問題一覧
1
心臓のポンプ機能が低下するために全身へ十分な血液が送れなくなった状態である。原因疾患として心筋梗塞、心臓弁膜症、心筋症などである。 主な症状は息切れ、呼吸困難で全身にむくみを生じることもある。 治療は血管拡張薬、利尿薬で心臓の負担を取り除き、β遮断薬で心臓を休ませて長持ちさせることであるが急激に悪化し、血圧を保てない状態では強心薬も用いる。重症の場合は死亡率が極めて高く重い病気である。
心不全
2
心筋を養う血管である冠動脈が閉鎖して心筋の虚血(血流が不足する状態)が起こり、心筋が壊死する病気である。締め付けられるような胸痛が特徴。 発祥直後は急性、2ヶ月以降を陳旧姓と呼ぶ。急性期には一刻も早く詰まった冠動脈を開くことが重要でいる。
心筋梗塞
3
心臓の筋肉を養う血管(冠動脈)が狭くなり心筋の一時的な虚血が起こった結果、締め付けられるような胸痛が起こる病気。 通常20分以内に虚血状態は改善し、胸痛は治まる。ニトログリセリンの舌下適応が発作を治めるのに有効である。
狭心症
4
心臓にある4つの弁(大動脈弁、僧帽弁、肺動脈弁、三尖弁)の弁または弁支持組織の異常により弁狭窄や弁閉鎖不全を生じた状態。 心不全や感染性心内膜炎の原因となる。
心臓弁膜症
5
出生時の頻度は約1%で成人では約0.2%とされる。出生時は心室中隔欠損の頻度が最も高い。成人では心房中隔欠損が最多である。次いで心室中隔欠損、動脈管開存症である。
先天性心疾患
6
心臓の内側を覆う弁膜や心内膜、大血管内膜に細菌などが感染し、細菌集簇を含む疣腫を形成し菌血症、血管塞栓、心障害など多彩な臨床症状を呈する重篤な疾患である。 本症は歯科手技による菌血症によって引き起こされることが多い。ハイリスク患者は心疾患があり、心内膜に損傷がある者。症状は長く続き、発熱、全身倦怠感、関節痛など長引く風邪に似た症状。
感染性心内膜炎
7
脈が不整(乱れる)になること。脈拍が不規則でなくても極端に遅い、速いものもある。直ちに死につながるもの(致死性〇〇○)から放置していいものもあるが、歯科診療においては危険なものか否かを判断すること。心室細動か起こったら一次救命処置と電気的除細動をしなければならない。心室細動では患者が抗凝固薬や抗血小板薬を服用しており出血しやすい。
不整脈
8
心臓はポンプのように収縮や拡張をし、血液を全身に送り出す。血液が血管の壁を押す圧力である。心臓が収縮した時を収縮期(最高、上の)、拡張した時を拡張期(最低、下の)という。 収縮期140mmHgまたは拡張期90mmHgの状態である。
高血圧
9
アレルギー性の慢性炎症が気道に起こることで気道が狭窄し、呼吸するとヒューヒュー、ゼーゼーという喘鳴を伴う呼吸困難発作を生じる。3つの特徴は気道の慢性炎症、気道の過敏症、可逆的な気道閉塞である。咳、痰も出るのでひどい発作では横になれず重症になると意識消失が起こる。年間死亡者数は2000-3000人である。
気管支喘息
10
有害な粒子やガスの吸入によって起こった肺の炎症の結果、進行性の気流障害を起こす病気である。肺気腫と慢性気管支炎が混合する。喫煙の影響が大きい。 患者の多くは高齢の男性で主な症状は慢性の咳、痰や労作時の息切れである。
慢性閉塞性肺疾患
11
ウイルス、細菌などの病原微生物の感染によって起こる肺実質の炎症である。 発熱および咳、痰、胸痛、呼吸困難などの呼吸器症状、胸部X線の陰影ら白血球増多とCRP上昇などで診断する。細菌性では抗菌薬により治療する。
肺炎
12
下肢や骨盤内の静脈内で剥がれた血栓が血流で運ばれ、肺に引っかかり血流が阻害され、低心拍出量(ショック)や低酸素状態となる病気。
肺血栓塞栓症
13
睡眠中に頻繁に呼吸が停止し、睡眠が浅くなるため昼間に眠気を催す疾患。
睡眠時無呼吸症候群
14
過換気が原因で呼吸困難や手足のしびれなどの症状がある症候群である。一般的に若い女性に多いとされるが男女共に高齢者にも見られる。
過換気症候群
15
