クレアチニンは腎糸球体濾過量（GFR）の代表的指標として頻用されている

イヌリンクリアランスを測定したデータを収集して推定式を作成したものがeGFRである。

現在小児用のeGFR計算式は利用できるものはない。

黄疸とは血中のビリルビンが多く、皮膚や眼球結膜が黄褐色を呈した状態をいう。

ビリルビンは赤血球内のヘモグロビンが脾臓で代謝された産物である。

間接ビリルビンはアルブミンとともに肝臓に運ばれ硫酸抱合されて直接ビリルビンとなる。

糖尿病の基準として空腹時の血糖値が指標の1つとなる。

血糖値コントロールの長期指標としてHbA1cは最も使用されている指標である。

HbA1cとは、血糖値が高い場合に、ブドウ糖と結合した赤血球中のヘモグロビンのことで、採血時の血糖値の指標として有用である。

1,5-AGは数日の血糖値を反映する。

脂質は通常状態では血液に溶けず蛋白質（アポ蛋白）と結合しミセルのような状態でリポ蛋白として血液中に存在している。

食後採血の血清をみると白く濁っており、コレステロールの増加を目でみることができる。

HDLーコレステロールは、量が多い方が心血管病変のリスクファクターとなる。

脂質異常症は、従来から用いられてきた高脂血症という用語のよび代えである。

HDL-Cは食事によるTC増加の影響を受けず、TCとnon HDL-Cから容易に計算できる優れた動脈硬化リスクファクターの一つである。

Kが高いと不整脈が現れ最終的には心停止に至る。

アルブミンは血清中で最も少ない蛋白質である。

CRPは代表的な炎症マーカーであり、炎症に伴って産生される急性相反応物質の1つである。

血中薬物濃度測定において、トラフ値とは薬物投与後の血中濃度である

AST、ALTの測定はJSCC標準化対応法の試薬が多く採用されている。

現在、HDLーCの測定は直接法（ホモジニアス法）が主流となっている。

HbA1cの測定はHPLC法、免疫法、酵素法が広く普及している。

内部精度管理とは同一の試料を日々測定し、同様の値が出ることを保証するものである。

外部精度管理はコントロールサーベイともよばれる。

免疫血清学的検査は抗原検査と抗体検査に分けられる。

免疫血清検査項目は全て標準品がある。

最近では、免疫血清検査と生化学検査を同じ機種で測定されることが多くなってきている。

腫瘍マーカーは、腫瘍が産生し、主に血液中で濃度が上昇するものである。

腫瘍マーカーは、臓器特異性が高い。

多くの腫瘍マーカーはがんだけで上昇し、良性疾患では陽性とならない。

腫瘍マーカーの濃度はng/mLオーダーと微量のため、化学発光などを応用した高感度免疫測定法で測定されている

肝がんではAFPとPIVKA-IIの両方が必ず陽性となるため同時測定は保険診療で認められていない

CA19-9はルイス血液型陰性者では上昇しないため、その場合は、PIVKA-II の測定が勧められる。

卵巣がんのうち漿液性嚢胞腺がんの腫瘍マーカーはCA125である。

ホルモンは微量であるため、高感度測定を必要とする。

原発性甲状腺機能低下症では、TSHが上昇し、FT3、FT4が低下する。

血漿コルチゾールは朝に低くなる日内変動を示す。

血中ヒト絨毛性ゴナドトロピン（hCG）は妊娠判定の定性検査として主にイムノクロマト法で測定されている。

免疫阻害法によるCK-MB活性測定は、トロポニンを上回る臨床的意義がないことに加え、異常CKの影響を受けるという理由で保険収載から外れた

脳性ナトリウム利尿ペプチド（BNP）は心室にストレスがかかると血中濃度が低下し、心不全の重症度とよく相関する。

BNP、NT-proBNPとも心不全の重症度とよく相関する

感染症の原因病原体の診断は、病原体を抗原として、または核酸として検出することが原則であるが、迅速性が求められない場合は当該病原体を分離培養する方法がとられる。

抗体は感染後すぐに上昇するので、急性感染症の診断にも有用である

ウイルス感染症の診断ではIgM型の抗体が初感染で原則として陽性となるので、免疫グロブリンのクラス別の動きを確認することで、単一血清での診断も可能となる。

抗体の検出は、過去に感染したかどうかの確認には適していない。

梅毒検査は、一般的に非トレポネーマ脂質抗体検査と梅毒トレポネーマ抗体検査を組み合わせて判定する

A群β溶血性レンサ球菌の感染検査には菌体毒素ストレプトリジンOに対する抗体RF を測定する

マイコプラズマは培養が困難である。

ツベルクリン反応はBCG接種の既往と新しい感染との区別が可能である。

IgG型A型肝炎ウイルス抗体は感染既往を表し、我が国においては、高齢者も含めてほぼ陰性である。

C型肝炎の感染をスクリーニングする際はHBsAgを確認する。

E型肝炎は豚肉の生食で感染する。

ヒト免疫不全ウイルス（HIV）は、成人T細胞白血病の原因となる

抗CCP抗体は変性IgGに結合する免疫グロブリンである

関節内で産生され、軟骨破壊を起こす酵素をMMP-3といい、関節破壊を予知するマーカーである

抗核抗体は、個々の成分に対する抗体の検査の前にスクリーニングとして、スライドに貼り付けた細胞を抗原とした間接蛍光抗体法で検出される。

ポリクローナル抗体とは、マウスに免疫しその脾細胞と培養骨髄細胞を融合して作られた、単一の免疫グロブリンによるものである。

