輸血後に必ず行う検査である。

輸血による重篤な免疫性溶血性輸血反応を防止するのが目的である。

ABO血液型不適合や臨床的意義がある不規則抗体を検出できる方法で行う。

検体はABO血液型検査用検体とは別の時点で採血されたもので実施する。

主試験は受血者血球と供血者血清(血漿)の組合せである。

副試験は受血者血清(血漿)と供血者血球の組合せである。

主試験とは受血者血清(血漿)中に供血者血球に対する抗体が存在するかどうか検査する。

生理食塩法でABO不適合は検出できない。

Rh(D)による不適合を回避できる。

患者血清は不活性化しないで用いる。

血清1滴と3-5%の血球2滴の比率がよい。

生理食塩液法の凝集は臨床的にも重要である。

間接抗グロブリン試験で実施する。

主試験が凝集した場合は供血者の不規則抗体を疑う。

主試験に凝集認められれば輸血してはならない。

適合供血者から2回目の輸血時にも実施すべきである。

供血者がO型で受血者がA型の場合、主試験は陽性で副試験は陰性となる。

同じ血液型であれば受血者の不規則抗体検査は省略できる。

受血者検体は輸血予定3日以内に採血した検体を用いる。

主試験が陽性のとき、受血者の不規則抗体スクリーニングが陰性であれば輸血は可能である。

主試験が陰性の時、受血者のスクリーニングが陽性であっても輸血は可能である。

供血者検体は不規則抗体スクリーニングは行わなくてよい。

頻回に輸血する場合、その都度に採血した検体で実施する。

低イオン強度溶液(LISS)法を用いると加温時間を短縮できる。

溶血反応は陰性と判断する。

日赤の血液製剤を用いる場合、主試験の省略ができる。

患者が不規則抗体を保有していれば陰性となることはない。

抗Eを保有する患者にはE抗原陽性の赤血球を選択する。

輸血歴がなければ省略できる。