結核菌(mycobacterium tuberculosis)による肺の感染症である。排菌する患者の咳、くしゃみで結核菌が空気中に浮遊し飛沫感染を起こす。
肺結核
16
胃液中の塩酸、ペプシンなどの攻撃因子と粘液、粘膜抵抗、粘膜血流、プロスタグランジンなどの防御因子とのバランスが崩壊し、胃壁に組織欠損を生じる病変である。 発症にはピロリ菌、ストレス、アルコール、NSAIDs(非ステロイド薬)も攻撃因子として関与する。
胃炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍
17
胃液が食道内がへ逆流することによる症候群のひとつ。 症状は胸焼け、ゲップ、嚥下困難、びらん、潰瘍による胸痛、吐血などがある。
逆流性食道炎
18
主な原因は生鮮食品、経口感染によって起こる感染性。 症状は全身倦怠感、食欲不振、発熱、黄疸などがある。 潜伏期間は2-6週間である。
A型肝炎ウイルス
19
主な原因は針刺し事故、性行為 感染経路は血液感染、母子感染 症状は全身倦怠感、食欲不振、発熱、黄疸などである。 潜伏期間は1-6ヶ月である。
B型肝炎ウイルス
20
主な原因は1992年以前の輸血歴、非加熱性血液凝固因子製剤使用者、薬物乱用者 感染経路は血液感染、又は経路不明 症状は軽度なことが多い 潜伏期間は6-12週である。
C型肝炎ウイルス
21
主な原因は肝炎ウイルス、アルコール、自己免疫疾患など。肝炎ウイルスによるものが80%を占め、その内C型肝炎ウイルスによるものが約80%、B型肝炎ウイルスによるものが15%である。
肝硬変
22
インスリンの分泌量が減ったり、働きが悪くなること(インスリン(抵抗性)の低下)で慢性の高血糖状態となる病気。 大きく分けて1型と2型がある。
糖尿病
23
発症年齢は小児〜思春期に多い 原因は自己免疫性 膵β細胞の状態は破壊 インスリン分泌は絶対的不足 インスリン投与は必須 治療はインスリン注射、食事療法、運動療法
1型糖尿病
24
発症年齢は40歳以上に多い 原因は過食、運動不足、肥満、ストレス 膵β細胞は疲弊 インスリン分泌は低下、インスリンに対する感受性の低下 インスリン投与は必要なこともある 治療は食事療法、運動療法、経口糖尿病薬またはインスリン療法
2型糖尿病
25
喉が渇く 手足のしびれ 足の指の色が変わってきた 痩せてきた 疲れやすい 目が霞む 歯周病がある これらの症状の病気は何か?
糖尿病
26
骨破壊(骨吸収)が骨形成を上回り、骨の量が減って、骨の内部がスカスカで隙間だらけになる病気である。 原因はカルシウム摂取が少ない、運動不足、女性ホルモン(エストロゲン)の減少、最大骨量が少ない、薬物(副腎皮質、ステロイド薬)などである。 治療の目的は骨折を予防すること、高齢者が寝たきりになるのを防ぐことにある。治療法は主に運動療法、食事療法、薬物療法である。 薬物療法のうち、歯科診療で問題となるのは、ビスホスホネート(BP)製剤である。BP製剤適用時に侵襲的歯科治療を行うと、顎骨壊死を起こすことがある。
骨粗鬆症
27
血液中に溶けている脂質の量が異常な状態のこと。特にコレステロールやトリグリセリドが増加した状態を高脂血症と言う。
脂質異常症
28
血中の尿酸値が7.0mg/dL以上の状態を指す。
高尿酸血症
29
甲状腺機能亢進症の原因疾患であり、甲状腺ホルモンの合成過剰により、全身の代謝が亢進した状態を生じる。症状は、びまん性甲状腺腫、眼球突出、動悸、頻脈など。
バセドウ病
30
ビタミンA欠乏症
夜盲症
31
ビタミンB1欠乏症
脚気
32
ビタミンB2,B6欠乏症
口角炎、舌炎、口内炎
33
ビタミンC欠乏症
壊血病
34
ビタミンK欠乏症
血液凝固異常
35
ビタミンD欠乏症
骨軟化症、くる病、骨発育障害
36
ビタミンD過剰症
高カルシウム血症、高カルシウム尿症
37
血液中のヘモグロビンの濃度が低下すること、血中のヘモグロビンが不足すると、末梢臓器に運ばれる酸素の量が低下し、これを補うために脈拍数が増加する。その結果、息切れ、動悸、めまい、立ちくらみ、疲れやすい、顔面蒼白、真っ白な眼瞼結膜、頻脈が現れる。