モノクローナル抗体は抗原との結合が1対1であるため、免疫沈降法に適している。

血清などの試料をサンプリングし、試薬と反応させた後、そのまま測光するような方法をヘテロジニアス測定とよぶ。

免疫測定法において、抗原抗体反応後に反応に関与しなかった抗原や抗体を洗浄除去し、反応物の測定を行うものをホモジニアス法とよぶ。

ヘテロジニアス法は、反応が単純で時間を要しない利点がある反面、血清の濁りなど試料に由来する要因に影響されやすい欠点がある。

血液型抗原のように、細胞上の抗原を利用して抗原抗体反応を行い、その凝集を観察する方法を直接凝集法とよぶ。

可溶性抗原を人工粒子に結合させて、抗原抗体反応を行い、粒子の凝集を観察する方法を間接（受身）凝集法とよぶ。

受身粒子凝集法は抗原の検出に、逆受身粒子凝集法は抗体の検出に利用される。

免疫複合体による凝集に光をあて、前方に散乱する光強度を計測する方法を免疫比濁法とよぶ。

免疫複合体を濁りと考え、当てた光が減衰することを計測する方法を免疫比ろう法（ネフェロメトリー）とよぶ。

標識免疫測定法とは、抗原、抗体のどちらかに標識物質を結合させ、抗原抗体反応の結果を、その標識物質を検出することで定量化するものである。

ラジオイムノアッセイは、操作性、安全性に優れ、どのような施設においても実施できるメリットがある。

標識免疫測定法における標識法のうち放射性同位元素を標識するものをラジオイムノアッセイ（RIA）、酵素を標識するものを酵素免疫測定法（EIA）という

標識免疫測定法として、標識物質に蛍光色素を用いるFIAや化学発光物質を用いるCLIAがある。

標識免疫測定法のなかには、その特徴として、ルテニウム誘導体を標識し、電場で酸化することにより、発光シグナルを得るECLIAというものもある。

標識免疫測定における抗原測定系のうち、原則2種類の抗体を用い、測定対象抗原をサンドイッチすることで測定する方法は競合法である。

標識免疫測定における競合法、非競合法のうち、甲状腺ホルモンなど低分子抗原の検出に適したものは競合法である。

競合法の検量線は測定抗原の量に比例した測定結果となるが、非競合法の検量線は反比例曲線に近い形となる。

イムノクロマトグラフィは肉眼判定による定性法として、診察室やベッドサイドで迅速に施行できる方法であり、高感度化が図られた試薬である。

イムノクロマトグラフィを用いたものに、感染症関連項目、急性心筋梗塞マーカーなどの検出キットがある。

LOCIはヘテロジニアス法である。

分析機器を用いた免疫測定法では、測定時間が約10分～30分と、院内での迅速検査や診療前検査に対応可能なものもある。

免疫測定法においては、時に非特異反応が起こり、測定値に影響が出る場合がある。

HAMAとはマウス抗ヒト免疫グロブリン抗体であり、マウス由来の免疫測定系で非特異反応をおこす。

高値検体を測定後、その検体のごく一部でも次の検体に持ち込まれると、次の検体の成績が高値になる現象をキャリーオーバーとよぶ。

抗原抗体反応において抗原あるいは抗体のどちらかが過剰になり、複合体の形成がうまくいかず、結果として測定値が低くなってしまう現象を地帯現象（プロゾーン現象）とよぶ。

免疫血清検査の同時再現性は、機械化・自動化の導入により、検量線の適切な部分での測定域ではCVは2%以下である。

抗原測定系では、均一か不均一に近い血漿蛋白であっても異なる試薬を使用すると差は大きい。

CA19-9抗原のように測定対象が不均一で、使用する抗体による反応性にも統一性がないものは根本的に値をそろえるのが困難で試薬間差が大きい

標準化が困難な場合に、多くの測定系（試薬）での測定値を平均的なものあるいは妥当なものに揃えるハーモナイゼーションが行われることがあり、ごく最近ではACTHに応用された。

臨床検査における微生物検査は、種々の材料に存在するすべての微生物を培養などの手法を駆使して分離し、検出、同定することが目的である。

微生物検査における検体採取は、発症後抗生物質を投与した後に行う。

肺炎や気管支炎を疑う場合の検査材料として喀痰が用いられる。菌を確実につかまえるため含嗽(うがい)をしてはならない

入院時に喀痰を検査材料とする場合、就寝直前が良質の痰が得られやすい

血液培養では発熱時の採取だけでなく敗血症を疑う場合でも好気培養だけを行う。

髄膜炎を疑う場合は、髄液穿刺を行う。髄液は滅菌容器に採取し、ただちに冷蔵保存する。

血液培養ボトルの輸送においては、可及的速やかに、できれば2時間以内にインキュベータに入れる必要がある。

微生物検査において採取した検体は菌が死滅しないように直ちに冷凍保存するすることが一般的である。

ウイルス感染の患者血清を用いた免疫学的検査において、感染初期にはIgM抗体陽性の場合が多く、急性期の診断ではIgG抗体陽性あるいは抗原検査陽性がみられる。

細菌の細胞壁におけるペプチドグリカン層が厚い場合は、濃い紫色（グラム陽性）に、層が薄い場合は赤色（グラム陰性）に染色する。

グラム染色性により菌を推定するには、グラム陽性か陰性、球菌か桿菌の4種類の分類が基本である。

塗抹鏡検検査としてのグラム染色からは、グラム陽性・陰性・球菌・桿菌の情報が得られ、炎症の所見まではわからない。

グラム染色により白血球を多く認め、炎症所見があるが、菌が見えない場合はウイルスの可能性が高い。

創傷や痰などから鏡検により検出された菌は起炎菌である