスと混合され(4)細かい粒子 だけがバーナーヘッドに送られる。その他の粒子は、バーナーには送られず、(5)ドレンチューブ から落下する。
⑴
21
ICP発光分光分析装置に関する記述として、誤っているものはどれか。 ⑴高温の誘導結合プラズマの中に試料を噴霧し、励起された原子から発する個々の波長の発光強度を測定して、試料中の分析対象元素の濃度を求める方法である。 ⑵励起源部は、プラズマを生成・維持するための部分で、電気エネルギーを供給・制御する電源回路及び制御回路からなる。 ⑶試料導入部は、試料を発光部に導入するための部分で、ネブライザー、スプレーチャンバーが含まれる。 ⑷発光部は、試料中の分析対象元素を励起・発光させるためのもので、トーチとタングステンランプとで構成される。 ⑸分光測光部は、発光部から放射された光を効率よく分光部に導く集光系、スペクトル線を分離する分光部及び検出器で構成される。
⑷
22
排水の検定で用いられる流れ分析法に関する記述として、誤っているものはどれか。 ⑴水試料、試薬を細管中に流し、反応操作などを行った後、検出部で分析成分を検出して定量する方法である。 ⑵手分析に比べて測定における省力化が図れ、試薬などの使用量が少ないなどの利点がある。 ⑶フローインジェクション分析(FIA)法と連続流れ分析(CFA)法に大別される。 ⑷CFA法では、細管内の流れが渦流(乱流)となり、試料や試薬がよく混合される。 ⑸CFA法は、細管内の試薬又は試料の流れの中に精製水を導入して分節する。
⑸
23
紫外線吸光光度法による全窒素の測定に関する記述として、誤っているものはどれか。 ⑴試料にペルオキソ二硫酸カリウムのアルカリ性溶液を加えて、高圧蒸気滅菌器中で加熱酸化分解を行う。 ⑵分解終了後、試料溶液のpHを2~3に調整する。 ⑶波長880nmの吸光度を測定して硝酸イオン濃度を求め、窒素濃度に換算する。 ⑷共存有機物の少ない試料に適する。 ⑸海水のように多量の臭化物イオンを含むような試料には適さない。
⑶
24
TOC計に関する記述として、誤っているものはどれか。 ⑴水中の有機物に含まれている炭素を定量するものである。 ⑵COD、BODに比べて短時間で測定値を得ることができる。 ⑶1チャンネル方式では、試料を酸性(pH2以下)とし、パージガスを通気して無機体炭素を除去する。 ⑷2チャンネル方式による測定では、全炭素(TC)から全無機体炭素(TIC)を減じてTOCを得る。 ⑸1チャンネル方式及び2チャンネル方式いずれの方式も、生成した二酸化炭素を隔膜電極法で測定している。
⑸
25
計測機器に関する記述として、誤っているものはどれか。 ⑴電気伝導率の測定は1対の電極に挟まれた溶液の電気伝導度を測定し、電極面積や電極間距離、電極の表面状態から定められる定数(セル定数)から電気伝導率に換算する。 ⑵ORP計の実際の測定では白金電極(金電極なども使用される)と参照電極を試料中に浸し、その間の電位差を測定する。 ⑶溶存酸素電極には、隔膜形ガルバニ電池式及び隔膜形ポーラログラフ式などがある。 ⑷濁度計で用いる標準液は、カオリン標準液のほうがホルマジン標準液より安定性、再現性に優れている。 ⑸pHの測定には、最も簡便で信頼性の高いガラス電極法が広く用いられている。
⑷