貧血
38
ヘモグロビンの材料である鉄が不足し、赤血球を作れない。 鉄不足の原因は経口摂取不足や慢性出血などである。 症状はさじ状爪、舌乳頭萎縮、プランマー・ビンソン症候群など。 治療はヘム鉄を多く含む食べ物を取る、鉄剤の経口投与。 小球性、低色素性
鉄欠乏性貧血
39
ビタミンB12や葉酸の不足により赤血球のDNA合成に異常をきたし分化(赤血球の成長)が阻害される 症状は舌痛(ハンター舌炎) 大球性(未熟な赤血球が大きくなること)
巨赤芽球性貧血 悪性貧血を含む
40
骨髄系幹細胞の発育不良が原因で赤血球、白血球、血小板の全てが減少し汎血球減少症となる。(骨髄の異常により起こるのですべての細胞が減る)
再生不良性貧血
41
赤血球に対する抗体ができて、赤血球が血管内で溶けて、壊れたり脾臓で細くされて壊れたりする。(自己免疫の異常による)
溶血性貧血
42
基礎疾患が原因で貧血が生じること
二次性貧血
43
正常では出血しない程度の軽い刺激や刺激がない状態で出血すること(閾値の低下) また、血管損傷や手術で過剰に出血することである(量や持続時間の増加)。出血傾向、止血異常とも呼ばれる。
出血性素因
44
骨髄中で造血幹細胞や前駆細胞などの未熟な白血球が自律的に増殖し、血液骨髄その他の臓器に浸潤する腫瘍性疾患である。 血液のがんとも呼ばれる。骨髄が白血球細胞に占拠されることで、正常な赤血球、白血球、血小板は作られなくなり、その結果、貧血、易感染性、出血傾向などの症状が出現する。 増殖する白血病細胞の由来により骨髄性とリンパ性に分類され、それぞれ急性と慢性に分けられる。
白血病
45
本来は体を守る働きをするリンパ球がリンパ組織内で悪性化し無制限に増殖する悪性腫瘍。多くは、放射線や抗癌薬に対し弱く比較的治りやすい。 ホジキンと非ホジキンに分けられる。 治療によりコントロールされている場合には歯科治療が可能。ただし、予後不良な症例では、複雑な補綴治療は適用できない場合がある。歯科治療に際しては出血、感染、創生治癒の遅れに注意する。
悪性リンパ腫
46
Bリンパ球の分化過程の最終段階にある形質細胞が腫瘍性に増殖する疾患で形質細胞腫とも言われる。腫瘍化した形質細胞が作る単クローン性の免疫グロブリンの出現、骨の病変による病的な骨折などを示す。 観血的歯科処置は出血傾向、易感染性に留意する。南部組織の腫瘍や骨病変、巨舌など軟部組織のアミロイド沈着、原因のない歯の同様などの口腔内症状を示す。X線検査にて骨溶解所見(抜き打ち像)を認めることがある。
多発性骨髄腫
47
脳を養う血管の閉塞、虚血による脳の壊死である。麻痺や言語障害などの後遺症が残る。 一過性脳虚血発作は脳血管が狭くなったり詰まって起こる。局所神経症状か短時間続く発作である。引き続き○○○を発症することが多い。緊急疾患のため直ちに専門医を受診する必要がある。 脳出血は脳実質内への出血であり、高血圧が原因であることが多い。
脳梗塞
48
多くは脳動脈瘤が破裂して、脳表面を包むくも膜の下に出血するものである。脳実質内の出血ではない。急激な激しい頭痛、嘔吐、吐き気、意識消失を生じる。破裂した動脈瘤をクリップで挟んで出血し治療する。
くも膜下出血
49
振戦、固縮、無動、姿勢保持障害が起こる病気は何か。 患者はホール・ヤーンの重症度分類により1-5度に分けられる。 MAO阻害薬を服用中の患者はアドレナリン含有局所麻酔の使用に注意する。 治療薬の中には、ジスキネジア(不随意運動)やドライマウスを起こすものがある。
パーキンソン病
50
甲状腺に自己免疫疾患による慢性の炎症が起きたもので、慢性甲状腺炎とも言う。甲状腺機能低下症の原因疾患であり、症状は、巨大舌、嗄声、徐脈など。
橋本病
51
高尿酸結晶が原因で尿酸結晶が析出し、急性関節炎を起こす疾患。尿酸は拡散を構成する。プリン塩基に由来する代謝最終産物である。
痛風